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訪中報告(Ⅰ)— 北京での要人会談


 8月27日から9月1日まで、5年ぶりに中国を訪問。前半の3日間は、北京で要人との会談を重ねました。
 
 まず、超党派の日中議連(二階会長)の副会長として、中国でNo.3の趙楽際全人代委員長、王毅外事工作委員会弁公室主任・外交部長、劉建超中国対外連絡部長などとの会談に参加。
 日程がほぼ重なってしまったのですが、立憲民主党訪中団団長として、石泰峰中央統一戦線工作部長、劉対外連絡部長と会談しました。
 
 いずれの会談でも直前に行われた中国軍航空機の領空侵犯、反スパイ法による日本人拘束、短期滞在ビザの免除、アルプス処理水放出に伴う水産物輸入禁止、牛肉その他の農産物に対する輸入制限などの個別問題について、つっこんだやり取りが行われました。

 私はいずれの会談でも、中国側の説明に対して必ず発言したのですが、例えば反スパイ法違反を理由とする日本人拘束について、今後裁判が行われるのであれば、具体的に何が法令違反の行為だったのか、根拠が明確にならないと安心してビジネスすることができないとの経済界からの声を紹介したところ、法違反の内容について、今後説明することになるとの反応でした。

 気になったのは、私が今まで承知していなかった2つの指摘です。いずれも複数の要人から発言がありました。
 1つは、いままで白書や総理発言で繰り返されてきた、「中国は日本にとって最大の戦略的挑戦」という表現に対して、これまで日中間で確認された4つの文書に反しているとの指摘。私からは、中国の最近の行動や軍事的能力増に対して日本の認識を述べたもので、日中共同声明(1972年)にもあるように、両国いずれもアジア太平洋地域において覇権を求めないことが大切だと指摘しました。
 いま一つは、「台湾有事は日本の有事」との安倍さんなど一部の政治家の発言に対し、台湾問題は中国の国内問題であり、不適切な発言であるとの指摘です。私からは、台湾有事イコール日本有事とするのはあまりにも短絡的であり、私は従来から賛成していないと述べた上で、台湾には多くの日本人が滞在し、多額の投資もなされており、中国の台湾に対する武力行使がなされることには反対である。日本としても、台湾海峡の平和と安定に重大な関心を持っていると指摘しました。
 
 様々な、ときには緊迫したやりとりがなされましたが、それにもかかわらず双方で共有したのは、日中関係をより深めること、人的往来をより活発にすることの重要性の確認です。
 ここ数年、コロナの影響もあり、日中間の人の交流が少なくなっています。私自身、若いころから信頼関係を築いてきた李克強前首相や汪洋前副首相などに代わる、現在の有力政治家との関係は築くことができていません。

 今回、立憲民主党と中国共産党対外連絡部との間で覚書に署名し、定期的な交流を行っていくことを確認しました。若手・中堅議員の交流を促進するとともに、私自身 もこれからも訪中を重ね、信頼関係を再構築することの重要さを改めて深く認識しました。日中関係が危機的事態を迎えた時、最も重要なのは、リーダー間に確かな信頼関係が存在するかどうかだと思うからです。



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