外国参政権――多文化共生、多様な価値観の社会へ
今日は永住外国人の地方参政権の問題についてお話ししたいと思います。
この問題については、党の中に有志の議員で議員連盟をつくり、私が会長、参議院議員の川上義博さんが事務局長ということで、議論を重ねて参りました。
そして今日、最終的に議連としての結論が出ました。
これはもちろん、議連ですので、党としての結論ではありません。この結論を党に持って行って、党の中で正式にきちんと議論してもらい、私たちとしては早く法案を国会に出すことを期待しているところです。
私たちの結論ですが、永住外国人には「特別永住者」と「一般永住者」の2つがあります。そのいずれに対しても、地方の首長と議員に対する選挙権を認めるべきだというものです。
特別永住者というのは、戦前、日本の植民地であった地域出身の方々で、サンフランシスコ平和条約で日本国籍をなくされた方、そして、いま日本に住んでおられる方が対象です。主として、朝鮮半島出身の在日韓国人といわれる方々がその対象となります。
なお、日本と国交のない国は除くということですので、自ら必要ないと朝鮮総連が言っていることもあり、北朝鮮の方は今回除くことになりました。
一般永住者というのは、法務省によって永住の許可を与えられた方々で、その大半はブラジルやペルーといった日系人の方々、そして、中国人の方々。そういった方々に法務省が永住許可を与えています。
そういった特別永住者と一般永住者のいずれも対象とするということです。
その基本的な考え方は、「多文化共生」あるいは「多様な価値観を認める」という考え方です。これは、民主党にとって根幹の考え方だと私は思いますが、そういう考え方に立って、地域でともに生活をしている人たちに対して、政治の面でも一定の権利を認めるということです。
ただし認めるのは、地方議員および首長選挙の選挙権(投票権)であって、首長や議員になることは認められません。それから、国政選挙に関しても認めないということにしています。
そして、民生委員になったり、直接請求権を行使したりということについても、現時点では認めない。それはこれからの検討課題だということにしているわけです。
そして、この特別永住者と一般永住者について、一方で国籍取得を認めやすくすれば、それでいいのではないかと、特に特別永住者についてですが、そういう議論があります。
国籍を認めやすくするということも重要なことですが、しかし、国籍は残したままで政治参加したい、そういう選択肢もきちんと認めるべきだ。それが、多様な生き方を認めるという民主党の基本的な考え方に沿ったものである。私たちはそう考えて、今回この結論に至ったわけです。
途中では様々な議論もありました。しかし、私はこの結論が最善のものであると確信しています。
何よりも民主党が結党のときの「基本政策」で、そのとき私はその基本政策策定に関わった者ですが、すでにそのことを明記し、国会にかつて永住者に対して参政権を認めるべきだという法案も出している。その経緯も尊重されなければならないと考えています。
国会では、公明党が同趣旨の法案を、ちょっと違うところはありますが、出しています。これから公明党はじめ、自民党も含めて、与党の皆さんとよく話し合って、是非実現をしたい。
まずその前に、党の中でしっかりと意見を集約してもらいたいと思っています。
*「永住外国人への地方選挙権付与に関する提言」はこちら
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