議員有志と年金改革案を発表――今後党派を超えて議論を
今日は、年金制度の抜本改革案についてお話をしたいと思います。
年金制度については、私が民主党の代表を務めていたときに、時の小泉総理から、「こういう問題は超党派で改革論議をしよう」と、党首討論で何度か言われました。
私自身もそう考えていましたが、小泉さんが本気で言っているかというのは、政局の中で言っているのではないかという議論もありましたから、一定のたがをはめて、自民党と民主党だけではなくて、国会の場でオープンに、しかも、2005年の秋までに結論を、骨格をつくるということを小泉さんにきちんと約束させたうえで、国会に年金と社会保障制度に関する協議会(年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議)をつくり、議論をしたという経緯がありました。
私としては、まさしく、こういった息の長い、国民生活を根本的に左右するような重要な制度については、政権が変わったから制度もころころ変えるというのではなくて、しっかり骨太の議論を国会で行なうべきだと考え、これは政党間であまり争いの種にするよりは、きちんと国民のほうを向いて協議し、合意に達するべきだと考えて、そういう議論の場を設置したわけです。
ただ、極めて残念なことですが、そして、私はいまだに小泉さんに対してこの点については強い怒りを感じていますけれども、結局、協議は開始したものの、いざ開始してみると、現行制度「100年安心プラン」、これが一番いいんだと考える人たちが、自民党からの委員として名を連ね、議論は一向に進展しなかった。
そして、秋までに抜本改革の骨格の成案を得るという約束、その前の9月に突然の郵政解散・総選挙で、この話は全く空中分解してしまいました。そして、総選挙が終わったあと、小泉さんから年金制度についてきちんと議論しようという話は、全くありませんでした。
こういった経緯がありましたが、今年になって、自民党の野田毅先生、あるいは河野太郎さんとか、亀井善太郎さんとか、そういった議員の皆さんが、従来の私たち民主党の考え方にかなり近い、つまり、最低保障年金(基礎年金)の部分については税方式でという考え方を発表され、自民党の中でも結構賛同者がいるということがわかりました。
そういったことを踏まえて、今年の6月から、民主党側からは、私と枝野幸男さんと古川元久さんと大串博志さん、そして自民党側からは先ほど言ったような皆さんに参加をしていただいて、有識者も含めてこの12月まで議論を重ねて、今回合意に至ったということで、記者発表させていただきました。
基本的に、民主党の従来からの考え方(一元化、税方式化など)をベースにしながら、それを具体的にさらに掘り下げたと言えると思います。この年金制度の抜本改革案、私たちはこの制度に非常に自信を持っています。
いま申し上げたこと以外にもう1つの大きな特徴は、過去債務、これは将来の世代に負担になる、すでに約束してしまった、ある意味での保険料の裏づけのない、積立金の裏づけのない、約束した支払い、純債務、これをきちんと解決するということを同時に主張しています。実はこの点を最も議論をいたしました。
270兆円の純債務を別勘定にして、これはこれできちんと返していく、そして同時に、年金制度については、できれば20年くらいで、つまり、あまり長くの時間をかけずに新しい制度に完全に移行していく。1階部分は税で、そして、2階部分は積立方式で、こういった具体案を作りました。
これから党の中でも議論を大いにしていきたいと思いますし、いろんなメディアや連合や、あるいは経済同友会や経団連といったところにもご説明をして、これが1つの我が国の年金改革のたたき台と言いますか、骨格になっていけばいいなと感じているところです。
なお、記者会見を今日したわけですけれども、いろんな人がこれは政界再編とどういう関係にあるのかという、極めてつまらない質問をしました。それとは全く関係ありません。
自民党も民主党もこの案について、多くの方が賛同をいただけるということであれば、それを党の政策にして、そして、与野党が一緒になって年金改革をやっていけばいい。それが私の思い描いていることで、政局的なつまらない思惑は排して、国民の立場に立ってしっかりと議論していきたいと思っています。
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※超党派による年金制度改革に関する提言「いまこそ、年金制度の抜本改革を。」は岡田かつやホームページに掲載しています。下記のファイルからご覧いただけます。
https://www.katsuya.net/upload/pdf/nenkinseidokaikaku.pdf
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