この経済危機をいかに乗り切るかで日本の存在感が決まる
先日、アジア歴訪の報告をしましたが、今日も私が訪れたベトナム、シンガポール、インドネシアの件で少しお話をしたいと思います。
先日お話ししましたように、日系企業の工場なども訪問させていただきました。そういう中で、例えばベトナムのキヤノンのプリンター工場、本当に大きな1万人ぐらいが働いているような工場ですが、そういう中で若い
女性社員の皆さんが「カイゼン、カイゼン」ということで、職場で様々な提言をしながら、生産性を高める努力をしている姿。
あるいは、インドネシアのホンダの合弁会社が、非常にこれも規模の大きな工場で、ほとんどインドネシアの内需向けということでしたが、非常に一生懸命に働いている姿。私はもう少しゆっくり作っているのかなと思っ
ていたのですが、本当にキビキビと働いている姿に非常に強い印象を受けました。
ただ、考えてみますと、そういったすべての工場が必ずしもうまくいっているわけではありません。そういう中で、1つは日本の優れた技術、そしてもう1つは、若い人たちをトレーニングして一生懸命にミスのないよう
に働いてもらう。1つの経営の力、あるいは職業倫理と言ってもいいかもしれません。
そういう日本側が提供できるものがあってはじめて、いま私が申し上げたような大きな工場が成り立っているんだなと思います。そして、これは別に大きな工場だけではなくて、その他にもより規模の小さな日系の工場もいくつか拝見しましたが、全体に共通して言えることではないかと思います。
ここに私は、これからのアジアとそのアジアにおける日本の関係が伺われると思います。若いASEAN、中国、インドといったアジアの国々あるいは人々と、日本の資本、技術、経営といった蓄積をうまく噛み合わせな
がら、お互いwin-winの関係に持っていく。そして、アジア全体が良くなるなかで、日本も豊かになっていく。そういった、アジアと共に、あるいはアジアの中で生きる日本ということが、これから日本の進むべき道だと改めて感じました。
今回の経済危機を、少し時間はかかりますが、うまく乗り切ったときに、アメリカでもないEUでもない、アジアの時代というものが来るのではないかと私は思います。
そして、そのアジアの時代の中で、日本が存在感を持ってリーダーシップを発揮できるかどうか。それは、今回のこの危機をいかに日本がリーダーシップを発揮して、アジアの国々と共に乗り切っていくか、そのことによって、アジアの時代におけるアジアの中での日本の存在感というものが決まってくるのではないかと思います。
そういう意味でも、非常に大事な局面だなと、改めて思っています。
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