暫定税率の廃止-政策の順位付けの中で議論すべき
最近、暫定税率廃止をめぐる私の発言が、いろいろ正しく伝えられていない部分がありますので、今日はこの点についてお話をしたいと思います。
ご存じのように、民主党は政権を取った際に、新しい政策のパッケージを示しています。
例えば、子ども手当月額2万6000円、あるいは高速道路の無料化、ガソリン税の暫定税率部分の廃止、医師不足対策、農業の戸別所得補償方式の導入、その他全体を合わせますと、まだ詳細は現在議論しているところですが、最終的には年間17~8兆円程度の歳出になります。
こういった政策のパッケージを、マニフェストの中で提案する予定でいるわけです。個別にはいろいろ、すでにお話をさせていただいています。
そういう中で、暫定税率について私が申し上げていることは、まず暫定税率の廃止そのものをやめるべきだと言っているわけではありません。
ガソリンの暫定税率というのは、道路特定財源と対応したものであって、道路特定財源がなくなって一般財源化されるということであれば、暫定税率部分については廃止がスジであり、論理的な帰結であると私は考えています。
問題は、それをいつ行うのか。つまり、マニフェストというのは任期4年間に何をいつ行うのかを決めるわけですが、来年の4月から行うのか、あるいはもう少し後で行うのかということについて、私は、もう少し後に行うということも選択肢ではないかということを言っているわけです。
私自身が、「必ず来年4月からやるのは駄目だ。もっと先送りしろ」と言っているわけではありません。しかし、この暫定税率廃止の問題は、それだけで論じることはできない問題であると考えています。
つまり、先ほど言いましたように、17~8兆円の歳出増があるときに、その財源をどこに求めるのかということも我が党の中で議論をし、マニフェストに、いま書く方向で最終調整をしていますが、埋蔵金と呼ばれるもの、あるいは一部租税特別措置の見直しなど増税につながるもの、そして全体の半分ぐらいは、いままでの無駄な、あるいは必要度の低い歳出をやめることで、財源を見出すものから成り立っているわけです。
しかし、そういったすでにある歳出を見直すという作業は一気に出来るわけではなくて、時間をかけながらやっていかなければいけない。
例えば、来年度の予算を考えてみたときに、我々が総選挙によって政権を取った場合には、おそらく8月、9月ということになります。12月末までに、来年度予算を組まなければいけない。
それまでに、具体的に歳出削減がどこまで出来るかといえば、そこで直ちに10兆円近い歳出削減が出来るとはとても思えないわけで、少し時間がかかるということです。
そういうことを考えると、来年度予算、先ほど言った17~8兆円の新しい政策の中で、すべてを一度にやることはできない。順序を付けて進めていくしかないということに当然なるわけです。
その順序付けのなかで、何を優先すべきかというときに、子ども手当や、あるいは高速道路の無料化といったものと、暫定税率の廃止の順序付けをどうすべきかということをきちんと議論をすべきだということを申し上げているわけです。
子ども手当だけは、少なくとも是非初年度からという強いご意見もあります。高速道路無料化が一番大事だという意見もあります。暫定税率の廃止こそ民主党の政策だという声もある。
様々な議論がある中で、それを最終的には、きちんと順序付けをしていかなければならない。そうでないと、来年度予算で説得力のある骨格を組むことができなくなると思います。
以上に申し上げたような趣旨で、私は、これから様々な民主党の新しい政策について、すべてを初年度からやるということではなくて、次年度、3年度、あるいは最終年度と、その順序付けを必要とする暫定税率の廃止の問題も、そういう中で議論をしていくべき問題だと申し上げているところです。
私の真意が、メディアによっては十分伝わっていないところもありますので、今日はその話をさせていただきました。
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