5減案―議論なしの採決は遺憾、中途半端な改革では終われない
今日の衆議院本会議で、衆院小選挙区の「0増5減」案に基づく新たな区割りの法案が可決されました。
これから参議院での審議を控えていますが、先週、衆院の特別委員会で、我々野党が出席しないなかでの強行採決、そして、今日の本会議。ここは、我々は出席しましたが、ここでも議論のないまま採決されたことは極めて残念です。
国民の基本的権利である参政権に関わる問題だけに、どうしてしっかりとした議論ができなかったのか、大変遺憾に思います。
安倍さんは、「立法府は法律を通すのが役割だ」と言われました。もちろん、最終的に法律を採決するのが立法府の仕事です。
しかし、その前にしっかり議論するということがなければならないわけで、我々が出した改革案、つまり小選挙区30、比例区50議席を減らすという法案については委員会に下ろさず、いわゆる「吊るし」の状態にして審議をしないまま、自分たちの法案だけ通してしまったということは理解しがたいことです。
いずれにしても、今回通ったものについては、16の高等裁判所の判決のうち、3つの高等裁判所の判決が「(一票の格差是正として)これでは不十分だ」ということを明確に述べています。
しかも、最大人口格差1.998倍(2010年国勢調査ベース)ということで、今や2倍を超えていることは確実。そういうなかでの区割り案ですので、これで終わりということには絶対ならないと思います。
先週、衆議院の伊吹議長が間に入って斡旋、調停が行われました。
その際、我々が主張したのは、この国会で定数削減や選挙制度改革を成し遂げるということを法律の中に書き込めば、暫定的なものとして、5減案について認めることにやぶさかではないというものでした。しかし、「この国会で」ということは入れられないというのが与党の意見で、その結果、交渉は決裂したわけです。
この国会で選挙制度改革や定数削減を実現するというのは、昨年の野田総理と安倍総裁の党首討論での安倍さんの約束であり、その約束をもとに解散が断行されたという極めて重い話です。
公明党も含めて3党間で紙でも合意を交わした、そういったことが簡単に拒否されてしまったということに驚きを禁じえません。
いずれにしても、こういった極めて中途半端な改革で終わりというわけにはいきませんので、より大きな改革、定数削減、一票の格差是正、これらについてきちんと応えるため、さらに努力しいていきたいと思います。
※ブログの動画版はこちら
コメントを返す