政治改革―今国会で成し遂げることは一票の格差是正と定数削減
今日は政治改革の話をしたいと思っています。
この議論は、各党実務者協議を毎週開いて行っていますが、堂々巡りで一向に進んでいません。非常に申し訳ないと思います。
現在どうなっているかということについて、お話ししたいと思います。
まず、昨日(30日)行われた実務者協議において、抜本改革については別に議論するということが確認されました。
少数政党の多くは、「抜本改革の議論を行うべきだ」、つまり、「選挙制度を変えることの議論を行うべきだ」という主張です。ただ、この国会中にどこまでやるかということを考えたときに、選挙制度そのものを変えるということについて、とても結論が出る話ではないわけです。
そういうことを考えると、この国会中に結論を出すべきことと、もう少し時間をかけることはきちんと分けるべきです。
したがって、抜本改革はいま議論するテーマではない。このことについて、民主、自民、公明、維新や生活などその他の政党を含めて、考え方は基本的に実務者協議で確認されたということです。
その上で、この国会中に何を成し遂げるかということですが、大きなテーマは2つです。
1つは、やはり一票の格差の是正の問題です。この問題は、2年前の最高裁で、47都道府県にまず1議席配分するという、基数配分方式(1人別枠方式)が憲法違反であるという趣旨の判決が出ているわけです。したがって、この基数配分方式をなくすということが必要で、これは変わらぬ民主党の主張です。
いま民主党が衆議院に提出をしている、衆議院小選挙区で30、比例で50議席減らすという改革案も、小選挙区30減の部分(定数270)は人口に比例して配分し直し、基数配分はなくすという前提ですので、そういう意味で、私たちの主張は一貫しているわけです。
「格差是正の話がどこかに行ってしまっている」ということを、今朝書いた某大手新聞社がありますが、それは全くの事実誤認というか、誤認でなければ、意図的歪曲だと言われても仕方がないものだと思います。
格差是正はしっかりやる。いまの5減案では、東京や神奈川など、本来議席が増えなければならないところも、いままでと変わらないということになっていますので、これはやはり基数配分をやめるという最高裁の考え方に沿ったものではないと、私たちは考えているわけです。これを是非やり遂げたいと思います。
もう1つは定数削減です。定数削減についても、その同じ朝刊の中で、「それは必要ない」、「日本の国会議員は多くはない」という記述もなされています。それは1つの考え方だと思います。私も、少なければ少ないほどいいとは全く考えていません。
しかし、現在の国会議員の数を減らすべきだというのは、消費税引き上げを含む社会保障・税一体改革を決定したときの、昨年2月の「社会保障・税一体改革大綱」の中でも明記をされていたことで、この大綱については、各メディアも賛同されたと思います。
そして、その背景にあるのは、消費税というご負担をお願いするときに、やはり国会議員の数も減らすべきだという考え方に立っているわけです。もちろん行革もやります。そういう中での定数削減の約束です。これは国民に対する約束だと思います。
加えて、自民党も公明党も定数削減についてはマニフェストの中で謳っており、民主党を含めた3党間の合意の中にも書いてあります。これだけの約束がなされていますので、それはこの国会の中できちんと結論を出さなければならないと思っています。
この一票の格差是正と議員定数削減の2つについて、現在の小選挙区比例代表並立制という枠組みは変えず、この国会中にきちんと結論を得る。それが、私たちがいま議論していることであり、どうしても実現しなければならないことです。
それ以上の、選挙制度をどう大きく変えていくかということについては、少し時間をかけて議論をするという以外に、この国会で決着をつけることは無理だと思います。
「身を切る改革」というのは確かに厳しいものです。特に、それを比例だけで減らすということになれば、それは少数政党にとっては当然不利だという意見が出てくるのも分かります。
したがって、小選挙区も比例も減らす。そういう中で、一票の格差も是正していく。つまり、きちんと人口比例にしていくという、これだけのことが、どうしてできないのか。是非成し遂げていきたいと思っています。
以上が、私たち民主党が考えていることで、いろいろな報道がありますが、是非正確なところを理解していただきたいと思います。
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