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2013.09.17|TALK-ABOUT [ブログ]

消費増税―次世代への責任を果たすため、安倍総理は国民に説明を


消費税の引き上げについて、メディアは、安倍総理が来年4月からの3%引き上げを決意した、ということを伝えています。

その後(2015年10月)の2%引き上げを含めて5%引き上げるということは、民主党が主導し、自民・公明両党も賛成して、すでに法律が成立していますので、しっかりと進めてもらいたいと思います。

法律には、経済的な大きな変化があったときにはこの限りではない、ということが書かれていますが、逆に言うと、そうでない限り前に進めるということはすでに決まっています。

いろいろな方がいろいろなことを言っていますが、「毎年1%引き上げるべきだ」という意見や、政府参与として本来政府の中で意見を言うべき人が、外に向かって発言しているなど、非常におかしなことも起きています。これは予定通りしっかり進めてもらいたいと思います。


そして大事なのは、なぜいま消費税を引き上げなければいけないのかということを、総理がきちんと国民に対して説明することです。

デフレ脱却が大事なのはよく分かります。しかし、同時に財政の再建もそれに劣らず重要なことであって、これをいかに両立していくかが大事です。

財政再建を先送りした場合、何が起き、何が懸念されるかということも含めて、次世代への責任を果たすために、いま政治家が何をしなければいけないのかということを、総理の口からしっかりと語ってもらいたいと思います。

消費税引き上げの一連のプロセスの中で、自民党のいろいろな方に接触をしましたが、安倍さんはこの問題にあまり関与していなかったというのが私の実感です。しかし、総理になられた以上、国民に対して必要性をしっかりと説明してもらいたいと思います。

そして、もう1つ大事なことは、いま補正予算の話などが出てきていますが、消費税を引き上げれば当然所得が減ります。したがって、景気に悪影響があることは明らかです。それをいかに和らげていくかということで、対策が当然必要になります。

その中には、所得の少ない方に対して、期限を決めて一定の額を給付するということが、方向性としては決まっています。

私が気になるのは、一時的な景気への影響を緩和するための対策という体裁をとりながら、長期的に財政負担を強いるようなことはしてはいけないということです。

新たに何かを始めるということであっては、それは結局消費税収で社会保障以外のことをやっているとうことになるわけです。

5%消費税を上げ、そのうちの1%は社会保障、例えば、子ども・子育て政策7000億円など、新たな取り組みに使う。あとの4%は、社会保障制度を持続可能なものにするために使う。

つまり、借金で維持している社会保障制度や、毎年1兆円ずつ増えていく社会保障費を補うために、消費税収を使うということが法律には明記されており、その他の公共事業やいろいろなことに使うということは認められていません。したがって、そこは十分に気を付けてやってもらいたいと思います。

例えば、法人税の税率の引き下げなどが議論されています。景気対策として数年間、ショックを和らげるために投資減税などの一時的な減税をするというなら分かります。しかし、法人税率を引き下げるということは、ずっと減収になるわけで、その財源を消費税の引き上げによって賄うのは約束違反です。別途財源を確保したうえで、今後法人税の引き下げについて議論すべきだと思っています。

そういったことを、これから始まる国会でもしっかりと議論していかなければなりません。大事なのは、約束を守っていくこと、つまり、消費税の引き上げは社会保障のために行うということから外れてはいけないと思っています。

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