選挙制度改革―次期総選挙実施に向け、まずは政党間で大枠合意を
今日は衆議院の選挙制度改革についてお話をしたいと思います。
先の野田内閣の最後の党首討論で、定数削減について安倍自民党総裁も約束をされながら、小選挙区定数を5つ減らすだけで、それ以上のことがなされないまま今日まで来ました。
私は危機感を持っており、この問題について党内で諮ったうえで、民主党の「政治改革・国会改革推進本部長」として、自民党と公明党に対して具体的な提案をしました。
選挙制度を根本から変えるという議論が一方であります。すでに決めた5つだけ小選挙区を減らし、何とか1.998倍に1票の格差を抑え込むことで次の総選挙をするのではなくて、より抜本的な改革をして総選挙をやるべきだ、という議論です。ただ、選挙制度を変えることになると、誰が考えても次の選挙には間に合いません。
したがって、いまの小選挙区比例代表並立制を前提にして改革を行うということが、私の提案の第一です。次の総選挙を念頭に置いているため、そういう提案になっているわけです。
2番目に、やはり1票の価値が事実上もうすでに2倍を超えていることは、民主主義の基本に立ち返ったときに望ましいことではありません。
しかも最高裁は、各都道府県に1議席配分したうえで残りの議席を人口比例で配分するといういまのやり方(基数配分)は、憲法の要請に反するということを、3年前にはっきり言っています。こういう基数配分というものを完全になくしたものにしなければならないと思います。
ただ、そこまで厳しく言うと、3党間で合意は難しいため、憲法の要求する投票価値の平等を徹底する、という言い方にしました。
3番目は定数削減ですが、これも定数を削減するときに、小選挙区、比例代表それぞれ減らすということを提案しています。
与党は、小選挙区を5つ減らし、1票の価値も変えずに現状でOKということにして、比例だけでさらに定数削減を行うとしています。そうなると、少数政党がまとまりませんので、比例を2つに分けて、少数政党に配慮した比例というものも作るということです。これは非常に複雑で、それ自身が憲法上の疑義がある制度になってしまっています。
そうではなくて、やはり小選挙区、比例それぞれを減らし、元々300(小選挙区)対200(比例代表)と分けたので、そのことも配慮しながらやっていく。その結果として、民意の集約ということが極端に出ないようにする。つまり、比例にもある程度配慮してやっていくことが、小政党の要請に応えることにもなります。
いろいろと考え抜いて、こういう提案をさせていただきました。小選挙区をこれ以上減らさないという前提に立つことなく、胸襟を開いて、国のため、国民のために何が必要かという議論に是非応じてもらいたいと思います。
一部のメディアが、第三者機関で議論すべきだ、ということを言っています。私は、第三者機関で議論することを否定しているわけではありません。ただ、基本的な考え方をきちんと各党間で整理をしたうえで、第三者機関にお願いすべきです。
例えば、小選挙区比例代表並立制のもとでの議論をするのか、あるいは、選挙制度を大きく変えることも含めて議論をするのか。後者ということになると、次の総選挙には間に合わないことになるわけです。
したがって、我々はいまの並立制を前提にした議論をすべきだと考えています。そういったことについて大枠を決めたうえで、第三者機関に任せるなら任せるということもあっていいと思います。大枠を決めずして第三者機関に放り投げても、第三者機関は困ってしまい、結果は出ないことになるわけです。
したがって、無責任に第三者機関に放り投げるというやり方は避けなければいけない。自民、公明、民主、あるいはそれに賛同してもらえる政党を加えて、骨格のところだけでも合意することがまず大事です。
そして、この臨時国会で何とか結論を得る。そうでないと、次の総選挙に間に合わなくなるということも、併せて申し上げておきたいと思います。しっかりやっていきたいと思います。
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