予算案衆院通過―外遊優先、国民への説明を忘れた強引な国会運営
来年度の予算案が衆議院本会議で可決されました。
私は予算委員として、この予算の審議にずっと関わってきましたが、大変残念なことだと思います。
「残念だ」という意味は、5.5兆円の補正予算のときも非常に短い審議期間で採決されましたが、この本予算についても、実質3週間という極めて短い期間で採決されました。
常識的に見ると、採決は来週の水曜日(3月5日)あたり、場合によっては来週いっぱいということが、通常のスケジュールであれば考えられたわけですが、とにかく急ぐのだということで、今日(28日)の採決になりました。
残念ながら、野党のほうも対応は1つにはなっていませんので、こういう事態を許してしまいました。
与党から言わせると、野党の質疑時間はちゃんと確保し、与党が極力質問を絞ったために、全体の日程がコンパクトになっただけだということかもしれません。
しかし、国民から見れば、与党がどういう議論をするのかということも含めて、予算委員会でしっかりとした議論がなされるべきだったと思います。
もちろん、与党と政府は一体ですが、与党議員の様々な視点からも、いい議論があってもよかったのではないかと思います。
予算審議というのは単なる「通過儀礼」ではなく、その過程でどれだけ中身のある議論をするかということです。そのことに与党も野党もないはずで、与党の議員がほとんど質問しないということは、私は間違っていると思います。
特に、テレビが入っていないときは基本的に質問しないというのは、私はいかがかと思っています。
いずれにしても、30日ルール(予算の自然成立)はあるものの、政府からすれば、衆院通過が3月に入れば、場合によっては予算成立が4月にかかってしまうかもしれない。したがって、何とか2月中に衆議院で上げたいということだったのかもしれません。
そうであれば、もう1週間早くこの国会をスタートさせて、ある程度常識的な審議日程も確保しながら、年度内成立を確保できたはずです。私が思っていたよりも、この国会のスタートが1週間ほど遅かったわけです。
そして、総理の外遊もすべて認められました。そういうこともあって、日程が非常に窮屈になり、結局短い審議時間で採決をしたということです。
国会において、議論を通じて国民に対して説明するという役割を忘れてしまい、とにかく早く上がればいい、そういう観点に立った非常に強引な運営だったと言わざるを得ないと思います。大変残念なことです。
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