映画『それでも夜は明ける』―アカデミー賞作品賞の意義は大きい
連休中はいかがお過ごしだったでしょうか。
私は、映画をいくつか観る機会がありました。1つは、映画館で観た『それでも夜は明ける』で、ご存知の方も多いと思いますが、アカデミー賞の作品賞を取った映画です。
ただ、観ていて決して気分のいいものではなかったと思います。
自由黒人として米国北部でバイオリンを弾き、家族とともに暮らしていた主人公が、騙されて南部に売り飛ばされ、まさしく奴隷としての扱いを受けるという映画です。
北部と南部の違いが非常に際立っていて、まさしく人ではなく物として扱われる奴隷たち。200年前はまだこんなことがあったのかと驚くばかりです。
鞭打たれたり虐げられたりする場面が多く、そういう意味で気分がいいものではなかったということです。
虐げる側の白人の中には、良心の呵責を覚えてアルコール依存症になったりする人も登場しますが、農場主の多くは極めて非人間的で、観ていて本当にどうしようもないという印象を受けました。
ただ、この映画が作られ、多くのアメリカの人々がそれを観て、かつアカデミー賞の作品賞に選ばれたことに、アメリカとしての懐の深さを強く感じた次第です。
もう映画館ではほとんど上映していないと思います。女性の皆さんはあまりご覧にならないほうがいいのではという気すらしますが、あえてこの映画を作品賞にしたことの意義は非常に大きいと思いました。
※ブログの動画版はこちら
コメントを返す