日本人人質事件―痛切な悲しみと強い怒り、教訓から学び、検証を
後藤健二さんが過激派テロ組織、いわゆる「イスラム国」(ISIL)によって殺害されたことが、ほぼ確実になりました。この話は、日曜日の早朝に電話連絡を受けたのですが、本当に表現のしようがないというか、怒りのやり場がないというか、本当に残念だし、強い怒りを覚えました。
この件について、いろいろなことが言えると思います。まず、後藤さんという非常に立派なジャーナリスト、子どもたちを通じてアラブの国々を世界中に紹介してくれた有為な人材、志のある人材を失うことになった悲しみ。そして日本人2人を人質にとって、卑劣なやり方で様々な要求をして、最終的には殺してしまったISILに対する怒り。
今回のこの事件を教訓として、我々はいろいろなことを学ばなければならないと思います。まずISILが言っている我が国、日本人に対する脅し、これを真に受ける必要はありませんが、しかし今回のこの事件を1つの教訓として、同じことが繰り返されないために、海外にいる日本人の安全について、もちろん個人が気を付けることは大前提ですが、政府、外務省もしっかりとやるべきことをやってもらいたいと思います。
国内のテロ発生の危険も、私は今回の事件の結果として、決して今までと状況は同じではない、1つステージが上がったと思っています。そのためにも政府に万全を期してもらいたいと思います。
二度とこういった事件が繰り返されないための検証作業も重要です。今まで我々民主党は、日本の中でワンボイス、1つの声でISIL側と対応しなければならないということで、いろいろなことを言わずに、政府の後押しをしてきました。ただ、やはり検証は重要で、これから国会の場などを通じて、我々も検証作業をしていきたいと思います。
政府にはいろいろな情報をなるべく公開してもらい、その上で、同じことの繰り返しがなされないような、そういった知恵を出していかなければならないと思います。
もう1つ懸念していることは、今回の事件でもアラブの国々の協力をいただいたのですが、そのことに感謝しながら、例えばこの事件がイスラム教やイスラム教徒の皆さんに対する偏見につながっては決してならないと思います。日本にもたくさんのイスラム教の皆さんがおられます。観光客も来られます。
このいわゆる「イスラム国」(ISIL)は、イスラム教とは全く関係のない、宗教の名を借りたテロリストであるということはしっかり認識して、対応していかなければならないと、そのことをあえて申し上げておきたいと思います。
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