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2001.09.20|マスコミ

改革の具体策をぶつけ合う"一対一の白兵戦"挑む

──いよいよ”国会・秋の陣”。民主党は「小泉改革」に対してどのような姿勢で臨むのか、改めてお聞かせください。

岡田 まず、中身のはっきりしない「小泉改革」にどう対するか、という以前に、構造改革そのものを断固として推進するという党の基本姿勢を明確にする必要がある。そもそも、構造改革の実現は民主党の立党の原点ですから。



確かに、そこには「痛み」が伴う。それに対する十分な配慮が必要なことは前提です。それを含めて、あくまで改革を強力に進めるというのが民主党の基本姿勢です。ここは、決してブレてはいけない。



そこで「小泉改革」ですが、現状は改革の具体化が遅れているだけでなく、そもそも工程表(=プログラム)づくりでつまずいている。自民党内の抵抗も次第に顕在化してきていて、小泉総理は早くも正念場に立たされそうです。



われわれとしては、いよいよ改革が総論から各論の段階に入ったということで、今臨時国会では、今までの川をはさんでトキの声を挙げていたところから進んで、いよいよ小泉内閣との間で改革の具体案をぶつけ合う”一対一の白兵戦”を挑んでいきます。

──一方で、史上最悪の失業率、景況の悪化、株価の下落など、厳しさを増す経済状況に対する当面の対策も問われています。補正予算づくりが焦点になりますが。

岡田 雇用対策に重点を置いた補正予算を早期に組むとともに、不良債権の最終処理を進める。これをセットで、ただちに行うことが有効な景気対策にもなると考えています。



すなわち、2?3年で不良債権を処理するならば、その過程でやはり職を失う人々が出てきます。その人たちが働く場を新たにつくるとともに、そこに移るのに必要な時間の生活を保証しなければならない。



今回の補正予算は、主にそうした対策に充てられるべきです。それが、あくまで改革を進めるというメッセージにもなるわけです。



ところが与党は、そもそも補正予算案の提出が11月以降になるなどと悠長なことを言っている。これでは取り返しのつかないことになりかねない。それというのも、自民党内では、森(喜朗)さんや亀井(静香)さんといった人々が、またぞろ国債を乱発してバラマキ型の公共投資を行え、などと言い出して収拾がつかなくなっているんです。そんなことをすれば、もはや雇用環境の改善につながらないばかりかマーケットの信用も失い、事態はさらに悪化することは目に見えている。彼らのような、国の財政破綻を招いた”A級戦犯”がいまだに同じ主張を繰り返しているのは、自民党がこの10年の失政を自己反省していないことの表れです。

──当面の雇用対策のポイントは。

岡田 職を失った人への支援としては、失業給付終了後の職業能力開発支援および雇用保険財政安定化対策など。これらは民主党が参院選で訴えたことですが、与党もほぼ同じことを主張しはじめました。政策をコピーされたからといって、文句を言うつもりはありませんが(笑)。同時に、職業訓練や職業紹介に民間が参入できるような規制緩和も進めるべきと考えています。



働く場の創出としては、高齢者介護、環境ビジネス、新しい教育サービスなど、新たな分野における雇用を地方自治体やNPOとも連携しながら確保する。これらは、単なる一時しのぎ的な救済ではなく、新たな社会のニーズに応えながら誇りをもって働ける環境を用意することが重要だと思っています。

──総選挙をにらんだ国会攻防になりそうですね。

岡田 構造改革を登山に例えれば、小泉内閣はまだその1合目の入り口にいるのに、もう息が切れている状態です。この調子では、頂上はもとより、2?3合目まですらたどり着けそうにない。にもかかわらず、日本を取り巻く状況は、ますます改革の断行を待ったなしで迫ってきています。



われわれは、「小泉改革」が敢えなく挫折した時に、それに替わって本当の構造改革を最後までやり抜くのは民主党しかいないということを、この臨時国会の論戦を通じてハッキリと示すつもりです。そして、民主党が政権党としての十分な力量を持った信頼に値する党であるとの明確なメッセージを発信したいと思っています。

──ありがとうございました。




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