トピックス

2002.02.28|その他

定例記者会見録 2002年2月

2月28日

○租税特別措置法案と地方税法案は反対—-内容的に不十分

○デフレ対策—-政府同様、民主党も引き続き議論・検討していく

○小泉改革の実態—-上下分離方式であれば道路公団改革は無意味

○NPO支援税制と個人情報保護法案について野党4党で協調していきたい

○自由党との連携は代表・幹事長が決めることだが、きちんとした説明は必要

租税特別措置法と地方税法への対応

【政調会長】まず、租税特別措置法と地方税法の扱いについて、前回のNC(ネクスト・キャビネット)で、代表・政調会長に一任ということになっていましたが、最終的に反対するということにしました。

財務金融部門では、中身を一つひとつ見ていくと、不十分ながらも反対と言えるほどのものではなくて、半歩前進と言えるようなものもあるということだったようですが、我々が求めている基本的な、例えばローン利子控除とかNPO支援税制といったものはないわけですし、そもそも予算に反対するという方向のなかで、歳入の部分についてだけ賛成するというのは分かりにくいものですから、そういうことも含めて、トータルの判断として反対するということにしました。

デフレ対策

【政調会長】次に、昨日、政府のデフレ対策が出まして、我が党の見解はすでに述べたところですが、今日、私から「政府も引き続き補正予算がらみで、財政出動を伴うようなデフレ対策や税制等いろんなことについて議論をしていくと思われるので、我が党も、このデフレ対策の問題は引き続き議論していきたい」ということを申し上げておきました。

基本的には財政金融部門なんですが、NCでも議論をしていきたいと思っています。もちろん、我々は財政出動を伴わないデフレ対策を基本に据えていますが、具体的にどういうものなのか、昨日の談話でも一応述べてはおきましたが、より深みのある議論をして、具体性のあるものを出していきたいと考えています。

道路公団改革

【政調会長】あと、お配りした私の質問主意書に対する政府の答弁書ですが、ほとんどゼロ回答でした。極めて不誠実な対応であると思います。

例えば、道路公団改革について「上下一体方式(高速道路の建設・保有と管理・運営とを同一組織が行う方式)で民営化するということをなぜ断言しないのか」という質問には、「整理合理化計画に基づいて第三者機関で調査審議する」という回答でしたが、恐らく上下一体方式というのはないんだろうと思います。上下分離方式を念頭に置いているのではないかと思われます。

最近、自民党の古賀道路調査会長が言ってることを見ても、結局、償還期間を50年からさらに延ばすとか、あるいは税金を別途投入するとか、小泉総理の言ったこと(償還期間は50年を上限とし、税金は投入しない)を全く無視して法定路線は全てやるということですから、総理が一番明確に述べてきた道路公団改革そのものが、事実上否定されているわけで、小泉構造改革に実体がないということは、これ一つをとっても明らかだと言えます。

野党4党政策責任者会議

【記者】明日(3月1日)の野党4党政策責任者会議ですが、デフレ対策については何か?

【政調会長】デフレ対策については、テーマに上がっていません。明日は、一つはNPO支援税制について、できれば4党で法案を出したいと考えていまして、現在調整中ですが、それについて議論したいと思っています。

それからもう一つは、個人情報保護法案への対応について、これもできれば野党4党で対応したいと考えていまして、その方向性について確認したいと思っています。

まだ明日になってみないとはっきりしたことは申し上げられませんが、そういう方向で調整しているところです。

【記者】デフレ対策の話が出てくる可能性は?

【政調会長】今度の日曜日には、NHKの「日曜討論」に各党政策責任者が呼ばれていますので、そこでの議論は避けられないと思いますが、政策責任者会議において議論するかどうかは、やや各党でそれぞれ方向性に若干の違いがありますので、なるべく意見が合うものを優先してやっていきたいと思っていますから、どこかで議論にはなるでしょうが、最終的にまとまるかどうかというのは、それは分かりません。

政府のほうも第2弾というのは少し先でしょうから、そう慌てる必要はないと思っています。

個人情報保護法案

【記者】個人情報保護法案について民主党はどういうふうに?

【政調会長】我々の考え方は、昨年のNCで確認していまして、「大きな問題点が三つほどあるので賛成はできない。この法案は撤回して出し直すべきである」というものです。

具体的なことはさらに詰めなければいけないと思いますが、明日議論をして、4党でそういう方向性で確認できればと思っています。

自由党との連携

【記者】代表が自由党との選挙協力について前向きなようですが、政調会長はどのように?

【政調会長】先ほどNCでも代表がそれについてお話がありまして、北橋NC経済産業大臣から「地元でもいろいろ訊かれるが、どういうことだったんですか」というような質問が出ました。

代表はいつものようなお答えをされたんですが、私から「どうせ明日の両院議員政策懇談会でその話が出る可能性が大きいので、明確に説明されたほうがいいんじゃないでしょうか」と申し上げておきました。

【記者】「いつものような」とは、自由党との距離が一番近いとか、補完できるとかそういうような?

【政調会長】昨日の記者会見で述べられたようなお話でした。つまり、「具体的なことはこれからだ」と。「トップが会ってスタートしたというだけで、中身はこれからそれぞれの党で議論する」というようなお話でした。

ただ、「薩長連合」といった言葉も踊っていますので、そういう言葉から受ける印象と「これからスタート」というのはやや違和感がありますし、しかも薩長連合というと何か同じ力の2党が力を合わせるという感じですから—-これ以上言うと自由党が怒りますが—-実体は少し違うように思います。

そこは代表も民主党の主体性といいますか、まず民主党がしっかりすることが大事だとおっしゃっていますので、そういうことがきちんと伝わるようにお話になったほうがいいんじゃないでしょうか、ご説明されたほうがいいんじゃないでしょうか、ということを申し上げておきました。

【記者】特に新進党出身の方に反対意見が強いようですが、政調会長も新進党出身ですがどのように?

【政調会長】私は新進党解党のときに一番激しく抗議をした一人で、議員総会が始まる前の会議室の前でビラまで配ったわけですから、いろんな思いがありますが、この問題は民主党としての大きな方向性の議論ですから、代表と幹事長が腹を決めて「こうする」ということであれば、私はその方針をサポートしていきたいと思っています。

ただ、何度も申し上げますが、その方針については、問題が問題だけに党内で違ったイメージで受け止められることは望ましくありませんので、皆同じように理解できるように、きちんと説明されたほうがいいと考えています。

そういう意味で、ナンバー1とナンバー2がお決めになるんであれば、私自身はそれをサポートしていきたいと思っています。

2月21日

○鈴木代議士のような危なっかしい人物に領土問題を任せてきた森・小泉両氏の責任は免れない

○素人のサラリーマンがバブル期に購入した住宅ローンの返済に苦しんでいるときに、プロの金融機関が税金で損失を補填してもらうというのは、到底公正とはいえない

○全議員懇談会—-緊急事態法制について自由討議するが結論は急がない

鈴木宗男代議士問題

【政調会長】まず、昨日の集中審議を見ていまして、鈴木宗男さんの話はかなり重大な問題だと思います。

政策論としても、北方領土返還について、4島一括交渉という従来の方針から、突然2島先行返還論のような話が出てきて、そしてそれが今や政府の方針であるかのようになっていますが(同時並行協議)、2島先行論が出てきたとき、やや唐突な感じがしたことは間違いありません。

純粋な政策論として出てきたのであれば、そういう考え方もあるんだろうとは思いますが、昨日指摘されたようなことが仮に事実だとすると、鈴木という人が、自らの利益のために国の領土という基本政策をねじ曲げたという可能性が出てきたわけで、もしそうだとすると、これは歴史に残る大スキャンダルになると思います。まさしく、国を売ったということになるわけですから。

もちろん、事実関係は正確に確認しなければいけないとは思いますが、そういう可能性を秘めた問題であるということで、これについては引き続き注視していかなければいけないし、我々もしっかり真相究明に努力していかなければいけない問題であると思います。

いずれにしても、こういう危なっかしい人に領土問題という非常にデリケートな問題を任せてきたということは事実ですから、森前総理、小泉総理の責任は免れないと思っています。

RCCによる実質簿価買取り

【政調会長】次に、例のRCC(整理回収機構)による不良債権の買取りについての、簿価か時価かという問題で、「実質簿価」という、また新しい説が誕生しましたが、引当てがきちんとされているという前提ならばともかく、そこが元々いい加減なわけですから、簿価から引当金相当額を引いた価格で買取るということになりますと、真面目に引当てをしていないところがさらに得をするということになりかねない、全く論外の話です。

結局、実体を全くご存じないか、あるいは実体を無視してそういう議論をしている、何が何でも最後は国に飛ばそうという意図が感じられて、まさしくモラル・ハザードだという感じがします。私としては、全く認めがたい話だということです。

そもそも、RCCというのは、そういう役割を期待されてたわけじゃないんで、今やまさしく飛ばし機関になりつつあるということを実感させるような話ではないかと思っています。

田中前外相の政府批判

【記者】政策論ではないんですが、昨日の段階では、田中真紀子さんがあれだけ政府批判をしたことで、政局の流動化が始まるんではないかというような話もあったんですが、その辺はどのようにお考えですか。

【政調会長】もちろん前外務大臣ではありますが、真紀子さんも自民党の国会議員だし、ある意味では自民党内の問題だと思いますが、代表もおっしゃってるように、真紀子さんの言ってることとと我々の言ってることとが同じじゃないかという部分もあります。

確かに、総理自身が抵抗勢力という意味では、同じような表現をされたと言えるのかもしれませんが、だからといって、我々がそのことに過剰に反応する必要はないと思っています。それは「存分におやりください」という程度であって、だから我々がどうこうということではないと思いますね。

ただ、我が党の野田議員が質問の最初に言われたように、今回は本当に外務省あるいは政治を変える大きなチャンスで、彼女がこれからどう対応していくか、彼女が何を語るかによって外務省改革がどこまでできるかということも変わってくるわけですから、そういう意味では、あそこまで言われた以上それを貫いて、機密費の問題なんかも含めて、この際徹底的に述べていただくことが必要じゃないか、重要じゃないかと、そこは期待をしています。

実質簿価の不合理

【記者】先ほどの、実質簿価の話ですが、与党内では不良債権処理の促進という名目を一応立てているようですが、政調会長としては、どのように?

【政調会長】それはもちろん、そんな高い値段で買えば、皆喜んで売りますよね。だから、それは促進されるかもしれれませんが、結果として税金が充てられるということを忘れてはならないと思います。

確かに、不良債権の処理は重要ですが、しかしそれはフェアなルールの下で行われるべきです。テレビに出演したときにも少し申し上げましたが、例えばバブルのときに5000万円出して家を買ったサラリーマンが、今3000万円になってると。

いわば素人のサラリーマンが自己責任の名の下に差額をきちっと給料から払いなさいと言われ、プロである金融機関が税金でその差額を見てもらうというのは、どう考えても公正とは言えないと思います。

【記者】民主党としては、促進のためにはどのような……

【政調会長】マーケットができればもっと処理できるんですよね。一部に外資系が出てくるのはけしからんとかね、いろんな議論があるけれども、別に外資であろうが国内資本であろうが不良債権を買って再生してくれればそれでいいわけですから、そういうマーケットをきちんと作って、売買取引が成立するような、そういう努力をきちんとするべきだと思います。

高く買っても、結局RCCに溜まるだけでしょ?売れないわけですから。それは単なる飛ばしであって、不良債権を処理したことにはならないわけですよね。

緊急事態法制と全議員懇談会

【記者】緊急事態法制についてですが、両院議員政策懇談会が来週金曜日に行われることが決まったそうですが、これはどういうことを意図したものなんでしょうか。

【政調会長】今まで合同部門会議で、講師を呼んでお話を聞いて質問するということをやってまいりましたが、やはり非常に重要な話ですから、党全体で一度議論をしようということで設定しました。

当日は役所から最新の情報を得るとともに、我が党が選挙公約とか安全保障基本政策の中でどのように述べてきたかということを周知・徹底したうえで、大まかな方向性についても議論できればと思っています。

「方向性」という意味は、具体的な法案がまだ出てきてませんから、あまり突っ込んだ議論にはならないと思いますが、少し入口のところの意見交換をやりましょうということです。

【記者】ヒアリングなんかもして、各議員それぞれ知識を持っている方もいらっしゃると思うんですが、中身についての議論をしても構わないとお考えですか。

【政調会長】まあ、いろんな議論が出るでしょうね。ただ、それについて今、党としてどういう方向であるべきだということにはならないと思います。

例えば、我々は緊急事態法制が必要であると公約や基本政策の中で述べてきてるんですが、そういう方向性について、「いや、そうじゃない」というご意見の方もいらっしゃるかもしれませんので、少し意見交換をしたほうがいいと思うんですね。そういう入口の議論をまずしっかりしましょうということです。とにかく、いろんな意見があるわけですから、それをどんどん述べていただこうと。しかし、「こっちの方向だよ」というようなことはしないということです。

そういう意味では、はっきりと方向性を出すわけではありません。ただ、緊急事態に際して何か法律がいるねということぐらいは確認できればいいなとは思っていますが、これはやってみなければ分かりませんから。いろんな意見がたくさん出れば、1回ではなくて2、3回とやる中で、そういう方向性も出していかなければいけないと思いますが、無理に何かをまとめようというような気は全くありません。

【記者】あえて訊きますが、なぜこの時期にこういったことが必要になったんでしょうか。

【政調会長】この問題に限らず、部門でやってNC(ネクスト・キャビネット)でやるというのが原則ですが、しかし「自分の知らないところで決まった」という人も出てくるので、これは緊急事態法制に限らず、例えば女性政策についても、今部門レベルでやってますけれど、近々同じようにやろうと思っています。そういう形で全議員に呼び掛けて案を作るということもテーマによっては必要ではないかと思います。

ですから、この緊急事態法制だけが特例ではありません。少年法なんかもそういうふうにすれば良かったのかなと今少し思ってるものですから。

2月14日

○あっせん利得処罰強化法案について野党4党で合意

○来年度組替え予算案が固まる—-公共事業から雇用対策へ大胆にシフト

○予算委質疑—-無茶苦茶な答弁もあったので、質問主意書を提出したい

○外務省改革—-政治家の関与を公開することは評価、全省庁で同様に

○デフレ対策—-資本注入の際の責任問題と、日銀へのツケ回しには注意

○予算の組替えの話と国債30兆円枠の話は別個の問題

○不審船やテロの話がないなら有事法制の議論もないという党内合意はない

あっせん利得処罰法強化法案

【政調会長】まず、あっせん利得処罰強化法案について、野党4党の実務者協議が固まりましたので、今日のネクスト・キャビネット(NC)でその報告がありました。

従来の法案に加え、処罰対象に親族も含むということで合意できました。そういう意味では、前よりもさらに一歩強化されたということですが、明日野党4党の政策責任者会議がありますので、その場に実務者代表の堀込議員に来ていただいて説明を受け、4党で確認されれば、法案化作業もほとんどできていますので、あとはどういうタイミングで国会に提出するかという問題になります。

いずれにしても、民主党の党内手続きとしては、今日で終わったということになります。

平成14年度予算組替要求

【政調会長】次に、平成14年度政府予算に対する組替要求案についてですが、これも野党4党のほうの組替要求は明日の政策責任者会議でも議論することにしていまして、もう少し時間がかかると思いますが、それに先だって、我が党のものを今日のNCで確認したところです。

歳出の増額については、雇用対策で5,100億円、社会保障で3,500億円、教育関係で2,000億円、BSE(狂牛病)対策で2,300億円、中小企業対策で1,500億円、農業対策で1,500億円、その他1,200億円ということで、それぞれ内容も明示しています。

特に雇用対策のところですが、一つは、新緊急地域雇用創出特別交付金の拡充、それから、これから我々が法案を出す求職者能力開発支援制度の創設(約2兆円)、雇用保険財政安定化対策(約2兆円)です。後ろの二つは、従来我々が「2兆+2兆=4兆」と言ってきたものですが、全部一遍に来年度予算で要求するということではなくて、そのうちの一部を来年度予算に計上したということです。こうした雇用対策全体をひっくるめて、5,100億円というところが、歳出増の特徴です。

歳出の削減をどうするかという点については、公共事業の抜本的見直しで1兆5,000億円程度の削減を見込んでいます。 道路特定財源は、2年後の全面的な見直しを条件に、その間一般財源化するというのが、我が党の昨年からの方針です。

それから、報償費(機密費)や行政経費をさらに節減して(1,600億円)、特殊法人向け歳出削減を5,000億円程度上乗せします。

あと、予算を伴わない景気・雇用対策もやると。そして、最終的に、ローン利子控除制度の創設。すでにローンを抱えてる人やこれから借金をする人のローン利子について所得控除するという、景気対策の観点も含めたもので3,700億円。

それから、NPO支援税制の拡充で100億円、連結付加税の導入中止で700億円、その他合計政策減税で4,500億円程度を考えています。

結局、歳出の増額で1兆7,100億円、歳出の削減で2兆1,600億円で、歳出の増減で見ると4,500億円の削減。一方で政策減税をしますので、その分4,500億円の歳入減になりますので、トータルとして、現在の政府の予算案と同額ということになります。

どうせ皆さん、お訊きになるでしょうから申し上げますと、この他に「隠れ借金」の問題がありますが、それはきちんと表に出したほうが情報開示という観点から望ましいと考えますが、表に出せば、その分は国債を増発するということになります。 ただ、そこは本質的な問題ではありませんので、組替えという観点から言うと、どこを増やしどこを減らすということですから、我々としては、国債30兆円枠は変えずに、組替え案を作ったということです。

予算委員会質疑

【政調会長】それから、一昨日、私が予算委員会の質問に立ちましたが、実際にやってるとなかなか自分自身もどんな返事が返ってきてるのか分からない部分がありますので、昨日速記録ができましたので、それに基づいて整理してみました。

まず、「大西氏と鈴木議員とのやり取りが、外務省の記述とピースウィンズ・ジャパンから出されているものとで、随分違うんじゃないか」という質問に対しては、総理は「大西、鈴木の間の議論はどうでもいい。それに左右されるかどうかは外務省が判断すべきだ」と言われたんですね。

それに対して、私は「政治家がNGOに対してひどいことを言うのが何でどうでもいいんですか」と。それから、かなり厳しく言われてますので、外務省の職員が同席していますから、万が一外務省の言うように鈴木氏が直接、NGOの出席について語らなかったとしても、ほぼ同じような意味で、それだけ厳しく NGOについて非難をしていれば、実力者・鈴木議員の言うことを忖度して、外務省が自分の判断として出席を認めないということにつながったということでありますので、そういう意味で、決してどうでもいい話ではないと思っています。

それから、機密費の問題については、外務大臣が「改めて調査する必要がない」ということを強調されました。

それから、官房機密費について、いろんな議論のなかで、最終的に私は、外交機密費のように大臣決裁制度をとるべきだと申し上げました。外務省は基本的に、大臣決裁制度というものを外務省改革のなかで機密費について導入したわけですが、決裁をするということは、文書があって大臣に上がり、ハンコが付かれると。

10万円以上のものは、副大臣ないし大臣の決裁ということになっています。同じように官房機密費も官房長官の決裁ということにしてはどうかということに対しては、「きとんと正すべきところは正している」と言って逃げられてしまいました。

それから、医療制度改革について、「なぜ医療費を3割負担にすることが構造改革につながるのか」という質問に対しては、「抜本改革をしてから3割負担ということになると改革が遅れる」と、これまた訳の分からない答弁を繰り返しました。

で、それなら次期通常国会にちゃんと法案を出せと言ったところ、基本方針はまとめるけれども、法案化作業はそれから取り掛かるので、ものによりけりだというお返事でしたので、そうだとすると一体何のために遅れるから14年3月にしなければいけない、法案に書かなければいけないと言ったのか、全く説明不能に陥ってると思います。

それから、道路公団改革に関してですが、第三者機関委員の任命の問題については、ここは私、予想外だったんですが、「自民党の意見も聞かせていただく」ということをいとも当然のようにおっしゃったので、何のために国会同意人事にしないと強調していたのか、そのときの議論というのは「与党と調整せずに、自分で決められるように国会同意人事にしない」と言っていたと私は思っていたんですが、いとも簡単に与党3党の意見は聞くんだとおっしゃいました。

私が、「国会同意人事にすると自民党の事前承認が必要なので、同意人事にしないと言っていたのではないんですか」と訊いたら、「勝手に意図をねじ曲げて言ってる」と。「同意人事にすると、名前を出されて否定された人の名誉もある」と、これまた訳の分からない、無茶無茶なことを言ってるなという感じがします。

それから、個別路線の話について、設備投資の自由度があるのかというようなことに対して、「そういうことは法案が出てから議論してくれ」と。私はかなり本質的な議論だと思いますが、法案が出てから議論してくれということでした。

それから、上下一体方式の議論では、石原行革担当大臣は「民営化した道路公団が一体化した場合は、投資決定ができなければ成り立たないというのはその通りだが、しかしどのように民営化するのかも第三者機関で議論する」と。民営化の例としては、コンセッション契約、リース契約、一体型、様々なケースがあるので、第三者機関で決めていただきたい」という言い方をしていまして、そういう意味では上下一体方式ということは前提ではありませんよ、場合によっては上下分離というのがあり得ますよというのが石原大臣の答弁です。

それに対していろいろと確認したんですが、「そんなことは言っていない」とか小泉さんは椅子に座っておっしゃいましたので議事録には残っていませんが、「またねじ曲げている」なんてヤジられたあとに、最終的には「一体で民営化ですよ」という合意文書の表現に戻りました。従って、「上下一体化」という表現は注意深く避けたわけですので、これを見る限り上下分離の余地はまだ残してるんだろうと、小泉さん自身もですね、道路族に遠慮して「上下分離はありません」ということを断言できなかったということですから、ここは変わり得るんだなと。で、上下分離しちゃうと、これ全く意味がありません。

ただ、さすがに最後に「今の計画なんかできるわけない」という言い方で、まあ、ここで整備計画を否定したのかなあとは思いますが、ここもちょっとよく分からない。つまり、「そうなればコスト削減して必要な道路を造る今の計画なんかできるわけない」と言ってますので、必ずしも意味がよく分かりません。一般的に聞いた感じでは、整備計画は全部できるわけがないと答えたように思えますが。

以上のようなやり取りでしたが、これらの曖昧な点を少もう少し明確化するために、質問趣意書を出して答弁を求めようと思いまして、今準備を進めているところです。

骨太の外務省改革

【政調会長】あと、骨太の外務省改革案が出まして、議員の関与について情報公開の対象にするということです。

結局、NGOと鈴木議員との議論についてひた隠しに隠していて、情報公開も何もないんじゃないかという気もしますが、しかし方向性としては結構なことだと思います。議員が役所に何らかの働きかけをしたときに、そのことについて記録を残し、ちゃんと公平に記録に残すんであれば、記録に残して情報公開の対象にするというのであれば、それは非常に評価できると思います。

ただ、そのときには、是非外務省だけではなくて、国土交通省その他全ての中央省庁について同じ取り扱いをすることは当然のことだと思います。そういう方向で、是非小泉総理のリーダーシップの下で検討を進めていただきたいと思っています。

デフレ対策と国債格下げ

【政調会長】それから、国債の格付けをまたムーディーズが引き下げるという話が出てきていまして、まあ民間会社ですから、どういう意図があるのか、我々やや嫌なところがありますが、しかし相当厳しい目が注がれているなという感じがします。

その割にはデフレ対策ということで聞こえてくるのは、不良債権の処理と金融問題でして、予算委員会で柳沢金融担当大臣は、公的資金再注入の話は明確に否定されましたが、ここのところが最終的にどういう形でまとまるのかということが一つあると思います。 いずれにしても、不良債権の処理がどんどん遅れてきたことの責任というのは、それは銀行経営者の責任もありますが、行政の責任というのも同時に、資本注入をする際には問われなければいけないと思います。

それから、もう一つは、金融緩和の問題ですが、ここは気を付けなければいけないのは、全ての問題のツケを金融政策を日銀に負わせるという意図が垣間見えるわけで、予算委員会でも公明党の北側委員の議論に対して速水総裁がかなり色をなして反論するという場面がありましたが、結局、政府・与党の政策の失敗をツケ回しを全て日銀に持っていくとこういう意図が伺えますので、そこは注意しないといけないと思っています。

組替え予算と隠れ借金

【記者】組替え予算についてですが、これまで隠れ借金を批判してきたと思うんですが、その点はどのように?

【政調会長】隠れ借金は問題があり、望ましくないと思っています。ただ、それを組替え予算の中に入れると、また皆さんそればかり書くので、今回は組替えをするというのがポイントですから、あえて含めなかっただけです。

【記者】野党4党では隠れ借金を表に出すということで合意していたと思いますが、組替え案では出さないんでしょうか。

【政調会長】いえ、それは明日議論してみたいと思います。ただ、素直な気持ちで政策論をしていると、マスコミによって違う意図に報道されることがありますので、そういうこともある程度念頭に置いて対応していかないと我々の意図が正しく伝わらないことがあってはいけないと思っています。

【記者】組替えに当たっては、歳出増と歳出減とが同額になるように指示されたんでしょうか。

【政調会長】最終的には合わないとおかしいですよね。国債30兆円枠を動かせば、という議論もあるんでしょうが、基本的には我々は30兆の精神は守るべきだという考え方ですから、そういう意味では、そういう前提で議論したということです。

それを意図的に崩すそうと。例えば30兆を35兆、40兆というつもりはありませんし、30兆をさらに大幅に削減して25兆や20兆にするというような意図もありませんので、そういう意味では30兆ということを前提に置いて議論したということです。そして、それとは別枠の問題として、隠れ借金がありますよということです。

有事法制の意見調整

【記者】有事法制についてですが、代表と幹事長とで若干考え方が違うようなんですが、その辺、政調会長のお考えは?

【政調会長】幹事長がどう言われたのか、私も詳細には確認していないんですが、今日幹事長と会って、少し打ち合わせをしたいと思っています。ですから、今あまりとやかく言うべきではないと思いますが、党のナンバー1とナンバー2の見解が違うように報道される事態は、なるべく避けたほうがいいと思っています。

不審船とかテロ対策の話がなければ、有事法制の議論をすべきでないという意思決定は、党内ではしていません。むしろ、今まで緊急事態法制を整備すべきだというのが選挙公約であり、党安全保障基本政策ですが、それは別にテロとか不審船の問題だけを念頭に置いて議論してきたわけではありません。

鈴木議員とODA

【記者】鈴木宗男議員と外務省の件ですが、今回言われているような話が事実だとすれば、税金によるODAを、一議員が私物化していたということになると思うんですが、それについてはどのようにお考えですか。

【政調会長】手続き的には野党4党でプロジェクトチームを作りまして、我が党の中川正春さんが座長になってこれから調べていくということが確認されています。

ただ、確たる証拠を握っていないので仮定の議論になりますが、仮に言われているようなことがあるとすれば、それは国民の血税を利用して自らの利益を図っているということですから、厳しく批判されるべきだと思います。これは一つ、この国会の大きなテーマになってきたと思いますね。今まであまり議論されたことのない、ODAと議員の関係といいますか、政治家とカネの問題は今までもいろんな議論がありましたが、政治家とODAという話は今まであまり、抽象的にはありますが、具体的にはありませんでしたから、そういう意味では、しっかりを疑惑解明をしなければいけないと思っています。鈴木議員ももちろん、ないというのであれば、そのことについて潔白を証明しなければいけないと思います。

資本注入と責任

【記者】不良債権処理に絡んで、与党のなかで予防的資本注入ということが言われてるようなんですが、それについてはどのように?

【政調会長】我々の意見と、ある意味近いところがあると思うんですが、我々はきちんと検査をして、引当てをする。その結果、過少資本になれば思い切って経営責任を問うたうえで資本注入するという考えですので、「予防的」という意味がどういう意味か分かりませんが、今総理が言ってるように後追い的な、危機が発生したら手当てすると、そういういことでは間に合いませんよ、それじゃあ対応として後追いですよと我々は批判しているので、そういう意味で共通する部分はあるんだろうと思います。

ただ、詳細を承知していませんので、例えば経営者の責任の問題とか、注入の仕方とか、つまりかつてのさざなみ委員会のときのように、結局横並びでやって、いつの間にかそれが消えてしまって誰も責任を取らなかったということになるんであれば、これは意味がありませんから、そこは与党のほうがどういうお考えなのか、よく見極める必要があると思っています。

あと、与党もいろいろ言ってるのはいいんですが、ちゃんと総理を説得しろということも申し上げたいですね。

30兆円と組替えは別個の話

【記者】30兆円の問題ですが、今まで表に出すということでしたが、今回それを出さないというのは……

【政調会長】ですから、組替えの問題ですから、組替えの問題として整理したということです。隠れ借金を表に出すという話は、組替えのとは別の話ですから。問題が違うわけです。

で、それを一緒に議論すると政策転換をしたように誤解されますから、今回は組替えの問題として考えたときには、それは我々は最初から30兆円を維持するということですから、そういうことで整理をしましたと。

しかし、依然として隠れ借金の問題は問題として残ってますよということは申し上げておきたいと思います。それをゴッチャに議論されないように、分けて議論しているということです。

2月7日

○隠れ借金は表に出すべきだが、財政改革路線は何ら変わらない

○医療制度改革—-政府・与党の議論は財政のつじつま合わせに終始

○第三者機関人事—-道路族と事前調整する最悪の談合パターンになる

○予算審議の前に金融再生関連法を成立させて金融を安定化すべき

○有事法制—-個別法だけでなく、包括法を整備することは望ましい方向

国債発行30兆円に関する「政策転換」報道

【政調会長】まず、昨日緊急に記者会見した国債発行30兆円に関する 「政策転換」についてですが、まだ十分にご理解いただいていない点が あるかもしれませんので、繰り返し申し上げておきますが、30兆円とい うことについて、結果的にそれを超えることがあっても、隠すよりはま しだということを申し上げたわけです。

来年度予算案を見ますと、歳出・歳入で「隠れ借金」が1.5兆円ぐらいあって、その分が30兆円の枠を飛び出ているわけですが、選択肢としては、第1に隠れ借金をそのままにして予算の組み替えだけするもの、第2に隠れ借金の分を表に出すというものがあります。そのときには30兆 円の枠は超えます。第3は、隠れ借金の分を表に出して1.5兆円の歳出を削る。そうすると30兆円の枠に収まります。選択肢は基本的にこの三つ です。

そのなかでどれがベターかと言われれば、きちんと財政状況を示すという意味で隠れ借金は望ましくないと我々は考えていますので、それを表に出すということになると、あとは30兆円を飛び出るか、あるいは歳 出をさらに削るかという選択肢が残されるわけです。

そして、我々は今の経済状況を見たときに、あえて30兆円枠を守るためだけに1.5兆円を削るというよりは、30兆円枠を超えるけれどもきちんと表に出すというやり方のほうがベターであるというふうに考えている というのが、私が昨日申し上げたことをもう少し丁寧に申し上げれば、 そういう趣旨です。

従って、今まで主張してきた財政構造改革路線を転換をしたというこ とはまったくありません。基本的には需要不足を財政支出によって補う というような考え方はとっておりませんし、財政規律をきちんとしてい かないとむしろ金利が上がり国債暴落にもつながる、そしてそのことが 経済にとってもかえってマイナスであるという視点を踏まえてやってい くべきであるというところも全く変わっていませんので、そのことを改 めて申し上げておきたいと思います。

施政方針演説

【政調会長】昨日、施政方針演説がありましたが、鳩山代表のコメント も出ていますので、特に申し上げることはありませんが、中身はほとん ど棒読みで、役人の作った答弁を読んでいるだけというなかで—-これは予算委員会でも取り上げていただきたいと思っていますが—-例えば 自動車重量税の扱いや道路特定財源といった問題についてはほとんど何も答えていません。かなり後退したなという印象を受けます。

ただ、演説の最初と最後にだけパフォーマンスをして、そこがテレビ に映るようにしているところは、それなりの工夫をしているのかなとい う感じもしますが、内容的には極めて不十分なものであったと思ってい ます。その辺は、予算委員会の総括質疑のなかでしっかりやっていきた いと思っています。

医療制度改革と3割負担

【政調会長】今の自民党を見ていますと、一つは医療制度改革の3割負担の問題で、大分ギクシャクしているように思いますが、私は非常に本質的でないところで議論しているような気がしてなりません。

つまり、一番大事なことは、医療制度の構造改革をいかに進めていくかということであって、それをきちんとすることが先で、3割負担を闇 雲に進めることはおかしいということを我々は申し上げてきました。

ところが、そういった構造改革の話はそっちのけで、3割負担をいつ からやるのかという財政的なつじつま合わせの問題で議論していると。 もちろん、その背景には医師会の思惑等いろんなことがあるわけです が、いずれにしても議論の焦点が違うんじゃないかという気がします。 最も本質的な構造改革の議論の部分は忘却されて、これはもともとの厚生省案のときからそうなんですが、負担増の話からやることが選挙対 策上あるいは利害関係団体とのつながりでいいか悪いかという話に終始している、大変生産性のない議論をしていると思います。

道路公団改革—-第三者機関委員の国会同意人事

【政調会長】もう一つは道路公団改革の第三者機関の人事の問題についてですが、こう言うと自民党の抵抗勢力と結論的には同じになってしま うので嫌なんですが、やはり国会で承認するのが基本だと考えていま す。

結論はまだよく分かりませんが、どうも小泉総理が言っているような 形で、国会承認はなしということになりそうです。しかし実質的には、 だからといって総理が勝手に決めるのではなくて、道路族とは事前に ちゃんと調整をするという最悪の談合パターンになりつつあるというこ とです。

私が申し上げたいのは、「国会できちんと議論すべきだ」ということ です。国会承認人事というのは、これまで形式的に賛成・反対だけでし たが、本来的には国会に出てきて、一人ひとりの候補者がきちんと質問 に答えるなかで国会の意思として承認するか否かを決定するというのが 本来の制度の意義であり、まさしくアメリカなんかはそういうふうに運用されているわけです。

そういう本来の制度の意義ということを考えれば、小泉総理は法律上 国会承認にして、そしてそれを与党調整をせずに、総理の考え方として、その人が委員として相応しいということを国会に出すと。事前に与 党調整をしないで、国会がまさしく質疑をするなかで決めていく—-。 これが本来の姿です。

そして、そのプロセスを通じて、国民の皆さんも本当に委員として相 応しい人かどうか、あるいはその委員に対する賛否を国会議員が一人ひとり投票するなかで、その議員が本当に構造改革に賛成しているのかど うかということも全部分かるわけですから、本来そういうやり方が本筋 だと思います。

今進みつつある、国会承認を求めない、しかも総理が自分で決めるんじゃなくて、事前に調整して決めるというのは、最も分かりにくく、最も情報公開をしないという、最悪の結論ではないかと思っています。ま あ、そういうふうにならないことを祈りたいと思っています。

第三者機関人事に対する民主党の要求

【記者】第三者機関の人事についてですが、民主党としては、あくまで 国会承認を求めるということですか。

【政調会長】それが筋だということです。これほど重要なことについて、国会を噛ませずに、勝手に政府だけで決めてしまっていいはずがないと思います。

3割負担と医療の抜本改革

【記者】サラリーマンの3割負担の問題で政府と与党が大分もめていま すが、最終的に事前調整がつかずに、官邸サイドが「来年4月実施」と いうことで法案を出してきたら、民主党としては賛成するんでしょうか。

【政調会長】具体的にどういう書き方になっているのかにもよります が、基本的には我が党のポジションは「構造改革なき負担増には賛成で きない」というものです。

【記者】政府の抜本改革案では不十分だと?

【政調会長】抜本改革の話自体ないでしょ?ないからこそ坂口厚生労 働大臣も同時セットのような話をしてるわけだし、本来の意図は分かりませんが、私は坂口さんが言っていることは筋が通っていると思います ね。3割負担だけを闇雲に進めるんじゃなくて、抜本改革をしてトータ ル30兆円の医療費をいかに効率化するかというのが本来まずあるべきな んですね。

それをずっと無視してきて、小泉さんも厚生大臣のときに無視をし、 総理になってからもずっとそういう話はせずに、財政のつじつま合わせ の話だけにしてしまったと。これは厚生労働省案もそうですから、坂口 さんもあまり強くは言えないですが、それが今、抜本改革をきちんとす べきだということが前提だというのであれば、それはその通りだと思い ます。

診療報酬体系の見直し等、いろいろと上がっている具体的項目に ついて全く答えが出ていないわけですから。

【記者】岡田さんが考えていることは分かるんですが、来年4月に3割 負担に上げないと先延ばしによって保険料率の大幅アップということが 懸念されますよね。その辺についてはどのようにお考えですか。

【政調会長】だから構造改革をやらないかんわけでしょ?医療効率化 プログラムというのも一時出たけれど、あれもかなり時間がかかります し、医師会との関係もあるんでしょうが、とにかくそういったものは前 倒しすると。

それから、厚生労働省が言ってるような、保険者の統合の問題とか、 高齢者医療をどうするかとか、そういうことをきちんと出して、「こう いうふうにするから、これだけの負担増は覚悟してください」—-負担 増というのは、保険料のアップもあれば3割負担もあるんですが—-と いうのが物事の順序で、闇雲につじつま合わせだけして、そのあとで構 造改革はやりますよと言っても、それはできないわけですから、結局先 送りになるわけです。

ですから、いかにして先送りさせないかという仕組みを構築するかと いうことが議論のポイントであるべきだと思います。

【記者】民主党としては対案を出すんでしょうか。

【政調会長】一応、去年出して、今パブリックコメントに付しているも のがありますので、それが対案です。

【記者】法案としては?

【政調会長】法案としては、「患者の権利法」とか、いくつか関連する 法案をすでに出していますが、政府側がまだ保険者の統合の問題とか高 齢者医療といった具体策について何も出してないわけですから、我々が 法案を出してもほとんど議論されることはないと思いますね。今国会で はそこまでは必要ないと思います。

組み替え予算

【記者】予算の組み替えについてですが、党内や野党間の調整を含め て、今後の予定は?

【政調会長】実務者協議が昨日から始まったばかりなので、まだ具体的 に申し上げる時期ではありませんが、来週の金曜日が野党4党政策責任 者会談の予定ですので、そのときに中間報告できる状態にしておきたい と思っています。ただ、その段階だと総括質疑が終わったぐらいですか ら、まだそこでは結論は出ないんじゃないですかね。

鹿野副代表の離党

【記者】業際研問題で離党した鹿野前副代表についてですが、これから 与党側が参考人質疑等を求めてくる可能性がありますが、それについて 政調会長はどのように?

【政調会長】これは離党されたあとの話ですので、私個人のいろんな思 いはありますが、具体的な話が出てきたときに党内で議論していく問題 だと思います。個人的な思いを申し上げるべきではないと思います。

金融再生ファイナルプラン関連法案

【記者】金融再生関連法案はいつ提出するんですか。

【政調会長】今日、提出する予定です。

【記者】予算委員会の現場では、予算の審議入りをする前に金融問題を 取り上げたいという主張をこれからなさると聞き及んでいるんですが、 その狙いと現状認識というのをちょっと……

【政調会長】それは、予算が通ったあとということになれば、3月の後 半になるわけでしょ。まあ、われわれは4月ぐらいまで頑張るつもりで すが。でも、それじゃ間に合わないわけです。

今の危機的な状況で3月末の決算期を乗り越えていくためには、金融 問題にすぐに着手しなければ駄目だという認識です。そして、金融をしっかり安定させて、そのうえでペイオフを実施するということです。 今の極めて不安定ななかで、3月末を本当に越えられるのかという問 題、しかもペイオフも重なってくるということですから、このままでは 非常にリスクが高いと思います。

もちろん、だからといってペイオフを延期しろというふうには全く思 いません。ただ、やることをちゃんとやりなさい、今までサボってきた ことをちゃんとやりなさいということです

有事法制と包括法

【記者】政調会長、有事法制について今国会で法整備をするということ で政府・与党がおおむね合意して、一時個別法だけ先行処理するんじゃ ないかと案もありましたが、そうではなくて包括的な法整備も併せて進 めるということになったようですが、それについてはどのように……

【政調会長】それについてだけ言えば、いい方向だと私は思います。や はり、基本的人権との関係とか国会の手続きとか、あるいは対象範囲とか—-今回は直接侵略に対する対応ということのようですが—-いずれ にしてもそれらをはっきりしたうえで、第1分類(防衛庁所管法)、第 2分類(他省庁所管法)といった個別法の議論をしなければいけないわ けで、個別法だけの先行ということはあり得ないと私は思ってましたの で、方向としてはいいと思います。あとは中身ができたところで、しっ かり見ないといけないと思っています。




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