自由党との合流問題と政権獲得への道筋
将来の合流前提は確認
――民主党内での議論の経過は。
自由党との合流問題は昨年末、当時の鳩山代表が提起されて始まった。3月に政権構想協議会をつくり、選挙協力を確認しつつ、合流の可否について話し合って きた。統一自治体選挙後、全国会議員と個別面談、新人予定候補や県連からも意見を聞いた。結果は議員が賛成4、反対3、どちらとも言えない3、新人は賛成 が多く、県連は反対が多いなど、党内の意見は分かれた。
――常幹は活発な意見があったと聞くが。
常任幹事会で5月16日、20日、21日と合計6時間ほど、集中的に議論した。ことの重要性から考えても、活発かつ率直に議論できたことは非常に良かったと思う。
私は、「段階を踏んで、相互の理解、信頼を深めたうえで合流すべきだ。ステップを踏んで進めていかないと、両党は異なる政党文化を持っており、合流に よって脆弱な政党をつくっても意味がない。ここで失敗すれば政権交代は10年以上遠のく。だからこそ大胆かつ慎重に進めなければならない」と考え、常任幹 事会に「合流を前提にまず統一会派を結成する。合流の時期は現時点では決めない」と提起した。大議論の末、最終的に了承され、自由党との交渉は代表と私に 一任された。
――自由党との交渉は。
22日から連日交渉し、26日に党首会談となった。この席での自由党からの最終的な返事は、総選挙前の合流が明確でない以上、民主党からの提案は統一会 派も含めて、お受けできない。ただし、政権交代という共通の目標に向け政策、選挙での両党の協力は変わらない、とのことだった。我々の提案が受け入れられ なかったことは残念だが、会談後の記者会見で菅代表、小沢党首も「総選挙前の合流の可能性は残っている」と発言されている。
政権交代勢力の大結集を
――今後の野党結集の方向性は。
秋に予想される総選挙に向けて、まず自由党、社民党と選挙協力をしっかり行う方針。政権政策も共通なものをつくり、信頼関係を高めるなかで、将来的に野 党が結集するのは、必然だと思うし、実現に向けて大いに努力していきたい。そのためにも野党結集の中核である民主党がしっかりしなけばならない。野党結集 の問題で異なる意見が党内に存在するのは好ましくない。また、将来的には自由党との合流を前提とすると常任幹事会で決めたことは非常に重要な意味を持つ。 交流を深めていきたい。
――今後の政権交代に向けての戦略は。
特に重要なのは、国民の政権交代への期待の高まりつくること。小泉さんではこの国を救えない、経済も生活も良くならない、外交も軸がないと圧倒的な人び とが思っている。勇気を出して政権を代えようといまこそ訴える必要がある。経済界、労働界、言論界、学界、知事といったオピニオンリーダーたちを政権交代 に向け一つの勢力として形づくることが必要だ。全党あげて政権交代に向け、大きな流れをつくりだしていく。