トピックス

2003.06.30|その他

定例記者会見録 2003年6月

6月27日

○青森県知事選に勝って横山候補には青森を変えてほしい、自分も応援に入る

○骨太方針:小泉改革はいよいよ言葉すら失った「名も実もない」改革

○イラク復興:来週火曜日に方向性を出すが、政府は説明責任を果たすべき

○太田議員発言は女性はもちろん男性をも侮辱する発言、きちんとした謝罪を

○山田議員問題:結論はまだだが倫理委員会を適宜開催し議論を急いでいる

○民由合流シンポ:常幹決定に瑕疵はなく、それを覆そうという趣旨ではないはず

青森県知事選挙

【幹事長】まず1番目は青森県知事選についてですが、実は私もこれから青森に行って、今夜は弘前に横山北斗候補の応援に行きますが、是非勝ちたいと考えています。

私が申し上げるまでもなく、前職がああいった事件のなかで辞任したわけですが、その前の選挙でも横山さんは立候補し、そして惜敗したわけです。今度こそ勝って、青森を変えていただきたいと思っています。

菅代表も明日、青森に入りますし、自由党も小沢党首、藤井幹事長が入っていただいたと聞いていますが、とにかく全力を挙げて、当選に向けて努力したいと思っています。

「骨太の基本方針2003」に対する評価

【幹事長】2番目ですが、経済財政諮問会議の、いわゆる「骨太の方針」が今日、閣議決定されたということで、私も先ほど30分ほど内閣府から説明を受けました。

小泉内閣の特徴の1つは、膨大な分量の紙が発生することで、その全てに目を通すのは大変骨が折れるわけですが、その割には中身がありません。

新聞各紙の社説でも、いろんな表現を使いながら、その中身のなさ、あるいは後退について触れていたと思いますが、ほとんど具体的なものが見られないという意味で、今までは小泉改革というのは「言葉はあれども中身伴わず」だったんですが、いよいよ言葉もなくなってきたのかなと。

自民党に40カ所以上修正されたというのもその表れだと思いますが、今までも実体はなかったんですが、名すらもなくなってきたと。名も実もない改革だと、そういうふうに申し上げておきたいと思います。

イラク復興支援特措法への対応

【幹事長】3番目に、この延長国会の最大の焦点であるイラク復興支援の問題ですが、今日も拡大役員会を開きました。

詳細な中身はここで申し上げる立場にはありませんが、とにかく来週火曜日の部門会議でしっかりとした議論をしようということで、論点整理的な議論を今日は行いました。

大事なことは、最終的に我々がどういう立場を取るにせよ、なぜそうしたかということを委員会審議を通じて国民の皆さんにしっかり理解していただくということ、我々から言えば説明責任をしっかり果たしていくこと、これが重要なことです。

委員会の審議も今日で3日目で大分進んでいますが、例えば我々の求めた「自衛隊派遣の具体的ニーズは何なのか」という問いに対する説明も、昨日1枚紙が出てはきましたが極めてなおざりで、この程度の認識で本当に自衛隊を派遣しようとしているんだろうかとう疑念をぬぐい去ることができません。

そういった我々の疑問に対し、あるいは国民の疑念に対して、政府はしっかり説明責任を果たしていただきたい。そういうなかで、充実した審議が行われることを期待したいと思っています。

自民党・太田誠一議員の発言

【幹事長】最後に4番目ですが、先ほどの報道でもありましたが、自民党・太田誠一議員の発言についてで、超党派の女性議員が議員会館の太田事務所を訪れて、本人はおられなかったようですが、抗議をしたということも聞きました。

この発言は、女性蔑視であるとともに、そういったレイプをした男性が正常に近いという認識を示したわけですから、考えようによっては男性に対する侮辱だと考えることもできます。

いずれにしても、真面目にコメントするのが嫌になるほど不用意な質の低い発言で、きちんとした謝罪をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

被害者の女性に対して、そして女性全体に対して、あるいは男性に対しても、政治家として、人間として、きちんとした謝罪を求めたいと思っています。

<質疑応答>

イラク特措法の賛否

【記者】火曜日に論点整理を出されるというお話ですが—-

【幹事長】いや、論点整理を出すんじゃなくて火曜日に大体結論を出そうと思っています。

【記者】それは賛否も含めてですか。

【幹事長】そういうことになるんじゃないかと思います。

【記者】となると、これまで民主党が指摘してきた問題点について、政府側の答弁がこうであるから賛成なのか反対なのかというところまで決める形になります?

【幹事長】今、あまり詳しく申し上げる立場にはありませんが、あるいは「こういうことがクリアされればどうだ」とか「クリアされなければどうだ」とか、そういう形になるかもしれませんが、いずれにしても何らかの結論、方向性は出さなければいけないタイミングにきていると思います。

修正協議の是非

【記者】今の話のなかで「クリアされればどうだ」とか、「クリアされなければどうだ」というのは、賛否も含めてかという質問がありましたけれども、修正協議の是非も含めて、という理解で宜しいでしょうか。

【幹事長】ですから今、一定の方向付けをするつもりはありませんので、条件付き賛成、条件付き反対、あるいは頭から反対、頭から賛成、全ての可能性を持って火曜日に議論してもらうということになります。

もう、それ以上のことはありませんので、現時点では。「日曜討論」は出ないほうがいいんじゃないかな。(笑)

今日の役員会で方向性を出さなかった理由

【記者】今日、結論なり方向性を出さなかった理由というのはあるのでしょうか。

【幹事長】まず、役員会の性格というのは、こういった法案の賛否を決める場ではありません。それは『次の内閣』がその場です。そして、『次の内閣』の前提として部門での議論がありますから、そういうものを経ないで頭ごなしに決めるということは普通はありません。

狭まってきた意見の幅

【記者】今日の役員会後のブリーフィングによれば、割といろいろ多様な意見があったのが幅が詰まってきた、集約の方向になってきたというお話でしたが、これについて事実確認と、2点目はやや議論が分かれているところがあれば一番そのポイントみたいなのがあれば教えていただけないでしょうか。

【幹事長】後者のご質問にはお答えしません。ノーコメントです。

前者のご質問は、大分議論もしましたので、そういう意味では幅が狭くなってきているとは思います。多分、それも役員会での議論に過ぎませんから、火曜日の部門会議でどういう議論になるのか、それを見極めないと分からないわけですね。

たまたま火曜日の部門会議が役員会と時間的にダブっていますので、役員の人は誰も出られないんですね。

山田議員問題に関する倫理委員会調査

【記者】山田敏雅議員の件ですが、今週倫理委員会が終わったという情報もありますがその確認と、今後調査結果の公表などはどういう手順で進めるのかお考えを。

【幹事長】倫理委員会は適宜開催しています。この間何度かやっています。しかし、結論が直ちに出せる状況にまでは至っていません。

ただ、そう長く引っ張る問題でもないと思いますので、議論を急いでいるところです。それ以上のことは今ちょっと申し上げられません。

民由合流を目指すシンポジウム

【記者】本日の午前中に、自由党と民主党の有志の議員による合流に向けたシンポジウムが開かれました。議員の数は合わせて40名程度ですが、こうした会合についてどう思われますか。

【幹事長】結論を申し上げると、いろんな勉強をするシンポジウムを開いて講師を呼んで勉強すること自身は党を超えて、超党派でやられることは、それ自身は問題だとは考えません。

ただ、その中身が合流について、一旦党として出した結論を変えるというのを目指しているのなら、それはちょっと違うのではないかと思います。

【記者】今日の会合に出席されている議員の皆さんは、結論を党として出すには議員総会が必要だという認識のようですが、それについてはどう思われますか。

【幹事長】今日参加した方のなかには友情出演で出られた方も大分いるようですから、今日出席した全員が今おっしゃったように思っているとは私は思いませんし、議員総会が必要であると考えているとは私は理解はしていません。すでに党の意思決定機関である常任幹事会で意思決定していることですので、それをもう少し詳しく言えば常任幹事会で8時間の議論を経て、代表・幹事長に交渉を一任をし、そして交渉の結果も出ているわけで、その結果についても常任幹事会でもご報告をしているわけですから、それを意思決定に瑕疵があったということは私は言えないと思います。

幹事長の立場としては、早く次なる総選挙に向けて挙党態勢でやっていきたいと思っておりますので、いろんな議論があることは自由ですけれども、一旦決まったことをまた覆すようなことであれば、それはいかがなものかと思います。

今日のシンポジウムがそういう趣旨だとは理解してませんけどね。会見の最後になってご質問が出たように、記者の皆さんも合流問題にはほとんど関心をなくしてきてるんじゃないかという感じがしますし、あえて声高に申し上げることはしません。

6月20日

○三位一体改革論議:自治体間の格差をどこまで認めるかという本質論がない

○規制改革:国の視点ではなく生活者の視点から見れば答えは簡単に出る

○会期延長が決まった以上、構造改革、経済、イラク問題等議論を尽くしていく

○共産党との連立は今のところ視野に入っていないというのが個人的な考え

○イラク新法:問題点を整理することが先決で、修正協議の是非はその後の話

○ルールの変更がない限り、比例に関する常幹決定は原則通り粛々と進める

○自民党総裁選後に補正予算を組んで解散・総選挙という可能性が最も高い

本質論なき三位一体改革論議

【幹事長】まず、「骨太の基本方針」とその前提としての三位一体改革、あるいは規制改革についてですが、大分混乱しているように見えます。

来週月曜日の23日には予算委員会での集中審議が予定されていますが、私に言わせれば、例えば三位一体改革、また今日も財務・総務両大臣の間で舌戦があったようですが、一番基本的な議論が忘れられているように思います。

それは、個別に補助金をどれだけカットするかとか、どれだけの割合の税源移譲をするかという以前の問題として、そもそも自治体間の格差をどういうふうに考えていくのかのという議論がないままに、補助金や税源移譲の話をしてもほとんど意味がないということです。

どういうことかと言うと、例えば、所得税の税源移譲をするとした場合に、義務的経費であるということで仮に全額移譲するとしても、所得税4兆円を税源移譲したとして、そして、補助金4兆円をその分カットしたというときに、トータルでは金額は一致してるんですが、あるいはいは8割ということであればその8掛けを移譲するということで、数字としてはつじつまが合うわけですが、しかし個々に自治体にとってはそれぞれ違うわけですね。

税源移譲された所得税がどれだけその自治体にとって収入増になるのか、そしてそのとき補助金がカットされた分がそのくらい収入減になるのかというのは、それぞれの自治体ごとに、所得税の税収がどのくらいあるか、補助金をどのくらいもらっているかによって変わってくるわけですから、これは1対1に絶対対応しないわけです。

そういうことについて、マクロの話だけじゃなくて、個々の自治体から見たときの議論というのが本来不可欠です。そこのところのより根本的な問題としてあるのが、どこまで自治体間の格差を認めるかという一番本質的な議論、そこがないとこの議論は堂堂巡りになってしまうといいますか、具体論になった途端に非常に混乱するだろうと思います。

個々の格差の議論をするということであれば、地方交付税をどうするかという話も同時にしていかないと結局議論は完結しないので、そういう意味で「三位一体」ということで当初議論が始まったはずです。

それが本質論を置き去りにして金額だけの問題になっている、あるいは交付税以外の税源移譲と補助金の話に特化しているというのは、本質的な議論を見失っていると言われても仕方がないと思います。

そういう意味では、非常に底の浅い議論で閣僚が口から泡を飛ばして本質的でない議論をしていると感じがします。

規制改革の視点

【幹事長】規制改革の問題も、結局視点の問題です。つまり、国から見下ろしているのか、それとも実際に規制改革に関連する人たち、もっと言えば生活者の視点で見るかということで、全く変わってきます。

幼保一元化なども、一番大事なのは小さな子供を持った親、あるいは小さな子供たち自身の目で見たときにどうかということであって、そういう視点で見れば、基本的には国は大枠のところだけ決めておいて、あとは自治体ごとにその子供を預かる施設の中身が変わっても、私は全く構わないと思います。

幼稚園も保育園も従来のお役所が勝手に作った定義で、そういう意味で、子供立場から見れば、一定の安全が確保され、子供たちの交流がきちんとできるそういった最低限の基準さえ国が決めれば、あとは自治体の判断でいろんな多様な施設を造っていけばいい。そしてその費用も税源移譲されたお金のなかで自治体がまかなっていけばいい。こういうことだと思うんですね。

なかなかそういう姿にならないのは、国の目から、上からものを見ているからだと思います。子供の視点から見れば、答えは極めて簡単ではないかと思っています。

こういうつまらないことで延々と議論している姿というのはまことにエネルギーの無駄ですし、総理のリーダーシップのかけらも感じられない。そんな感じがします。

国会も来週から動き出すということですので、そういった小泉改革あるいは小泉経済政策についての議論を一方でしっかりとやりながら、同時にイラク支援の法制について議論するということだと思います。

会期延長になったことはある意味で非常に残念なことですが、延長が決まった以上、その期間のなかで議論を尽くしていくというのも、我々国会議員としては大事なことではないかと思っています。

<質疑応答>

会期末解散の可能性

【記者】会期延長を絡んで、イラク新法の今後の出口が混乱した場合に会期末の解散もあり得るんじゃないかという発言が自民党から出てきて、それをまた山崎幹事長が否定したりしていますが、民主党は秋の解散を想定にして準備を進められていると思うのですが、会期末解散の可能性についてどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】あらゆる可能性はあると思います。それは総理が解散と言えば解散になるわけですから。ただ、今回のことは自民党の某議員が発言したと思いますが、明らかに意図が見え見えでコメントをする必要はないと思います。

共産党との連立

【記者】民主党は政権交代を目指して野党間で選挙協力を進めたりして、いずれ今の自民党中心の政権が倒れたときに連立を組むというイメージがあるのかと思いますが、そのなかに共産党は入っているのでしょうか。仮に入っていないとすれば、なぜ共産党とは組めないのでしょうか。

【幹事長】難しいご質問ですね。我々は今、選挙協力は社民党そして自由党との間で進めつつあります。そのなかに、選挙協力という意味では共産党は入っていません。

連立の相手としてどう考えているのかというご質問だと思いますが、基本的には今我々の視野には入っていません。あくまでも選挙協力をしている社民党、自由党との間で連立政権を作っていこうということです。

それはやはり政策の幅といいますか、政権を取ってそして我々の視点から見て重要な、国民の立場からの政治をやっていこうという場合に、やはり共産党さんの抱える政策はやや我々から見ると違和感がある。特に安全保障の問題ではかなり開きがありますので、今のところ相手として想定はしていないということです。

ただ、党として何らかの決定を正式にしているわけではありません。するともしないとも決定をしていませんので、あくまでも私の意見ということで受け取っていただきたいと思います。

国会のなかでの協力などは今もやっていますし、それは野党として強大なる与党に対抗していくために、是々非々で必要に応じてやっていくということだと思います。

【記者】今、その共産党が党の綱領改正をやろうとしていますが、向こうは民主連合政府という言い方をして、連立内閣の可能性を全く否定しているわけではないんですが、今おっしゃったのは政策が違うからということでしょうか。社会主義革命を志向する政党とはやれないという非常にアバウトな議論もあるんですが、確認しますが政策が違うから連立できないということで宜しいんでしょうか。

【幹事長】そこでいう社会主義革命の中身がどういう中身かということによると思います。共産党さんの目指す社会主義というものは恐らく我々が目指している社会とは違うと思うんですね。それは理念的なものであるとともに、政策的なことでもありますのでそういう意味で私は申し上げました。

是非共産党のなかでも多様な議論があり、そしてそれが国民から見えれば、より理解が進むのではないかと思います。それ以上のことは、他の政党に対する、ある意味で中身に関わることですので、私からあまり申し上げるべきことではないと思います。

イラク新法の修正協議に対するスタンス

【記者】】イラク新法についてですが、自民党の山崎さんが今日の会見でも改めて修正点が見出されてくれば民主党との間で修正協議もあり得るということをおっしゃっていましたが、改めて賛否は別にして、修正協議に対するスタンスをお聞かせください。

【幹事長】修正協議の前にですね、何が問題かということをきちんとですね固めなきゃいけないと思うんです。これは今、党内で作業もしています。それから委員会審議が始まれば、そういうなかで指摘もあり、そしてそれに対する総理なり関係大臣の答弁も出てきますから、問題点がよく明確になってくると思うんですね。

そういう形で何が問題かということが明確になるということが、まず先に来るべきだと思います。有事法制のときにも、10数項目に渡って、そういう指摘をまず昨年通常国会の終わりにしたけですね。それをもとに修正の議論というのが出てきたわけで、我々がそういう問題点を固めたときにこれじゃとても歩み寄りができないというふうに双方が思えば修正協議には入らないし、かなりのところでお互いが妥協できるということであれば協議に入っていくと。

それはまさしくこれからの議論次第だと思いますね。今のまだ問題点もまだ確定していない段階で、修正協議をやるとかやらないとか、そういうことは言えないと思います。

比例に関する常幹決定

【記者】総選挙の話に戻るんですが、先週末の全国幹事長会議でも7月末までには空白区の解消をしていきたいということでしたが、一方で先週の会見でもありましたが、比例単独については原則は変えないということでしたが、現実的に考えてもこれは最後まで変わらないということなのか、あるいは特例ということが出てくるのであれば、それも7月末までに何らかの方針が見えてくるのか、その辺りはどうなんでしょうか。

【幹事長】私は単独について、何かお答えしたことはないと思います。私が申し上げたのは「比例に関して常任幹事会で決めた原則は守ります」と、そういうふうにお答えをしたと思います。そのことは常幹で新たな決定がなされて、そのルールを変えるということにならない限り執行部としては粛々として、その原則を貫いていくということになります。

最も可能性の高い解散・総選挙の時期

【記者】最初の質問にちょっと関連するのですが、一応選挙体制としては秋の選挙の可能性を想定してということですが、自民党側では同日選挙ではないとかいろいろ取り沙汰されてるんですけれども、改めて秋なら秋でいいんですが一番可能性の高いのはいつとお考えなのか、またその理由は何なのかということをお聞かせください。

【幹事長】これは議論し出すと誰も分からないわけで、総理が最後はエイヤッと決めればそのときが解散のときだということになりますが、総裁選挙がそう大混乱にならずに行われるとして次の国会の召集があり、そしてそのなかで、これは分かりませんが、恐らく自民党ですから補正予算を組んでそれが通ったところで解散ということになる可能性が高いのではないかと。

そのときに丁度秋の補選の問題もあります。補選をやってまた1ヵ月や2カ月で本選というのも、なかなか考えにくいもんですから、そういう意味で10月解散11月投票ということが一番あり得るのではないかと思っています。

もちろんそれがややずれ込んで、12月解散とかあるいは通常国会冒頭1月解散ということはあるかもしれません。しかしそれは誤差の範囲ですから、やはり想定されるなかで早いタイミングを具体的なXデーにして、いろんな準備をしていくというのは政党としては当然のことだと思います。

同日選挙というのは、可能性がないなんていうのは私は断定はできません。しかし諸般の各党党首の発言などを見ていると、その可能性は少ないのかなというふうに思っております。

6月13日

○明日14日の全国幹事長・選対責任者会議を皮切りに選挙準備をスタート

○イラク新法は問題多く政府原案を丸呑みしろと言われても喉につかえてしまう

○企業献金の公開基準緩和は政治改革10年目で初めての逆行、見逃せない

○イラク新法をめぐる自民のドタバタは茶番、党内政局・権力闘争の疑い濃厚

○片山知事発言はやや勇み足だったがそれだけひどい話、責任は総理にある

○新体制半年:政権交代に向けて準備は整ってきた、民主は十分政権を担える

全国幹事長・選対責任者会議会議と選挙態勢のスタート

【幹事長】まず、昨日の総合選挙対策本部と臨時常任幹事会でのご議論を踏まえて、明日、全国幹事長・選対責任者を招いての会議を、この党本部で開くことになっています。

解散・総選挙の時期については諸説ありますが、現時点では10月解散・11月総選挙という可能性が非常に高いという前提に立って、これから党としての準備を本格化させていかなければなりません。そのことについて、明日をスタートにこれから進めていきたいと考えています。

また、来週には明日の会議を踏まえて、全議員を対象とした総合選対本部主催の全議員懇談会を予定しています。

いよいよ、本格的に選挙モードでスタートさせなければいけないと思っています。具体的には、お盆当たりまでを第1期ということで、特に新人候補者に対する支援を中心に進めていきたいと考えています。

イラク復興・人道支援特措法案

【幹事長】次に、イラク復興支援の問題ですが、これまでにも何度か申し上げているとおり、我が党の基本的スタンスは、イラク国民の立場に立って復興支援を行っていくということは極めて重要であると。

ただし、自衛隊を派遣して支援を行うことについては、先般の調査団の報告を聞いても、具体的ニーズがなかなか出てこないので、そういったことについて今後さらに詰めていきたい—-。こういうことです。

従って、法案について現時点で賛否を決めているわけではありませんが、1つはそのニーズが本当にあるのかどうかという点。

あるいは、法案の前提になっている米英軍の行った戦争について、我々は国連憲章上問題があると言ってきたこととの整合性。その他、いくつか論点があると思いますが、これからそういったことについて党内で議論していく。

政府原案を見ると、かなりいろんな問題がありそうで、これから政府・与党でどういう態度が取られるかにもよりますが、今日も自民党総務会で大量破壊兵器の撤去については削除する方向になったと聞いていますが、いずれにしても、原案のままでそれを丸呑みしろと言われても、それはかなり問題があって喉につかえてしまう。

だからと言って今、反対ということを決めたわけではない、ということも併せて申し上げておきたいと思います。

企業・団体献金の公開基準引き上げ

【幹事長】それから、政治資金規正法の改正問題、企業・団体献金の公開基準引き上げについてですが、特に公明党の対応には驚くばかりです。

今までも神崎代表や冬柴幹事長が、「透明性を薄めることには反対だ」とか「改革に逆行する」とか「公開基準を引き上げることに反対だ」と言ってきたにもかかわらず、突然「透明性を確保できる」と言って自民党と合意したのは、公明党の原点というものを考えたときに、これは驚くべきことだと思います。

同時に総理ご自身も、透明性がこういう形で低められることについて完全に開き直っているということも、これまた従来の発言との整合性をどう説明されるのか、是非説明をお伺いしなければいけないと考えています。

この10年間、政治改革というのは、歩みは遅かったかもしれませんが、一定の方向に向かって進んできました。今回の決定は政治改革がスタートした、つまり、リクルート事件をきっかけに、政治改革の声が上がり、政界全体が改革に向かって歩み始めて初めて、遅いとはいえ前を向いて進んでいたのが初めて、逆方向に歩みだしたということであって、これは絶対に見逃すことにはできないと考えています。

これは是非、今後、総理の責任あるいは自民党や公明党、与党の責任を国民の皆さんに訴え、そしてこういう改悪がなされないように、野党として我々の責任を果たしていきたいと考えています。

<質疑応答>

イラク復興・人道支援特措法の問題点

【記者】イラク復興支援特措法についてですが、先ほど原案のまま丸呑みしようと思っても喉につかえてしまうとおっしゃいましたが、喉につっかえる部分というのはどの部分でしょうか。

【幹事長】いろいろありますのであまり細かく言うつもりはありませんが、今の段階で先ほど言った目的のところは1つありますね。米軍の行った戦争が正当であるという前提に立っているとすると、我々とはそこで違ってしまうんですね。これが1つあります。

それから3つの活動類型がありますが、それが2つになったんだと思いますが、米軍の後方支援というところについていろいろな問題があると。もちろん、今の武器使用基準のまま行かせて大丈夫かという問題もありますし、それから米軍の後方支援をすること自体が今の考え方からいうと武力行使一体化ということにつながらないかとか、そもそもそういう後方支援をすることがいいのかどうか、すべきことなのかどうか、こういった問題があると思います。

もちろん、事前承認になっていないことや期間が非常に長いことなど、ざっと言ってもそのくらいの問題があるということですね。

【記者】今おっしゃったような問題点が改善された場合に仮に修正協議をやって賛成するということもあり得るのかということが1点、あと法案とは別にオペレーションの部分でかなり実施計画のときに絞ってくると思うのですが、その際に法案への賛否とは別に賛成することはあり得るのでしょうか。

【幹事長】今申し上げるのは適当ではないですよね。閣議決定もしていないわけですから、間もなくされるんでしょうけども。具体的にはこれからで、まだ我々は正式な条文も見てませんし、多分自民党のほうは与党間の協議が必要ですよね、総務会で法案を変えたわけですから。

そういったことが整って、そして委員会の場等で議論することになるのかならないのか、つまり会期延長というのがありますから、延長があるのかないのかそこもはっきりしませんので、今おっしゃるような仮定の質問には答えないほうがいいだろうと思います。

大量破壊兵器処理を除外することで自民党が特措法を了承したことへの評価

【記者】】関連なんですが、大量破壊兵器の処理についての部分を削除するという条件で自民党が納得したということ自体に対してどう評価されますか。

【幹事長】 その背景が必ずしもよく分かりませんが、大量破壊兵器などあるはずがないというふうに自民党の皆さんが思っているのか、大量破壊兵器はあるのかもしれないけれどそれを自衛隊が処理をするのは望ましくないと思っているのか、そこはよく分かりませんが、恐らく自民党の大半の皆さんも大量破壊兵器が出てこないであろうと思っているのではないかと推測しています。

そこはやはり戦争の正当性についての議論に戻るわけですね。これは法案そのものではありませんが、法案に関連して大いに議論されるべき点だと思います。

【記者】大量破壊兵器の処理の部分が落ちたということだけで、法案の賛否の方向性が出るというふうには認識しないほうがいいのでしょうか。

【幹事長】いいと思います。

比例単独候補者は認めないという常幹決定

【記者】総選挙のことで確認させていただきたいのですけれども、比例区と小選挙区の対応について比例区単独の候補者は認めないという原則はまだ生きているのでしょうか。

【幹事長】常任幹事会で決定された原則は全く変わっていません。執行部としては常任幹事会でお決めいただいた原則をきちんと実現していく、実施をしていくというのが執行部の立場であり仕事です。

竹中大臣の不信任案

【記者】党内で竹中金融・経済財政担当大臣への不信任案を出すべきだという声があるようなんですが、任命者の問題であるというのが基本的な民主党の立場かと思うのですが、一方で現在の経済状況に対して、デフレ対策が不十分であったことに対して、きちんと民主党として主張を示すべきだという政策的な意見もありますが、今のところどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】竹中大臣に対するそういったご意見はいろんな理由がありますので、そこの理由も含めてこれから党内で議論していかなければいけないと思います。是非もですね、私は絶対可能性がないと言うつもりもありません。

ただ、役員会等ではまだきちんと議論されていませんので、国対委員長からそういう提起があって議論されるというのが物事の順序だと思いますが、会期がどうなるかということにもよるんですけれども、恐らくく火曜日の役員会で議論にはなるのではないかと思います。

「議論になる」という意味は、それで決まるということではありません。是非についての議論はなされるだろうと予想しています。

イラク新法をめぐる自民党内のドタバタ

【記者】イラク復興支援に戻るんですけれども、1点目は今回与党のほうで法案を出す前にこういう修正が行われたというドタバタについてどのように見てらっしゃるのかが1点目と、先ほどおっしゃっていたように丸呑みできない、そういう問題はあるけれどもしかし反対と決めたわけではないとおっしゃっている、一般的な見方からすると丸呑みできなければ反対するのが普通ではないかという指摘も先ほどの社民党の福島幹事長の会見なんかであったんですが、整合性がとれるのかどうかその辺の説明をいただければと思います。

【幹事長】丸呑みができなければ反対というのもよく分からないですね。それは呑み込む前に捨ててしまうような話だと思うんですね。これから我々先ほど言いましたように、イラク国民にとって何が必要かという視点で議論していくと。

そういうなかで支援が要るというときに自衛隊まで使って支援する必要があるのかどうかということについて、やはりきちんと政府側の説明も聞かなければならない。我々も調査団を派遣していますが限られた日数のなかで限られた地域のことを見てきたわけですから、もう少し違う視点もあるかもしれませんので、そういうものは謙虚に聞かせていただいて最終的に我々としてどうするかべきかという判断をする。

イデオロギー的にとにかく自衛隊が海外に出ること全てに反対という立場ではありませんので、必要性に応じて判断をしていきたいということです。

もちろん、そのときに憲法との関係とか、従来の我が国の国会での論議とかそういうものは十分踏まえて判断することになると。これは当然だと思います。

1点目の自民党内のドタバタ、これは茶番ですよね。茶番なんですが、中身の話というよりももう少し違う視点で議論が行われているのではないか。今回、大量破壊兵器のところがなぜ削られたのかというのは、先ほど申し上げたように私もまだ明確には承知していませんけれども、あまり本質的じゃないところなんですね、ここは。

本質のところが変わらないであれだけもめていたにもかかわらず、最後は合意してしまうというのは、そもそもの議論というのが本当にイラク国民のために必要かどうかという視点で行われていた議論、政策的な議論だったのか、それとも自民党内政局、権力闘争という視点で行われていた議論なのかということですね。

どうも権力闘争として行われていた疑いが濃厚である、そのことを示していると思います。

片山鳥取県知事の東芝製品不買発言

【記者】鳥取県の片山知事が、地方分権改革推進会議の議事運営で議長を務めた東芝の西室会長を批判して、不買運動をしたということがあったんですけれども、この片山知事の発言、行動についてはどのように思われますか。

【幹事長】片山さんのお怒りもよく分かるんですよね、ひどすぎますから。ただ、それは本来は総理に対して向けられるべき怒りなんですね。

今回のことは、多くのマスコミもほぼ同じことだと思いますが、西室さんは東芝会長という立場で必ずしも参加しているわけではありませんので、やや勇み足だったのではないかという感じが私はします。

まあ、それくらいの怒りが、冷静な片山知事がそういったことを吐いてしまうほどひどい話だったということで、その責めは小泉総理にあると思います。

イラク新法修正協議の可能性

【記者】イラク新法の話に戻りますが、自民党内で当初から民主党の協力を得るべきだという意見が出ていたのですが、先ほどいろいろと法案の問題とかもおっしゃっていましたが与党サイドから修正協議の呼びかけがあった場合に、これについては協議には応じるというお考えでしょうか。

【幹事長】この問題、非常に答えにくいのは、会期延長の問題と絡んできますのでうっかりお答えすると、じゃあ会期の延長を認めているのかということになりますので、今の時点でその点についてはノーコメントだと言わざるを得ないという苦渋の言い方で理解していただければと思いますが……。

しかし、一般論としてはやはり、議論すべきものがあれば議論するというのは当然だと思いますが。会期の問題さえなければね。まだ十分会期があるなかでこういう問題が出てくればそれは国会で議論すらしないということではなくて、国民の目の前でしっかり議論するということが国会議員として当然の務めだと思います。しかし、今回は会期に絡んでいるので話がややこしくなっているわけですね。

宮沢内閣不信任案可決から10年

【記者】6月18日、来週水曜日ですが、宮沢内閣不信任案が可決されてから丸10年になります。当時幹事長は賛成されて、自民党を出られて政権交代のある政治というのも目指してこられたと思うんですけれども、今振り返ってみてどういうふうに思いを抱いていらっしゃるのかというのが1つと、次の衆議院選が小選挙区比例代表並立制の3回目の選挙になるわけですけれども、それをどう位置付けていらっしゃるのかということ、あと決意をお聞かせ願います。

【幹事長】もう10年かという思いと、まだ10年かという思いと両方ありますね。あのとき私は、宮沢内閣不信任案に賛成投票したときに、10年は野党だなと思いましたし、そういうふうに周りにも申し上げました。「10年は野党で我慢してくれ」と。

その後思いもかけず、細川政権ができて少しスタートは遅れたんですがほぼ10年経ちました。そろそろ政権交代を実現しなければいけない時期が来ていると思いますし、今の民主党はその準備が整ってきたと思います。次の総選挙はそういう意味で大きな勝負になると考えています。

我々の準備が整ってきたと同時に、自民党の壊れ方も予想以上のものがあって、小泉さん自身も「半分壊れている」とおっしゃいましたが、それ以上にガタが来ている。従来の支持層が完全に離反しているという状況だと思います。

あとは我々がいかに素晴らしい政党をつくり上げるか、国民の皆さんの目に見える形でそれをアピールしていくか、ということに尽きると思いますので、しっかり頑張りたいと思います。

小選挙区比例代表並立制というのは、いろんな妥協のなかで成立したものですが、基本的な仕組みとしては悪くないと私は思っています。

ただ、どうしても今の小選挙区300、比例代表180という議席配分は連立政権を生みやすい形になっていますので、本来であればやっぱり単独政権が原則で、国民の意見がかなり分かれたときには連立政権と。投票の結果がですね。

普通で行けば単独政権が構成できるような仕組みが望ましいと思います。連立政権もいいところはありますが、やはり連立政権というのは選挙前の約束と、選挙後の行動がそのままストレートに一致しませんから、そういう意味では有権者から見て分かりにくいわけですね。

そういうことを考えますと、私は小選挙区300、比例代表100くらいが望ましい形だと思いますが、あまりそんなことを言いますと他の野党からお叱りをいただきますので、個人的な見解ということでとどめておきたいと思います。

さっきの政治とカネの問題は、まさしく10年目で初めての逆行で、これはやはり見逃せないと思いますね。

戦争反対論と自衛隊派遣の整合性

【記者】蒸し返すようなんですが、戦争に反対したのに軍隊を送っているというのは世界的に見てどこもないですよね。フランスとか含めて、軍隊を派遣していないと思うんですけれども……。

【幹事長】デンマークはどうですか?賛成しました?

【記者】不勉強で申し訳ないんですけれども、民主党は少なくとも戦争に反対して、それでも一応政府案の細かな話し合いのなかで協議するかも決めるという部分に対して何かちょっと矛盾を感じるのと、実際に調査団を派遣して、明らかに自衛隊のニーズが見出せないという印象を受けたんですけれども、それでも自衛隊を出すことに対して反対という意見をおっしゃらないのも、何かちょっと矛盾を感じるのですが……。

【幹事長】あれですか、そうすると戦争に反対したから協力するなと、イラクに対して復興支援するなとこういう話ですか。

【記者】いや、人道上の支援とかはいいんですが、軍隊が出るというのは非常に意味合いが違ってくると思うんですけれども……。

【幹事長】今、そこは考え方の問題だと思いますね。政府案にもそういう人道支援は入っているわけですから。自衛隊を使った人道支援が入っているわけですから。自衛隊ということをどういうふうに考えるのかという、そこの考え方の違いじゃないでしょうか。

ニーズについても、先ほど申し上げたとおりですが、調査団の報告は聞いていますがそれは限られた期間の中で、限られた地域を見てきたにすぎませんから、もう少し違う視点もあるかもしれません。

そういうものを聞くことはやぶさかではありませんし、聞かずに早急に結論を出すというのはいかがなものかと私は考えます。

新体制発足半年間の評価

【記者】先ほどの宮沢内閣の不信任案と若干かぶると思うんですが、政権交代に向けて準備が整ってきたという話がありましたが、さすがに新体制になって半年になりました。この間党内でもいろいろ、自由党との合流問題など議論がありましたけれども、半年間を振り返られてどのように評価されるのか、また支持率なども絡めてお聞かせください。

【幹事長】支持率は当時と比べれば上がっていますが、最近は上がったり下がったりだと思います。あまり支持率にとらわれてもいけないと思いますが、今の支持率で満足はしていません。

これから選挙に向けて、これがどんどん上がっていくような、今まではどちらかというと内向きといいますか、中を固める作業を、少なくとも私は進めてきましたが、これから選挙に向けて外に打って出るということも必要だと思っています。

民主党の現状についてはいろいろご意見があるかと思いますが、自民党や私がかつて席を置いた新進党など他のいろいろな党と比べて、はるかに党としてのまとまりを持ち、そして多くの能力のある人が前向きに頑張っている政党だと、十分政権は担える党だと私は考えています。

6月6日

○中東和平合意:今回はブッシュ外交を率直に評価したい、我が国も貢献を

○盧武鉉大統領と北朝鮮の体制転換を取るべきではないことを話し合いたい

○経団連献金:全体像が見て意見するが、献金の使途も評価対象にすべき

○献金公開基準を引き上げれば説明責任を主張してきた某与党は全く矛盾

○我が党の主張が入って有事法案が成立したことは非常に結構なこと

○イラク新法:会期延長と絡めて政治ゲーム化しているなかではコメントしない

○イラクに大量破壊兵器がなければ戦争の大義と総理の責任が問われる

○マニフェスト:説明責任を果たすこととその結果評価という2つの重要な役割

中東和平合意

【幹事長】まず、中東和平問題ですが、アメリカ、イスラエル、パレスチナの3者が集まって一定の合意に達したことは率直に評価したいと思います。

私はかねがねブッシュ大統領の外交に対して疑問を呈することが多くて辛目の点を付けることが多いわけですが、この中東和平の問題についてはアメリカ主導で本来なかなかまとまらないと思われていたことが、合意に達したことは評価したいと考えています。

もちろん、この合意が将来どうなるのかということは、今までの例を見ても手放しでは喜べませんが、しかし一旦こういった形で合意に達したと。

しかも、シャロン首相がパレスチナ国家樹立の容認を初めて公式に認めたということですから、そういう意味では、この点については高く評価したいと考えています。

いつでしたか、私もパレスチナにおける初めての選挙で、これは議会の議員を選ぶ選挙だったんですが、その選挙監視団の一員として参加しました。

団長が小渕さんで、私もその一員として行きました。あのときは本当に平和への機運が満ちていて、初めて自分たちの代表者・議員を選挙で選ぶという試みだったわけですが、朝早くから30会場ぐらい回って適正に投票が行われているか監視するというというような仕事だったんですが、最初の会場でお年寄りのパレスチナ人が来て、涙を流しながら「自分が生きているうちにこういった形で投票ができるとは思わなかった」と言っておられたのが非常に強く記憶に残っていますが、そのあと、一旦「やっぱりまたか」という感じがあって、それがまた今回こういう合意になったということは非常に良かったと思います。

これから、いろんな困難があると思いますが、日本ももちろんきちんと協力をしながら、パレスチナの新しい国づくり、そして中東における平和の構築というものに関係者がそれぞれ努力していただきたい、日本としてもそのために貢献していかなければならないと考えています。

盧武鉉大統領との面会と北朝鮮問題

【幹事長】次に、韓国の盧武鉉大統領が日本にお見えになって、明日の土曜日は私は仙台に行く予定にしていますが、そのあと、菅代表と一緒に大統領にお目にかかることにしました。短い時間ですが、意義のある意見交換をしたいと思っています。

私自身は、昨年6月に盧武鉉さんが新千年民主党の大統領候補に決まった直後に初めてお会いをした日本の政治家だったと思いますが、30分ほど意見交換をさせていただきました。

そのときにも、なかなか現実に大統領になることは難しいのではないかと言われていましたし、一時期支持率が非常に下がったわけですが、そのなかを勝ち抜いて大統領になられた。久し振りにお会いすることを楽しみにしています。

短い時間ですが、特に私が大統領に申し上げたいと思っていることは、北朝鮮問題で、この問題を日韓両国がしっかり協力して乗り切っていくことが、日韓関係の未来にとって非常に大きな一歩になるということです。

小泉総理の北朝鮮問題に対する考え方というのは、この前にも同じようなことを申し上げたと思いますが、必ずしもはっきりしない。

特に、日米首脳会談のなかで、ブッシュ大統領から「すべてのオプションをテーブルに置く」と言われ、それに対して「理解する」と言われたわけで、常識的に考えれば、「すべてのオプション」と言えば、武力行使や体制転換ということも含んだ概念ではないかと考えますが、それに対して理解を示したというのはどういうことなんだろうという気がしますが、体制の転換ということではなくて、平壌宣言にもあるように、金正日体制が核を放棄し、そして経済的に国を開いていくことで自らが生き残っていく、それしか道はないんだということを理解させていく。それが平和裡にこの問題を解決する唯一の道だと考えています。

そういったことについて、盧武鉉大統領としっかり意見交換ができればと。つまり、体制を転換するというようなオプションは取るべきではないということが議論できればと考えています。いずれにしても、久し振りにお会いするので、楽しみにしているところです。

《質疑応答》

有事関連法案の成立

【記者】今日、有事法制が成立しました。先ほど社民党で会見があったのですが、そこで土井さん、福島さんが「今回の法案は自民党と民主党の場外談合で決まった法律だ」ということをおっしゃったようですが、そのことに関してお伺いします。

【幹事長】どういう意味でおっしゃったか分かりませんが、衆参で審議を重ねてきたわけですし、その審議には社民党さんも参加されていたわけですから、場外で決まったということは私には理解できない発言です。

もちろん具体的な交渉は国会のなかでも外でも行われたと思いますが、これは通常の法案修正というものはそういうものだと考えますので、言っている意味がよく分からないとお答えしておきたいと思います。

【記者】有事法制が成立したとはいえ、課題はまだ残っています。FEMA(危機管理庁)とか国民保護法制とかですね。今後、与党に対してどのように言っていくのか、あるいは民主党としてどのように進めていきたいとお考えかスケジュールなど含めてお聞かせください。

【幹事長】すでに与党との間で確認していることがありますので、その線で進めていくということだと思います。今までは法案の議論中でしたので具体的な話はしておりませんが、法案の成立を受けて、具体的なこれからの手順について与党としっかりと話をしていきたいと考えています。

日本経団連の政治献金再開

【記者】企業献金についてですが、日本経団連が政党ごとに政策を評価して、それを会員企業に示して献金を流したいということを言って準備を進めているわけですが、それについてどう思われますでしょうか。また政策評価という点について経済界との意見交換というものをなさってますでしょうか。

【幹事長】経済界との意見交換については、適宜やっています。私が政調会長のときから旧経団連ともしていますし、同友会ともしていました。そういったものは続いていますし、日本商工会議所ともやろうということで、いろいろなレベルがありますけれども、政策の面での意見交換というのはこれからもどんどんやっていきたいと考えております。

企業献金については、まだ全体像が見えませんので経団連のなかでもいろいろなご議論があるというふうにも聞きますし、割と経済人のなかでも意見を個々にお聞きしてみますと多様な意見がある段階ですので、まだ正式なコメントをするのは早いと考えています。

ただ、政策面で評価をするということも、もう少し具体的な中身がはっきりしてから申し上げたいと思いますが、1つだけ申し上げておきたいのは献金についてそれがいかに使われたかと。そこの透明性の問題ですね、それは是非評価すべき基準に加えるべきではないかと。

つまり、出したものが例えば今の自民党の収支報告を見ていますと、本会議で私が一度取り上げましたが幹事長に年間12億円行っている。しかし、その12億がいかに使われたかはどこにも書いていない。そういう透明性のない使い方、それを助長するような献金であってはならないと。そういうふうに私は考えます。

それは企業経営者であれば、賛成していただける考え方ではないか、説明責任ということですから。お金を出す以上、その使い道がきちんと、もちろんお金に色は付いていませんが、出す以上はきちんと国民に説明責任を果たしているところに献金をするという考え方に立つべきではないかと思っています。

企業・団体献金と政治腐敗

【記者】その献金に絡んだ質問ですが、参議院法務委員会で心神喪失者に関する法案を与党が強行採決をしました。それに関連して、日本精神科病院協会からの献金が問題化していますが、与党側のそういう姿勢についてどう思われるか。それからもう1点は、長崎県連の話から始まって、かなり政治とカネの問題が議論に上がってるんですが、なかなか進んでいない。そういう現状についてお聞かせください。

【幹事長】最初おっしゃった具体的な話は、私は詳細を承知しておりませんのでコメントは控えたいと思います。

それから、2番目の話ですが、一部には献金公開基準を引き上げることについて与党が合意したという報道もありますが、事実関係は私は承知しておりません。

しかし今まで、先ほど説明責任に関することでもありますが、透明性を高めてきたという大きな流れに逆行するようなことをもし与党がすれば、それは当然批判されるべきだし、あってはならないことだと。

与党のなかにもいろいろな党がありますが、自民党はともかくそういった政治に対して説明責任を果たしていこうということを前面に掲げてきた政党から見れば、それはほとんど説明できない事態ではないかと思います。

有事関連法案に対する棄権1名の処分

【記者】有事法制が成立したことについてテレビ用に改めてコメントをいただきたいというのが1点と、それから採決に当たって神本議員が棄権という態度を取られました。院が違いますが、これについて党の幹事長としてどのような対応をかんがえていらっしゃるんでしょうか。

【幹事長】有事法制については我々は従来から申し上げていますように、緊急事態に備えるための法制は必要であるというのは我が党の一貫した主張ですので、それが100点満点とは言えませんが成立をした。そして我々の主張もかなり取り入れるなかで成立したということは非常に結構なことだと考えて評価しております。

もちろんそういうなかでいくつかの宿題も残っています。国民保護法制も早く制定する必要がありますし、あるいは基本法の問題とか日本番FEMAの問題とか、そういったことについて誠意もって約束を果たしていただきたい。与党に対してはそういうふうに申し上げておきたいと思います。

国民の皆さんの視点から見たときに、割と私は緊急事態法制、有事法制の必要性についての理解は進んできたと考えますが、今なお慎重なご意見があることも承知しています。そういった方々に対しては、きちんと説明責任を果たしていくなかで、さらに理解を得る努力が必要だと考えております。

一部の野党の皆さんが有事法制を作ることが戦争につながるという論理を展開しておられますが、これは極めて無責任で、国民の皆さんも理解はされていると思いますが全く政党としては責任ある態度であるとは言えないと考えています。

個別の神本さんの話については、先ほど参議院の執行部とも連絡を取りました。「今、事実関係について、本人から意見を聞いている」ということでしたので、私からは「その結果をあとでお伝えください。同時に参議院としての考え方も伝えていただきたい」と申し上げました。それを受けて、党としての考え方、どういうふうに対応すべきかということを決めたいと思います。

【記者】今の後半の質問の答えについてなんですが、前回のテロ特措法のときは造反された方々への処分というのは、参議院で決めたという記憶があるのですが、今回は党として処分を決めるということでしょうか。

【幹事長】前回も幹事長が厳重注意をしたという例があります。従って、党の執行部として全く無関係ということではありませんので、もちろん参議院レベルでの対応に任せることも選択肢としてはありますが、少なくとも事実関係をきちっと把握して、そして私のところで対応すべき話なのか、参議院にお任せする話なのか、そこの判断は私がしなくてはいけませんので、そういう意味で申し上げました。

【記者】有事法制の採決に絡んで、特別委員会野党筆頭理事の斎藤議員が国際会議に出られるということで委員会の採決にも、本会議での採決にも欠席されました。これだけの重要法案で野党側の筆頭理事が欠席するというのは、かなり異例のことではないかと思うのですが、党も認める形での海外出張ということなのですが、その辺りどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】私自身その話は今初めて聞きましたので、参議院の国対で海外出張の件に関してはご判断されたものだと思います。それ以上のコメントはありません。

イラク復興支援新法への対応

【記者】イラク復興支援の件ですが、今、調査団を派遣されていて帰国されてから党としてのお考えをまとめるようになるのかどうかということと、恐らく政府のほうでイラク復興支援新法を作ってくると思いますが、それへの対応についてはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。

【幹事長】イラクの復興に対して我が国がしっかり支援しなければいけないということは、党としては確認をしているところです。では、具体的にどういった支援をすべきか、何をなすべきかといったということについては、今、調査団も出しておりますし、その報告も聞きながら党としてまとめていかなければいけないと考えております。

政府の予定される法案は、自衛隊を出すことに関する法案だというふうに考えていますが、我々はイラクに対する復興支援を議論していくなかで、自衛隊を出す必要があるのかどうかということも当然議論しなければいけませんし、あるいは出す必要があるということになった場合に政府のスキーム、法案の形で—-今いろいろ報道されますが、まだ具体的な話は見えてませんが—-政府の考える内容、やり方で出すことは適切なのかどうかということについて具体案が固まったところで我々の考え方を示したいと考えております。

【記者】現時点で幹事長としては、自衛隊を派遣することについてどういうふうに考えていらっしゃいますか。今後決めるとしてもその基準をどう見ていらっしゃいますか。

【幹事長】何度も申し上げているんですが、まだ与党のなかであるいは自民党のなかですらいろいろな議論ある。あるいは会期の延長と絡めて一種の政治のゲームとしてこの問題が扱われているときに、野党第一党である民主党が、政策論として述べたとしても、それが素直にそういうふうに受け取られませんのでここでコメントすることは控えたいと思います。

鳩山グループの署名活動

【記者】鳩山さんの周辺のグループの方々が合流を求めて署名を集めるということですが、こういう動きについて容認されるのか、それとも一度常幹で決まったことなので中止を求めるのか、その辺はいかがでしょうか。

【幹事長】まず合流問題に関して言えば、常幹でお決めいただいた方針に基づいて、自由党と交渉し、そして常幹でお決めいただいた線で提案をしましたが、自由党のほうからそれでは飲めないということでお断りになりました。

そして、お互いこの問題は一旦区切りを打とう、将来の合流というのはあるかもしれないけれども、一旦区切りを付けたほうがいい。そういうふうに小沢党首も菅代表も発言をして一旦そういう状況にしたわけです。そういう状況については常幹にも報告をしているところです。党としてはこれで、この問題は永遠の終止符ではありませんが、一旦区切りをつけたと考えています。そのことが変わることはありません。

今の署名活動は、文書などを見ると執行部に対する励ましとも受け取れる部分もありますが、しかし、まだ党首会談をやって2週間ですので、またぶり返した議論をするとしたらそれは適切ではないと考えます。

署名をしてそれが集まれば、それは今後の1つの参考になると思いますので、中止を求めるとかそういう気は私はありませんが、私としては半年後の選挙に向けて全力投球の態勢に入っていますので、あまりこの合流論で時間を取りたくないなと考えています。

皆さんの真剣なご意見、お気持ちはそれは選挙にも関わる話なので当然だと思いますので、合流に関してご意見のある方はいつでも幹事長としてお聞きをしたいと申し上げていますし、現にそういう会を作ったり、鳩山さん始め関係者のところには適宜出かけていろいろなご意見をお聞きしているところです。

大量破壊兵器未発見の責任

【記者】イラクの問題で、イラクでは大量破壊兵器が未だ存在が発見されていませんが、政府がアメリカの武力攻撃を支持したときの、これは大前提だったと思うのですが、このことについて党としてどうお考えになっているのかということと、この追及の動きというのが民主党のほうからあまり聞こえてこないんですが、その辺はどうお考えですか。

【幹事長】私は少なくとも申し上げているつもりです。あまり皆さんには書いていただけませんが。

アメリカも大量破壊兵器の除去ということが1つの大きなお題目になっていて、正当化の事由になっていて、そして大量破壊兵器が出てこないということに対してアメリカの議会でも厳しい議論があると聞いています。

日本の場合には、アメリカ以上に大量破壊兵器ということに重点を置いた説明を国民に対してしていました。アメリカの場合にはテロが起こるのを防ぐための先制攻撃だとか、いろんな議論を挙げていましたが、日本の場合には大量破壊兵器一辺倒と言ってもよかったと思います。

そういう意味で大量破壊兵器が今だに見つからないということは、何のための戦争だったのかという議論がもう一度問い直されなければいけない事態だと思います。そのことに対して小泉総理は説明責任を果たさなければいけないと考えています。

私は前にも言いましたが、あれだけ大量破壊兵器の危機について強調された以上、アメリカから我々には言えないだけの証拠を示されて、確信をもって総理は言っておられる、あるいは与党の幹事長が言っておられると思っていましたが、こういう事態になって一体何だったんだろうかと。

この戦争によって多くの方が亡くなり、被害が出たわけですから、その本来の目的が正当化される理由がこういうことで今だに明確でないということは大変由々しき事態だと思います。

是非、マスコミの皆さんもこの問題を正面から取り上げていただきたいと思います。

【記者】イラクの復興支援の関係ですが、復興支援と戦争の是非とは別だと切り分けをされているようですが、大量破壊兵器が見つかっていないということはかねて民主党が主張されていたように、この戦争には大義がなかったということを裏付る結果になっていると思うんですが、そこはやはり切り分けて考えるべきだとお考えでしょうか。

【幹事長】それも1つの論点ですね。法案についての議論する際の。戦闘行為そのものは終わっていると。今でも散発的にはロケット砲が打ち込まれて米兵が亡くなったり、最近もそういうことが起きているようですが、おおむね終わっていてあと散発的にこういった事件が起きている状態。

それから国連決議があった。その国連決議をどういうふうに評価するのかということですね。そういったこともこの法案を議論する際の論点、争点であるというふうに思います。あまり言い出すと中身に入っちゃうのでこれ以上言いませんが。

私は賛成とか反対という意味で申し上げているのではありません、ニュートラルですから。論点になり得るという意味で申し上げています。

山田議員問題

【記者】山田敏雅議員の倫理委員会の件ですが、進展状況と今後の見通しを教えてください。

【幹事長】結論から申し上げますと、倫理委員会は何回か開いています。ご本人からご意見を聞くという場面もあります。ただ、いつとか中身がどうとかそういうことは個々には申し上げるべきではないと思います。

倫理委員会に今何をお願いしているかというと、調査をお願いしているわけですので、私のところには倫理委員会としての調査結果が上がってきます。その段階で皆さんにもご説明することがあるかと思いますが、その途中の段階では具体的に申し上げることは控えたいと思います。

外交問題に関する追及と総理の責任

【記者】先ほどイラク戦争の大義について、総理はきちんと説明をする責任があるとおっしゃったんですが、これまで民主党は終盤国会は経済有事だという位置付けのなかで、経済運営上の責任を問うていくという姿勢が強かったと思うんですが、外交問題で総理の責任を問うていくということが強くあるんでしょうか。あるいは、総理の責任として、今回の戦争に至る経緯について小泉総理の責任というものをどのくらい強く考えていらっしゃるんでしょうか。

【幹事長】先日の予算委員会での経済・外交に関する集中審議で菅代表がトップバッターで立ちましたが、そのなかでも外交をかなりやってるんですね。そういう意味で、経済だけに特化するということではありません。

ただ、経済問題が非常に重要だということで、我々は「経済有事」という言葉を使って、そこを中心に議論しているわけですが、先ほど言ったイラク戦争に大義があったのか、正当事由があったのかといったような問題は非常に大きな問題ですから、北朝鮮の問題と並んであるいはイラクの復興支援の問題と並んで、これからも国会での大きなテーマだと考えています。

【記者】総理の責任については?

【幹事長】総理の責任は追及されるべきだと思います。

企業・団体献金に対する民主党の基本的な考え方

【幹事長】先ほどの日本経団連の献金の問題、最初に基本的なことを申し上げたほうが良かったのかなと思いますが、我々は、企業・団体献金について、将来的には個人献金に依存する形にすべきだと考えていますが、現実にはいろんな法制上の問題もあって、あるいは意識の問題もあって、個人献金についてはそう多くを望めない状況にあります。

そこの改革も必要だと思いますが、そういう現実もあるなかで、あまりにも税金に依存しすぎた党運営は健全ではないと私は考えますので、企業・団体献金やパーティーによる活動資金の調達は必要であるという基本的考え方に立っています。

現に、7月1日には党主催のパーティーも、規模から言うと自民党の派閥のパーティーよりもややかわいい程度の規模で、議員個人のノルマから言ってもかなり少ない、そういうパーティーですが、今そのパーティーについて、私自身も含めてお願いをしているところです。

ご質問の日本経団連の問題は新しい要素が入っていますので、つまり評価をするということですね。それによって献金の額が決まってくると。そういう新しい考え方について、党としてどう考えるかということは、先ほど言いましたように、もう少し具体化した段階で申し上げたいと考えています。

経団連献金の実効性

【記者】今のお答えに関連してなんですが、結局評価をしても自民党への献金再開を形作るだけに終わってしまうんじゃないかというような見方もあるんですが、例えば政策についても実際どれだけ実行したかということが問われるとなると、やはり与党と野党とでは野党が不利になると思うんですね。あるいは、議員個人ごとに評価したいという意見も出ているようですが、これも実際に献金額に反映させることはできないのではないかと思うんですが、その点も含めていかがですか。

【幹事長】そういう問題は当然あると思います。だからこそ、もう少し具体化したところでご意見申し上げたいと思います。

先ほども言いましたように、まだ経団連のなかですらいろんな意見があると認識していますので、今の段階であまり早く言うことはいかがなものかと。経団連としての考え方がまとまった段階で、意見を申し上げたいと考えています。

マニフェストの意義と民主党の取り組み

【記者】与党各党でも、マニフェスト(政策綱領)作りが進んでるんですが、民主党としても今作ってると思うんですが、そういうふうに各党でマニフェスト作りが進んでいる状況についてどういうふうに思われるのか、また、民主党としてのスケジュールについても教えてください。

【幹事長】まず、最初のご質問について言えば、非常に結構なことだと評価しますね。政治が、よりはっきりと説明責任を果たすということですから。

例えば、私は前回の参議院選挙における民主党の選挙政策は、数値がたくさんは入っていないという意味では、マニフェストとはいえないかもしれませんが、かなり具体的なものとして、しかも半年くらい、その関連でネクストキャビネット(『次の内閣』)も10回くらいやったと思いますね。そういうなかで議論して練り上げたもので、私なりに自信を持って出したつもりです。

それに対して、自民党のほうの選挙公約は、実態はほとんどお役所の係長クラスが書いていると。それがきちんとマニフェストという形でお作りになるということであれば、それは評価できると思います。

ただ、マニフェストというのは作って終わりではありません。実効性が問われるわけですね。そういう意味で、今回はマニフェストを掲げて選挙するというそのこと自体にも意味はあると思いますが、その次の選挙は、じゃあ前回の選挙で掲げたマニフェストがどれだけ実行できたのかということの評価も併せて問われる選挙になるわけです。

そういう意味で、マニフェストというのは、「1粒で2度おいしい」ではありませんが、作ることとその結果の評価という2つの重要な役割を果たすということだと思います。

自民党に申し上げておきたいのは、例えば前々回の参議院選挙のときに、我々はいろいろと議論がありましたが、消費税の引き下げについていろんな議論が出ていましたが、民主党は消費税は現状をそのまま行く、つまり引き下げということは言いませんでした。

いろんな議論が党内にありましたが、政調会長代理としてその一線は守ったつもりです。真面目に公約として掲げたつもりです。

政府は何も言わなかったんですが、自民党は消費税を引き下げるということを公約として掲げました。つまり、政府と与党が違う約束をして、選挙を戦ったということがありました。マスコミはあまり書きませんでしたが、これなどは本当に馬鹿げたとんでもないことで、マニフェストをもし作るということになれば、それは政府と自民党一体のものでなければ意味がない。そういうふうに思いますし、そういうものが出てくることを期待しています。




TOP