定例記者会見録 2004年1月
1月30日
○イラク:政府の対応は杜撰・お粗末、審議を通じて自衛隊派遣の問題点を明確に
○経団連政策評価:民主党の政策がけしからんからCやDというなら見解の相違
○経団連の献金再開に対する党の態度はもう少し時間をかけて見極めて判断
○2月10日から党職員を公募、広く優秀な人を求めて党のパワーアップに
○造反への対応:マニフェストで約束したことを違える無責任な議員はいないだろう
○古賀問題:大阪知事選には影響ないだろうが、支持の回復に努める必要はある
イラクへの自衛隊派遣に関する国会審議
【幹事長】まず、国会のほうは、イラクの自衛隊派遣についての承認に関する質疑が現在も続いています。
昨日来、次々に明らかになる政府の答弁のお粗末さ、答弁のお粗末さというよりも、現地調査について、サマワ市評議会が解散しているということについて、そのことを政府の中ですでに防衛庁は分かっていながら、総理まで届いていないなかで答弁をしているという杜撰さ。
そして、その他の答弁に見られるように、形だけの調査を行ったというなかで、「治安に問題はない」と強弁して自衛隊を出そうとしていることの問題、そういったことが次々に明らかになってきていると思います。
私も全て委員会の状況を把握しているわけではありませんが、今、原口議員の質問が始まり、総理がサマワ市評議会についての答弁を撤回したことについて、「歴代総理の中で初めてという認識があるか」という問いに対し、総理の答えは「私が総理になってから初めてです」という、まさに「すり替えの小泉」の面目躍如たる答弁も出たわけですが、しっかりこの委員会で議論していくなかで、自衛隊を今イラクに出すことがいかに憲法上、あるいは政策論としても問題があるかということを明確にしていきたいと考えています。
今日は大きな山場ですが、しっかり議論をすることがいかに重要かということを国民の皆さんにしっかりお見せしていくなかで、あくまで十分な審議を求めていきたいと考えています。
経団連の政策評価
【幹事長】次に、一昨日、日本経団連の政策評価が出まして、それに対するコメントは少し申し上げましたが、通信簿をもらったような気持ちで見るとあまり気分が良くないと。CとかDが並んでいるわけですから。
そして、なぜか劣等生のはずの自民党がAとかBが並んでいるということですが、経団連は経団連なりの基準に基づいて評価をしているわけです。
例えば、環境税の導入を民主党が唱えているから民主党の環境政策はDだとか、あるいは我々は失業給付について、すでに失業給付が切れた人とか、あるいは自営業者のようにそもそも失業保険というものがない人に対する給付ということを、一定の職業訓練というものを義務づけながら、最低限の手当の支給ということを考えているし法案も提出しているわけです。
ただ、そういう人、つまり失業給付の適用のない人にお金を出すこと自身がけしからんというお考えで言われているなら、「それはそれで見解の相違ですね」と申し上げざるを得ないわけで、そういう我々の政策について、けしからんからCとかDとか言われるのなら、むしろそのことを誇りに思う、そういうふうに考えています。
いずれにしても、経団連のほうでこれからこの基準をもとに企業・団体に対して献金の働きかけをしていくということのようです。
我が党として、もちろん今までの企業・団体献金に対して、非常に少ない額ですけれども受け取ってきたことも事実で、今回のこの措置に関して、我が党としてどういう態度で臨むべきか、そのことについてはもう少し時間をかけて見極めながら判断をしていきたいと考えています。
民主党職員の公募
【幹事長】それから、党職員の公募をするということでいよいよ本格的にその手順を決めています。4月1日付けで公募するということですから、2月10日から17日にかけて応募期間を設定して募集をするということで進めています。
しばらく党職員の数を増やさないという方針で来ましたが、やはり年齢のバランスのとれた、もっと言えば若手がやや不足していますので、そういった職員、広く優秀な人を求めていくことで、党のパワーアップにつなげていきたいと思っているところです。
<質疑応答>
自衛隊派遣の採決で造反者が出た場合の対応
【記者】イラクの国会承認の採決において、民主党は反対の姿勢ですが、棄権や欠席も含め造反の対応をとった議員がいた場合、党として処分する方向で検討されるのかどうかお聞かせください。
【幹事長】それは仮定の議論ですから、仮定についてお答えをする必要はないと思います。
ただ、一般論として言わせていただければ、党として決めたことはしっかりそれを守っていくということが当然のことです。従来もそういう方針で臨んできました。その基本的な考え方に則って対応していきたいと思っています。
イラクの問題は、我々は政党として先の衆議院選挙において、マニフェストの中に明確にお約束を申し上げて戦ってきたことですから、そのマニフェストで国民に対して一人ひとりの候補者が約束をしてきたことについて、それが違うということには私はならないと信じています。そういう無責任な対応をとるような議員はいないだろうと考えています。
古賀問題が大阪府知事選に与える影響
【記者】明後日、大阪府知事選の投開票がありますが、古賀議員の問題など含めていろいろありましたが、今後の地方の首長選挙などにおける支持についての影響をどのようにご覧になっているんでしょうか。
【幹事長】府知事選は、結果的には相乗り的になっていますので、そういう意味では影響があるとはあまり思っていません。
ただ、一般論として、支持率ということで言えば、しばらく厳しい時期を過ごさなければいけないだろうと思っています。
これだけメディアを通じていろいろな報道がなされ、そのメディアの報道について私としてはいろいろ意見もありますが、しかし事実、そういうメディアで一方的な意見が流されるなかで、世論が民主党に対して厳しくなっているということは間違いありませんので、しばらくそのことについて我々は苦しまなければならないだろうと。
それはやはりしっかり説明していくなかで、あるいは国会で活動していくなかで、そのことを取り戻していかなければならないと考えています。
埼玉・広島の補選
【記者】池田行彦元外相が亡くなり、補欠選挙が2つになりました。候補者擁立など、埼玉、広島についてどのような心づもりですか。
【幹事長】埼玉は、惜敗率で復活当選をしている我が党の現職(木下厚衆議院議員)がいます。まだ正式に党としては決めていませんが、木下議員が出たいということであれば、すんなり決まると思いますが、正式にはまだ決めていません。県連から上がってくるのを待っている状況でます。
それから、広島のほうはまだ補選が行われることが決まったのが最近ですので、今、候補者の擁立に向けて県連サイドで努力をしていただいている状況です。
1月23日
○施政方針演説:重く見ていたが極めて平凡、何をやっていいか分からなくなっている
○政治改革から10年、歩みは遅いが着実に「政権交代ある政治」が実現しつつある
○企業・団体献金の公開基準引き上げは改革の流れに逆行、後退を許さない
○全国紙、インターネット、雑誌等で候補者を公募予定、有為の人材を育て上げたい
○古賀代議士の学歴問題は、本人の帰国と報告を待ってから党の判断を下す
○参院1票の格差:最高裁の判断は重い、参院選前には判断を活かした対処を
○イラク:採決方法を議論するのはまだ早いが、態度が明確になる形が望ましい
○送金規制:民主党が主張している特別委で十分議論し、迅速に成立させるべき
施政方針演説と代表質問
【幹事長】1つは、国会が正式にスタートして今日まで衆参の代表質問ということで進んでいます。「小泉さん、元気がないな」というのが私の率直な感想で、官僚の書いた答弁を棒読みしているということですし、松本剛明君の質問に対するあの対応ぶりなどは、まさしく説明責任を果たす気力すらないという姿として私の目には映りました。2年半前に小泉政権がスタートしたときの姿と比べると余りにも落差があり過ぎるという感じがします。
特に今回、施政方針演説はかなり重く私は見ていたわけです。というのはこの前の総選挙があって初めての本会議における演説ですから、本来であれば所信表明を特別国会かその直後の臨時国会でやると、それを飛ばして通常国会まで持ち越したわけですから、選挙で選ばれた小泉総理として、これから自らの任期3年間の間で何をやっていくかということを国民にしっかりと語る機会でした。それにしては極めて平凡な演説に終わってしまったと思います。政権としては、何をやっていいか分からなくなっている姿を表していると思います。
政治改革から10年
【幹事長】それから、来週の木曜日で政治改革が実現してちょうど10周年になりますが、私は非常に個人的にも感慨深く思っています。
確か、最終的には河野自民党総裁と細川総理との間で合意の文書が交わされました。夜の1時くらいだったんじゃないかと思いますね。深夜に両者が合意文書を交わして政治改革法案の骨格が固まりました。そのとき私はまだ新生党という党にいまして、院内の控室でその模様をじっと見ていました。
それが終わって小1時間ほど経って、小沢先生が控室にお戻りになって、代表幹事だったものですから署名にも立ち会っておられたんですが、他の議員が全員帰ってしまってましたので、私と小沢さんと2人だけで祝杯を挙げて、記者はたくさんいましたが、「ようやくできましたね」と喜び合ったことを昨日のように思い出します。
国会を出ると雪がしんしんと降っていまして、何か新しいことが始まるなという期待感を持ってタクシーを探して帰ったのを思い起こします。
それから10年経って、歩みはやや遅いわけですが、この間の選挙でようやく二大政党への足場が出来たということで、10年かかりましたが、制度を変えたことによる効果がようやく出てくるような形になったと思っています。
これから次の選挙で政権交代を成し遂げて、日本に本格的な政権交代のある政治の時代をつくる、そのことについて改めて決意を新たにしているところです。
新人候補者の公募
【幹事長】新人候補者の公募の問題ですが、党大会でいろいろお話をさせていただいていますが、いよいよ2月の初めくらいになると思いますが、全国紙2紙に1面全面を使った広告を載せると。
その他インターネットや雑誌なども使って告知をいたしまして、2月の末くらいを締め切りにして、全国から有為な人材を集めたいと考えています。
前回の総選挙のときも同様のことをやりまして、その結果今回当選した方もいらっしゃるわけですが、今、民主党に対する期待感が高まっているなかで、全国の志ある若い人にたくさん手を挙げていただいて、候補者として、そして政治家として育て上げていきたいと考えています。
<質疑応答>
「政権交代ある政治」、政治とカネ
【記者】政治改革関連法成立から10年ということで、改めてこの10年で何が変わったのか、あるいは変わらなかったのか。二大政党制の流れができたとはいえ、今後その流れをさらに加速するためにはどういうことが必要か。制度面なり民主党としての活動なりどういうことをお考えになっているかお聞かせください。
【幹事長】政治改革というときに、選挙制度の問題と政治資金の問題と2つあるわけですね。選挙制度の問題は、10年前に比例代表制度と小選挙区制度の並立制をとりました。
これは一種の妥協の産物であったわけですが、この制度の効果が出て、「政権交代ある政治」、私は二大政党という言い方はしておりません。「政権交代ある政治」というものが現実のものになってきた。
つまり、自民党だけが政権を担うのではなくて、民主党という存在が大きくなり、そして与党が失敗すれば与野党が入れ替わると。比例の部分は残りますので、私は完全には2つになるとは思っていません。
そしてより「政権交代ある政治」という方向を進めていくためには比例をもう少し減らしたほうがいいと。我々は選挙公約でも180の比例を100にするということを申し上げているわけですが、小選挙区300、比例100というのが私はベストマッチだと思いますが、そういう意味ではやや不十分なところもありますが、確実にそういう方向に向かって進んでいると思います。
今の選挙制度の当然の結果として、1つの政党だけではなかなか政権を獲りにくいという状況があり、したがって与党を自民党と公明党が構成しているということです。連立の問題というのは、結局分かりにくくなってしまう、あやふやになってしまうという問題はあります。私はできれば単独で政権を獲れるような方向が望ましいんだろうと思っております。
政治資金の方は、かなり厳しくなったわけですが、一方で企業・団体献金の公開基準5万円を24万円に戻すという話が出てきているわけですね。自民党の今年の党大会でも政治資金の問題なども改革してきたと書いてあるんですが、あるいは小泉さん自身も国会でも私の質問に対しておっしゃったんですが、実は政治資金の大きな改革というのは10年前、公開基準を5万円にしたというのが大きな改革であって、その後はほとんど何もやっていないわけです。
それをさらに24万円に後退させようというのが今の自民党の考えで、そこは絶対後退を許さないと、そしてより開かれたものにしていくということは政党として必要なことだと思っています。
我々はすでに党本部の政治資金収支についてホームページに掲載したり、あるいは本部に引き続いて都道府県連も会計監査法人を全部入れてチェックをする体制をつくったり、すでに今年の党大会で決めたわけで、法律でできないことも率先して先取りして進めていると、それが民主党だということです。是非、他の政党もそういったことを見習ってもらいたいと思っています。
古賀代議士学歴問題
【記者】今アメリカに渡っている古賀議員の関係ですが、UCLAに在籍記録がないという一部の報道について民主党のほうには説明をしたと、大学の略称を誤って記載したと報道されていますが、その点について幹事長はご存じでしょうか。古賀さんから幹事長に渡米してから連絡があるかどうかも含めて伺えますでしょうか。
【幹事長】直接は受けていません。ただ、党としては適宜話を聞いて把握はしています。
【記者】UCLAに在籍記録があるなしということについては幹事長に古賀さんから間接的に説明は受けていますか。
【幹事長】受けていません。
【記者】UCLAの在籍に関しては党のほうに何か連絡があったようなんですが、それについて幹事長ご自身が聞いていることは?
【幹事長】私は聞いていません。私の知っているのは、古賀代議士が現在アメリカにおいて調査中であるということと、古賀さんがお帰りになったところで報告を受けて、私なりの、あるいは党としての判断をしたいということです。まだ今「on the way」ですから。
【記者】古賀さんからいつ報告をしに来るという日付の指定は受けているんでしょうか。
【幹事長】聞いていません。ただ、国会に(請暇願を)届け出ておられるのは月曜日までですよね。ですから、その頃なんだろうなとは思っていますが、状況によってそれは変わりうると思いますので、具体的には聞いていません。
参院定数是正
【記者】参議院の定数是正問題についてですが、先週、1票の格差についての最高裁判決が、合憲としつつも早急な是正を求める内容でした。参議院で与野党の協議会が設置される流れですが、自民党側は今年の夏の参院選までは無理だというスタンスなんですけども、民主党としてのスタンスはどうでしょうか。
【幹事長】自民党のスタンスは確認していませんのでよく分かりませんが、与野党で協議するという形にされたことは結構なことだと思います。
最高裁の判決だということは、立法府としては非常に重く受け止めるべきことであって、自民党がそう言っているかどうか知りませんが、参議院選挙が終わってから対処すればいいという話ではないと思います。
したがって、民主党としては考え方をきちんとまとめて、相手があることですが、できうる限り次の選挙に間に合うような形で最高裁の下した判断が活かされるような改革をしていかなければいけないと考えています。
自衛隊派遣に対する国会承認の採決方法
【記者】イラクへの自衛隊派遣の問題について、今後の国会論戦でどういったところに重点を置いて進めていきたいとお考えか、また派遣の国会承認の採決方法について、与党が記名採決か起立採決か若干モメているようなんですけれども、幹事長のほうでどうすべきかという考えがあったらお聞かせください。
【幹事長】採決方法は基本的には国対でご議論いただくことで、まだ私のところまでその話は上がってきていません。まだ採決の話をするのは早すぎるんですよね。しっかりその前に議論しなければいけませんので、最終的に国対委員長とよく相談をして決めていきたいと思います。
ただ、一般論として言えば、こういう重要なことですから、私はきちんと誰がどういう態度をとったかということが明確に分かる形が望ましいと思っています。
外為法改正
【記者】外為法の改正ですが、与党との間で協議が始まると。国会承認というところが相違点ということですが、国会承認が何故必要なのかということと、与党側と協議する中でのこれへのこだわり具合、絶対条件なのかという辺りをお聞かせください。
【幹事長】これから協議するわけですが、まずこの問題は我が党はかなり前から取り組んできた問題なんですね。
したがって、考え方も党の中でいろいろ議論してきたわけですが、経済制裁を日本だけの独自の判断でするということは非常に重要な判断ですから、国会の意思というものがしっかり示される必要があるということで国会承認を入れていると理解をしています。
いずれにしても、私は早く案を国会に出して、事前にまとまれば共同提案でもいいと思いますが、とにかくしっかりと議論していくということが大事だと思っています。
我々としては特別委員会を作るべきだという主張をしていますので、その特別委員会の場できちんとした議論をして、そして迅速に成立をさせることが重要だと思っています。
1月16日
○比例第一党として国民の広い意見・支持を重く受け止めながら国会に臨む
○イラク問題は米の単独行動が発端、総理の一国平和主義批判は詭弁も甚だしい
○自民党大会:党改革案は示されず、政治腐敗への反省や危機感が全くない
○陸自本隊の派遣前に国会承認となれば極めておかしい、再度承認が必要
○国連待機部隊と憲法9条改正は矛盾しない、これから党内で議論していく
○国民投票法の制定は国会全体のスケジュールとの関係で考えること
○政府・与党の年金改革は小手先の数字合わせ、民主党案を法案化して論戦
○民営化推進委の意見が無視されたことは委員会の崩壊状態を見れば明らか
○候補者が比例区で他党の支援を明確に訴えることは政党として健全ではない
○日本再生のカギ:女性が力を発揮できる環境づくりを民主党は提案していく
通常国会に臨んで
【幹事長】まず、通常国会が来週から始まります。両院議員総会も月曜日に予定をしていまして、そこで代表始め国会に挑む基本的な考え方を述べることになると思います。
私も含めてその場で発言をしたいと思っていますが、この国会は参議院選挙を控えて非常に重要な国会であると位置づけています。日程的にも非常に窮屈ですが、そういう中で十分な実のある中身のある審議をしていきたいと思います。
冒頭はやはりイラクの自衛隊派遣の問題についての国会承認が焦点になると思います。ここは繰り返しになりますが、しかし陸自の本隊はまだ命令が下っていない状況ですから、チャンスはまだあると考えています。しっかりとした議論をしていきたい。
我々がなぜ自衛隊の派遣に反対しているのか。1つは憲法上の問題、もう1つはイラクの国民の立場に立った復興をしていく中で、今、日本が果たすべき役割というのは自衛隊を出すことではない。
むしろ、国際的な国連中心の協調体制をつくっていくためにこそ日本が役割を果たしていくべきで、その役割を果たしていくためには中立的な立場が重要であると。
自衛隊を出すということは占領軍に対する、その一部になるという印象をイラクの人々あるいは中東の人々に与えることになる。我々の大きなアドバンテージを自ら降ろすことになってしまう、こういうことです。そういったことについてしっかり議論していきたいと思います。
あわせて、石破防衛庁長官を中心にいろいろな従来の考え方をかなり飛び越えたような、例えば戦闘地域についての考え方、正当防衛についての考え方、論理の飛躍がありますので、そういうことについてもきちんと議論をしていかなければいけないと思っています。
次に経済の問題は、一部に明るさが見える、政府の景気に対する認識も、意識して「良くなった」ということを述べているように思われますが、しかし地域経済を始め実態はそう変わっているわけではないということです。
雇用の状況も引き続き厳しいわけで、そういった中で、橋本内閣のときの9兆円の負担増のような、失政によって景気回復の芽を摘んでしまうということにならないように、予算の組み替えを始め思い切った政策が必要で、そのことについて我々の予算案も提示しながら、しっかりとした議論をしていかなければならないと思っています。
3番目に、いろいろな小泉内閣の改革話です。個々に申し上げることは避けますが、道路公団の問題、地方分権や年金、そういったことについて対案を提示しながらしっかり議論をしていくことが重要だと思っています。
民主党も国民の皆さんに比例第一党としてのご支持をいただいたわけですから、2200万の国民、あるいはその背後にあるより広い国民の意見、支持、そういったものを重く受け止めながらしっかりとした議論をしていきたいと考えています。
自民党大会
【幹事長】次に、今日自民党大会が行われていますが、1つは小泉さんの発言ですが、「一国平和主義になってはいかん」と、「国際協調が大事だ」と、こういうふうに言われているわけです。小泉さんに、「あなたのいう国際協調とは一体何なのだ」とお聞きしたいと思います。
イラクの問題は、我々のいう国際協調とは、国連を中心とした国際的な協調体制ということを常識では考えるわけですが、このイラク戦争はもともとそうした国際協調体制を破って、単独主義による行動、武力攻撃というのが発端になっているわけで、このイラクの問題で国際協調が大事だというのは、何を言ってんだという印象を受けます。詭弁も甚だしいというふうに思います。
私どもはあくまでも国際社会が国連を中心に一体としてイラクの復興支援ができるように日本はもっとしっかりとした役割を果たしていくべきで、それは自衛隊を派遣することではないと申し上げているわけです。
小泉さんは対米協調ということを国際協調とほぼ一体化しているんではないか、小泉さんの頭の中では国際社会というのはアメリカ社会なのではないかと、そんな印象を持って小泉さんの挨拶を受け止めました。
それから、自民党の中でいろんなことを言っていますが、私が非常にがっかりしたのは、党改革についての具体案が全く示されていないということです。
自民党運動方針の文章の中には、「これまで、われわれは議員定数と議員歳費の削減、政治資金制度改革など、率先して国民の信頼にこたえるための改革を実施してきた。しかし、いま国民が政治に求めているのは、自らに痛みを課すことでよしとするのではなく、政治に課せられた本来の使命を果たしていくことにほかならない」というくだりがありますが、昨年、例えば徹底的に腐敗していた自民党長崎県連問題、あるいは今回の選挙においても、本来の意味の買収で逮捕者が相次いでいること、そういうことに対する反省や危機感が全く見られないわけで、国民に対して自らの党を改革していくという姿勢は見られません。
わずかにあるのは、「『党改革検証・推進委員会』において来るべき参議院選挙勝利を目指し、国民に信頼される政治を実現するための党改革案をとりまとめ、実行していく」と。あくまで党改革は参議院選挙勝利のためであると自ら言われているわけで、本来の意味での改革というにはほど遠いというか中身がない。
認識自身も選挙目当ての改革はやりましょう、形はつけましょうということを言っているに過ぎないわけで、この程度の認識では改革などとてもできないし、元々やる気もないんだなと受け止めざるを得ないと思っています。大変残念なことです。
<質疑応答>
陸自先遣隊の出発
【記者】冒頭の発言でかなりの部分おっしゃってるんですが、今日、陸上自衛隊の先遣隊がいよいよ出発することになると思います。それに当たっての改めてのご見解を伺いたいと思います。
【幹事長】先ほど述べたように、我々は自衛隊の派遣は憲法上の問題がある、そして政策論としても今、自衛隊をイラクに出すということは、イラク国民の立場に立った復興支援というものに対して決してプラスの効果はない、むしろマイナスの方が大きいと考えています。本隊の命令がこれから下るわけですから、それまでの間、国会でしっかり議論していきたいと考えています。
なお、付言しますと、本隊の命令が出るまでに国会の事後承認を求めるということになると、そこの矛盾も出てくるわけですね。彼らは一般的な命令がすでに12月に下っていると、だからそれに対する事後承認だというわけですが、まだ建前で言うと本隊が出ない可能性があるんですね。先遣隊の調査結果によっては、本隊の派遣命令が出ないという可能性があります。
もし、それまでに国会の事後承認をするということになったら、国会は承認をし、そして政府はそれと矛盾する命令をする、あるいはしないという可能性もあるわけで、極めておかしなことになると思います。
私は個々の命令に対する事後承認が必要で、そういう意味で本隊の命令が事後承認の後になるのであれば、もう1回事後承認が必要であると思います。
国連待機部隊/憲法改正
【記者】先日の党大会で、菅代表が国連待機部隊の提起をなさいました。同時に憲法改正に臨む姿勢として、9条改正も含まれるというふうにおっしゃった。待機部隊というのは本来、9条を改正しない状態での国際貢献というところから出てきていると思うんですが、これは党として今後どのように整理していくんでしょうか。
【幹事長】9条の問題というのは国際貢献だけではないかも知れませんので、そこは一般論として9条も対象になると言われたのだと思います。ですから、2つの発言は矛盾しないと私は思います。
国連待機部隊については、代表が問題提起をされましたので、これからしっかり党の中で、具体的な内容も含めて議論をしていくということだと思います。
【記者】代表は党大会で、憲法改正の党内論議を始めるようにという考えを示されましたけれども、党の意思決定として、それを受けた手続きは取っていないように理解していますが違いますか。
【幹事長】そんなことはないと思います。党の中には憲法調査会がすでに設けられていますので、議論する体制はもうできているわけです。
したがって私の理解では、憲法調査会は政策調査会の中にあるわけですが、そこですでにまとめた中間報告もありますので、それをたたき台にしながらさらに議論して、議論の材料を作ってもらって、そして全党で議論していけばいいんだろうと思います。
【記者】そうしますと2006年までに民主党の改正案を創るということも党の目標になったと理解していいんですか。
【幹事長】代表がそういう問題提起をされましたので、私としてはそういうふうに受け止めています。その前提でこれから作業していくということですね。その改正の中身がどの程度の中身かということはこれからの議論、状況によって決まってくると思います。
国民投票法案
【記者】代表が大会後の記者会見で、国民投票法案の対応について、緊急性は冷静に判断したいとおっしゃっているんですが、政局的な見方を除けば、あれだけ改憲姿勢を鮮明にした以上、今度の国会に通すことについて何もためらいはないのではないかと思うんですが、その辺幹事長はどのようにお考えですか。
【幹事長】これは政局抜きには語れない部分がありますから、また逆に言うと自民党も含めて、ここ1年間くらい改正案が出てくることはないということになっていますので、そういう中で慌てて手続法だけ成立させるという具体的な必要性はないですね。じゃあ駄目かというとその理由もないんですね。そういったことだと思います。
あとはこの国会の全体のスケジュールとの関係で考えていけばいい問題ではないかと私は思っています。かなり盛りだくさんですから、そう簡単に議論できる状況はないのかなという気もします。私個人的には、時間があればやったらいいじゃないかとは思いますけどね。
通常国会の焦点
【記者】今度の国会での争点、あるいは一番注目されているところについてコメントをいただけますか。
【幹事長】先ほども申し上げた、まずはイラクへの自衛隊派遣の問題ですね。もちろんイラクの問題はそれだけではなくて、基本法の制定が2月、そして暫定議会、暫定行政機構ということで、今の予定では国会開会中にそういったことが起きてきますので、その都度これは問題になっていくということだと思います。
それから年金改革。「抜本改革をします」というのが自民党の選挙における約束だったんですが、今回の案が抜本改革だとは、さすがに自民党も言えないだろうと思います。そういった小手先の数字合わせに過ぎないわけですから、このことに対して我々としては、きちんと総選挙で約束した考え方を法案の形にして、国会の中で大いに論戦をしていきたいと考えています。
あと道路公団民営化ですね。これは我々は無料化ということを言っています。今回の政府の案は、結局、整備路線はみんな造るという前提で組み立てられていますし、民営化についても、極めて分かりにくいというか、民営化委員会の結論がほとんど無視されているわけですね。
そのことは今、民営化委員会が崩壊状態にあることからも明らかで、何のための民営化なのかということについて、あるいは今までいろいろ議論してきた過程で総理もいろいろ発言をされていますが、それをほとんど反故にしてしまっているということの政治責任も含めて議論しなければならないと思います。
あと地方分権の話、国民保護法制など、かなり大きな課題がたくさんある国会だと思います。基本姿勢は、反対のための反対ではなく具体論を示しての堂々たる議論、そして、そのうえでの批判ということを心がけていきたいと思います。
もちろん、全ての法案に反対するわけではありません。野田国対委員長も言っておられるように、今までの実績を見ても、賛成する法案もかなり出てくるわけで、いいと思うものはもちろん賛成していくというのは当然必要だと思います。
名目成長率2%の撤回
【記者】自民党が先の衆院選で、2006年度の名目成長率2%を掲げましたが、今日の経済財政諮問会議で、名目成長率について実質的に目標を引き下げることを決めるようなんですが、それについて幹事長の考えを伺えますか。
【幹事長】ちょっと事実関係を把握していませんのでなかなか申し上げにくいんですが、公約したことについて、直ちにそれと違うということが公式に決められたとすれば、数字について明らかに違うものが決められたとすれば、それは有権者をナメてるとしか言えないと思います。本来、できないのであれば約束してはいけないわけですから。
外為法改正案
【記者】先ほど行われた与野党国対委員長会談を踏まえて、自民党側がブリーフの中で、外為法改正案について「与野党共同でやりたい。基本的な理解は得られたと思う」という認識を示しているんですが、民主党は賛成してくれるという認識でしゃべっていたようなんですけれども、その問題は別としても、外為法改正についての対応をお聞かせください。
【幹事長】これから具体的な法案の形にして、もちろん我が党としてまとめた法案が与党の案と一緒であれば、それはいろんな提案の仕方について、別々に出して、同じものですから、どちらかに賛成するという考え方もあれば、共同提案というのもあるんだと思いますが、まだ中身が固まっていませんから、そういう意味では今の段階では何も言えないと思います。
参院選におけるイラク問題の争点化
【記者】自民党の党大会で小泉総理が、参院選でイラク問題を争点にしたいという考えを示されましたが、それについて民主党の考えを伺えますか。
【幹事長】もちろん、イラクへの自衛隊派遣の問題は、今年前半この国会でも最大の争点と言っても過言ではないと思いますし、当然参議院選挙でもそのことは問われることになると思います。
代表の公明批判、公明への投票依頼問題
【記者】代表が党大会でおっしゃった自公連立政権について、やや神崎さんとの間でヒートアップしている感があるんですが、民主党としても党内に公明党にある程度頼って選挙をやった人もいて、はっきり言わないまでも期待している人がいる。そういう中で菅代表がおっしゃっていることについて、選挙の責任者として幹事長としてどうお考えになっていますか。
【幹事長】まず明らかにご本人ではないんですが、後援会その他、本人の周辺の支持者が「比例は公明党」ということを述べた、残念ながら我が党にも3名いらっしゃいました。そういう人たちに対しては、文書でと書かれたこともありますが、私は口頭で注意をいたしました。
自民党の場合には、私は国会でも取り上げて、そのときは小泉さんもあやふやなことを言っていましたが、全く危機感がないですよね、小泉さんには。
例えば、党大会で多くの自民党の候補者が「比例は公明党」と言ったことについて、具体的な言及をしない、危機感を持たないというのはもう政党としては末期症状じゃないかと思いますね。もちろん同じ連立を組んでいるとしても、比例について個々の候補者が明確に他党の支援を訴えるというのは、政党として健全な姿ではないと思います。
我が党にも経緯上いろんなことがあると思いますが、私としては比例について、公明党に限らず、他党の支持を訴えていくということがあれば、これからも厳しく対応していきたいと考えています。
女性とのネットワークづくり
【記者】参院選に向けての女性票対策についてですが、幹事長を中心に女性のネットワークづくりをされているようなんですが、その辺の話を伺えますか。
【幹事長】まず、その「女性対策」とかそういう発想自身が間違っていると。女性向けマニフェストとか、ずいぶんお叱りをいただいたりして、そう言われればそうだなと思いますが、ただ我が党は女性の支持が男性に比べて低いということは事実ですので、私は女性の力をもっともっと引き出していくということは日本再生のキーだと考えているんですね。
人口の半分以上を占める女性が十分自らの力を発揮できていないという現状は改めて、その力を発揮するという意味は別に仕事だけではなくて、いろんな環境、いろんな場面で力を発揮できる環境をつくっていくということは日本再生の本当に重要な部分ではないかと考えています。
そういったことについて、党としてもしっかりそのための政治ができることをしっかり提案をしていくということをやっていくなかで、女性の支持が高まっていくということは期待したいと思っています。
いろんな女性の方の意見を聞いていると耳の痛い話もいただきますが、そういったことも、今申し上げたようなことをやっていくなかで重要だと思います。
1月9日
○役員会・常幹で党大会の諸準備を完了、政権交代に向けたスタートを切る
○なぜ総選挙後2カ月もの間説明責任を果たさなかったのか総理に説明を求める
○陸自派遣命令:出るか分からない本隊についてまで承認しろというのは無茶
○仙台選挙違反:陣営から逮捕者が出たことは申し訳なく思っている
○一定内の電話作戦へのアルバイト料支払いなど公選法見直しの余地あり
○国連待機軍:代表の問題提起を真摯に受け止め、党内で迅速に議論したい
党大会に向けて
【幹事長】今日の一連の役員会、常任幹事会で、12日から始まる党大会に向けての諸準備を完了しました。選挙もあり、その後年末年始ということでバタバタしましたが、準備がようやく終わりましたので、あとは今年1年のスタートの党大会です。
攻めの1年にすると宣言していますが、党予算その他の中に、そういった趣旨のこともいろいろ盛り込んだつもりです。年度途中にある参議院選挙も含めてしっかりとした対応をし、政権交代に向けての第一歩の年にしたいということ、しっかりとしたスタートを切りたいと考えています。
なお、その関連で、代表選の規約について、今日の常任幹事会で最終的なご議論をいただきました。決選投票のやり方などについて、条文に即してご議論をいただき、了解をいただいたところです。
臨時国会召集要請書に対する回答
【幹事長】それから、国会のほうはまだスタートまで1週間ありますが、1月9日付けで福田官房長官から、私と石井衆議院議員と横光衆議院議員との3名宛に、臨時国会の召集要請書の提出についての返事をいただきました。
一応、ハンコをついた正式な文書としていただいたんですが、当然ですが中身は素っ気なくて、「1月19日に常会を招集することが決定しましたからご了承願います」という、理由も何もない単なる通知のための文書です。
我々としては、解散・総選挙があったあと総理の所信表明がなされていない、それを速やかに行うべきである、したがって臨時国会を召集すべきであるということを申し上げてきたわけですが、結局その責任は果たされないまま1月19日に常会が招集されるので、そこで施政方針演説をもって代えるという趣旨だと理解しますが、戦後の内閣の中で、今までなかったことを小泉さんはやろうとしているということです。
なぜ、選挙が終わって2カ月以上責任を果たさなかったのか、そのことについて明確な説明を求めたいと考えています。
やや皮肉っぽく言いますと、「通常国会が始まったあとの施政方針演説は、2カ月間練りに練ったさぞかし立派なものが出てくるんでしょうね」と、皮肉を込めて申し上げたいと思います。
陸自の派遣命令と国会承認
【幹事長】それから、陸上自衛隊の派遣命令についていろいろな報道がありますが、マスコミなどを見ていますと、今回の位置付けは本隊を出すための調査的な位置付けで行くとも言われているようですが、ということは調査をした結果として本隊を出さないこともあると、そういう建前で行くことになると思います。
そうすると、この通常国会の冒頭に恐らく事後承認の話が出てくると思いますが、事後承認の議論がされる段階ではまだ本隊が出るか出ないか分からない、そのための調査中であると、こういう事になるわけで、私の常識から言うと、では本隊が出たあとでまた事後承認が必要なのだろうと。
事後承認であるものを、事前に中身が分からないまま承認しろという無茶苦茶な話ですので、その辺を政府がどのように考えているのか是非ご説明を伺いたいものだと思っています。
<質疑応答>
小沢代表代行の役員会・常幹初出席
【記者】今日、小沢代表代行が役員会と常任幹事会に初めて出席ということになりましたが、それについての幹事長としての感想、今後の期待などがあれば。
【幹事長】感想は特にありません。ただ、今回私の方からお願い申し上げて、特に年の初めですから、ご出席を快諾していただきました。
特に、党大会についてのいろいろな協議もありましたので、そのことも出ていただいた理由だと思いますが、これからも重要な局面では出ていただき、是非ご議論いただきたいと思っています。
宮城1区・2区の百日裁判と公選法改正
【記者】年末に仙台で、選挙違反で連座制の適用を前提に百日裁判が通知されましたが、これについての感想を改めて伺いたいのと、今日、常任幹事会で公職選挙法の改正について議論があったということですが、今、法律的にどういう問題があるとお考えなのか伺わせてください。
【幹事長】まず、宮城1区・2区の我が党の当選した衆議院議員の選挙に関して、その選挙の支援者の中で、百日裁判を前提とした提起が行われているということは極めて残念であると思います。選挙でご支援いただいた支持者の方に対しても誠に申し訳ないことだと思っています。
そのうえで、今後この問題をどう考えるかということについては、鉢呂総務局長にも現地へ行っていただいたりして状況把握をしていただいているので、そういうものをよく精査しながら、来週ぐらいに党としての対応を検討したいと考えています。
もちろん、現時点で連座の適用があるとかないとかというところには行っていないわけで、現在提起されている問題について、最終的にどういう判断を司法が下すかということもあって、その次のステップとしての連座の問題ですので、そういった先々のことまで私が今の段階で申し上げるのは時期尚早だと思っていますが、少なくとも陣営の中で逮捕者が出たということは大変申し訳ないことだと思っています。
その関連といいますか、今、公選法についての議論が、代表も少し提起されましたが、いろいろな曖昧さがあることは間違いないと思います。私自身も自ら選挙をする立場で考えてみても、まず1つは選挙についてのいろいろな規制が多すぎると実感します。
そしてかつ、非常に曖昧だということですね。警察なり検察の判断に委ねられる部分が非常にありますので、やり方によって厳しくも緩くもなるということは、必ずしも適当だとは思いません。
今回問題になっているのが、いわゆる電話作戦について、それが利益供与に当たるのではないかということですが、そういったことについて、これから立法論の問題として少し再考の余地があるのではないかと思っています。
かつてウグイス嬢についても同じようなことがあって、法律を改正して一定の対価を認めたということもあったと記憶していますが、電話作戦についても一定の範囲の中で、もちろんそれは社会的な常識の範囲の中でアルバイト料としての賃金の支払いをするということを、一定の枠の中でトータルの選挙のための費用の中で認めていくということは、立法論としては検討の余地があるんじゃないかと思っています。
選挙管理者の範囲についても、あまりにもはっきりしていないというところもありまして、ただ、これは難しいのは、あまり明確にされてしまいますとその抜け穴を狙うような動きもありますので、そういう意味で今はかなり広く抽象的に書いてあると思いますが、その結果として、候補者本人が全く関知をしないようなところで起きたことについても責任を負うと。単に責任を負うだけではなくて議席も失うということになりますと、それが果たして妥当かどうかということについて、立法論として議論の余地は大いにあると考えています。
国連待機軍
【記者】今日、改めて代表から話がありましたけれども、国連待機軍の件について、今後の議論の課題など、個人的見解も含めて、幹事長としてどのようにお考えか、改めて教えてください。
【幹事長】「幹事長として」と聞かれれば、個人的見解はありません(笑)。
代表が今日の常任幹事会でも役員会でも提起をされました。1つの重要な問題提起だと思いますし、我が党の代表が言われていることでありますので、それを真摯に受け止めて、党の中でこれから迅速に議論をして結論を出していく必要があると考えています。