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2004.11.25|国会会議録

衆・ 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会

岡田委員 民主党の岡田克也です。

このイラクの問題は、党首討論でもたびたび取り上げ、議論になりました。

最初に総理にお願いしておきたいことは、こういう議論は私と総理の間の勝ち負けの問題ではもちろんございません。聞いている国民に対してきちんと説明をす る、説明責任を果たすということであると思いますので、私の質問に対しても、私が聞いている後ろに国民の皆さんがいる、そういう思いの中で丁寧にお答えを いただきたいというふうに思っております。

今の佐藤委員の質問に対しても、佐藤委員は、自衛隊がサマワでどういう活動をしているのか、そのことが国民に届いていないから総理の口から語ってくれ、こういうお話でしたが、総理は具体的に今語ることはありませんでした、広報が大事だということで。

これでは、私は、現地で活動している自衛隊の皆さんが余りにも気の毒ではないか。せっかく今国会の場で、自衛隊が、政府からすれば大変重要な活動をしてい るということですから、そのことについてどうして総理の口から触れられなかったのか、大変奇異な思いで今聞いておりました。

そこで、具体的に質問したいと思います。非戦闘地域の話であります。

もう具体的な定義の話はいたしませんが、この定義の中で、もし計画が十二月十五日以降一年延長されると仮定すれば、一年間サマワにおいて戦闘行為が行わ れることがないというふうに政府あるいは総理は判断しているということになると思います。そうでなければ、非戦闘地域の定義には当てはまりません。

どういう根拠をもって、これから一年間サマワが非戦闘地域である、つまり戦闘行為が行われないということを、どういう根拠をもって考えておられるのか。そのことをまず説明していただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 これは、今までの活動を通じて、サマワの住民も自衛隊に協力的である、そして現在も非戦闘地域である、継続的、組織的、計画的な攻撃が 自衛隊に行われていないという点。そしてさらに、一〇〇%これから絶対戦闘が行われないというのは、一〇〇%ないということは、予断を許さないということ は確かだと思います。だから戦闘地域だという理由にはならないと思っております。

そういう観点から、私は、今の状況 におきまして、これから一月に国民議会選挙が行われます。それを妨害する勢力がイラクにいるということも承知しておりますし、何とかこの選挙を妨害するた めの戦いが行われているということも承知しております。しかし、サマワにおきまして、自衛隊が活動する地域においては現在も行われておりませんし、そうい う状況においては現在でも非戦闘地域であると言えておりますので、自衛隊が継続しているわけであります。

これから十 二月十四日近くなりますと、どういう活動が必要かというのは、そのときまでには対応を決めますが、私は、将来一〇〇%安全であるということは断言できませ んけれども、よくそのときまでに状況を見ながら、今後も、非戦闘地域であるという状況を見きわめながら、自衛隊の人道支援、復興支援活動がどうあるべきか ということについてはよく検討していく必要があると思っております。

岡田委員 総理、逃げないでいただきたいんです。

まず、十五日以降のことについてはこれから検討する、こう言われますが、事実上は、十五日以降延長する、そういう前提でいろいろお考えでしょう。だっ て、延長しないというなら、もうその準備に取りかかっていなければなりません。つまり、十五日以降のことについてはもう事実上決めていながら、これから考 えると言って、国会での説明責任をあなたは果たしていないんですよ。

今私は、あえて仮定という言葉を言いました。一年延長すると仮定したときに、総理の今の御説明で、一〇〇%戦闘行為がないとは言えない。戦闘行為がないと は言えない、それは一〇〇%はそうでしょう。だけれども、法律の規定上、実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域。な いと認められる地域ということは、少なくとも七割、八割はないということがはっきりしていないとこう言えないわけですよ。

ですから、どういう根拠をもって、これから一年間サマワにおいて戦闘行為が七割、八割ない、こう言い切れるのかというその根拠、そこを説明を求めているわけです。総理、お願いします。

小泉内閣総理大臣 それは今の答弁も、私はお話ししたんです。現在の活動におきましても非戦闘地域であると。将来一〇〇%安全であるということは断言はで きない、予断を許さないと。しかし、十二月十四日の時点でよく見きわめながら判断すると、何回も私は答弁しているんですよ。

岡田委員 総理は全然答えていただいていないんですが、今非戦闘地域であるかどうか、これは見解が分かれますから、私はあえて触れません。仮に総理の前提 に立って非戦闘地域だという仮定を置いたとしても、今がいいから将来一年間いいということには決してならないんですよ。

ですから、これから一年間、七割、八割戦闘行為が行われることがないということについてきちんと説明責任を果たさなければ、非戦闘地域とは言えないわけですよ。そこを説明してくださいというふうに申し上げているわけです。

そこで、総理は、いや、それはこれから十四日までかけて考えるとおっしゃるが、そこは逃げです。延長することはもう前提でしょう。もし今そのことで説明し ないとしたら、いつ国民に説明責任を果たすんですか。サマワがこれから一年間戦闘行為が行われない、七割、八割行われないということの説明責任をどこかで 果たした上で決断しなきゃいけないでしょう。その説明責任を果たすのは今しかないんですよ。だから私は説明を求めているわけです。お願いします。

小泉内閣総理大臣 それは、今が平和であるから将来永遠に平和であるということをだれが断言できるんでしょうか。

日本が、今は平和である、侵略行為がなされていない、将来もなされない、永遠に平和である、侵略行為がないと断言できる人はいるんでしょうか。いません。 だからこそ、日本に侵略の備えで自衛隊というものを、将来、万が一に備えて自衛隊という組織を今持っているわけであります。今平和であるが、将来平和でな い、それはどこの地域でも言えますよ。それを、今が非戦闘地域であるから将来も非戦闘地域であると言えないじゃないかというのは、これはおかしいんじゃな いですか。

岡田委員 総理、ちゃんと答えていただきたいんですが、まず、永遠になどという話は私は一回もしていませ ん。法律上のこの定義をちゃんと読んでいただきたい。そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域、これは政府がつ くった法律ですよ。したがって、一年間サマワにおいて戦闘行為が行われることがないと認められなければ、これは非戦闘地域とは言えないんです、自衛隊を出 せないんです。ですから、そのことを説明してくださいというふうに申し上げているわけです。

小泉内閣総理大臣 それは、十二月十四日以降どうなるかというのは、十二月十四日が近づいた時点で判断いたします。

しかし、今まで、非戦闘地域であると認めているからこそ自衛隊を派遣しているわけであります。その状況に変化はない。そうである限り、十二月十四日までは、自衛隊は今の地域で活動を継続いたします。

岡田委員 一年前に自衛隊を出したときの状況と今の状況とどうなのか。相当混乱しているわけですよ、今イラクは。だからこそ、しっかりと説明をしていただ きたい。これは自衛隊の、その命がかかった話なんですよ。あるいは憲法上の問題なんですよ。ここについてきちんと国民に対して説明責任を果たさなければ、 私は出せないと思います。

今、総理は逃げたんですよ、十四日まで考える。しかし、今説明しなければいつ説明されるんですか。全く法律のこの定義の趣旨を理解していないじゃないですか。政府みずからが書いた定義ですよ。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 何回も、党首討論の場においても、きょうにおいても説明しているじゃないですか。説明責任を果たしていないと言うけれども、私は現在説 明しているんです。非戦闘地域、向こう一年間にわたってといったって、まだ決めていないんですから。何で今、向こう一年間の様子を私がここで話す必要があ るのか。

その時期に、必要な時期に私は説明いたします。

岡田委員 それでは総 理、お尋ねしますが、十四日までに延長を決めたときに、ちゃんと国会の場、党首討論なりこの委員会を開いて、きちんと我々に質疑の時間、機会を与えます ね。そこで国民に対して、国会を開かずに記者会見だけで、そして出してしまったら、説明責任を果たすことになりませんよ。そこだけはお約束ください。

小泉内閣総理大臣 どのように説明するか、国会の場においてか、あるいは政府としてどういう場がいいか、私自身判断したいと思います。

岡田委員 非戦闘地域であるかどうかということは、これは一つは憲法にかかわる話です。そしてもう一つは、これは自衛隊の人たちの命の危険にかかわる話で す。したがって、総理としては、国民に対してあるいは自衛隊の皆さんに対して、国会に対してきちんと説明責任を果たさなきゃいけないんです。そのことに対 してお約束できないということは、一体どういうことなんでしょうか。

では次に、安全の問題について質問させていただきたいと思います。

総理は、自衛隊員に対してどういう責任をイラク特措法上負っておられるんですか。

小泉内閣総理大臣 自衛隊員の諸君が、イラクにおきまして人道支援、復興支援、これがしっかりと行えるように、安全面を十分確保しながら、されるように、 政府としては全力を挙げておりまして、そういう状況の中において、イラクの政府からも、そして、現に自衛隊が活動される地域の住民からも評価されている。 こういう人道支援、復興支援が今後も自衛隊の諸君の努力によってなされるように、政府としては全力を挙げていきたいと思っております。

岡田委員 総理は、イラク特措法九条で、防衛庁長官とともに自衛隊の部隊の安全の確保に配慮しなければいけない、そういう責任を負っているわけです。

そこで、今まで自衛隊が展開をするサマワを中心とするムサンナ県で展開をしておりましたオランダ軍の撤退がほぼ決まったようであります。オランダ軍が撤退 した後、この地域の治安はだれが責任を持つんでしょうか。自衛隊の安全はどのようにして確保されるんでしょうか。総理の御見解をお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 この問題については、町村外務大臣が、最近、オランダの担当者とよく協議しておりますので、町村外務大臣から答弁した方が適切だと思い ますが、私は、今後オランダが三月には撤収するという状況だと承知しておりますが、オランダとしては、イラクの国民に十分活動ができるような訓練もしてい る、そういう状況で、自分たちの任務を果たした上で三月には撤収するという報告を受けております。

今後の状況については、イラクの政府並びに関係諸国と十分協議して、日本としてどういう活動がふさわしいか、よく検討していきたいと思います。

岡田委員 きょうのニュースでも、オランダ軍はイラクの警察に対して訓練をするという報道はされておりますが、しかし、それで本当に今までのオランダ軍並みの、それだけの治安というのは維持できるんでしょうか。私はなかなか難しいことだと思いますよ。

しかも、この地域には、対米強硬派サドル派、そこの活動の動きもあるわけです。それが過激化したときに、果たしてイラクの人たちが自衛隊を守る、そこの地 域の治安に責任持つ、こういう形になるかどうかというのはかなり疑問だと思いますよ。そこの保証はどういうふうにしてとられるんでしょうか。

町村国務大臣 先ほど、要旨は総理がお答えをしたとおりでございまして、二十三日に私はオランダのボット外相とお話をいたしました。先方よりは、サマワの 治安というものはイラクの中では安定した地域でありますという説明、それから、地元の警察の能力向上等のためにオランダが行っているさまざまな努力という ものについても説明がございました。

仮に三月中旬にオランダ軍が任務を終了した場合のこの地域の治安維持のあり方に ついてでありますけれども、これは当然のことでありますけれども、多国籍軍においてイラク南東部について責任を持っているのがイギリスであるということか ら、イギリスそれからイラク暫定政府を中心にして今後調整が行われていくもの、かように考えております。

岡田委員  イギリスは、イラク南部全体について八千五百人展開して治安の維持に当たっているわけですね。しかし、オランダ軍は千三百人ですね。千三百人のその抜けた 穴を八千五百人でどうやってカバーするんですか。別にムサンナ県だけじゃありませんね、イギリスが責任を負っているのは。それは一部にすぎないわけです。 ここは本当に担保できるんでしょうか。

町村国務大臣 ここは今後、イギリス政府とも、あるいはイラク暫定政府とも話 し合っていくことになるわけでございますけれども、今、イラク暫定政府の中の警察というか軍というか、治安維持をするための組織、相当の人数がNATOの 支援も受けながら訓練をして、かなりの能力向上がいたされつつある。どれほどかと言われても、私も正確にお答えをする能力は今のところはございませんけれ ども、相当な訓練をやっているんだという話も聞いております。

いずれにしても、今後、今委員が御指摘のあったイギリ スの軍隊の問題なども含めて、よく関係国で相談をしていく。要は、そういう意味の力の空白とでもいいましょうか、そういうものが起きないようにしていくと いう幅広いコンセンサスは関係国の中においてはあると私は理解いたしております。

岡田委員 十二月十四日で期限が一 たん切れるということですから、十五日以降派遣するに当たって、ここのサマワの治安の問題、つまり、今外務大臣がおっしゃったイギリス軍の話あるいはイラ クの警察の話、そういったものがきちんとできていなければ、十五日以降出せないですね。だって、三月以降のことが白紙になっているわけですから。三月まで の期限ならわかりますよ。しかし、一年という期限なら、そこの部分もきちんとできた上で出す、こういうふうな理解でいいですね。

小泉内閣総理大臣 十二月十五日以降のことについてはその時点で対応を決めたいと思いますが、現地の状況というのは、これからも、オランダのみならず、イ ギリス、イラク暫定政府、多国籍軍、米軍等、日本の協力関係諸国・機関とも十分連携をとりながら、また情報収集に努めながら、どういうことが必要か、これ については、十二月十四日までまだ期間がありますので、しっかりと状況を見きわめて判断したいと思っております。

岡田委員 今の御説明は、十二月十五日以降引き続き派遣する場合には、その時点において、サマワにおける治安を維持するためのイギリス軍あるいは地元のイラ クの警察、そういったものがきちんと国民に対して説明される。つまり、三月以降、自衛隊の安全が維持されるような、そういう状況ができる、そのことを十二 月十四日までに説明される、そのことが前提になっているというふうに理解をいたしました。

さて、総理は自衛隊の派遣について力説されるわけですが、そもそも今の自衛隊は何のためにイラクに行っているんでしょうか。総理の御説明をまずいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 自衛隊の諸君は、イラク特措法に定められた人道支援、復興支

援のために現地に赴いているわけでございます。

岡田委員 今の総理の説明は、一つ、いつも総理が飛ばされる安全確保支援活動というものが抜けているわけです。これはイラク特措法上も、米英軍などの後方 支援的な活動、もちろん非戦闘地域に限られますが、それを行うということが法律上明記されている。そして、現にそれも行っている、人道復興支援だけではな いということ。

そのことを総理はいつもわざと飛ばして説明されるわけですが、そのことは横に置いて、それじゃ、イラ ク人のための人道復興支援だ、こういうことですが、しかし、私、過去の記憶をたどりますと、あのイラク戦争が始まったときに、総理が、イラク国民のために この戦争を必要とするんだ、こういう説明は一度も聞いたことがないんです、私の記憶では。総理は、そのときにおっしゃっていたのは、日米同盟であり、ある いは北朝鮮もあるからアメリカとの協力が必要なんだ、こういうことを繰り返しておられたと思うんです。

だから、そもそもこの戦争は、イラク国民のために日本は支持したんではないというふうに私は理解しておりますが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは何回も私も岡田さんの質問で答弁しているわけでございますけれども、当時の国連決議、そしてイラクが国連決議を遵守してこなかっ た、そういう観点から私はイラクに対する武力行使を支持したわけでありまして、その後、国際社会から、イラクの支援のため日本として何ができるかという観 点から、イラク人の安定した民主的な政権づくりのために日本としてふさわしい活動をしているわけであります。自衛隊の活動はその一部であります。

岡田委員 総理は、イラク人の人道復興支援、こういうふうにおっしゃるんですが、私は非常に違和感を持ってその説明を聞くわけです。

というのは、例えば、先般、ファルージャで米軍の攻撃がありました。そのときに総理は、それに対して早々と、これを支持すると言われたわけです。イラクの 中にも例えば大統領でありますとか、あるいは国連の事務総長などが大きな懸念を表明する中で、総理は、評価をする、こうおっしゃいました。

しかし、ファルージャで多くの人命が失われたんじゃありませんか。ファルージャにおいてはイラク人の人命が失われることについて、そのことを顧みずにファ ルージャ攻撃を支持する、そしてサマワでは人道復興支援だ。ここは、私はどうも一つにつながらないんですが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これはつながっているんですよ。イラクに安定した政権をつくる、安定した政府をつくる、そのためには、このイラクに安定した政府をつく らせないとする武装勢力、これに屈してはならないということで、ファルージャで安全、治安の活動維持のための戦闘がなされた。だから、これは成功させなけ ればならないということを私は言ったわけであります。

岡田委員 総理の今の御答弁ですが、ファルージャで何百人ある いは千人を超える人がかつての戦争では亡くなったし、今回も、まだ詳細不明ですが、かなりの人命が失われた可能性がある、こう言われています。イラク戦争 そのものであれば五万とか十万、こういうふうに言われています。総理はそれも支持しました。

そういった人の命という ものに対する総理の感覚と、そして、サマワで水を供給しなければ、これが人道復興支援なんだ、こう言っているのが、どうも私はつながらないんですよ。本当 に人の命が大切だというのであれば、それはやはりイラクの戦争に賛成しちゃいけないんですよ。支持しちゃいけないんですよ。あのファルージャの攻撃を早々 と支持しちゃいけないんですよ。

そこは私は、逆に言うと、総理が、サマワで人道復興支援だ、こういうふうに言われる ことが、本気で言っているとはとても思えないんです。やはり、ここは日米関係の中で言われているんじゃありませんか。日米同盟、それを重視するためにサマ ワに自衛隊を送った、これが総理の本音なんじゃないですか。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 これは、今イラクの暫 定政府が、みずからの力によって、イラク人の力によって安定した政権をつくろうとして努力している。この活動に対して、当然、死者が出るということは私も 遺憾だと思っておりますが、もし、では、あのファルージャにおいて、私が成功させなきゃいけないと言うことを批判している場合に、この戦闘をしない、テロ リストがばっこすること、武装勢力がばっこすることを許すということになるんじゃないでしょうか。そうしたら、本当にイラクに安定した政府ができるんで しょうか。そこはやはり考えていただきたい。

今回、国連全会一致で、イラクの支援に加盟国がふさわしい活動をしよう というその採択がなされた。こういう点において、私は、日本として何ができるかというのは、もちろんイラク特措法の範囲内で活動するわけでありますが、こ れは、国際協調、日米同盟、これを両立させていく、そういうことから、日本の必要な支援をイラク政府並びにイラク国民のためにするということでございま す。

岡田委員 総理、今イラクから多くの国が撤退をし、あるいは撤退を決定しています。例えば、自衛隊の今のイラク にいる規模八百人、ここで切ってみても、八百人を超える兵士を派遣している国は十カ国であります。その十カ国の中で四カ国が、既に撤退をしたか、撤退を決 定いたしました。そして残るのは、日本以外ではもちろんアメリカ、イギリス、イタリア、韓国、豪州、そして日本、六カ国であります。

いろいろな国が、それぞれのその状況判断の中で撤退を決定しているんです。日本だけが撤退を決定できない。日米関係があるからできない、そう考える必要は 全然ないわけです。しかも、治安維持活動をしているんじゃなくて、人道復興支援活動をしている。それが引いたからといって、イラクの国内状況がおかしくな るわけじゃありません。今の状況を見ていると、やはり、私はこの前申し上げましたが、我々、出すのは難しい、しかし引き揚げるのはもっと難しい、今まさし くそういう状況になりつつあるんです。

しかし、これをこのまま放置しておいて、もう一回期限を延長すればますます、 イラクに存在する軍隊を派遣している国は少なくなって、そして、日本が撤退することがより困難になっていきますよ。だから今なんですよ。今、勇気を持って 撤退しなきゃいけないんですよ。今を逃せば、既にイラクにいる自衛隊の皆さんは一体何のためにイラクにいるのか。非常に制限された人道復興支援活動をして いる。しかし、その本質は日米同盟だ。その日米同盟に縛られて、みずからの命を危険にさらしながら活動している。こういったことで本当にいいんでしょう か。

本当にイラク国民の立場に立って必要な活動なら、将来自衛隊の皆さんにお願いすることもあるでしょう。しかし 今、日米同盟のあかしのためにイラクにいる。そういったことに対して、私は、今勇気を出して、もちろん日米関係は重要ですから、日米間で話し合うことは必 要です。しかし、そういった手順を踏んで、そして十二月十五日以降は出さないという政治決断が求められている、そう思っております。

我々、特措法の廃止法案を国会に出しています。ぜひこの法案を、総理、賛成しろとは言いません、しかし、少なくとも本会議で採決してもらいたい。自民党 の中にも公明党の中にもいるんですよ、これはだめだと、だから法案に賛成したい。一人一人の政治家がきちんとみずからの意思を表明できるような、そういう 機会をつくるようにお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。




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