鳩山政権の新閣僚に聞く
2009.09.18 朝日新聞朝刊
◆密約、官僚は処分せぬ 岡田外相
--日米密約をなぜ今、調査するのか。
「外交に対する国民の信頼を取り戻すためだ。外交は国民の理解と信頼のうえに成り立つ。密約問題がそれを損ねているのは間違いない」
--国会の答弁などでこれまで政府、外務省の幹部は「ない」と言ってきた。処分の対象にもなり得るのでは。
「(外務)大臣なり総理が『ない』と言えば、(官僚が)それと違う答弁ができるはずもない。そういう意味で、やっぱり外務大臣、総理大臣に責任があると思う。官僚にまで責任をかぶせるのは少々違うのではないか」
--自衛隊によるインド洋の補給支援活動は「単純延長しない」とのことだが、国会承認など一定の条件をつければ容認するのか。
「『単純延長』の中身を説明しないところに意義深さがある。それ以上でもそれ以下でもないと言い続けている。米国との交渉だ。基本的に」
--沖縄の普天間基地の移設問題だが、年内にいったん日米の合意を修正するのか。
「いつまでにと期限を切っているわけではない。ただ、環境影響評価(アセスメント)が終わって次のステップに進むとなると、予算を計上するかどうかという話になる。その意味でも年内が一つの判断の時期だ」
--北朝鮮問題で、米朝間の対話の動きを支持するか。
「米朝2国間でやることは決して悪いことではない。米国も6者協議の枠組みの中での話で、それと矛盾するものではないという趣旨のことを言っている。私もそう思う。日米間で意思疎通をよくしていかなければいけない問題ではある」
「北朝鮮は拉致問題の再調査を約束しながら、まったく進んでいない。ミサイルや核の実験をやる中、日本が融和的な態度をとることはあり得ないことだ。国連安全保障理事会決議に基づいて制裁を強化する中で、北朝鮮の政策転換を待つということだ」
--日米自由貿易協定(FTA)についてはいつごろをめどに取り組むのか。
「ここは発言を気をつけないと。手ぐすねを引いている人たちがいるので。マニフェストに書いたが、日米FTAが農業に悪い影響を出さないようにするということも強調しており、そういう前提の中で議論を進めていきたい」
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