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2010.01.07|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」10年1月7日号

明けまして、おめでとうございます。今年もこのコラムで、政治や外交など、私の考えや思いを率直につづっていきたい。どうか、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

さて、政権発足から100日が過ぎた。私は外相就任時に、最初の100日間の重点課題として、①アフガニスタン・パキスタン支援②COP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会議)③米軍再編と沖縄基地問題―の3つを掲げた。

その現状について説明すると、アフガン支援は昨年11月、今後5年間で最大50億㌦(約4500億円)の支援を行うことを発表した。これはタイミングも良かったので、国際的にも高く評価されている。関係各国ともよく話し合って、アフガンの人々にとって本当に役立つ支援をしていきたい。

地球温暖化対策を話し合うCOP15は昨年末、残念ながら、温室効果ガス排出を削減するための具体的数字で合意できないまま1年先送りとなり、閉幕した。

日本は、鳩山由紀夫首相が「2020年までに、1990年比で25%削減する」という目標を表明したことで、リーダーシップを発揮できた。米国やEU、豪州などと連携しながら、中国をはじめとする新興国を相手に激しい議論を戦わせた。11月のCOP16に向けて、戦略を練り直し、再挑戦したい。今こそ日本の外交力が試されるときだ。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転問題は、もう少し時間をかけることになった。今後、民主、社民、国民の3党で新たな移転先を探しながら、現在の日米合意である、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)についても、環境影響評価など必要な手続きを進める。

この問題をめぐって、「鳩山政権は日米同盟を壊そうとしている」というひどい中傷が流れたが、とんでもない話だ。まったく事実と異なる。日米同盟は日本の外交・安全保障の基軸だ。中国やアジアの国々との外交関係も重要だが、同盟関係を結んでいるのは米国だけだ。

戦後60年を過ぎても、在日米軍基地の約75%が沖縄県に集中している。鳩山政権は、その沖縄県民の切実な思いに心を寄せながら、一方で、日米合意を実行すべきという米国の意向も重く受け止めている。今年は日米安保条約改定から50年。今後30年、50年先を見据えながら、両国の同盟関係を安定させ、さらに深化させることが、新年最初の私の仕事だ。

(C) 夕刊フジ




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