民主党幹事長としての記者会見(10月25日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2010年10月25日(月)
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20101025okada.asx
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■冒頭報告
○衆議院北海道5区補選結果
○党本部職員の公募
■質疑
○衆議院北海道5区補選結果
○沖縄県知事選挙の候補者擁立
○役員会における議論について
○鳩山前総理が引退撤回の意向という報道について
○日米合意
○陳情要請対応の所要時間
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■冒頭報告
【幹事長】私からは2点。まず、衆院の北海道5区の補選に関しまして、
昨日、党としても(渡辺)選対委員長がコメントを発表したところであ
りますが、大変残念なことであります。しかし、中前候補は非常に頑張
ったし、いい候補でありますので、今後、引き続き、本選を目指して頑
張っていただきたいと思っております。党本部としても、のべ143名
の国会議員が選挙区に入って、お訴えをしたわけですが、残念ながら届
かなかったということ、大変残念に思っております。
それから第2に、民主党本部職員の公募に関して。現在、職員の公募
中でありますが、あまり応募状況が好ましくないということで、ここで
宣伝してくれということですので(笑)。10月29日必着ということ
ですから、実はあまり日はないわけですが。議員の数も増えましたし、
本部職員を若干名増やしたいということです。私が幹事長の時でしたか、
公募で採る、縁故採用はしないと決めまして、以来、必要に応じて公募
を行っているところであります。
ぜひ皆さんの中でも・・・皆さんに言うわけじゃないんだ(笑)。民
主党の中で働いてみたいという方がいらっしゃれば、皆さんからもお声
がけしていただければ大変ありがたいことであると思っております。
■質疑
○衆議院北海道5区補選結果
【記者】幹事長として敗因をどのように分析しているか。
【幹事長】敗因は、いろいろあると思います。相手は大物議員であって、
知名度も非常に高かったわけです。かつ、背水の陣で挑んだ、後がない
状況で選挙戦をたたかったと。こちらは、新人ですから、知名度不足に
も悩まされました。そのことは選挙戦を通じてだいぶ変わってまいりま
したが、残念ながら徹底しなかったというか、間に合わなかったという
ことが、最大の敗因だと思います。
そのほかにも政治とカネの問題とか、さまざま予算委員会で取り上げ
られたテーマについても影響があったかなと思います。投票率が低かっ
たということは、もちろん自民党には行かないんだけれども民主党に対
しても少しさめた目で見ている有権者が多かったということだと思いま
す。
【記者】昨日、渡辺周選対委員長は、小沢元代表の問題も敗因の一つだ
と言った。影響についてはどうか。
【幹事長】渡辺さんはだいぶ控えめに言われ、そうフラットに言われた
わけではないと私は理解しております。いろいろな問題が影響したとい
うことは事実だと思います。しかしあまり個別のことを取り上げて言う
のはいかがなものかと。私は選挙の責任者ですから。他に責任を転嫁す
るような言い方は、私はしたくないと思っております。
【記者】菅総理が結局、北海道入りをしなかったことで、地元の士気が
落ちたという指摘もあるが。
【幹事長】これは私の判断です。国会審議も非常に忙しい中で、しかも
国会だけではなくて、総理としての、さまざまな仕事がある中で、あえ
て私は行っていただく必要はないと考えました。もう少し競っている状
況であればまた判断は違ったかもしれません。
○沖縄県知事選挙の候補者擁立
【記者】週末に県連で会議がもたれ、選挙に向けた方針を確認した。日
米合意を尊重するけれども、やはり辺野古は不可能だという従来の姿勢
を含めた形での決定がなされたようだ。先週の会談以後、また来週にと
いうことだが、この県連の方針を踏まえてどのように話し合いに臨むつ
もりか。
【幹事長】おそらく今週どこかで、県連の代表者の皆さんとお会いして
意見交換することになると思います。県連でどういうふうにお決めにな
ったか私は直接聞いておりませんので、そのことについてコメントは控
えたいと思います。選挙も迫っておりますので、結論を出すべき時期が
近づいていると基本的に認識しています。
【記者】今週会う中で、県連との話し合いで何らかの決定、決断という
ことになるのか。今後の展開は。
【幹事長】もちろん相手のある話でありますので、県連がどういうお考
えかということをよく聞いてみないと、強引に結論を出すわけには行き
ません。話し合いですので。しかし、そう時間をかければいいものでは
ないな、と私自身は考えているということです。
【記者】齋藤勁国対委員長代理が、シンポジウムなど公の席で、自主投
票になるなら、伊波氏を推せばいい、自身も伊波氏を推すと、支援する
ような姿勢を示して話をした。党幹部の中から、日米合意を踏まえると
いう党の方針に反している伊波さんを支持する声が出ていることをどう
考えるか。発言にどう対応するか。
【幹事長】現時点で党として合意したものがあるわけではありませんの
で、途中の段階で私の意見を述べることはございません。いずれにして
も党として正式に決定したおりには、その決定には従う。これは当然の
ことであります。
○役員会における議論について
【記者】小沢さんの件での議論があまりなかったように聞いているが、
なぜなのか。今回で小沢さんの件を協議し始めてから3回目になると思
うが、いつになったら結論を出すのか。そもそも結論を出すつもりはあ
るのか。
【幹事長】結論を出すということの意味を、むしろお聞きしたいと思う
のですが。役員会で議論すべきは、党内の措置、処分についての議論で
あります。つまり発議権を持っていますから。国会での対応は、それは
与野党で話し合うということは、前から申し上げていることであります。
現時点で、その国会での対応が優先されるという認識の中で、今日はあ
えて党内の措置、処分についての議論は出なかったと。そういうふうに
私は理解しております。
なぜ出なかったのかと言われても、それは共通認識があるから、意見
が出されなかったのだと、想像するしか・・・それ以上のことは私、申
し上げられません。
【記者】党内の処分については、国会対応が決まっていないからペンデ
ィングになっていて、それが終わったらまた議論していくということか。
【幹事長】先ほど来、前回も言っていると思いますが、現在の国会情勢
を見ると、まず国会対応が先に判断されるということです。それ以上で
も以下でもありません。
【記者】週末のぶら下がりで幹事長は、補正審議への影響が出ないよう
に結論を出すという趣旨を発言したかと思う。補正は29日の提出予定
だが、その前に小沢さんと会って意向なり考えを聞くつもりはあるか。
【幹事長】決まったことは私、ご説明しようと思いますが、プロセスに
ついて何か申し上げることはありません。
【記者】先日のぶら下がりで、小沢さんへの対応については、国会、補
正予算が非常に重要なので、そういうことを踏まえて判断されるのでは
ないか、と言ったが、小沢さんが自発的に何らかのアクションを起こす
のを待つのか。しかるべき時になれば幹事長が自ら小沢さんに会って意
向を聞くのか。
【幹事長】ぶら下がりで申し上げたとおりであります。それ以上でもそ
れ以下でもありません。私は言葉を非常に厳密に申し上げております。
何か私の言葉を拡大解釈するという記事が散見されるわけですが、私の
申し上げたことを厳密に伝えていただければ、ありがたいと思います。
【記者】これまで幹事長は、会見などで、小沢さんと会う時期について、
役員会である程度の方向が見定まってから、そうでないと聞いてもしよ
うがないというようなことを言っている。そうすると、役員会で話し合
いがストップしている以上、当分小沢さんと会って話を聞くということ
はないのか。
【幹事長】役員会である程度の方向性を、というのは、それは党内の処
分、措置に関するものであります。
【記者】国会対応に関しては、幹事長が役員会をストップしているけれ
ども、小沢さんと会って話を聞くということがありえるのか。
【幹事長】プロセスの話は私はしないと、先ほど申し上げました。
【記者】すでに小沢さんと幹事長が会ったということはないか。
【幹事長】プロセスについて申し上げることはありません。そんなこと
を言ったら、明日同じ質問を受けて、明後日も出たら、どう答えたらい
いんですかね(笑)。ですから、プロセスは申し上げません。
○鳩山前総理が引退撤回の意向という報道について
【記者】鳩山前総理が首相を退陣した時に、議員を引退するという話を
していたが、党の状況が変わってきたので、議員を引き続き続けると、
ぶれたともいえるような発言をしていることについてどのように考える
か。
【幹事長】まだ決定的なこととして言われたわけではないと私は理解し
ているのですが。いずれにしても、議員の身分に関することですから、
その自らの身分に関することについては、他人が何かコメントすべきこ
とではないと思います。自らの言葉については自らが責任を持つことが
基本だと思います。
【記者】鳩山前首相は退任を表明した時の両院議員総会で、はっきりと、
次の総選挙には出馬しないと言っている。前総理が自らの発言をひるが
えすような発言をすること自体、国民の政治に対する信頼を揺るがせる
という批判も出ているが。
【幹事長】先ほどのお答えで尽きていると思います。何か党が決定した
わけではありませんから。党に対するものではなく、発言された方に対
して問われる話、そのことについて私が何かコメントすることはない、
ということであります。
それから、鳩山前総理と先般お会いしまして、野党側から、資料のコ
ピーの問題について、聞かれておりましたので、改めて確認をいたしま
したが、国会で答弁したとおりであると。自らは承知していないと。コ
ピーがあったということは承知していなかった、こういうお話でありま
した。
【記者】コピーそのものが、弁護側が保管していたということは事実な
のか。
【幹事長】それはわかりません、報道であるだけですから。そこまで党
として調査をするということではないと思います。これは鳩山さん個人
の問題でありますので、党としてそこまで関わるということは考えてお
りません。
【記者】鳩山さんとしては、本人の認識として、コピーが存在していな
かったと。コピーがあることは知らなかったというような説明をしたと
いうことなのか。
【幹事長】基本的に国会答弁どおりである、ということでした。
【記者】鳩山前総理は、自分なりの役割を投げ出していいのかという、
いろいろな声をもらっているとコメントした。党内でそういう声を、幹
事長自身が聞いたことはあるか。鳩山さんの役割はどういうものなのか、
聞いているのか。
【幹事長】先ほど申し上げたように、ご自身の身分についての、議員を
続けられる、続けられないということについてのご発言ですので、それ
にあたることについて私が何かコメントすることは適切ではないと思っ
ております。党内に声があるのかどうかということは、それはいろいろ
な声が私はあると思いますけれど、あらためてそういう話を誰かにどう
思うかと聞いたことはありませんので、特にそのことについてもコメン
トするつもりはありません。
【記者】一般論として総理経験者は、総理を終えたらその任期で議員を
辞めたほうがいいと考えるか。続けてもいいという感じか。
【幹事長】これは、なかなか一言では言えないと思います。それぞれの
党においても違うし、引き続き議員であることそのものが問題なのか、
それとも、それは身の処し方によっていろいろやり方はあるわけですか
ら。議員であったとしても、影響力を与えないようなやり方もあると思
いますし。あるいは影響力を与えてもいいという見方もあるかもしれま
せん。
それはもうそれぞれですから、あまり一般論では言えないだろうと思
います。たまたま今日、インドのシン首相をお迎えする会がありまして、
インド大使館の控室でシン首相をお待ちする間、森さん、福田さん、安
部さんとご一緒でしたので。三者三様ですよね(笑)。引き続きバッジ
をつけておられるという意味では3人とも共通しておられますが。小泉
さんとはちょっと違うわけですが、それをそれぞれいいとか悪いとか、
あまり一律には言えない話だと私は思います。
【記者】幹事長が仮に将来総理になったら、その後はどのようにするか。
【幹事長】それは、大きな仮定を置いておられますので、その仮定の議
論にはお答えできません。
○日米合意
【記者】県外、国外など、いろいろ出ているが、政府の方も幹事長自身
も、日米合意の重視ということは変わりないと思う。どのような観点で
説得していくのか。
【幹事長】これは、沖縄県民の皆さんのご理解をいただくことが必要で
すので、粘り強く誠心誠意説明していくということだと思います。今の
日米合意を実行するということは、8千人の海兵隊員がグアムに移ると
いうことにつながるわけです。逆に言うと、日米合意と言いますか、普
天間の辺野古への移転ということがない時に、8千人の問題がどうなる
のかということは、それは課題として残ります、従って、移転しないで
そのままということになれば、それは負担の軽減になりません。
それから、とにかく外にということであれば、例えばグアムというこ
とがよく言われますが、グアムの知事は、現行8千名以上は無理だとい
うことをはっきり言っておられるわけですから、ではどうするのかと。
海兵隊を全面的にグアムに移転するということは、ありえない話だと私
は思います。ではどうするのか。その答えがないと、現状が固定化され
てしまいかねないという問題もあります。
そういうことについて、やはり誠心誠意説明して、判断を、沖縄県民
の皆さんの理解を求めていくことしかないだろうと思います。8千名の
移転に関しても、かなり税金がかかります。国民の負担です。そういっ
たことをしてでも、とにかく少しでも負担を軽減するために、政府とし
ては国民の皆さんにお願いして努力しているということも、ぜひ理解し
ていただければと思います。
さらに日米合意で書かれた追加的な負担軽減ですね、ホテル・ホテル訓
練域の縮小とか、環境問題への対応とか、いろいろなことが書かれてお
りますので、そういったことを一つ一つ進めていく中で理解をしていた
だくということだと私は思います。
【記者】昨日菅総理は、自衛隊の観閲式の中で、日米同盟はわが国の防
衛のみならずアジア太平洋地域の安定と繁栄を支える上で重要な役割を
果たしていると語った。アジア太平洋の安定のために貢献しているとい
う視点はお持ちか。
【幹事長】当然それはそうです。ただ沖縄県民の皆さんに理解をいただ
く時に、そのことがどれだけ説得力があるのかと。もちろん重要なこと
ですが「それは別に沖縄でなくてもいいじゃないか」という議論も、沖
縄県民の皆さんから見れば、ありえるかと思いますので。直接理解を得
るための、もちろんひとつの議論ではありますが、決定的なものでは必
ずしもないと思います。
ただ、沖縄含む日本全体の安全につながっているということがひとつ、
より説得力を持って言えるのではないかと。最近の尖閣の問題を見ても、
日米安保がかかっているというクリントン長官のひとことは非常に効い
たと私は思います。そういうことについても、よく説明していく必要が
あると思います。
【記者】沖縄に対して、アジア太平洋の平和安全のために必要なんだと
いう論が、沖縄説得のために有効なのか、という考えで言うと、必ずし
も理解を求める文脈でそれを出すことに意味があるのかということにつ
いては、議論があると思うのだが・・・。
【幹事長】意義はあるのですけれども、どこまでそれが説得力があるか
というと、沖縄県民の皆さんから見ると「だから沖縄ということでは、
必ずしもないのではないか」と、そういう議論がありえると申し上げた
のです。
【記者】「沖縄を含む日本の安全のために必要だ」ということと「沖縄
でなければならないのか」という2つの論の柱がある。沖縄のほうは
「なぜ沖縄でなければならないのか」についての説明がなかなか聞かれ
ないと。菅総理のように話す中では、日米同盟の重要性を強調する部分
だけが聞こえる。
今後の沖縄への理解を求める具体的なプロセスとして、どのようにあ
りうべきなのか。
【幹事長】いろいろなことを説明する中でご理解をいただくしかないと
思います。ひとつで決定的ということはなくて、先ほどの負担軽減の問
題もその一つです。それから日本の平和と安定、そのために日米同盟が
必要であって、その役割を沖縄の基地が担っているということもひとつ
だと思います。アジア太平洋の問題というのは、直接沖縄ということで
はありませんけれども、沖縄の戦略的場所の重要性ということから見る
と、なかなか他には変えがたいということも、言えると思います。
○陳情要請対応の所要時間
【記者】今日、沖縄県の仲井真知事が、一括交付金の話で陳情に来たが、
時間が10分くらいで、短いなということをぼそっと漏らしていた。一
般的に民主党の陳情は15分くらいで終わっていると思う。この陳情の
体制はこれからも大体15分くらいで続けるのか。短いという考えもた
まに聞くが。
【幹事長】これは、できうる限り時間を取るべきだと思いますが。ただ、
政務三役であれば、限られた時間の中で直接お会いする時間が限られる
のはやむをえないと思います。党の幹部についてもさまざまな仕事があ
る中で(お受けしております)。もちろんわざわざ(東京に)出てきた
以上もっと長くと、しっかりと、というお気持ちはよく分かりますけれ
ども、現実の中で判断していくしかないということだと思っております。