民主党幹事長としての記者会見(4月14日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年4月14日(木)16時00分~16時40分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○被災地からの短歌
○応急仮設住宅建設促進チームの設置について
○電力需給問題検討プロジェクトチームの設置について
■質疑
○電力需給問題検討プロジェクトチームについて
○補正予算案について
○与野党の実動部隊構想について
○小沢元代表の動きについて
○統一地方選挙の結果について
○小沢元代表の処分解除について
○首相退陣論について
○松本内閣官房参与の発言について
○復興構想会議について
○TPPについて
○原発事故レベル7について
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■冒頭発言
○被災地からの短歌
【幹事長】今日、党本部に参りましたら、岩手県大槌町の69歳の女性の方、「大槌町城山体育館」と書いてありますが、はがきをいただきました。「4月8日作」ということですから、私が訪問したその後にお書きいただいたのかなと思いますが、2つ短歌が書いてありまして、
八重椿薄紅染めて咲き始(そ)むを、苦難に会ひし人々や見よ
山鳩のうめく如くに鳴く声は 仲間を呼ぶや生きてゐるとぞ
と書かれて、「被災地へのお見舞いと視察大変ご苦労さまでした。厚く御礼申し上げます」と書いていただきました。
「東京都民主党 岡田幹事長殿」で来たはがきですが、被災地の体育館などを訪れて、本当に厳しい状況にある人たちが、大変な状況の中で明るく振る舞ってお話をいただいたことを改めて思い出しておりますし、一日も早く本当に椿が咲き、山鳩が鳴く、そういうときが来ることを願わずにはいられません。
○応急仮設住宅建設促進チームの設置について
【幹事長】この東日本大震災に関しては今日もいろんな方がお見えになりまして、JAの会長やその他お目にかかりましたが、党の対応として、一つは、東日本大震災対策本部の中に「応急仮設住宅建設促進チーム」をつくりました。座長は三日月大造衆議院議員です。第1回を明日14時から開催することにしており、藤村修幹事長代理にも出ていただくわけですが、仮設住宅について、どうも我々が現地で町長さんや市長さんから聞く話と、霞が関、国土交通省などから聞く説明の間にギャップがあるのではないかと。以前も申し上げたと思いますが、そう感じられてなりません。「最初の2ヵ月で3万戸、次の3ヵ月でさらに3万戸」という説明を霞が関はするわけですが、これは「供給」ということであって、必ずしも「建設」ということではないと。土地の確保をちゃんとできるのかという問題もあります。
しかし、それだけではなくて、資材も本当にすべてそろうのかどうかも、もう少しきちんと検証しなければならないと思います。我々が訪れたときにもトイレ回りの資材が不足していると。全体としてはあるけれども、一部がないことによってなかなか建設にかかれないという話もありました。
それから資材を供給したからといってすぐできるわけではなくて、いかに仮設とはいえ、1ヵ月ぐらいはかかるということであります。何とか秋が来るまでに全部建設完了するということであれば、遅れることがあってはならないのであって、このチームでより深掘りをして、住宅仮設の供給メーカー、あるいはその関連会社、そのさらに関連会社と、遡ってきちんと事実関係を把握してもらいたいと思っております。
ガソリンのときも、霞が関で「総量は足りている」というお話があって、やっぱり現実に行き渡るまでに2週間ぐらいタイムラグがありましたので、しっかりとそういったことについて後押しをしていきたいと思います。
○電力需給問題検討プロジェクトチームの設置について
【幹事長】もう一つは、「電力需給問題検討プロジェクトチーム」を設置したいと考えております。直嶋正行副代表に座長をお引き受けいただきました。
これは、夏に向けて東北電力や東京電力管内の電力需給の逼迫に対して、様々な対策を講じることにしておりますが、まずそれがうまくいくかということと、マクロでうまくいったとしても、個々には病院とかどうしても単純に一律で済まないところが出てきますので、そういうところについて十分に状況を党としても踏まえて、間違いない対応をしていきたいということで、政調のもとにプロジェクトチームを設置したところであります。
今日も「復興構想会議」がスタートしたわけですが、これから本当の復興段階に入り、補正予算もしっかりと早く国会に提出して、多くの方々に希望を持ってもらえるようにしっかり努力していかなければいけないと、あらためて感じているところです。
■質疑
○電力需給問題検討プロジェクトチームについて
【朝日新聞・南記者】このチームでは、電力を確保するという意味で新しいエネルギーの確保、どのようなエネルギーを今後使っていくかについての検討もやっていくのか。
【幹事長】とりあえずは今年の夏をどう越えるかという視点で、もちろんそれに間に合うものについては考えなければいけないと思いますが、中長期的な問題ではありません。
【フリーランス・安積記者】直嶋さんが座長となっているが、民主党の中では例えば藤原(正司)さんなど、関西電力出身の方がおいでだと思う。専門知識をお持ちのそういう方を座長にするお考えはなかったのか。
【幹事長】人事はお任せいただきたいと思います(笑)。基本的に直嶋副代表に座長になっていただいて、座長代行に藤村修幹事長代理と城島光力政調会長代理、その他、事務局長は経済産業部門会議座長の後藤斎さん、それから厚労とか文部とか国土とか、各部門の座長にそれぞれ副座長を務めていただくことになっております。
○補正予算案について
【共同通信・中久木記者】幹事長は「今週中にも与野党協議を始めて、月内にも提出して連休前にも成立させたい」というスケジュールをお持ちだったと思うが、現在の見通しをお聞かせいただきたい。
【幹事長】各党との交渉というか、やりとりを今、行っておりまして、週末も含めて政調会長レベルでいろいろな意見交換を行う予定にしております。何とか週明けぐらいに一定の方向性が出ないかと期待しているところです。そうすれば連休前に国会に提出というギリギリのタイミングだと思います。
被災地で苦しんでおられる皆さん、少しでも光が見えるように、ここは党内も含めていろいろな議論があることは承知しておりますが、そういうものを乗り越えてしっかりと合意に至りたいと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】1次補正、2次補正に関係なく、復興財源は、年金特別会計の特に厚生年金勘定には積立金が何十兆円もあると思うが、これを一般会計に借り入れる考えはおありか。
【幹事長】今回は年金勘定から2兆5000億、実質的には持ってくることになります。もちろん、近い将来きちんとお返しすることが前提です。
【日経新聞・恩地記者】年金勘定の2兆5000億は、自民党・公明党はこれを1次補正で使うことに反対している。自民党はむしろ国債発行と言っている。この先まだ、財源として「埋蔵金」ではなくて国債に変える選択肢はあり得るのか。
【幹事長】自民党・公明党の中にそういう意見があることは承知しておりますが、正式に党としてそうお決めになったのかは私は聞いておりません。いずれにせよ、いろいろな議論があることは事実だし、党の中でもありました。しかし、国債を出さないという強い決意のもとで、政府のほうで総理や財務大臣が今のフレームを考えられたわけですから、私はそれをサポートしたいと考えております。またマーケットに対してもそのことがいい影響を与えるというか、悪い影響を与えない。そういう意味でも非常に大事なことであると思っています。
【共同通信・中久木記者】1次補正の財源についてODAの2割削減を盛り込んでいるが、民主党内の外務部門会議が反対を決議したり、松本外相も反対する姿勢を示している。党内からの異論をどう収拾していくお考えか。
【幹事長】まず、内閣の中のことは内閣でお決めいただくことだと思います。閣内でしっかり議論して、最終的には総理の判断が尊重されるべきだと思っております。
いろいろな議論があることは承知しております。私も元外務大臣として苦渋の決断です。しかし、中身がよくわかっているだけに、これぐらいは出せるという見通しも持って申し上げております。今回のこの第1次補正だけではなくて、第2次補正に向けて、子ども手当や高速道路の無料化や、あるいは公務員の人件費や、その他もろもろ、相当な見直しが求められると思っております。その第1弾として、私は外務省の人間ではありませんが、元外務大臣として、外務省を身近に感じている者として、まず自ら、近いところから切る、そういう姿勢をあらわしたものです。いろいろなご議論がありますが、ある人が「いかにも岡田らしい」と言っていただいたのが幸いといいますか、救いでございます。
ODAも極めて重要だということは、私は最もそのことを強く主張してきた外務大臣の一人でありますけれども、そうは言っても、被災地で苦しむ人々に対して少しでも多くの仮設住宅を届ける、あるいは瓦れきを除去して、健康な生活を送っていただくためのさまざまな手当てをしていく中で、あらゆる面でそれぞれが少しずつ我慢していかなければいけないと思います。ODAの中でも特に緊急度の低いものもありますので、そういうものについて少し我慢していただくということだと思います。
【朝日新聞・南記者】自民党が、特に「4K」と呼んでいる子ども手当についてさらなる減額をこの第1次補正の与野党協議の段階で求めている。このことについて現在の与野党協議の中で、民主党としてさらに踏み込んだ提案をする考えはおありか。
【幹事長】6ヵ月のつなぎ予算が国会で成立しております。これが成立したことは、1つの答えが出たと。もちろん見直しはするのですが、しかし、それは次の2次補正に向けてのテーマであると考えております。
【テレビ朝日・平元記者】子ども手当は、つなぎの後、秋以降1万円にするといった報道も出ている。秋以降どのようにするか、党内でどういった議論が現在出ているのか。
【幹事長】議論は特にありません。これからです。それぞれの思いはあります。しかしまだ、それを集約しているわけではありません。ただ、前から申し上げておりますように、年少扶養控除(約1兆円)を廃止しておりますので、その額をさらに切り込むようなやり方は、子を持つご家族に対して、つまり若い世代に対してペナルティーを科す、そこだけ狙い撃ちで増税するに等しいわけですから、そういうことはやるべきではない。そのことは確信を持っております。
その上で、どの範囲で今の児童手当の5000円、1~3歳は1万円ですが、5000円ということに対してわれわれは1万3000円を言っているわけで、どこに合意を求めるかということは、これは相手もある話だし、党の中でも1次補正が通ったところでしっかり議論しなければならないと思っております。
【中日新聞・関口記者】「子を持つ家庭にペナルティー」云々のくだりは、所得制限のことを指すのか。10月以降、所得制限を設けるか設けないかがポイントになっていると思うが、幹事長ご自身は所得制限を設けることについては今どうお考えか。
【幹事長】個別のことは私、申し上げません。それは1つの、重要だけれども決定的な問題ではない、よく話し合えばいいと。いつかテレビでも申し上げたことと全く変わっていないのですが、地方の負担をどうするのか、水準をどうするのか、それから所得制限をどうするのかと。実は所得制限はテレビでは言わなかったのですが、いくつかの論点がある。それは全体パッケージとして議論されるべきことだと。
私が「ペナルティーを科す」と言ったのは、一方で年少扶養控除を廃止して増税しているわけですから、その増税分を手当に使わないで他に回せということであれば、それはまさしく狙い撃ちで、そこにペナルティーを科しているのと変わらないじゃないかと。そういうことを申し上げているわけです。増税した分をやめるというなら話は別ですが、その辺がはっきりしない。自民党もはっきりしないんですね。ですから、増税したものを戻せば2兆円は出ません。それは間違いです。増税したものを、そのまま増税のまま置いて、かつ2兆円子ども手当で財源を出すことになれば、それは3兆円以上になるわけですから、これは明らかに、少なくとも1兆数千億円の負担増にしているわけです、年少扶養控除の分だけ。そういうやり方は私は納得は全くしておりません。間違いだと思います。
【フリーランス・宮崎記者】子ども手当は当初予算で4兆円強ある。今の子ども手当つなぎ法で手当てされているのは2兆円程度だから、2兆円以上のお金が余っていると思うが、9月分の支給までで10月以降の支給がないのではないかという報道もある。仮にそうなると、年少扶養控除を廃止しないで、かつ所得制限のある形にした場合、税の技術的にかなり難しいことになる。一部負担増になった高所得世帯の方が行政訴訟を起こした場合、著しい税の不公平ということで違憲判決が出る可能性がなきにしもあらずだ。その辺についてどういったご所見をお持ちか。
【幹事長】まず、年少扶養控除は既に廃止されております。
【フリーランス・宮崎記者】失礼しました。年少扶養控除を廃止したのを、また10月以降戻す、年少扶養控除をつくるというのは難しいということだ。
【幹事長】ですから、自民党がその辺をどう考えているのか、わからないんですね。その辺はあいまいにしたまま、「2兆円ある」と言われるメディアもありますが、それは年少扶養控除をどう考えているのかまず明確に言ったうえで議論しないと、年少扶養控除を廃止したものをもとに戻せば、2兆円は財源としてないのです。
ご質問には私はお答えする用意はありません。今、細かいところについて議論するつもりはありません。先ほど申し上げたように、いろいろな要素があって、そういう中で折り合いをつけていくということだと思います。
【朝日新聞・南記者】幹事長は先ほど、児童手当の5000円と民主党が提案している1万3000円の中でどう合意を取りつけるか、とおっしゃった。これは金額としては5000円から1万3000円の中での与野党での交渉になってくるのか。
【幹事長】どうなるかはわかりません、やってみないと。あまり細かいことを言うつもりは私、ありません。
ただ、どこかの新聞の1面トップに「子ども手当を廃止」という文字が躍りましたが、これは子ども手当と児童手当、既に公明党さんの考え方でも中学生まで払うと言っておられるわけで、そこは発想を児童手当とは大幅に変えておられるのですね。それから1万円までは出そうと言っておられるわけですから、従来の児童手当とはかなり違うもの、少なくとも名前からいっても「児童」だけではなくなっているわけであります。前にも申し上げました。おそらく法制局を通せば「児童手当」という名前が残らないだろうと思います。「児童等手当」とか「児童・子ども手当」とか「子ども手当」とか、どういう名前になるにしても、中学生は児童ではありません、法律の定義として。
ですから、だんだん境目は非常に、「これとこれ」という二者択一ではなくて、その中間的なものについて議論する段階に至っているということだと思います。
ただし、今の児童手当法の中には救貧的な色彩は残る。法目的の書き方からしても。それと、社会が子育てを支えるという2つの考え方。やはり私はそういった、何といいますか、前者「救貧的」と言うと言い過ぎかもしれませんが、そういうところはたぶん法目的の中には残らないのだろうなと思っております。少なくとも公明党の従来のご主張を見ると、そういうことではないかと思っております。そういう意味では、境目は、壁は非常に低くなっている。
自民党は、よくわかりません。石原幹事長は何度も「ポル・ポトと同じだ」と言っておられますので、そこは理念がちょっと違うのかもしれませんが、自民党の中にも多様な意見があると、私は承知しております。
【NHK・広内記者】そうすると民主党は、10月以降も最高で1万3000円というところから、そこから下の中間点を探していくということなのか。
【幹事長】細かいことを議論するつもりはありません。10月以降かどうかもわかりません。10月までは今の法律がつなぎで生きているのですが、そこまで待つかどうかもわかりません。そういうことはいずれにせよ1次補正が成立した後、話し合いを行っていくことであると思っています。
○与野党の実動部隊構想について
【毎日新聞・野口記者】昨日、総理と亀井国民新党代表が会談して、復興構想を実施するための各党の実力者による会議をつくることを決めたそうだが、幹事長のところに報告は来ているか。既に各党・政府震災対策合同会議で連日実務者が議論しているが、それと重なる部分が結構あると思うが、その辺の棲み分けは今後どう考えていくか。
【幹事長】昨日、亀井代表から総理にお話のあった件は、私も詳細はわからないのですが、各党の代表者がそれぞれ集まって政策決定にかかわるという話だと理解しております。ですから、ちょっと今の各党・政府震災対策合同会議とは性格は違うと思っております。しかも、復興に関してのものですから。
それがはたしてこれからどのように実現していくのかということは、私は関心を持って見守っているところです。
【産経新聞・宮下記者】「決定にかかわっていく」というご説明があったが、各党・政府の実務者会合は提言をまとめられるなどの諮問というか意見を述べる場だが、決定となると、各党あってまとまりにくいと思う。その点についてはどのようにごらんになるか。
【幹事長】そういうことを超えた大胆な案だということではないですか。
【産経新聞・宮下記者】幹事長のほうに、これについて細かい報告・連絡はないということだが、谷垣自民党総裁に対する入閣の打診や、先日の細野首相補佐官に関するやりとり等、与党との調整が必要な事案に関して、官邸と党の意思疎通が十分ではないように見えるが、この点、幹事長としてはどのように認識されているか。
【幹事長】前提が違うと思います。細野さんの件は、そういう事実があったというふうには私は認識しておりません。今の件は前々からの亀井代表の持論ですから。亀井さんからも、私も何回も直接お聞きしております。そのことについて総理に提言され、動き出したということで、私自身は「寝耳に水」ではもちろんありません。しかし、かなり大胆な案ですから、どのような形になるのかなと注意深く見守っているということです。
【朝日新聞・南記者】各党を集める会議を亀井さんはお考えだが、与党第一党の幹事長から各党に呼びかけるのが普通だと思う。今回は幹事長としてはどのように役割を果たしていくお考えか。
【幹事長】与党である亀井代表がおっしゃっているわけですから、それでいいんだと思います。ただ、私自身はこのことについて、いろいろな難しい問題があるので、それを亀井先生がベテラン政治家としてどう乗り越えていかれるか、非常に関心を持っているところです。
○小沢元代表の動きについて
【北海道新聞・舟崎記者】小沢元代表は、原発事故への菅政権の対応に対して、「このような無責任な内閣の対応は、今後、さらなる災禍を招きかねない」とか、「統一地方選挙の前半戦での大敗は、国民からの菅政権への警告である」という文書を、支持する議員に自ら配ったり、積極的な会合を開いて政権批判を強めているが、こういった動きに対してどのような印象をお持ちか。
【幹事長】まず、最初に言われた話は、はたして小沢元代表が自ら書かれたものなのかどうかわからないんですね、私には。名前が書いてありませんから、「詠み人知らず」の紙ですから、小沢さん自身がこれを示されて何か言われたわけでもありません。ただ紙が来て、そういう伝聞で言われているだけですから、そういうことについて私、コメントするつもりはありません。
○統一地方選挙の結果について
【TBS・細谷記者】先ほど自民党の谷垣総裁が会見で、「統一地方選挙の結果を見ると、菅総理がそろそろ自分で出処進退を決めるべきだ」とおっしゃっている。小沢さんの話も含めて、党内外から菅総理の出処進退を求める声が出ていることについて、どのようにお考えか。
【幹事長】いろいろな議論があると思いますが、自民党もそんなに勝っていないんですよね。知事選はそれぞれ北海道、三重と勝利されましたが、東京だって党本部は関与していないわけですから。他の県会議員や政令指定都市の市議会議員の数が、自民党が、そんなに誇るほど増えているわけではないので。
私は、むしろ今回の統一地方選挙は、もちろん民主党にとっては本来増やさなければいけないところを減らしたわけですから、そこは民主党にとって大きな反省点、痛手だったと思います。同時に、やはり政治に対して国民が、既成政党に対して非常に批判的になっていることを見落としてはならない。谷垣さんも当然わかったうえで言っておられると思いますが、その向かい風は自民党に対しても向いているのだと。そのことは大阪やあるいは名古屋を中心とした愛知を見ればわかるということだと思います。
【フリーランス・安積記者】「増やさなければならないところを減らした」とおっしゃったが、民主党本部のホームページでは、地方選についてはずっと「準備中」になっている。選挙中はもちろん更新ができないが、選挙期間に入る前に何か立ち上げているのが普通だ。どうして「準備中」で更新されなかったのか。
【幹事長】私は知りません。事務局によく聞いてみてください。そういう事実も承知しておりません。
○小沢元代表の処分解除について
【北海道新聞・舟崎記者】党内の一部から、小沢元代表の党員資格停止処分に関して、(被災地の)地元代議士でもあり、さまざまな活動をするために解除すべきだと。連立与党を組んでいる亀井静香国民新党代表も「座敷牢から出せ」と。党員資格停止処分の解除を求める声に対する岡田幹事長の考え方はいかがか。
【幹事長】これは小沢元代表から異議申し立てがなされておりまして、今、倫理委員会で議論をしているところです。その判断を待って常任幹事会で議論することになると思います。
○首相退陣論について
【TBS・細谷記者】こういった大震災のときに「総理をかえろ」という声が出ること自体について、幹事長はどのようにお考えか。
【幹事長】極めて残念だと思います。被災地で本当に苦しんでおられる皆さん、何とかしてこの国が直面している、あるいは国民が直面している大きな危機的状況を乗り越えようと、菅総理も必死で頑張っておられますし、閣僚の皆さんも、それからわれわれも与党として、与党・政府一体で頑張っているところです。それに対して「総理をかえろ」とかいろいろ批判的な意見が出ることは、私は被災者の皆さんに対しても失望感を与えると思いますし、現に統一地方選挙を戦っているわけですから、そういったこともきちんと踏まえて党所属の議員は行動してもらいたいと思います。先般私が代議士会で「党が1つになって頑張らなければいけない」と申し上げたのは、そういう意味です。
○松本内閣官房参与の発言について
【読売新聞・石川記者】松本健一内閣官房参与が言った、「原発の周辺地域には当面住めないと、総理がおっしゃった」という件だが、野党からも「総理がそういう発言をしたのであれば、リーダーの資格はない」とか、かなり批判が出ている。この総理の発言をめぐる一連の動きについての見解をお聞きしたいのと、松本氏の参与としての適性についてはどうお考えか。
【幹事長】まず、ご質問の趣旨が「この総理の発言が」ということですが、総理はそういう発言をしていないと言っておられるわけですから、ご質問には答えられません。
そして松本さんの適格性というのは、それはまさしく任命権者である総理ご自身がご判断になることです。私から何か言うことはありません。
ただ、今回の松本参与の発言は、非常に、今まさしく苦しんでおられる皆さんに動揺を与えかねない、そういう発言であったと思っています。
○復興構想会議について
【時事通信・近藤記者】本日、政府の復興構想会議が初会合を持ったが、今後、どういう議論を期待するか。また、党の復興ビジョンチームとやることがかぶるのかなという印象があるが、どう棲み分けるのか。
【幹事長】復興ビジョンチームはあまり細かい議論をするのではなくて、骨太の方針を議論してもらいたいと思います。政府の復興会議も基本的には同様だと思いますが、そこに参考になるような提言ができればと思います。同じことをやろうとしているというよりは、やはりわれわれはわれわれの視点で、何らかのプラス・アルファが貢献できればと思っております。同じものを2つつくろうと考えているわけではありません。
会議も始まって、五百旗頭真先生のもとで、東北地方に見識をお持ちの方々がお集まりいただいて、あるいは阪神・淡路大震災のときの経験者の皆さんも入っていただいて、五百旗頭さんご自身がそうですけれども、これからの東北、新しい東北を築くための骨太の議論がなされることを期待したいと思っています。
○TPPについて
【フジテレビ・橋本記者】総理が「(復興構想会議は)6月末には一定の結論を出したい」とおっしゃった。6月末というと、TPPに対する民主党としての見解を示す期限でもある。こういった緊急事態なので議論自体が止まっていると思われるが、TPPへの期限についてどうお考えか。
【幹事長】TPPの国際的な場での議論の進捗状況から見ると、6月というのは1つのデッドラインとして設定されたと思いますが、今後どうするかというのは、まさしく、もう少し復興についての、あるいは原子力の問題についての方向性が出ないと、なかなか大きな精力をTPPの問題に注ぐわけにはいかないということだと思います。そこはやりくりしながら考えていくしかないと思います。
○原発事故レベル7について
【時事通信・近藤記者】福島第1の原発事故の評価がレベル7に引き上げられた。政府は3月時点でレベル7を把握しながら、発表の時期が遅れたのではないかという指摘がある。この政府の対応についてと、その遅れがあったとしたら、それが国内外に与えた影響についてご意見を伺いたい。
【幹事長】それが専門家の判断ですから、いろいろな角度からの議論があり得るということだと思います。それが固まったから発表したということで、3月末の段階で今と同じような情報量があって、にもかかわらず判断しなかったということではないと思います。