夕刊フジコラム「ズバリ直球」11年7月7日号
松本龍復興担当相が辞任した。確かに、松本氏の被災地での発言には私も違和感を覚え、「これから厳しい国会審議が始まる。誤解を与えかねない発言は控えた方がいい」とアドバイスしたばかりだった。松本氏とは同期当選で長い付き合いだが、本当に残念だ。震災復旧・復興は待ったなしだ。後任の平野達男担当相のもと、政府は全力で対応にあたってほしい。
さて、夏の電力使用制限が1日から、東京電力と東北電力管内で始まった。東日本大震災後の原発停止に伴う絶対的な電力不足を受けたもので、大口需要家に15%の節電を義務付けるとともに、一般家庭にも罰則はないが15%の節電を求めている。
木・金曜日を休日にして、土・日曜日を出勤にした自動車会社をはじめ、夜間操業に切り替えた製造業者、省エネ化をさらに進める店舗、ダイヤを変更した鉄道会社など、各企業とも知恵と工夫で協力していただいている。大変ありがたいことだ。
私の自宅でもクーラーはなるべく使わず、照明もLEDに順次交換している。もともと、私は冷房が嫌いで夜寝るときは切っていた。最近、新幹線やタクシー内の温度設定が上がっているが、みんなが節電に気を配っているのだろう。好ましい傾向だと思う。
観光地や飲食店の客が分散化するとか、勤務時間の繰り上げでゆっくり買い物ができたり、家庭団らんの時間が取れたりといったプラス面も指摘されているが、日本経済への影響なども懸念されている。このあたりには十分な配慮が必要だろう。
最近の天候を見る限り、今年の夏もかなり暑くなりそうだ。一時的ではなく継続的な取り組みができるか、心配している。お年寄りや子どもなど、健康には十分気をつける必要があるが、節電への取り組みはしっかり進めたい。
さて、月曜日に、民主、自民、公明3党の幹事長会談があった。私からは、公党間の約束(=国会会期の延長幅など)を守れなかったことや、自民党の浜田和幸参院議員を総務政務官に引き抜いたことで不快感を与えたことなどを謝罪した。そのうえで、「被災地のためにも、早く国会を動かしてほしい」と要請した。
浜田氏の件では、自民党の気持ちは良く分かる。われわれも、民主党を離党したり、他党にくら替えしたりした議員に対しては、「即刻辞職すべきだ」などと言ってきた。有権者に対して望ましいことではないが、政党間ではこれまでにもあったことだ。
ともかく、今年度第2次補正予算を国会に提出する今月半ばまでに、公債特例法案と再生エネルギー特別措置法案、原子力損害賠償支援機構法案の3法案を成立させたい。与野党で協議すべき論点はあるが、それほど難しいわけではない。そのうえで、今月中に何とか第2次補正予算を成立させたい。それこそが被災地のためになり、日本のためになるはずだ。