民主党幹事長としての記者会見(8月11日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年8月11日(木)13時59分~14時21分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110811okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
***********************************************************
■冒頭発言
○東日本大震災から5ヵ月
○公債特例法案の衆議院通過を受けて
○今後の国会運営について
○党代表選挙に関する報道について
■質疑
○今後の国会運営と代表選挙について
○再生可能エネルギー法案について
***********************************************************
■冒頭発言
○東日本大震災から5ヵ月
【幹事長】今日は3月11日の震災から5ヵ月ということです。この5ヵ月間、どれ
ほどのことができたのか、そのことを反省しながら、しかし、しっかりとこれからも
全力で取り組んでいかなければいけないと考えております。被災地の皆さん、特に岩
手、宮城、福島の被災された皆さんが、本当に厳しい状況の中で日々闘っておられま
すから、そのことをしっかりと忘れずに取り組んでいかなければいけない、あらため
てその思いを強くしております。
○公債特例法案の衆議院通過を受けて
【幹事長】そういう中で公債特例法案が衆議院を通過したことは、被災地の皆さんに
とっても大きな前進だと喜んでおります。もちろん世界経済全体が不安定な中で、ぎ
りぎりのタイミングでこの法律が衆議院で可決されました。国民全体にとって、ある
いは日本国経済にとって、非常に意味のあることで、なぜこれほどかかったのかとい
う思いもありますが、何とかたどり着いたことについて、われながらホッとしている
ところであります。
○今後の国会運営について
【幹事長】今後は、総理のご発言にもありましたが、まず公債特例法、そして再生可
能エネルギー法の成立を確実なものにして、その上で新しい体制にスムーズに移って
いくことができるように、幹事長としてしっかり務めを果たしたいと考えておりま
す。
なるべく早くということは、前から申し上げてまいりました。それは全体のスケ
ジュール、つまり第3次補正予算をしっかり中身のあるものにする。それは新体制で
の仕事になるわけで、新しい体制がスタートするのが遅れれば遅れるほど補正予算の
編成、そして実施が遅れることになりかねません。国会での審議は当然重要ですか
ら、しっかりとした審議が必要ですが、しかし、なるべく早くこの2法案について成
立させて、そして代表選挙を経て新しい体制に移る、そのために全力を尽くしたいと
思います。
○党代表選挙に関する報道について
【幹事長】今日、ある朝刊を見て大変驚きましたが、なにか特定の候補者のために私
が(代表選挙を)急いでいるというような記事がありました。私はそういう記事に対
して極めて怒りを覚えずにはいられません。
書くものは書き手の器に応じてしか書けないと、私は常に思っているわけですが、
書く人のそういう考え方が反映された記事かなとは思います。そう思えば別に怒る必
要はないのかもしれませんが、私はこの間、幹事長として、とにかくこの国の政治を
前に進めること、その一点で私なりに必死でやってまいりましたので、そこのところ
を少しは理解していただきたいなと、あらためて感じております。
■質疑
○今後の国会運営と代表選挙について
【共同通信・中久木記者】なるべく早く新体制にということだが、菅総理は今日の予
算委員会でも、公債特例法案と再生可能エネルギー法案が成立したら速やかに代表選
の手続に入りたいとおっしゃったが、幹事長としても、法案成立後すぐに、今国会中
に、代表選挙を行うお考えか。
【幹事長】この国会中にというのは、私もそういう思いですが、しかし、いつ法案が
成立するかということは、まだ確定的なことは申し上げられません。最悪、この国会
で成立しないことだってあり得るわけなので、なるべく早く、しっかりとこの国会で
成立させることに全力を挙げたいと思います。
成立すれば、それは時間を置く必要はありませんから、直ちに代表選挙の手続きに
入る。もちろん総理のきちんとした表明を待って、われわれ執行部としては代表選挙
の手続きに入る、こういうことになります。
【毎日新聞・野口記者】速やかに新代表を選びたいという意見と、政策論争をしっか
りやるべきだという意見と、両方あると思うが、任期途中で代表がかわった場合は告
示日に代表を選ぶパターンが通例だが、今回もそれを踏襲するのか、それともしっか
りと選挙期間をとったうえで行うのか。
【幹事長】そのことは、まだ決めておりません。これから議論すればいいことです。
ただ、告示日に投票を行っているのは、とにかく候補者の締め切りをして、締め
切ったうえで選挙になっているということであって、告示日まで何も活動していない
かといえば、その間、それぞれの候補者が活動しているわけですから。公職選挙法の
適用はありませんから、告示かどうかというのはあまり重要な意味を持つわけではな
いんですね。そもそも「告示」ということが法律的な意味での告示ではありません。
そういうことはよくご認識をしていただいたうえで、ただ、私はある程度、有権者に
訴える時間は必要ではないかと思っています。
そういうこともあって、なるべく早く成立させる必要があると。あまり窮屈になっ
てしまうと、やはりちょっと違和感がぬぐえなくなってしまいますので。もちろん出
ようと思う人は、別に総理が辞めると言われなくても、それなりの活動はされていく
のだと思いますし、メディアもそういうことで取り上げられる。そういう意味では、
考え方を知る機会は十分にあるとは思いますが、あまり窮屈過ぎる日程はいかがなも
のかと思っております。
【時事通信・中西記者】法案成立後、総理の退陣表明を受けて直ちに代表選の手続き
に入るということだが、首班指名まで今国会中にやるお考えか。
【幹事長】そういうことも、いつ法案が成立するかにかかってまいりますので、今、
一義的に言うことはできません。
ただ、先ほど申し上げたように、全体としていろいろなことを早めたい。その理由
は先ほど申し上げたとおりでありますので、首班指名も含めて、それはなるべく速や
かにやることが、私は次の本格的な補正に取りかかるために望ましいことだと考えて
います。ただ、それがこの国会でできるかどうかは、法案の審議・成立状況にかかっ
ているということです。
【朝日新聞・南記者】代表選から首班指名までの間に、ねじれ国会ということで、他
党との協力関係を築くうえでの交渉もある程度時間を置いたほうがいいという考えも
ある。その辺の時間の置き方についてどのようにお考えか。
【幹事長】これは私が何か言う話ではありません。私が幹事長としてやらなければな
らないことは、次の代表が決まるまででありまして、その後選ばれた代表を中心に新
しい執行部が、首班指名はいつがいいのか、あるいは組閣はいつがいいのかというこ
とは、新しい体制の中でお決めいただくことであって、私が自分の意見を言わないほ
うがいいと考えております。
【日経新聞・恩地記者】昨年6月に菅さんが総理になったときは、首班指名後に認証
式まで4日間あり、そこは鳩山前内閣の職務執行内閣という位置づけだった。例えば
今回も、その期間に野党と政策の話をするとか、そういう選択肢はとり得るか。
【幹事長】先ほどのお答えで尽きていると思います。いろいろなオプションがあると
思いますが、それを決めるのは新しい執行部です。
【朝日新聞・南記者】今朝の読売新聞のインタビューで、幹事長は大連立にも言及し
ておいでだが、あらためて3党合意を踏まえて、新体制で野党とどのような協力関係
を築いていくべきだとお考えか。
【幹事長】私が読売のインタビューで質問に答えたのは、もちろん国民新党が与党と
してあるわけですが、それを踏まえたうえで、3党間でさまざまな信頼関係を築き上
げていく、いろいろな事案についてよく協議をしながら物事を進めていく、そういっ
たことが積み重なれば、将来的に部分連立とか大連立がないとは言えないということ
は申し上げたわけです。いずれにしても、それは結果論です。
【毎日新聞・野口記者】先日の3党幹事長の確認文書で、高校の無償化や戸別所得補
償について、政策の効果を検証した上で見直しを検討するということで合意している
が……。
【幹事長】「必要な見直しを検討する」。
【毎日新聞・野口記者】すみません、そのように合意しているが、それに対して、マ
ニフェストの見直しを批判するグループから幹事長のところに抗議文が出されたりし
ており、3党の合意を順守するかどうかとマニフェストの見直しが、次の代表選の争
点として議論するテーマになってくるのか。
【幹事長】私のところに抗議文って来ていますか。
【毎日新聞・野口記者】一新会の方たちが、直接のものではないけれども、マニフェ
ストの見直しなどの幹事長の発言について……。
【幹事長】今回3党合意について抗議文って、私、現時点ではいただいておりませ
ん。
【毎日新聞・野口記者】そうした文書が来たか来なかったかは別にして、そうした3
党の合意をしっかり守る人が次の代表になるべきか。マニフェストの見直しをどうす
るかということについて、代表選の争点としてしっかり議論するべきかについて、い
かがか。
【幹事長】それは私が決めることではありません。ただ、3党で合意したことを破棄
することになれば、それは3党との関係ももう一度、一から見直すことになります。
私は基本的に幹事長として責任を持ってやっておりますので、政党間の合意というの
は誰がトップになっても、幹事長になっても、基本的には引き継がれるものと考えて
おります。
マニフェストについて、いろいろな議論は当然あっていいと思いますが、それは候
補者がどういう主張をされるかにもよると思います。
【ニコニコ動画・七尾記者】今回の代表選では複数の議員が立候補する動きがある。
これは最近の代表選では見られなかった特徴だと思うが、こうした議員の動きについ
てどうとらえているか。
【幹事長】代表選について、個々の所属議員が候補者になるかならないか、そういう
ことについて私はコメントする立場にありません。
【テレビ朝日・平元記者】複数の方が意欲を示しているが、次の代表・総理にはどの
ような方がふさわしいとお答えか。
【幹事長】これも私が言うような話ではないと思うんですね。個々の有権者である所
属議員が自ら考えて行動すべきことだと思います。ただ、幹事長を1年間やってきて
その経験から申し上げますと、やはり物事を前に進めていくためには他党、特に自民
党や公明党との協力は非常に重要である。そこがない場合には物事が前に進まないこ
とは、経験から申し上げられると思います。
【テレビ朝日・平元記者】岡田幹事長は、自公の幹事長との個人的な信頼は築かれて
いるのではないかと思うが、幹事長自身は次の代表選への出馬はどのようにお考え
か。
【幹事長】これは読売に書いてあるとおりです。そういう質問には、煩わしいから答
えないことにしております。
【朝日新聞・南記者】幹事長を1年経験した中で、自公との関係が大事だとおっ
しゃったが、昨日、谷垣自民党総裁が、代表選の候補者として名前が挙がっている野
田財務大臣を評価する発言をされているが、こういった声が上がっていることはどの
ように受け止めているか。
【幹事長】谷垣さんがどういう発言をしたのか私は承知しておりませんし、どういう
思いで言われたのかもわかりません。そういったことにいちいちコメントはいたしま
せん。単なるリップサービスかもしれませんし、他の人に対してどういう発言をされ
るのかもわかりません。
【テレビ東京・吉田記者】1年幹事長をやられた経験から、自公との協力関係を築け
る人がふさわしいとおっしゃったが、菅総理は、自公との協力関係を築ける総理だっ
たか。
【幹事長】それはいろいろな評価がありますので、一言で言うことはできないと思い
ます。
それから、総理が替われば劇的に変わると、中にはそういうご意見もありますが、
現実の政治は非常に厳しくて、トップがかわったから今までの関係が突然変わること
にはならないかもしれない。
大事なことは、日ごろの地道な努力。もちろん私の経験でも両幹事長、井上さんや
石原さんだけではなくて、他党も含めて数多くの皆さんと、何十回と足を運んでいろ
いろとお話をさせていただいた中で今日に至ったもので、やはりそういう大変なエネ
ルギーと努力が、このねじれの中の与党執行部には求められると思います。
【テレビ朝日・平元記者】足を運ぶ努力が必要だとおっしゃったが、執行部としてそ
の努力は十分だったとお考えか。
【幹事長】私としては、できることはすべてやったと思っています。
【朝日新聞・南記者】幹事長が3党合意を結ばれたこともあって、3次補正に向けた
協調機運があると思うが、そうした中で今日の特例公債法の採決にあたって自民党の
石破政調会長からかなり厳しい討論があった。こういった自民党の反応、石破政調会
長の討論などをどのように受け止めているか。
【幹事長】自民党も大変厳しい中でご判断いただきました。私は本当にいろいろな幸
運も重なり、大変な努力もあって、奇跡的に今回まとまったと思っておりますので、
石破さんの厳しい状況の中でのご発言だと、謙虚に受け止めさせていただきたいと思
います。
○再生可能エネルギー法案について
【時事通信・中西記者】先日の記者会見で、再生可能エネルギー法に関して今週中の
衆院通過を実現させるとおっしゃっているが、現時点でそれが実現できるか。
【幹事長】現状は、それぞれの担当の方にお聞きいただきたいと思います。私は幹事
長として、そういう事実認識を申し上げるつもりはありません。
ただ、いろいろ関係者は大変ご努力いただいていると。そういう中で、ぜひお盆前
に通してもらいたいと思っております。
【朝日新聞・南記者】「お盆前に」ということは、つまり明日の本会議で成立させて
ほしいと、現段階では求めているという意味か。
【幹事長】ええ。私は、そういう思いは変わりません。
【読売新聞・石川記者】経産委員会理事の増子輝彦氏を差し替えるという事態が発生
し、これによって自公の態度も硬化していると思うが、この事態が影響を与えるか。
【幹事長】差し替えたのではありません。増子さんのほうから、自ら引きたいという
お話があって、広野ただしさんにお願いしたということです。