消費税増税は議員削減と同時に進める(夕刊フジコラム「ズバリ直球」12年1月12日号)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
野田佳彦首相は4日の年頭会見で、「必ず(消費税増税を含む)社会保障と税の一体改革をやり遂げる」と宣言した。一国のリーダーがあれだけ明確に、いま取り組むべき政策課題を掲げた意味は大きい。
この改革には、日本の未来がかかっている。持続可能な財政運営を行い、社会保障を充実させていくためには、消費税の増税は避けて通れない。欧州債務危機や世界経済の厳しい状況もある。早急に取り組まなければならない課題だ。
私は、党の行政改革調査会長を務めているが、国民の方々の中には「まず、政治家や公務員が身を切るべきだ」という声が多い。当然だ。2012年度予算の成立や消費税増税関連法案と同時に、国会議員定数削減や国家公務員給与削減、独立行政法人改革や特別会計改革などを力強く進めていく。
さて、私は2日から6日まで、福田康夫元首相らとともにインドを訪問してきた。実は、日印友好議員連盟の会長は福田元首相、会長代理は私が務めている。
インドに着いた2日夜はムンバイに1泊し、翌朝、経済成長が著しい西部のグジャラート州に入った。同州は「インド独立の父」、マハトマ・カンジー氏の出身地で、商才に長けた人々が多いという。また、州全体で飲酒が禁じられており、ベジタリアンが大半という地域だ。当地では次期首相候補の1人といわれるモディ州首相と会談し、夕食をともにしたが、インド風精進料理もなかなかおいしかった。
グジャラート州では、日立のエアコン工場も訪ねた。日本人は2人だけで、残りの約680人は現地の人々だった。首都デリーでは4日、同国で5割近いシェアを誇るスズキ自動車の工場を訪ねた。巨大な工場だったが、どこか日本の町工場の雰囲気を感じさせる工場だった。どちらの工場も活気に満ちあふれていた。
インド訪問は3回目だが、最初に行った4年前は、「インド進出は難しい」と嘆く日本人駐在員の声も聞かれた。しかし、今回はまったく違っていて、皆とても元気だった。日本人も増えており、日本人学校は増築が必要なほどだという。
今年は日印国交正常化60周年にあたる。インドは日本と基本的価値を共有する自由と民主主義の国であり、アジア第3位の経済大国だ。シン首相やムカジー下院議員団長(財務相)、野党・インド人民党のアドバニ元総裁らとの会談では、「日印関係をさらに発展させよう」と一致した。
他方、私からは「東京裁判のパール判事のことなどもあり、上の世代はインドに好印象を持っているが、若い世代はインドをよく知らない。もっと若い世代が交流をできる機会をつくろう」と提案した。
今年は民主党の真価が問われる年だ。国民の方々に「政権交代してよかった」と思っていただけるような実績を挙げて、ぜひ、いい年にしたい。