副総理としての定例記者会見(平成24年3月2日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年3月2日
(平成24年3月2日(金) 15:05~15:47 於:合同庁舎4号館4階408会議室)
1.発言要旨
私からは、まず今朝、「少子化社会対策会議」を開催いたしまして、これは所管ではございませんが、かつての所管大臣として、「子ども・子育て新システムに関する基本制度」が決定されました。中川大臣が御説明されたわけですが、非常にいいものに仕上がっているというふうに思いますし、まあ消費税を10%にした際の1%、その1%分のうちの7,000億円を少子化、子ども・子育て対策に充てるということでありますので、しっかりこれPRしていきたいというふうに思います。
特にこの決定の中で最初に出てくる言葉が、「子どもは社会の希望であり、未来をつくる力である」という、そこからスタートするわけですが、まさしく、そういうことだというふうに思います。これは民主党政権らしい政策でもあり、それゆえになかなか野党の中で、果たして合意を得て、成立まで持っていくのはなかなか大変だと思いますが、しっかり形にしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。私からも発言をいたしまして、野党の反対も予想される中で、それを乗り越えて、是非、野党の賛同も得て、しっかりと法案も成立させていこうということを申し上げたところでございます。
それから、週末の「明日の安心」対話集会、今回は2回目、私自身としては、政府主体のものとしては2回目ということで、鳥取県の米子市で開催するということであります。前回は少し時間が短過ぎたという反省もありますので、多少の時間の余裕も持って、いい対話ができるように心がけていきたいというふうに思います。
政府主催、2回目ですが、その前に京都府の舞鶴、それから地元の三重県の鈴鹿市、桑名市、四日市市でそれぞれ開催してまいりました。非常にいい意見も多く出るし、私は非常に有益な会議だというふうに思っております。明日も楽しみにしているところであります。
問題は日程がちょっと厳し過ぎて余裕が持てないのは残念で、さっきも記者さんに、甘いお菓子は米子にはないのかと聞いたところですが、まあいいお土産があれば買ってきたいというふうに思っています。
私からは、以上です。
2.質疑応答
(問)【少子化対策関連】
朝日新聞の野上です。よろしくお願いいたします。
1点目の新システムに関する法案、なかなか野党の協力を得るのは難しいというお話がありましたけれども、ねじれ国会下での他の法案と同じように、修正協議ということもあり得るべしというふうに政府としては構えていらっしゃるのか、どういった努力を通じて通していこうとお考えかお聞かせください。
(答)勿論これは話し合いの結果として、そういうことが必要であれば野党の御意見も受け入れてやっていかなければいけないというふうに思います。ただ、自民党の中には、こども園ということに対する反発といいますか、やはり幼稚園、保育園というそういう声もある中で、よく説明をしながら御理解を得る努力というのが求められるというふうに思います。
(問)【明日の安心対話集会関連】
フリーランスの安積です。
25日に四日市での対話集会というふうに聞いているんですが、これは私、ちょっと伝聞で申し訳ないんですけれども、大変盛況で、かなり立ち見も出たというふうに聞いております。その中に目の不自由な方がいらっしゃって、そのアテンドの方が結構高齢な方であったと。その方々が座れなくて、40分間立ちっ放しであったというふうに聞いております。どうにかしてそういうふうな方々、優先的に座ることができなかったのかと。対話集会のほうでは、手話通訳なんかが入っていたということで、体の不自由な方とか、そういった障害を持っている方に配慮はあったような感じがしますけれども、実際もってそういう方々が直接副総理とお話をして意見を聞きたいというときに、かなり身体的につらいような環境であったのではないかと。これだったら、「明日の安心」ということをお語りになっていますけれども、「今日の不安」があるのではないかというふうに思うんですけれども、この辺り如何でしょうか。
(答)現場御覧になりました?
(問)いや、私はちょっと東京におりましたので見られなかったんですけれども。
(答)私も、後ろのほうですので直接見ておりませんが、確かにそういうことはあったようです。なるべくそういったことについて、十分配慮しなければいけないというふうに思いますので、受付その他で担当した人たちにはよくお願いをしておいたところです。
まあ三重県の特に四日市市はそうなんですけれども、椅子が足らずに、350ぐらい用意していたんじゃないかと思いますが、400人を超える方で、かなり立っていただいていたということで、しかもぎゅうぎゅう詰めだったということで、少しそういう御意見をいただきました。なかなか何人来ていただけるかって分からないものですから、非常に難しいんですけれども、もうちょっと工夫が必要かなというふうには思います。
(問)【その他】
毎日新聞の野口です。
一体改革の話なんですけれども、消費増税の法案の提出、政府では3月13日を目標にしていると思うんですけれども、年末の素案のときに、党内の議論は、最後の1週間ぐらいは朝から夜までずっと議論をして、ようやく党内がまとまったという状況でしたけれども、党内の今回の消費増税法案の議論、いつから始めるのでしょうか。国会開会中ということで、早目に始めないと、なかなか13日まで間に合わないと思うんですけれども。
(答)それは党でお決めいただくことです。
(問)政府のほうで法案を作って議論をしてくださいというお願い、指示をしないと、党のほうで始まらないと思うんですけれども、政府のほうではどういうスケジュールで考えているんでしょう。
(答)それは、今法案について準備しているところです。
(問)朝日新聞の伊藤です。
一体改革に絡めてですが、2月17日の会見でもちょっと同じ質問をさせていただいているんですけれども、新しい年金制度の法案を出すときに、その財源が必要だった場合には、その法案も一緒に出すんですかとお聞きしたときに、前回、副総理は、タイミングの問題もあるので、そうなるかどうか分からないというふうにお答えいただいているんですけれども、その見解というのは今でも変わらないということでよろしいですか。 (答)すぐ出すということにはならないでしょうね。
(問)そうしますと、どのタイミングで、その財源が必要だった場合の法案を出す必要があるとお考えなのか。つまり、今問題になっている年金の交付国債を見ても分かるように、基礎年金の国庫負担2分の1というのを決めたけれども、その財源をどうするかというので毎年苦労したという経緯がある中で、あまりそこの部分だけ先送りすると、また同じようなことが起こるのではないかなと思うんですけれども、その辺のお考えをお願いします。
(答)年金の支払いということを考えると、大きなお金がすぐ要るということにはならないんですね。そういったことも、どういう制度設計するかにもよりますので、現時点でお答えするのは適切でないと思います。
(問)それはお金が必要になるまでの間に、必ず担保する財源の法案というものが出てくるという、そういう解釈でよろしいんですか。
(答)あまり仮定の議論をしないほうがいいんじゃないですか、これから制度設計していくわけですから。
(問)フリーランス記者の上出と申します。
一部報道されている問題で、秘密保全法案のことについてお聞きします。これは、私、外務大臣時代からフォローさせていただいているんですが、岡田副総理が頑張って、密約その他、情報公開に風穴をあけたのとは全く正反対に、今度はそれを逆方向に向けようとする、ちょっと岡田副総理がおられる内閣で、こういう法案が出てくるってちょっと信じられないんですが、国会議員への守秘義務も課すとか、そういう議論も出ているようですし、現実にこれ、どういうスケジュールで出そうとなさって、本当にこういう法案が出てくるのか。新聞協会なんか、あるいは弁護士連合会なんかも反対声明を出しておりますが、ちょっとその辺の真意と、実際に法案を出すまでのプロセスについて、その辺、国民の議論もございません。その辺のことをどうお考えか。
(答)そこまでまだ煮詰まってない話じゃないかなと思います。私のほうには少なくともまだ上がってきておりません。いろんな検討はしなければいけないんだというふうに思います。ですから、御質問に対してはそういうお答えですが、ただ国会議員に守秘義務を一部、一部ですよ、課すということは私の持論でもあります。これは別に情報公開とは何の関係もありません。私は国会答弁の中でも外務大臣のときに述べておりますが、やはり外交というのは超党派で考えなきゃいけないと。そのときに、政府の人間、政務三役も勿論含めて守秘義務がかかります、公務員ですから。野党議員にはかかりません。ですから、情報を共有しないという前提であれば今のままで構わないわけですが、与野党で一緒になって外交案件について、機微な問題も含めて情報共有をし、そしてそれに基づいて外交を行っていくという、そういうことを考えれば、これは勿論そういう機微な情報を共有する野党議員というのは一部に限られるわけですが、そういう人たちにそのこととのセットで、公務員と同じような守秘義務をかけるということは、それはおかしなことでは全くないし、もしそれをやらないということであれば情報共有はできないということになります。
(問)幾つか問題点を指摘されている方が言っているのは、憲法との兼ね合いで、アメリカではそういう制度も一応あるようなんですけれども、憲法との関係でやっぱり反対している学者さんもおりますし、そもそも民主党……
(答)どういう憲法との兼ね合いがあるんですか。
(問)国会議員に守秘義務を課すということは、憲法の根本的な表現の自由とか、そういうこととも抵触してくる……
(答)いや、それは私はよく分からない議論ですね。ですから、全員にかけるわけじゃありませんから、機微の情報に触れる機会のある人、勿論それは本人の了解を得て、機微な情報を共有する代わりに守秘義務かかりますよというのは、それが憲法に触れるとは私は理解しがたい……
(問)分かりました。時間もないので。
それで、特別秘密という概念があるようなんですが、この特別秘密は何でも特別秘密になってしまう。非常に曖昧で、これやっていると取材なんかも向こうからもできなくなってくる。一方では、内部告発も含めた、東京電力の問題でも、この前、国会事故調のあれで、アメリカの原子力委員長さん、元ですね。規制委員長さんが、内部告発する透明化が必要だとか、ああいう問題についても言っておられる中で、逆向きの動きではないかと思うんですね。特に特別秘密などというのが非常に曖昧で、議論も十分ないままにこの辺が一気に進んでしまうということは、やっぱり民主党の原点から言ってもちょっと違うのじゃないかなという感じがするんですが。
(答)先程も申し上げましたように、まだ中身が煮詰まったものではないというふうに理解しております。そもそも私のところにはまだ上がってきておりません。
それから、おっしゃることは、ちょっと理解に苦しむわけですが、今、公務員には守秘義務はかかっております、全体に。ですから、何が問題なのかって、もう少し整理しておっしゃっていただかないと、ちょっと私には理解に苦しむところがございます。
(問)要するに、自民党が出されたスパイ防止法案と同じようなものが、名前を変えて、まあ尖閣ビデオなんかがきっかけになって、どうして今この時期にこういう問題が、これが必要なのかという辺りがそもそも分からない。
(答)まあいろんな理由があると思いますが、私、先程申し上げましたように、私の持論、外務大臣のときにも国会で答弁しておりますが、私は外交を前に進めるためには、与野党の、勿論、限られた議員が外交機密について共有しながら議論するということは必要であって、そのときには当然、一般の公務員がかかっているのと同じ守秘義務はかけるべきだと、そういうふうに考えております。
(問)フリーランスの藤井と申します。
2月29日のニコニコ動画さんの世論調査のほうで、消費増税の引き上げに反対される方が55.8%で、賛成の14.9%をかなり大きく上回る数字が出ております。この件に関して、岡田副総理の率直の受け止めのことをお聞かせいただければと思います。
(答)そういった数字は聞き方によってかなり動きますので、一々コメントはいたしません。
(問)フリーランスの宮崎信行と申します。
8月9日の3党合意の解釈についてちょっとお伺いしたいと思います。というのは、昨日の予算委員会の集中審議で、副総理が出席されていたところで、自民党の赤沢さんが、高校無償化と戸別所得補償を予算に反映させることを含めて政策効果の検証ですよということで、当初予算に反映させたいという趣旨のことを、これは党議ではなく個人のお考えだと思いますが、おっしゃっていました。3党合意の中の文書で、高校無償化及び農業戸別所得補償の平成24年度以降の制度の在り方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。それから、平成24年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認するというふうな文面になっています。これはそのときから私、思っていたんですが、この24年度以降というのは、例えば24年度の補正予算案ですとか、例えば25年度の予算の編成プロセスにも有効だと、私は8月9日からそういう認識をしていたのですが、そういう解釈でしょうか。
(答)私はそう思っています。
(問)まあ恐らくそういう解釈をされていない議員が、3党の中にもいらっしゃるのではないかと思います。今現状どうお考えでしょうか。
(答)いや、その文言どおりですので、検証を行うと。検証を行った結果として、必要なら見直しをするということですから、必要な見直しを行うということですから、それは検証次第なんですね。
(問)繰り返しで申し訳ございませんが、では3党合意は、例えば25年度の補正予算でも有効ということですね。
(答)25年度。
(問)来年、例えば再来年度の……
(答)ただ、検証というのをやった結果、何か変える必要があるかどうかということだと思いますので、基本的には検証結果如何ということだと思います。
(問)石原幹事長や井上幹事長ですとか、当時の3党政調会長もそういった御認識ということでよろしいんですね。
(答)それはそれぞれ聞いてください。方針というのは、その文言ですから。
(問)共同通信の蒔田ですが、政策仕分けの提言を受けた各省庁の工程表を公表されたと思うんですが、その内容の受け止めと、厚労省なんかに特に見受けられる表現で、慎重な検討が必要だ、というような表現にとどまっているものが多く見られる部分があると思うんですけれども、その辺りどのように思われるでしょうか。
(答)各省庁は各省庁の責任でそういったものを出されていますが、それをよく見て、必要があればこちらから意見も申し上げるということです。
(問)朝日新聞の三輪です。
党のほうの行革調査会でようやく法案の骨子案が固まりましたけれども、これについて、政府側ではありますが、どのように評価されていらっしゃいますか。
(答)まだ国民新党と協議するということですので、それが決まらないうちに私があまり言わないほうがいいかなというふうに思っています。勿論、今までいろいろお互い意見交換しながら進めてまいりましたので、まとまった内容についてはお互いが合意した上でまとまったものだというふうに考えていますが、連立与党の意見がまだ伝わってきておりませんので、正式なコメントはその後にしたほうがいいかなと思います。
(問)東京新聞の生島です。
正式なコメントは後でということなのであれなんですけれども、その中で平成版土光臨調というものがあると思うんですが、法律は議員立法ですけれども、それの成立を受けてから立ち上げるのか、それに先駆けて閣議決定などで立ち上げて、法律ができ次第、法的根拠を持った組織というふうにするのか、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)少なくとも法律上の権限というのは法律ができて、その法律に基づいてやらないと、その権限が付いてまいりませんので、基本的には早く法律を成立させるということが基本だと思います。
(問)重ねてですけれども、平成版土光臨調で取り扱うテーマというのは、消費税の引き上げで国民の理解を得る上でも大変大きなテーマになるんだろうと思うんですけれども、その議員立法で、特に今、予算とかそういう重要法案があって、多分、審議としては相当常会の後ろのほうになってくるんだろうと思うんですけれども、そこまで議論を先送りというか遅らせないで、早目に立ち上げてそういう重要なテーマを議論してもいいんじゃないかという考えもあるとは思うんですけれども、その辺りはどのようにお考えですか。
(答)勿論、政府の中ではいろんな議論ができますから、それは前から申し上げているとおり、できるものはどんどんやっていくという姿勢で進めております。
(問)NHKの岡崎です。
今日、自民党の総務部会で、地方自治法の改正案の要綱がまとまりました。これは、所掌とは外れると思うんですけれども、念頭にあるのは、橋下知事の大阪都構想を念頭に、都でもその下に特別区が作れるということが盛り込まれている要綱だったんですけれども。
(答)ちょっとよく……。
(問)要綱の中身は、大阪都構想を念頭に、他の地域でも特別区が作れるという内容だったんですけれども、これは岡田さんも党側とは多少意見交換もされていると思うんですが、党としてどのように対応していこうというふうにお考えでしょうか。
(答)党としての対応は党に聞いていただかないと。
(問)政府・与党として、岡田さんの考えを教えてください。
(答)これは、党及び政府でこれから議論していく話ですので、あまり私がそれを先取り的に言うべきではないというふうに思います。ただ、橋下市長の御提案はなかなか興味深いもので、前から申し上げているように、この特別市と、それから政令指定都市と都道府県とのダブリを排する道は二つしかないと、基本的には。一つは都構想のような考え方で、市を分割して、そして権限の中の一部は都道府県に吸収する、残りは区に持っていくという考え方ですね。もう一つの考え方は、そういう政令指定都市を、何と言いますか、そこにある都道府県の権限を政令指定都市に集中させると、かつての東京市とか、今で言うと北京やワシントンのような形にすると、どちらかしかないわけであります。私はどちらもなかなか魅力的だなというふうに思っております。そういう議論を政府の中でするのか、それとも橋下さんの考え方を法案化していくのか、そういったことはこれから政府の中でもあまり時間をかけずに私は議論をすべきだと、この国会の中で決着をつけるべきだというふうに思っています。
(問)読売新聞の足利と申します。
先月の25日に、野田首相と自民党の谷垣総裁が会談していたことが明らかになりましたけれども、消費税法案について野党が反対する中で、なかなか政府・与党として成立の見通しが立たない中で、こういった形で民主、自民の代表の立場になる方がお会いになることについて、どういうふうに思われますでしょうか。
(答)明らかになったとおっしゃるが、それだけの何か根拠を持っておられるというふうに私は思っておりません。ですから、仮定の質問にはお答えできません。
(問)御否定される中で、今後そういった野田総理、谷垣総裁、国会とはまた離れた外の場所で会談する必要性というのはおありになると考えでしょうか
(答)今何かコメントすると非常に紛らわしいですから、今はコメントいたしません。もう少し時間がたって、1か月ぐらいしたら質問してください。
(問)朝日新聞、野上です。先般から話題になっております歳入庁の件で1点お願いいたします。
今、政府としては、国家公務員の総人件費2割抑制という方向を検討、模索されているわけですけれども、一方で歳入庁ということになりますと、一旦公務員の身分を離れた方々をまたその公務員の身分を与え直してと─年金機構の職員の方ですね─ということになろうかと思うんですが、その点はどういうふうに評価したらよろしいんでしょうか。
(答)そういうことも含めてこれから検討しなければいけないと思います。歳入庁で働く人々の身分をどうするかということも、これは検討課題ですから、別に公務員に戻るということを決め打ちする必要もないということだと思います。
(問)NHK、岡崎です。歳入庁に関しては、昨日、党のワーキングチームでもようやく議論が始まったんですけれども、中で説明者のほうからは、国税庁の持っているノウハウとか、強い徴税の権限を、年金とか厚生年金の未適用事業所なんかにも、捕捉にも活用できるんじゃないかという期待の声があったんですが、一方で、政府とか党内で聞いていると、全く違う役割、機能を持った組織を単純に統合しても、なかなか効率化が果たせないんじゃないかという指摘もあるんですが、現時点でどういうところにメリットがあるだろうと、あるいはデメリットはこういうところだというふうに今整理していらっしゃるか教えてください。
(答)そういうことを議論するために今回組織を作ったわけです。
(問)読売新聞の足利と申します。
震災関連の会議の議事録問題についてお伺いしたいんですが、議事概要を今5組織について作り直させていると思うんですけれども、公表の時期の見通しというのは如何でしょうか。
(答)大体それぞれおまとめになりつつあるというか、大体まとまってきたというふうに理解をしております。それを全体を横並びで見て、果たしてこれがそれだけの期待に応えるものであるかどうかということは、公文書全体を管理している内閣府のほうでしっかりと目を通さなければなりません。横並びでそういったことをきちんとチェックをした上で、その取り扱いについてどうするかということを考えなければいけないと思います。
ただ、昨日、国会で申し上げましたように、これだけ大きな大震災であり原発事故ですから、やはり後世のために早い機会に情報公開をかなりというか、私はよほどのことがない限り徹底的に行ったほうがいいというふうに考えております。そういう視点で、果たして十分なものができ上がっているかどうか、よく確認をしたいというふうに思っています。
(問)それに関連してなんですけれども、この前の記者会見で、20年や30年経って公表するような問題ではないと考えているというような御趣旨のことをおっしゃっていましたけれども、公表時期の見通しというのは、3月中に公表するようなお考えなのでしょうか、どういうようなスパンで考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)そう多く時間をかけるべきではないというふうに思います。いろいろな検証作業も勿論、政府の中、国会の中の検証組織も含めてですが、あるいはメディアとかいろいろなところで検証作業も行われていますから、そういうことに資するように、あまり時間を置かずに公表していく必要があると、基本的にはそういうふうに考えております。
(問)朝日新聞、伊藤です。
議事録とは関係ないんですけれども、先日の党首討論を横で御覧になっていたと思うんですけれども、拝見するに、結構、岡田さん御自身も頷きながら聞いていらしたのかなという印象だったんですが、率直にどういう感想をお持ちになったのか教えてください。
(答)非常におもしろい、いい党首討論だったなというふうに思います。議論はかみ合っていましたし、谷垣さんも批判一辺倒ではなくて、提案型のそういった部分もかなりありました。それから、割と正直な方なんだなと、消費税が必要であるということはかなりはっきりと認められましたので、かみ合った議論かなというふうに思いました。山口さんのほうも、ちょっとびっくりする場面もあったんですが、どこがということは申し上げませんが、どよめいたところですね、しかし、最終的に公務員の歳費についても言及され、私が言えないことを総理も言われたわけですから、いい流れになったなというふうに思います。
(問)キャリアブレインの佐藤と申します。
社会保障と税の話になってしまうんですが、今、6月ぐらいの閣議決定を目指しまして、がん対策推進協議の基本計画、昨日の協議会でまとまったんですけれども、厚労省の中でたばこの喫煙率の低下であったり、受動喫煙をなくすとかと目標がありまして、それが勿論、がん、社会保障の部分にも関わってくるんですけれども、たばこ税というのも勿論ありまして、そういった部分で厚労省がそういった目標を掲げることに関してどう思われますでしょうか。
(答)ちょっと私中身を見ていませんのでコメントは難しいんです、個別の案件について承知しておりませんので。小宮山さんらしいなとは思いますけど。
(問)禁煙率が上がることには反対、賛成とかって……
(答)はい?
(問)個人的に禁煙をされる方が多くなるというのはどう思われますか。
(答)これは最終的には個人の判断ですので、それについてあまり私のような立場の者が言うことは如何かというふうに思います。ただ、喫煙というのは、それはやはりがんを始めとする健康上の問題というものがありますし、それから周りに影響も及びます。
私はよく言うんですが、私自身はもう2005年から、代表を辞めたときから禁煙しておりますのでよく言うんですが、たばこを吸う人は自分で吸うのは構わないけれども、フィルターだけは周りに配ってくださいと、自分はフィルター付きのたばこを吸っていて、周りはフィルターなしで煙に晒されるわけですからというようなことを言うんですが、やはり周りに対する配慮というのは最低限エチケットとして必要だというふうに思います。
(問)フリーランスの安積です。
昨日の3・1独立記念式典でイ・ミョンバク大統領が慰安婦問題について触れられた件についてお伺いいたします。
慰安婦問題、最近非常に問題視されておりまして、御存じのとおりソウルのほうで日本大使館の前に慰安婦の像が建てられた件、それから逆上って2010年、アメリカのニュージャージー州のほうで、公立図書館の敷地内に慰安婦の碑なるものが建てられております。これをきっかけに全米のほうで20カ所慰安婦の碑を建てる運動をするという話もございます。またニューヨーク州のほうで、2月24日なんですけれども、慰安婦の名前を通りにつけよう、道路の名前にしようというような動きがあります。これは市議のほうがそういう提案をするというふうに発表しております。
考えてみましたら、民主党政権になってから非常にこういう問題がかなり活発に出てきたと。岡田さんは外相時代に、例えば竹島について不法占拠というふうにおっしゃらなかった。それから朝鮮王朝儀軌の引き渡しについても、1,205引き渡しされたわけなんですけれども、これが全部、菅談話の中に規定する朝鮮総督府を経由したものであるかどうかということは疑問である。これについて私、外相時代に、当時外相だった岡田さんに質問したら、「検討する」というふうにおっしゃいましたけれども、数値自体は全然変わっていない。これについて韓国のほうで研究者に聞いてみましたら、書籍のほうの研究者に聞いてみましたら、韓国側のほうの反応というのは、これだけたくさん何で、想像以上にたくさん返ってきたというふうに驚いているという感じなんですけれども、こういうふうにこちらのほうから一般的に見ましたら、民主党政権になりまして非常に韓国側に譲歩している。その結果として、慰安婦問題とかそういった問題がかなり熱くなっているというような印象を受けるんですけれども、これについて如何お考えでしょうか。
(答)まず、朝鮮王朝儀軌等の引き渡しの話と慰安婦の問題というのは直接関係しているものではありません。朝鮮王朝儀軌等の引き渡しについては、確かに韓国が予想したよりたくさん引き渡しがなされたということはあったかもしれません、朝鮮王朝儀軌だけだというふうに思っていたかもしれませんので。ただ、そこで定義した朝鮮総督府由来の一定の定義の中に入るものは、この際、一部引き渡して一部引き渡さないというよりは、一挙に引き渡すべきだという私の判断で決めさせていただきました。そのことが何か問題だったというふうには全く考えておりません。むしろ残念だったのは、その後、実際の引き渡しのタイミングが大分ずれて、途中にフランスが挟まったりして、その意義というものがきちんと伝わらなかったかもしれないということは非常に残念に思っております。
慰安婦の問題は非常に残念なことですが、個々のことは私コメントすべきでないというふうに思います。ただ、日韓両国の間でこの問題は長くあるわけで、日本政府としてはいろいろな努力を重ねてきましたが、しかし、残念ながらいまだ韓国側から見ると十分に納得できるだけのことがなされていない。韓国側はそう思っているわけです。これは日韓両国のこれからの関係を考えると、ここは双方が、日本、韓国、両国政府が努力をして、この問題をしっかりと乗り越えていかなければいけないというふうに思います。いろいろな問題、懸案が解決していく中で、残念ながら、この慰安婦の問題は残ってしまったことかなというふうに思っています。
(問)何度もすみません、朝日新聞の野上です。
先程お話出ました秘密保全法案なんですけれども、昨年に有識者会議でまとめた法案では、国会議員自体に対する守秘義務というのはたしか対象になっていなかったように記憶しているんですけれども、国会議員のですね。政府に入っていない国会議員に対する守秘義務というのはたしか対象にはなっていなかったような記憶があるんですが、これは政府案をまとめるに当たって、先程おっしゃったような守秘義務というのはかけていくことが必要であると、そういう方向で検討していくべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)だから、そういう政府の情報に接する人ですよね、接する機会のある人ですよね。
(問)2回目で恐縮です。フリーランス記者の上出です。
一番最初の、副総理の冒頭の説明に戻るんですが、前回の対話集会で有益な対話があった、よい意見もあったということを言われたんですが、一方で反対する世論が多いという中で、岡田副総理のとらえる「有益な対話」とか「よい意見」というのは、具体的にどういうもので、それがどういうふうに政策につながって、政策というか、今後の国民の説明なんかにつながっていくのか、その辺を具体的に言っていただければ。
(答)基本的には是非ビデオを見ていただければ分かりますが、一方的に反対という声は実はほとんどないんですね。やっぱり消費税の引き上げの必要性は認めつつ、しかしということで意見を言われている方が私は非常に多いというふうに思います。
(以上)