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2012.03.20|マスコミ

政策情報 官邸発(2012年3月19日・20日)

政策情報 官邸発
平成24年3月19日・20日放送

毎週、各テーマごとに国務大臣等政府関係者が出演し、皆様の関心や疑問に答え、東日本大震災の復興に向けた取組をはじめ政府の主要政策について、お伝えする番組です。

出演 岡田克也副総理

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外山アナウンサー
TBSアナウンサーの外山恵理です。この番組では、毎回テーマを決めて、今政府に訊きたいこと、言いたいこと等を街に出て尋ねます。その《街の声》をもとに、政府の幹部の方などに、詳しく、分かり易く、政策などを語って頂いています。今日は、この番組初登場の岡田克也・副総理大臣にお話し頂きます。進行役は、いつもの通り、内閣広報室の下村健一審議官です。

下村
それでは早速、岡田副総理、よろしくお願いいたします。

岡田副総理
よろしくお願いします。

下村
社会保障と税の一体改革は、今、国会で、かなりホットな議論が続いていますけれど、実は≪国会の中≫だけではなくて、先月以来、岡田さんをはじめ各大臣が、≪全国各地≫を回って、国民と直接対話する集会を重ねていらっしゃいます。そこで今回は、この番組でも、街の皆さんに「社会保障と税の一体改革について、≪今、岡田副総理と直接対話できるとしたら≫あなたはどんな質問・意見をぶつけてみたいですか?」とお尋ねしてみました。岡田副総理、まずはこちらからお聴き下さい。

岡田副総理
はい。

街の声 Q:社会保障と税の一体改革について、今、岡田副総理と直接対話できるとしたら、あなたはどんな質問・意見をぶつけてみたいですか?

・意見を言うとかっていう段階まで行っていない。言葉としては税と社会保障の一体化、一体化っていうのが先走っている感じで、もっと分かりやすい説明を統一した形で伝えてくれれば、質問もできるだろうし。<50代男性>

・興味も失っていて、自分が興味を失っていることも怖いですね、逆に。<30代女性>

・消費税を上げる前にね、なんか他にもっとやる事があるじゃないか。岡田さんには、あの人はまじめだから、国民の声もね、聞いてもらいたいね。<70代男性>

・所々しか言わない。はっきりしたあれが出ていないと思うよ。岡田さんに会ったら、「ぶれるな」と言いたいね。<70代男性>

・増税してもいいと思いますよ。(どこに税を使ってほしいですか?)例えば保育園とかやっぱり増やしていただけたら助かりますね。<30代女性>

・数字的なものは何も判らなくて、消費税の上げる率だけを言っていたって話にならない。俺たちは馬鹿だから、そんなのはわからない。<70代男性>

・上げるのは、皆たぶんそんなに、仕方がないのかなーって思うんですけれど。<40代女性>

・使い道がやっぱり明確にならないとまずいかな。使い道を、後からちゃんと公表していくような仕組みがないと、やっぱりいけないのかなという気はしますよね。<30代男性>

下村
岡田副総理、お聴きになって如何ですか?

岡田副総理
使い道は、はっきりしています。これは≪社会保障にしか≫使わない。そのことははっきり申し上げていますし、仕組みをきちんとつくりますから、御心配いただく必要はないんです。もちろん、まだまだ十分に納得していただけていないことは問題ですから、我々は、もっとしっかり説明していきますので、是非耳を傾けていただきたいと思います。

基本的には、「(消費税を)5%上げさせていただきたい」と言っています。その前提は、今の財政の状況を見ると、(日本は)≪世界で一番借金している国≫だということは皆さん御存じのことだと思いますが、来年度の予算も、税収よりも借金の方が多いんです。わかりやすく言えば、借金して、医療や介護、国民年金、基礎年金の支払いの一部に充てているということです。

これは何を意味しているかというと、≪若い人にどんどん負担をかぶせている≫ということです。こんなことは持続可能じゃない、いつまでもやれるはずがないので、それを何とかしたいという思いの中で出てきたのが、この社会保障・税の一体改革です。

(消費税を)5%上げさせていただく中で、実は、”新しいこと”は1%しかやらないんです。あとの4%は、今の制度を”維持”していくために使わせていただきたいと申し上げております。”新しいこと”とは、一言で言うと≪子ども・子育て≫。これは、今まで、日本は非常に弱かった。先進国の中でも、日本は、働きながら子育てすることが、きちんとできない国なんです。これを基本的に変えよう、働くことと子育てが両立する日本をつくろう、ということです。

もう一つは、所得の格差が広がってきていますから、色々な保険料も負担できない、年金も生活できるだけの最低保障機能を果たしていない、そういうところを手当するために使わせていただく。そういうことを中心に、トータルで1%分です。

残りの4%は、今の制度の維持のため。例えば、国民年金あるいは基礎年金は、従来3分の1が税金だったんですね。これではやっていけませんから、数年前、政権交代前ですが、半分を税金に変えました。変えたことは良かったのですが、財源の手当をしていなかったわけです。その財源の手当のために、消費税(アップ5%の内)1%強を充てさせていただく。毎年毎年1兆円ずつ、あるいはそれ以上、社会保障費が増えてきますから、それを賄うためには消費税を増税しないと、1年目1兆円、2年目2兆円、5年目5兆円・・・と増えていくので、それを賄っていくためのお金としても必要です。

【ご参考】パンフレット「明日の安心 社会保障と税の一体改革を考える」

下村
毎年、勝手に(=政策判断でなく自然増で)1兆円ずつ増えていってしまうということですね。

岡田副総理
[うなづいて]そのために、消費税を上げさせていただきたい。これをやらなかったら、とても今のままの社会保障制度を≪持続することすら難しい≫、こういうことなんです。

下村
(増税分の使い道については)本当に色々なところで、繰り返し繰り返しお話されてますけれど、やはり、こうして街で聞いてみると、「何に使うかわからない」という声がまだ出てきてしまう。そのこともあって、各地を(説明会で)回っていらっしゃるわけですね?

岡田副総理
きちっと説明しなければいけないし、まだまだ説明が足らないと思いますので、担当の各大臣が手分けして、週末に全国を回っています。なかなか体力的にもきついのですが、私の場合ですと200人前後の皆さんと直接対話して、意見をどんどん出していただいて、それにお答えするというやり方で進めさせていただいております。ホームページにも出ていますから、是非見ていただきたいと思います。

下村
岡田さんの議員ブログを拝見すると、「とてもいい会だった」、「前向きだった」という感想を毎回書かれておりますが?

岡田副総理
厳しい意見は多いんですが、何とかして≪現状を変えていかなければいけない≫という思いの中で、例えば、「子育て支援をもっと充実すべきだ」等、色々な前向きな意見をいただけるので、すごくありがたいです。

下村
このままなかなか進まない場合に、どうなってしまうことを、今、懸念されますか?

岡田副総理
もちろん、消費税を上げるということは大変なことですから、今までの内閣も大変苦労してきました。そして、しばらくやってなかったわけです。しかし、ここら辺で、もうやらざるを得ない。基本的に申し上げたいことは、消費税は負担増ですが、同時にそれが社会保障に使われるわけですから、少なくとも、所得の少ない方、≪より弱い立場にある方々にとってプラス≫だということは、しっかりメッセージ発信したいですね。もしこれができないということになると、社会保障が持続可能ではなくなる。あるいは、財政がより厳しくなる。これ以上借金を重ねていくことになれば、国として、そんな長くはもたないかもしれません。

やはり、「保険料を払っても年金をもらえない、十分な社会保障、今のような医療や介護が受けられない」という不安を持っている若い人が多いわけです。大変厳しい状況の中で生きている若者が、希望を持って、将来に展望を持てるように、これは我々の世代の責任で、きちんとやることはやる。こんなに野放図に借金を増やし続けるようなことではなくて、≪将来にわたって≫社会保障制度が持続可能になるように、ここは勇気を奮って変えるということを、是非御理解いただきたいと思います。

下村
これからも、(国民に説明が)必要なときは、是非いつもこの番組に…

岡田副総理
いつでも(出演したい)と思っています。

外山アナウンサー
『政策情報・官邸発』第38回、今日は、岡田克也・副総理大臣に伺いました。

※音声はこちら(政府広報オンライン)




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