副総理としての定例記者会見(平成24年5月29日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年5月29日
(平成24年5月29日(火) 19:20~19:41 於:合同庁舎4号館1階108会議室)
1.発言要旨
今、委員会が終わったところで遅れました。
私から特に申し上げることはありませんので、もし御質問がありましたらよろしくお願いします。
2.質疑応答
(問)共同通信の蒔田と申しますが、今日の委員会の中でのやり取りで、新年金制度の試算を今党のほうでいろいろやっていると岡田さんはおっしゃられたのですが、今行っている試算というのは、以前2月に公開したような4類型あるような、そういったものになりそうなのか、どんなイメージのものになりそうなのでしょうか。
(答)あまり具体的なことを私は申し上げるつもりはありません。党のほうでいろいろと検討しているわけですから、できたところで党で何らかの発表をされるのではないかと思います。それ以上のことは私は申し上げません。
(問)それと同じようなお答えになるかもしれないですけれども、いつぐらいに示すか、今国会中の議論に資することができるようなタイミングで出そうなのか、その辺はどうでしょうか。
(答)それは党にお聞きいただきたいと思います。
(問)東京新聞の生島ですけれども、新年金制度の関連なのですが、これも国会答弁で、受給資格期間を設けるべきだ、設けたほうがいいという答弁がありましたけれども、これは具体的にどういう理由から、設けたほうがいいというふうに考えているのでしょうか。
(答)所得比例年金の保険料を払う、例えば1年しか払わないという方がいて、当然払った保険料に応じて所得比例年金というのは支給されますから、1年間しか払わなければ恐らく所得比例年金としてはゼロに限りなく近いと。
そのときに最低保障年金が7万支給されるというのは、これはだれが見てもおかしいわけですから、一定の期間何らかのものが必要だろうというふうに思います。ただ、そういうことも含めて党の中で議論していますので、それ以上のことは私は申し上げないほうがいいと思います。
(問)申し上げないほうがいいという話なので、あれなのですけれども、その場合、無年金、低年金対策が新年金制度が資するというようなお話があったと思いますけれども、無年金とか低年金の対策に今回新しい制度のほうが意味があるというか、そういうような御発言がこれまでもあったと思いますけれども、受給資格期間をどの程度に設定するのかにもよるのかもしれませんが、それを設けてしまうと、結果的にそういう無年金、低年金が生まれて、イコールではないのかもしれませんけれども、生活保護もそんなに減っていくのかという、そういうような疑問もあるのですが、その点について如何でしょうか。
(答)年金制度に意図的に加入しない方までも救うものではありません。それははっきりしています。
生活保護との関係で言われましたが、あとは保険料というものをどのようにして払っていただくかと、そこをしっかりと払っていただくための仕組みというのも一つあると思います。3・1・4構想というのは、そもそもそういうところから出てきているわけですから、ですから年金の仕組みの中だけの議論ではなくて、そういう周辺のことも含めて、それから生活保護のレベルをどうするかと、こういう議論もありますから、総合的に考えていく問題です。
(問)今のお話の関連だと思いますけれども、何か今日の国会答弁の中でも、税と同じように厳しく取り立てるというような表現、そういうような答弁があったと思うのですけれども、今お話にあったものというのは、そういう意味合いなのでしょうか。
(答)今でも実は国民年金の保険料を払わなければ、強制徴収のような仕組みはあるわけです。それをより強化するというのは、一つの考え方だと思います。歳入庁というのは、そもそもそういう発想から出てきている。徴収率が税と保険料で違うと、それを税並みにということで来ているわけですから、その中に具体的にはそういうことも検討の対象としては入っているということです。しかし、まだ歳入庁の問題も今検討している最中ですから、最終的にどうするかということはまだ決まっておりません。何かつまみ食いだけされて、新しい制度になると、保険料の徴収が税金のように厳しくなるとか、そこだけつまみ食いしないように、全体で公正に報道していただきたいと思います。
(問)朝日新聞の河口です。
明日、野田総理と小沢元代表の会談が行われますけれども、この間、何度かお伺いしておりますが、明日期待されること、もう一つはこの一体改革の成立に向けて、どういった位置づけの会談になるのか、これを改めていただければと思います。
(答)朝日新聞の社説を読むと、あまり騒がないほうがいいということですから、私はなかなかいい社説だなと思って読ませていただきました。
いずれにしても、党の中でキャリアのある総理と小沢元代表がお会いになるわけですから、総理としては誠意を尽くして、なぜ今、社会保障・税一体改革が必要かということについて、理解を求めるということだと思います。それ以上のことは相手のある話ですから、私から申し上げることはございません。
(問)TBS、曽根と申します。
退職金などの官民較差の402万6,000円の話について伺います。
段階的に是正するか、一度に是正するかという検討をされているところだと思うのですけれども、前回の有識者会議の中で、今年度末に適用することが一つの考え方ではないかという説明が事務方からあったと聞いています。
消費税増税を目指す政権として、身を切る姿勢というものが求められている中で、この是正というのはどういった形で行うべきなのか、改めて伺いたいのと。
それから、年度内の退職者から対象とすべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)ちょっと質問の趣旨がよく分かりませんでした。どういった形というのはどういう御質問ですか。
(問)岡田さんの考え方として、一度に是正すべきだということを常々おっしゃっていると思うのですけれども、一方で有識者会議の中では、先日の中間的な整理の中でも段階的に行うべきだという意見があったと、そこも踏まえての考え方をもう一度伺いたいのと、年度内から適用すべきかと、2点です。
(答)年度内ってどういう意味ですか。
(問)今年度末の退職者からということです。
(答)いつからということは、これから政府の中で相談していかなければならないことです。ただし、なるべく早くということは有識者にも御指摘をいただいたと思います。
それから、段階的にかどうかということは、有識者会議では1回でと言われた方はお一人、あとの9名の方は段階的にということでありました。有識者会議の議論というのは、我々はそれをその議論の結果というのをなるべく尊重するという前提で、有識者会議にお願いしているところであります。
しかし、具体的に段階的にするのかどうか、段階的にする場合、どういう段階的にするのかというようなことは、これからの問題です。
(問)東京新聞の生島ですけれども、今日のまた国会審議の話に戻ってしまうのですが、いろいろな観点ではあったのですけれども、野党の議員から、今回の例えば年金の低所得者加算ですとか、給付付き税額控除の話もそうですけれども、要は資産を持っている人に対しても、要するに給付したりとか、加算したりすると。政府が出している案が不公平ではないかと、不公正ではないかという指摘がありました。
それについて、ちょっとザクッとした話で申し訳ないのですが、御所見があればお伺いしたいと思うのですが。
(答)今でもいろいろな社会保障制度にしても、資産にまで遡って考えるというのは、生活保護がそうですね、資産調査をして、資産がないということを、一定の範囲でしかないということを確認した上で生活保護というのは支給されると。しかし、そういう資産の調査というものを個別に全部やっていくとなれば、現実的には非常に困難であると。そういう中で一定の割り切りはせざるを得ないと。その一定の割り切りというのは、どこで線を引くのかという議論で、野党の皆さんがおっしゃっていることは、それはそれで説得力があるわけですが、では具体的にどうするのかということについて、必ずしも明確ではないと。あらゆる制度についてどこかで割り切って線を引かざるを得ないと。それを捉えて、おかしいと言えば、それはおかしいと言えますが、では代わりにどうするのかと、こういう問題だと思います。
(問)どこかで線引きをしなければいけない、要するに100%はあり得ないということだと思いますけれども、今日、安住財務大臣は57種類ある法定調書、税務署が把握しているものですけれども、それを拡充するというような話もされていました。金融資産を持っていらっしゃる、資産所得の在る方に対するそういうものがあり得る制度、要するに不公平という指摘に対して、安住大臣は拡充の方向で検討したいというような答弁をされていましたけれども、その点については岡田副総理もお考えとしては同じでしょうか。
(答)いろいろな考え方があります。しかし、それも完璧にというわけにはいかないわけで、具体的にどういったことがあり得るかということを検討しないと、机上の議論だけしていても仕方がないということだと思います。
(問)(共同通信・蒔田記者)本日、自民党が骨子をまとめた社会保障の対案のことについてお伺いしたいのですけれども、社会保障財源を消費税で賄うというところは明記されて、その点では与党、民主党との、政府と与党との認識が一致していると思うのですけれども、それ以外の点で、年金だったら現行制度を中心に、後期高齢者医療制度も現行制度の手直しでいくと。子ども・子育ての辺りも、認定こども園というのを前提にと考えていて、社会保障の部分では結構違いが出たかなと思うのですが、この自民党の対案についてどういうふうに受け止められるでしょうか。
(答)これから議論ですから、あまり具体的に申し上げないほうがいいと思いますが、私は今、我々が提案している法案について、具体的にどこが問題かということを御指摘いただき、必要があれば、それは話し合って、なるべくこの国会でやはり成立させるということが基本だと思います。それをどんどん先に送ってしまうと、例えば1年送るとかそういうことは考えていないということであります。
あとは、個々の中身、いろいろありますし、なかなか厳しい内容でありますけれども、いずれにしろ具体的なものが出てきたことは評価できることで、党、政党間でよく議論していただく、その一つのベースが自民党から示されたと、そういうふうに受け止めております。
(問)(朝日新聞・河口記者)先程の質問に戻ってしまうので恐縮ですが、明日の野田総理と小沢さんの会談について、野田総理が昨日、内閣記者会のインタビューの中で、「会う以上は乾坤一擲だ」と、また「一期一会」という表現を使われました。これはかなり強い表現といいますか、会談に臨むに当たって、意味としてはのるか反るかの大勝負をするという意味だと我々は受け止めているのですが、この御発言の意気込みといいますか、総理がどのようにお考えになってそういう発言をされたかというのはどのようにお考えになりますか。
(答)それは誠意を持って誠心誠意説得をする、説明をすると、そういう総理の意気込みを表したものだと思っています。
(問)ニッポン放送、畑中です。
今の関連ですが、総理がそういう発言をされているということで、今回の会談が果たして1回で終わるのか、あるいはそれ以上、まだまだ何回も何回もということで続くのかといういろいろな見方があるようですけれども、副総理はどのようにお考えでしょうか。粘り強くということなのでしょうか、そこら辺の見通しをお聞かせいただければと思います。
(答)「乾坤一擲」と言われているわけですから、一度でしっかり結果を出したいというのが総理の思いだと思います。ただ、これは相手のあることですから、それ以上のことはちょっと、私から申し上げることはできません。
(問)関連でお願いします。テレビ朝日、平元です。
岡田副総理は、幹事長時代にも小沢さんの個人事務所に赴くなど会談を何度かされていますけれども、副総理から野田総理に対して、その小沢さんとの会談に当たって何かアドバイス等があるとすれば、どんなものがあるでしょうか。
(答)特に申し上げることは、ありません。野田さんの強い思いというものをしっかりと伝えるという、そういうことだと思いますので、何か策を弄するとか、そういうことではなくて、誠心誠意やっていただくということだと思います。そのことに尽きると思います。
(問)すみません、朝日新聞の河口です。
公務員人件費の関係でお尋ねします。7.8%の削減というのが成立しましたが、岡田副総理を含めて、民主党の方々はよくこれをもって、公務員人件費の1割カットを実現したという表現をお使いになりますけれども、基本的には7.8%の人件費の削減というものについては、復興財源のためということと、また期間限定ということもあり、こういった公務員人件費改革は成功したというような感じの誤解を招くような表現ではないかと思っているのですが、この辺りについて、要するに、2割を目標にして1割はこれによって達成されたというような表現について、適切だというふうに思われますか。
(答)まず7.8だけではないのですね、そこは誤解をされないように。それまでの人件費、人事院勧告に基づいて引き下げた部分と、それから定数を純減してきた部分、そういったものもあって、それプラス7.8を合わせて約5,000億ということで、これは人件費総額に比べて、比較して約1割と、こういうことを申し上げているわけです。
これが2年間の措置だと、その後どうなるか分からないというのはそのとおりで、我々はそれは今、公務員4法を御提案していますが、基本的には労使交渉の中でその後は決められるべきであると、こういう立場ですから、今それがずっと継続するということは言えないわけであります。まさしく労使で決めていただくと。しかし、一つのベースにはなるというふうに思います。2年間とはいえですね、こういった数字が出たことはですね。
誤解を招くかどうかというのは、マニフェストというのは4年間ですから、少なくともこれから今年、来年と2年間はこれは続くので、そういう意味ではマニフェストの期間、この1割については継続するということは言えます。そういう意味で申し上げているということです。
(問)共同通信の関です。
行政事業レビューの関連で、党のほうでもそれに附随して、6月中に同じような動きを何らか政府をサポートする形でやりたいというような話が上がっているかと思うのですが、先日、行革調査会の幹部が副総理のところをお見えになっていると思うのですけれども、何らか党でやって欲しいことに対して、副総理からアドバイスなりお願いなりというのは何か具体的にされているのでしょうか。
(答)行政事業レビューについては、特にそのときは話しておりません。
私は国有資産、国会の資産を含んで、それについて、しっかり党のほうでも調べてもらいたいと。一応5,000億という目標は法案の中には書いてあるわけですけれども、それにとどまらず、更に深掘りができないか、是非党でもやってもらいたいということはお願いしたところです。
(以上)