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2012.05.02|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年5月1日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年5月1日
(平成24年5月1日(火) 15:01~15:42  於:合同庁舎4号館4階408会議室)

1.発言要旨

 私からは、まず、今日からクールビズということで、一日クールビズというか、私はあまり好きではないのですが、今日はゴールデンウィーク中ということもあってネクタイを外しました。京都出身ではありませんが、2日はネクタイをすることにしておりますので、1日だけの見納めかもしれませんが。
 それから、既にいろいろ報じられておりますが、「行政改革に関する懇談会の開催について」であります。お手元に資料もお配りしておりますが、行政刷新会議の有識者議員、つまり大臣以外の委員、議員に内閣特別顧問である稲盛京セラ名誉会長を加えた10名の方にお願いしております。
 なお、行政刷新会議の有識者議員については、住友商事の代表取締役会長である岡素之さん、この方は行政改革について、今、行政刷新会議の下で、規制改革分科会を担当していただいているわけですが、それから、小幡純子さん、上智大学法科大学院教授、それから、連合の古賀さんの3名を追加することにいたしました。小幡さんは行政法の専門家であり、古賀さんについては労働会の代表、かつ従来行政刷新会議のメンバーであった草野議員の後任になるものでございます。
 この懇談会について、早速連休明けに開催したいと、5月7日17時からを予定してございますが、まずは、行革について、大所高所から御議論いただきたい。行革の必要性について、御議論いただきたいというふうに思っております。今まで行政改革に関して土光臨調始め各種の会議が設置をされてまいりましたが、それぞれ時代の要請に応じて、なぜ行革を行わなければならないのか、というところから始まって議論していただいたわけであります。そういうものを参考にしつつ、あまり時間をかけるつもりはないのですが、少し行革の必要性、基本的考え方について、最初の1、2回は御議論いただきたいというふうに思っております。
 その上で、具体的な内容について、例えば、総人件費の問題でありますとか、その他、それこそ正しくこれから御議論いただいて整理していただくわけですが、テーマごとに大所高所からの御議論いただきたいと考えております。なお、先程言いましたように、稲盛さん以外は行政刷新会議の議員と重なっておりますので、ここで議論したことで、政府として各論を交えて議論すべきことについては、行政刷新会議に上げてと言いますか、報告して、そこで更に御議論いただくと、あるいは、具体的な問題については、行政改革実行本部で全閣僚参加の下で決めていくということも、つまりそういう連携も考えているところであります。
 それから、もう一つは3日と言いますか、3日ですね。3日からの私の海外出張についてであります。3日から6日にかけてバングラデシュとスリランカを訪問する予定にしております。
 バングラデシュは、日本との国交樹立40周年ということで、2国間関係の強化をハシナ首相始め政府要人と会談をしていきたいというふうに考えております。
 今、アセアンの国々がそれぞれ注目されておりますが、バングラデシュも人口が多いということと、それから、日本の投資もかなり最近進んできたということで、私はかねてからアセアンとインドに挟まった形になっておりますが、バングラデシュの将来の有用性ということに注目しておりました。閣僚になる前に政府からの要請でインドネシアのバリ島における民主化フォーラムに参加しました折に、モニ外相と会談いたしまして、そのときにも是非一度来てもらいたいというお話をいただいておりました。40周年ということですが、日本の総理が、あるいは外務大臣が行かれたことは最近あまりありません。麻生外務大臣が行かれているということですかね。そういうこともあり、副総理という立場で訪問することが意味があるのではないかというふうに考えた次第であります。
 それから、スリランカは、これも私が外務大臣のときに内戦直後の人権侵害の問題など、随分日本に来られた、ラージャパクサ大統領の弟さんですね、外務大臣とも議論したことを思い出しますが。その後、時間もたち、いろいろな意味で安定してまいりました。そもそもが、かなり親日国でもあり、かつ、ここも日本の総理や、あるいは外務大臣がしばらく訪問していないということでありますので、今回、国交樹立60周年ということもあり、私が行って、大統領始め関係者と意見交換をしていきたいというふうに考えているところであります。
 なお、バングラデシュでは、先程言いましたように、民間の投資がかなり最近行われ始めておりますので、投資環境の整備を要請したいというふうに考えております。スリランカでは、内戦後の平和構築を後押しする観点から、国民和解の伸展に向けたスリランカの一層の取組を働きかける予定にしているところでございます。
 私からは以上であります。
 さっきの話、もうちょっと正確に言いますと、バングラデシュには森総理が2000年、麻生外相が2006年。スリランカは海部総理が1990年、川口外相が2003年ということであります。
 以上です。

2.質疑応答
(問)【行政改革に関する懇談会関係】
 朝日新聞の三輪です。
 行政刷新会議はありますが、あえてこの懇談会を作る意味をまた改めて伺いたいのが一つと、あと、期間は区切っているのでしょうか、何らかの答申みたいなものも出す予定ですか。
(答)期間は特に区切っておりません。これは、今は民主党の議員立法で出していただいている組織、行政構造改革会議でしたか、それができるまで間ということでありますので、特にそういう意味では期間を区切っておりません。
 しかし、あまり長くというふうには考えておりません。法律がきちんとできるということを想定しておりますので、それから、意味といいますか、行政刷新会議の場もいいのですが、これは各閣僚も入っておりまして、総理も入っておられるということで、なかなか重たいというか、機動的に動かせないという、そういうところがございます。そこはそこで変えていかなければいけないのですけれども、やはり実質的な議論を少し突っ込んでやるための場として、この懇談会を作ったということで、そこで集約しながら行政刷新会議全体で連携を取っていきたいというふうに思っているところです。

(問)答申のようなものをまとめるのでしょうか。
(答)答申というか、正式な審議会ではございませんので、答申ということではありませんが、一定の方向性が出たところで、その考え方をまとめて行政刷新会議なり行革実行本部にそれを出していただくということも当然考えております。

(問)日本経済新聞、中島といいます。
 今、副総理のほうから、行政構造改革会議の法案を通って成立する前の組織というか、その位置付けという言い方をされたかと思うのですが、行革実行法案に入っている人件費の話、ITの話、行政組織の話、国有資産の話ですか、大きく4点、法案が通ってからは扱うというふうに書いてあったと思うのですが、この懇談会の段階で、もう既にそういう各論に入っていかれる予定かどうか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
(答)それぞれ、もう既に今、私の下で検討が始まっておりますので、当然、法案が通る前からその議論をしていきたいというふうに思います。

(問)何らかの分科会みたいなものを、更に細分化して開くような予定はありますか。
(答)ここは、大局的な議論をしていただきたいということで、そういう方々に集まっていただいておりますので、分科会的なものは現時点では考えておりません。

(問)朝日新聞の河口と申します。
 結局のところ、こちらの懇談会のところで一番話し合っていただきたいこと、例えば公務員の人件費の2割削減ですとか、では、どうするのか。若しくは例えば中央省庁の形ですとか、地方分権へのどう移行していくかというような、どの辺を一番話し合って欲しいというか、提言して欲しいと思っていらっしゃるのかというのを。
(答)これは、委員のそれぞれの御意見も伺ってみなければなりません。あまりこちらから決め付けるのも如何かと思います。
 ただ、やはり世の中に行革の必要性というものをしっかり理解していただくために、そういった考え方の整理というのが先ずあるのだと思います。今の時点で行革を行うことの意義というか、必要性というか、それは例えば財政の問題もあると思いますし、それから少子・高齢化が急速に進む中での国の仕組みがそれに対応できていない、社会保障制度を始めとしてですね、ということとか。そういったことについて、ある程度、論点整理をした上で、体系立てて行革を進めていくと。今できることは、何でもやっているつもりですが、もう少し位置付けを明確にして、国民の理解を得たいというふうに考えているところです。そこをまずやった上で、具体的な各論に入っていくということです。

(問)京都新聞の小川と申しますけれども、稲盛名誉会長を入れられたことについて、改めて期待すること、どうして欲しい、どういう議論を引っ張って欲しいとか、その辺り、お願いします。
(答)稲盛会長は、やはり国民的な理解といいますか、非常に御自身の経営者としての実績だけではなくて、生き方そのものも含めて非常に幅広い国民的な筋がある方で、私は、土光さん、「平成版土光臨調」と言ってまいりましたが、それに相応しい方ではないかというふうに思っております。
 ただ、稲盛さんのほうも、元々行政刷新会議のメンバーだったわけですが、JALの再建に当たってそれを外れて、最高顧問に、内閣等のですね、なられたという経緯もあったので、行政刷新会議のメンバーとかいうことではなくて、少し緩いといいますか、懇談会のような形で参加することが適切であると、相談の結果、そういうふうになったということです。

(問)時事通信社の中西と申します。
 この懇談会については、議長とかというのは、置く予定はあるのでしょうか。
(答)議長ということではありませんが、私の下に置かれる懇談会であるということです。

(問)行革法案成立後なのですけれども、議長を置くというふうに書いてありますけれども、その議長には、先程おっしゃった、稲盛さんが平成の土光さんというふうにおっしゃって、稲盛さんが議長になる予定なのでしょうか。
(答)全くそれは、現時点では何も決まっておりません。法案が通る前からそういう議論をするのは、ちょっと気が早過ぎるかなというふうに思います。

(問)月刊誌のFACTAの宮嶋です。
 最初に行革の考え方を整理されると、今、おっしゃっておりましたけれども、土光さんのときは、あれは「増税なき財政再建」ですか、そういう何か国民のコンセンサスを得られるようなスローガンを掲げて政府を応援するというような立場だったと思うのですけれども、そういうことを期待しているということなのでしょうか。そういう何かスローガンを作ってもらうというか、そういう何か、そういうような意味合いのものですかね、これは。
(答)土光臨調は、別にスローガンだけではなくて、基本的な臨調、行革を進めるに当たっての考え方も、これは1年ぐらい、確かおかけになったと思いますが、そういうものをおまとめになっておりますし、別にスローガンだけを作ったわけではありません。

(問)この10人のメンバーの、差し支えなかったら御年齢というのを、事務方の方はお持ちだと思うのですけれども、恐らくこの中で50代なのは、小幡さんという上智の先生だけだと思うのですけれども。それで、これは80代が1人で、70代が3人で、男性9人の女性が1人で、男性9人なのですけれども、その人たちの平均年齢は、恐らく70前後だと思うのですけれども、やはり行革の実行ということを考えたら、やはり世代間の公平ですとか不平等ですとか、女性が1人というのもちょっと解せないのですけれども、岡田副総理らしく、もう少し若い人とか、そういうことを選ばれるほうが新鮮ではないかと私は率直に思うのですけれども、どうしてこんな御高齢の人ばかりを選ぶのかなと思うのですけれども、その点は如何でしょうか。
(答)年齢で物事を判断すべきではないと思います。私は、ほとんどの方は個々に存じておりますが、それぞれ立派な方で、行政刷新会議の民間議員という方に3人の新たに加わっていただいたわけですけれども、何か年齢とか性別だけで判断する話ではないというふうに思います。あとは、できたものを見て御判断いただきたいと思います。

(問)年齢については分かりますけれども、女性については、たしか政府の審議会とか委員会も、2割以上は女性にすべきだというので、女性の社会参画ということで閣議了解とか何かがあったと思うのですけれども、10人のうちの9人の男性の平均年齢が70代で、紅一点の女性が55歳で、果たして行政の在り方というものについて、いろいろな各層各階の意見が反映されるようには見えないのですけれども、やはり女性はちょっと少ないと思うのですけれども、如何でしょうか。
(答)先程も言いましたように、これは行政刷新会議のメンバーなのですね。そういうことで言っているということです。

(問)朝日新聞の南です。
 副総理のほうから、まず1回目、2回目について、行革の必要性から議論されるということだったのですが、ある意味、行革の必要性については、行革というのを前面に掲げた民主党のマニフェストによって、国民の理解というのは相当程度、得られていると思うのですが、改めてその必要性のところから議論しなければならないということは、民主党のマニフェストにおいてどのような点が、整理されていなかった点があるとお考えなのでしょうか。
(答)そういう発想には立っておりません。ただ、やはり行革というのを進めていくのは大変なことです。やはり総論は、皆さん、必要だと考えても、具体論になるといろいろな抵抗があると。この場でもこの前申し上げましたが、定期刊行物の問題なども、具体的になると、やはり御議論が出るわけですね。新人の、新規採用の抑制についてもそうです。
 ですから、やはりもう一度、「なぜか」ということをしっかりと御説明する必要があると。その上で、各論についていろいろな御意見があるにしても、御理解をいただいて進めていかなければいけない、こういうことだと思います。

(問)毎日新聞の野口ですが、さっきの質問と似たところがあると思うのですけれども、そもそも論なのですけれども、行革の基本的な考え方を、この民主党政権ができて2年以上経ったところでなぜ今やるのかと、少し議論が遅過ぎないかと思うのですけれども、そこの点は如何でしょうか。
(答)いろいろなことは言えると思いますけれども、改めてしっかりとしたものを出したいというふうに考えております。

(問)【バングラデシュ・スリランカ訪問関係】
 朝日新聞の河口です。
 まず、バングラデシュ・スリランカを回られるということですが、先程ちょっと触れられましたが、インドですとか中国ですとか、特に注目の集まるというか今後大きくなっていく国がある中で、こちらの特に両国との関係を考えたときに、どういうことが日本との関係において期待されるかという、特に行かれるに当たって考えていらっしゃること、要するに、日本とこちらの関係を強化しなければいけないその理由といいますか、その辺りを御説明いただけますか。
(答)いずれも日本に対しては、非常に親日的といいますか、そういった国であり、かつ将来の発展が予想される、そういう国だというふうに思います。どうしても総理なり外務大臣の任期が1年ぐらいで尽きてしまうという、そういう中にあって、最初に行く国というのは幾つかあるわけですけれども、その結果として、本来行くべきであるにも関わらず行けていない国というのがあると。
 私は外務大臣のときからそういうことを非常に気にしていて、例えば中央アジアに外務大臣として、川口さんのとき以来ですから、ほぼ10年振りに行ったのですが、カザフスタンとかウズベキスタン、今度は枝野経産大臣や玄葉外相が手分けをして行ってくれるようですが、そういう国もずっと行っていなかったということであります。モンゴルも川口さん以来、ですから川口外務大臣は随分長くやられましたので、かなり回っておられたのですが、1年で替わってしまうとどうしても手が回らないということになります。
 そういう観点であまり最近行けていない国ということで候補を幾つか挙げまして、その中で日程との関係とか、いろいろ調整して、この2か国にしたということです。
 やはりこれはアフリカの話ですけれども、中国などは国家主席、あるいは首相、副首相、手分けをして回っていて、日本のプレゼンスが非常に弱くなっているということを随分言われるわけですが、「副総理」という肩書きを持った私が回ることで、少しでも外交の後押しができればと、そういうふうに思っているところです。
 勿論、外務大臣時代からの交流もありますから、バングラデシュからは正式に招待をいただいておりましたし、スリランカも機会があればということで話をしておりましたので、そういうことも背景にはございます。

(問)NHK、岡崎です。
 先程、中国とアフリカの例が出されましたけれども、バングラデシュなんかでも中国企業なども進出していて、インフラ整備なんかにも中国企業はかなり存在感を示しているということを聞いているのですけれども、その2国間のバングラと日本との関係強化のために、投資環境整備を働きかけるだけではなくて、日本としてはどういった支援を行っていこうとお考えでしょうか。
(答)日本は、ODAはかなり供与していますけれども、既にバングラはかなり経済発展の軌道に乗ったというか、日本の企業で言えばドコモとか、ユニクロとか、かなり有力な企業も既に出ておりますので、そういった民間ベースの企業、投資が更に行われるようにインフラ整備ということが求められているのだと思います。
 例えば「電力不足」ということが言われておりますが、その素になるガスはあるわけですから、その発電施設とか、そういったことに対する希望というのはあるということで、そういうことも含めて、よく話をしていきたいというふうに思っております。

(問)【その他】
 朝日新聞の伊藤と申します。
 消費増税の法案についてなのですけれども、自民党などからは消費増税を引き上げる時期と幅なのですけれども、一気に10%に上げたらどうかという御意見も出ているようですが、改めてこういった御意見というのは検討するに値するものなのか、やはり2段階で14年と15年とやるのが最も望ましいのか、その辺の御見解をお願いします。
(答)我々、政府案を出しております。これは最も望ましい考え方として出しているということは、まず基本として申し上げておきたいと思います。その上で、様々な意見があれば、それはそれで検討はしていきたいと。これはお互いの主張を述べ合っているだけでは物事は成就しませんので、いろいろな御意見は聞く耳は持ちたいと思います。
 まあ、複数税率の話、それから今言ったタイミングの話、消費税率を上げるですね。そういったことについて、いろいろな声が聞こえてきますが、これは党として何かまとまったものではないというふうに思いますので、まだ、そのことについてコメントすることは時期尚早であるというふうに思います。「党」というのは相手方ですね、自民党なら自民党の。

(問)ただ、事業者などは、やはり2段階上げる価格表示の変え方とか手間を考えると、やはり1回で上げたほうがいいという御意見もあるようですけれども、そういったところを改めて、そういう事業者などにも少しお話を聞くというようなお考えはあるのでしょうか。
(答)今はもう情報化されていますので、それはソフトの作り方の問題というふうに私は思います。ですから、あまり手間は変わらないというふうに思いますが、いずれにしても正式に各党から提案があれば、そのときに検討する問題かというふうに思っています。

(問)(月刊誌FACTA・宮嶋氏)憲法記念日の前なので伺いたいのですけれども、4月末に自民党のほうから新旧対照表付の憲法草案みたいなものも出てきたり、他党でも憲法改正ということがいろいろ、次の選挙にということもあるのですけれども、民主党の正に最高幹部で国会議員である岡田先生としてですね、特に東日本大震災が起こったことを踏まえますと、その中に緊急事態宣言をして、そのときには行政府が国会の立法もやるような、その危ないときにはですね、そういうようなことを自民党は書いているようなものが出ているのですけれども、幾つか論点があるとは思うのですけれども、その憲法改正の問題について、お考えがあれば伺いたいのですけれども。
(答)今回、自民党が案をおまとめになったということは、敬意を表したいというふうに思います。ただ、私は全部憲法を書き換えるとか、そういう発想ではなくて、現在の憲法について、問題があるところについて議論し直していくと、そういう発想のほうがいいのではないかと。結局、早周りなのではないかという気はいたします。 今御指摘の点も含めて、いろいろな論点がありますから、そういうことについて議論していくということはいいことだというふうに考えています。

(問)読売新聞の鎌田と申します。
 先日、日銀がまた追加の緩和策を示したわけなのですけれども、今回、日銀に対して与野党を含めて、政治側の圧力が強かったのではないかという指摘もあります。中には日銀法改正等について言及している方もいらっしゃいます。日銀の独立性、あるいは日銀法改正について、岡田さんのお考えがあればお聞かせください。
(答)私はその必要性を認めておりません。
 それから、今回いろいろな圧力があったということですが、法改正をするぞとか、そういった発言というのは、別に圧力ではないと思うのですね。あまり気にせずに日銀は日銀の独立性をもって、物事をお決めになればいいと、ただし政府との連携はしっかり取っていただく必要があると、同じ方向性を向いている必要はありますから、そういうふうに考えてますし、今のところ、そういうことは政府と日銀の間でできているというふうに思っております。

(問)(朝日新聞・三輪記者)最初の懇談会の件で1点確認なのですが、連合の古賀会長が入られてますけれども、ただ公務員の人件費抑制についてやっていく場合、なかなか公務員の方にとっては厳しい内容のテーマになるかもしれませんが、その点うまく古賀さんを入れたことで、逆にまとまるのだろうかという疑問を感じるのですが、古賀さんを入れた理由は何なのでしょうか。
(答)まず、行政刷新のメンバーとして、労働界から草野さんが入っておられたのですね。草野さんがお亡くなりになったので、替わりということで御相談した結果、古賀さんということになりました。
 今まで、草野さんは連合幹部、OBということで入っておられたのですが、残念なことながら、最近相次いでそういう立場の方がお亡くなりになったということもあり、古賀さん自らお引き受けいただいたということです。
 古賀連合会長も、連合の中全体を取りまとめる立場ですので、別に特定のグループを、あるいは考え方を代弁してものを言われるということではなくて、総合的に御判断いただけるというふうに思っております。

(問)朝日新聞の南です。
 明日で政権発足から8か月になるので、ちょっと官邸の様子をお聞きしたいのですが、藤村官房長官についてなのですが、先般のミサイル発射の対応で批判をされたりとか、原発の再稼働の問題を巡っては、地元の大阪の首長との間で矢面に立たされたりとか、なかなか厳しい局面があると思うのですが、同じ官邸にいらっしゃって、岡田副総理から御覧になられて、藤村官房長官の働きぶりというのは、どう御覧になられていらっしゃいますでしょうか。
(答)藤村さんは、私の尊敬する政治家の1人でありますので、何か働きぶりを何か私が言うというような、そういう立場ではございません。
 官房長官というのは、なかなかしんどい立場にあるというふうに思いますが、立派にこなしておられるというふうに思います。
 常にいろいろな御批判はありますけれども、大局的に見ていただければ、藤村官房長官が野田総理の信頼の下で、しっかり仕事をしておられるということは、多くの方が分かっておられるのではないかと思います。
 官邸に野田総理、私、藤村官房長官と3人おりますけれども、非常に長い付合いの3人ですので、連携は問題なく取れているし、チームワークを組んで、役割分担しながら仕事を進めていくと、私と藤村さんで野田総理を一生懸命支えているということだと思っております。

(問)朝日新聞の河口です。
 野田総理が訪米をされて、オバマ大統領と会談されました。TPPの交渉参加に向けた協議を前進させることなどで一致しましたが、今回の日米首脳会談をどう評価されているかという点と、ずっと民主党政権の中では迷走を続けてきた普天間問題については、ほとんど触れられないという状態になりました。
 この問題についてのかなり前進をしてないわけですけれども、この辺りについてどのように現状御覧になっているかを改めてお聞かせいただけますか。
(答)まず、普天間問題について迷走を続けてきたというのは、私は認識は全く違います。要するに、最近迷走を続けてきたというふうには思っておりません。
 日米関係、いろいろな問題はあるにしても、私はこの政権交代後も確固たるものを築いてやってきたというふうに思っております。特に野田総理に対する米国側の評価が高く、安全保障面でも経済の面でも、勿論、政治の面でも非常に信頼できるパートナーというふうに、オバマ大統領は野田総理を考えているということが今回も改めて示されたということだと思っております。
 あまり自虐的に自国の外交を言わないほうがいいと私は思っておりますが。

(問)FACTAの宮嶋ですけれども、稲盛懇談会ですが、この懇談会は、4に「議事内容については別途定める」というようなことになっていますけれども、副総理としまして、議事は公開、あるいはその辺については、前の有識者懇にはある程度議事を公開するというふうに書いておられますけれども、ここはどういうふうになるのでしょうか、懇談会の議事を含めた、これだけの方がいますから、公開でやっていただいたほうがいいのではないかと思うのですけれども、如何でしょうか。
(答)ここは最終的に決める場ではないのですね。ですから、そこのところ議事要旨のようなものは、作りたいと思いますが、あまり個々の誰がこう言った、ああ言ったというところまでは、私は必要ないのではないかというふうに思っています。むしろ政府として決定するときの、そのやり取りというものは、これは記録は明確に残す必要がありますが、懇談会ですので、ちょっと違うのではないかなというふうに思っております。

(問)朝日新聞の伊藤です。
 規制改革についてお伺いしたいのですが、先般のデフレ脱却の会議のときの御発言で、「いろいろなプランで過激にやりたいと考えている」と、副総理の御発言があったというふうに読んでおりますけれども、この「過激に」というのは、どのくらいどういうところでやろうというお考えなのでしょうか。
(答)それを含めて、今ちょっと構想中であります。また改めて皆さんにお話しすることもあるかもしれません。
 ただまあ、規制改革というのは、成長戦略の一つの柱であるべきで、しかも政府が決めれば、決めようと思えば決めることができる問題。勿論それに関わる人はたくさんいますので、その調整は要るにしても、政治の決断というものがかなり大きなウエートを占める問題ですので、もう少し歯切れよくやりたい。先般のエネルギーの問題などは、非常に私はいいものができたというふうに思っていますが、もう少し政務三役が前面に出る形で、しっかりと物事を進めていく必要があるのではないかと、そんなふうに思っております。

(問)その際、震災もあって動いてないものがあるというのは、そのとおりだと思うのですけれども、震災とは別に政治の決断が遅かったり、決断をしなかったことで、できてないものもかなりあるという御認識なのでしょうか。
(答)今までがどうかというよりも、やはり成長戦略の柱として明確に位置付けて、前に進めたいというふうに考えております。
 今回、岡さんを行政刷新会議の委員にしたのも、そういうことの一環というふうにお考えいただければと思います。

(問)文化放送の石森と申しますが、民主党の小沢元代表の党員資格停止処分の判決確定前での解除に関連しまして、日本時間の今日、野田総理が「役員会や常幹での議論で決めることに尽きる」と、事実上容認するような発言をしておるのですけれども、これについての受け止めというのは如何でしょうか。
(答)野田総理の発言は、それをどう解釈するか、皆さんが解釈しておられるわけで、私はそれを解釈する立場にはありません。事実を言われたというふうに考えております。それ以上のコメントは、私はございません。

(問)容認発言ではないという受け止めということですか。
(答)容認発言か発言であるかということは、皆さんの解釈だということです。

(以上)




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