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2013.12.19|夕刊フジ

今こそ問われる民主党主導の野党協力(夕刊フジコラム「ズバリ直球」13年12月19日号)

 早いもので12月も折り返しを過ぎた。政界では、みんなの党が分裂して、18日に江田憲司衆院議員を中心として新党が結成されるという。大変な苦労があると思うが、決断したからには頑張って、いい政党をつくってほしい。もちろん、みんなの党に残った方々にも優れた人材はたくさんいる。民主党としては今後、両党と協力していきたい。

 野党はこの1年、協力する態勢をつくれなかった。各党ともそれぞれの理念・主張があり、法案への対応が分かれるのは仕方がない。

 ただ、臨時国会の最大の焦点であり、明らかに安倍晋三内閣の勇み足といえる特定秘密保護法案について、みんなの党や日本維新の会は衆院段階で、わずかな修正で満足して賛成に回ってしまった。もう少し、野党間で協議して、一致した対応ができればよかった。残念というしかない。

 安倍内閣は昨年12月の発足以来、円安・株高の追い風を受けて、高い支持率を維持してきた。ただ、これから先を考えると、このまま順風満帆とはいかないと思う。

 経済政策でいえば、金融緩和と公共事業で持たせる現在の景気対策は、一時的なものであり、限界がくるのは間違いない。先の国会では、アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略として、産業競争力強化法や国家戦略特区法が成立したが、パンチに欠ける内容だった。アベノミクスへの過剰な期待は次第に薄れていくのではないか。

 政治手法も気になる。特定秘密保護法案で見せた強引な国会運営や、法律としてのバランスの悪さを見ていると、第1次安倍内閣と何も変わっていない。来年の通常国会では、集団的自衛権行使や憲法改正が大きなテーマになるかもしれない。国民生活や経済よりも「戦後レジームからの脱却」という色彩が強くなれば、国民の期待は離れていく。

 メディアは「野党再編」「野党結集」などと煽っているが、弱者が集まっても強者にはなれない。民主党がしっかりすることが先決だ。その上で、2014年は、なるべく多くの共通点を見いだしながら、野党各党が協力していくことが求められる。

 来年前半には東京都知事選や衆院鹿児島県2区補選が行われることが予想される。野党がどう協力できるかが注目されている。国民の期待に応えられるよう、私も民主党も頑張っていきたい。 (民主党衆院議員)




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