不祥事県議に歳費を払うことは税金の無駄遣い(夕刊フジコラム「ズバリ直球」14年7月24日号)
地方議員の不祥事が続発している。号泣会見で世間を驚かせた元兵庫県議の政務活動費問題をはじめ、脱法ドラッグを所持していた元神奈川県議の薬事法違反事件、東京都議会の「セクハラ」やじ問題などだ。
まず、元兵庫県議の話は論外だ。号泣シーンはテレビで何度も放送されたが、私は不快で二度と見たくない。チャンネルを変えるか、音を消して対応している。政務活動費の問題は税金の無駄遣いであると同時に、刑事事件でもあるので、具体的なことは司直に任せるが、あのような人物に議員歳費を払っていたこと自体、税金の無駄遣いだと思う。
聞いたところでは、橋下徹氏率いる大阪維新の会のブームに乗じて、勝手に「西宮維新の会」を名乗り、有権者が誤解して当選したようだ。国政でもいえるが、一時のブームだけで投票するのは良くない。有権者の方々には、報道やインターネット、討論会などで人物をよく見極めて、投票してほしい。
都議会のやじ問題は、元兵庫県議以上に日本の政治にダメージを与えている。
最初に「早く結婚した方がいい」と発言した都議は、女性議員に謝罪して、自民党会派を離脱した。だが、他にも「まず自分で産めよ」などと発言した複数都議が名乗り出ておらず、判明もしていない。都議会のことに言及するのは控えたいが、事実関係を究明せず、トカゲの尻尾切りで収拾を図ったとすれば問題だ。
海外メディアは、「セクハラ」やじを取り上げて、「日本の政治は、女性の社会進出について、この程度の認識だ」と報じ、日本は女性の人権を軽視する国として伝えている。不名誉極まりない。
さて先日、玄葉光一郎前外相や福山哲郎元官房副長官とともにワシントンを訪問し、米国の与野党議員やシンクタンク関係者と意見交換してきた。再認識したのは、野党・共和党だけでなく、与党・民主党議員にすら、オバマ大統領に対する厳しい見方が広まっていることだ。
彼らは「オバマ氏は議会をうまく動かすことができず、物事が決まらない」「秋の中間選挙で共和党が勝つと、この傾向は強まる」などと述べていた。そうなれば、オバマ氏は内政・外交とも、さらにリーダーシップを発揮できなくなる。
イラクやパレスチナ、ウクライナが混乱しているのは、米国の存在感が小さくなったことが1つの原因といえる。これをオバマ氏1人の責任にするのは酷だろう。イラクは典型例で、ブッシュ政権が進めたイラク戦争の失敗のツケを、オバマ政権が払っているという側面がある。
いずれにせよ、米国が「世界の警察官」に戻ることは、政治的にも経済的にも難しいだろう。加えて、新興国の台頭や地域紛争、テロなど、国際社会は複雑な構図となっている。こうした現状を踏まえて、日本がどのような外交・安全保障政策を進めていくのか、真剣に考える時代に突入している。 (民主党衆院議員)