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【代表談話】憲法記念日にあたって 民主党代表 岡田 克也

2015年5月3日

憲法記念日にあたって(談話)

民主党代表 岡田克也

 本日、日本国憲法は施行から68年を迎えました。わが国は先の戦争に敗
れ、その大きな反省に立って終戦2年後に施行された現行憲法を手にし、その
定める「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」という三つの基本原理
に基づき、かつこれを実践することで、現在では想像も出来ないほどの困難を
乗り越え、平和と繁栄を築き上げて国民がみなその恩恵に浴し、国際社会の高
い評価を得てきました。憲法と共に歩んだ戦後の歴史の重みをかみしめ、本日
の憲法記念日を祝します。

 今、日本国憲法は、制定以来最大の岐路にあります。
 第二次安倍内閣発足後に進めてきた特定秘密保護法の制定、閣議決定による
集団的自衛権の行使容認などは、立憲政治と民主主義に対する挑戦と言わざる
をえません。自らの都合に合わせて憲法解釈を変えるという行為は、立憲主義
の本質をまったく理解していないものにしかできないことです。また安倍首相
が現行憲法を、GHQの素人がたった8日間で作り上げた代物と発言するに至っ
ては、戦後日本が憲法とともに歩んできた道を否定するものです。
 国民投票の実施をにらみ、安倍首相と自民党は一刻も早く改憲の実績をあげ
ようと、国防軍創設や人権に対する過度な制約に見られる自分たちの憲法観を
隠し、各党が賛同しやすい項目の絞り込みを進めようとしています。このお試
し改憲と揶揄される不公正で無責任な政治手法を認めることは出来ません。

 民主党は結党以来、戦後に憲法が果たしてきた役割を高く評価した上で、今
から10年前の2005年に「憲法提言」をとりまとめました。その中で、現
行憲法を「不磨の大典」と捉えるのではなく、社会の変化に応じて見直してい
くこと、現行憲法で補えない点は憲法をより良く磨き上げて対応すべきである
ことを記しています。私たちが国民投票法の制定に主導的な役割を果たしたの
も、そうした観点からでした。

 今後の憲法議論にあたっては、①安倍首相が現行憲法と戦後の歩みを高く評
価するとの認識に立つことを前提に、②憲法が国民の自由や権利を保障するた
めに国家権力を制限するルールであるという立憲主義の原理を踏まえ、③良い
ものをさらに良くするとの共通認識に国会や政党が立脚した上で、丁寧な議論
を進めて行くことを望みます。

以上




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