岡田克也代表定例記者会見(6月26日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=YA12Lnh4cvw
岡田克也代表記者会見
2015年6月26日(金)15時00分~15時44分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
〇安全保障特別委員会・集中審議で安倍総理の見解を質す
〇自民党勉強会での暴言連発について
■質疑
〇自民党勉強会での暴言連発について
〇《安保法制》日本本土上空を通過するミサイルへの対応について
〇《安保法制》野党の対案について
〇《安保法制》領域警備法案について
〇《安保法制》自衛権に関する代表の考え方について
〇《安保法制》新安保法制の施行日について
〇岩手県知事選挙・参議院補欠選挙について
〇厚労委員会の審議混乱をめぐる発言について
〇野党連携について
〇会期延長について
〇連合の新人事について
〇かつての同僚について
〇戦後70年談話について
〇江田議員などとの会談について
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■冒頭発言
〇安全保障特別委員会・集中審議で安倍総理の見解を質す
【代表】
今日は安全保障特別委員会の関係で、まず第1点は私自身の質問に
ついて。党首討論などもなかなか議論がかみ合わなかったので、今回は
質問の中身はかなり丁寧に役所にはレクしておきました。にもかかわら
ず、ほとんどかみ合わなかったというのが実感で、非常に遺憾に思いま
す。
特に党首討論で総理がおっしゃった「ある国」が、近隣有事で、例えば
米国と既に戦端が開かれていて、その国の指導者が「東京を火の海に
する」と言って、ミサイルがいつでも発射できる状況になっている、そうい
う中で米艦が攻撃を受ける、こういう話を唯一の具体例としてされました
ので、それを取り上げて、じゃあその事例ではいつ「存立危機事態」とい
う認定をして防衛出動するのですか、自衛隊を出すのですか、とお聞き
した。
考え方は三つあり、米国と「ある国」が戦争を始めた時というのが第1
です。第2は、「東京を火の海にするぞ」と言ってミサイルがいつでも日
本に飛んできかねない、そういう状況になった時。これは総理もおっし
ゃったように、「切迫事態」ということで防衛出動になる可能性が高いと
思いますが、この切迫事態で防衛出動しても直ちに武力行使はできな
いわけです。3番目は、米艦が攻撃を受けた時。
私は2しかないだろうと思って質問したのですが、はっきりした答えは
なく、むしろ3に近いようなお話だったと思います。3で、米艦が攻撃を
受けてから「存立危機事態」の認定をして防衛出動するのでは遅過ぎ
る、間に合わないわけですから、(認定は)当然その以前。「国の存立
が揺らぎ、国民の権利が根底から覆される」というのは、どういう事態
についてそう認定するのかといえば、政府の論理に立って考えれば、
それは日本にミサイルが飛んできかねない状況について認定すると思
ったのですが、それもはっきりしない。これではいつ「存立危機事態」な
のか、何に対して「存立危機事態」と認定するのかということが、具体
的ケースに即しても全くお答えがないですから、議論のしようがない。
やはり国民にわかるように、あるいは我々にも理解できるように、き
ちんと説明していただかないと有意義な議論はできない、非常に残念
に思っております。我々(民主党)の案だと、その米艦を見殺しにする
しかないとか、そういうことだけ(総理は)言われるが、まず政府がど
う考えているかということをきちんとお話しになった上で、我々(の案)
との関係でどちらがどうなのかという議論がなされるべきだと思いま
す。
「必要最小限度」についても、法制局長官は、新3要件の第1要件、
まさしく「存立危機事態」の定義に該当するが、そういう事態を排除す
るための「必要最小限度」であるということはお認めになったが、具体
例のホルムズ海峡の場合に、おっしゃるような国民が凍死するとか、
油が止まって命の危険にあるという事態は私はないと思いますが、政
府はそういう事態があるとおっしゃっている。じゃあそういうことを排
除する「最小限度」ということであれば、もちろん波静かなら静かに
機雷を除去すればいいのですが、波静かでない場合ならば相手方
の攻撃も防ぎつつ機雷を除去するのが「必要最小限度」ではないか
と申し上げた、第1要件は変わらないわけですから。それに対して法
制局長官の答えは全く不誠実なもの、個別的自衛権の話を持ち出
してきてお答えになる。これは非常に問題だと私は考えます。論理的
に破綻していると思います。白を黒と平気で言う、と受け取られても
仕方がない。
あと日韓関係や、憲法の平和主義、自民党の憲法改正草案につ
いても議論いたしましたが、あまりきちんとした答えは返ってこない。
関係ないことを長々とお話しになるという従来のスタイルは変わらな
い。
もう1回、次の集中審議で続きについてしっかり議論したいと思い
ます。
〇自民党勉強会での暴言連発について
【代表】
もう一点は、寺田学さん、辻元清美さんが取り上げた自民党の文
化芸術懇話会。青年局長の木原さんが代表を務めておられるという
ことですが、ここでの百田さんの発言、そしてそれに対する自民党議
員のやりとり、極めて問題だと思います。
特にスポンサーを締め上げて番組をコントロールしようというような
発言があったことは驚きであり、それに対して総理はきちんとした受
け答えをされなかった、一般論でかわしていたのは極めて遺憾です。
かねがね、前回選挙の時の自粛要請とか、自民党のメディアに対
する締め付け、だんだん姿があらわになってきたと思います。ここは
本当にしっかりしないと、戦前ではありませんがいろいろな情報統制、
これはほんの小さなところから始まって、行くところまで行ってしまい
ます。野党第一党として踏ん張らなければいけないところだと思いま
す。
それから沖縄についても、とんでもない発言がありました。それに対
して総理の答弁は、心のこもったものだとは到底思えない。
■質疑
〇自民党勉強会での暴言連発について
【NHK・花岡記者】
自民党の総裁として総理には一定の責任があるのではないかと辻
元議員も指摘されたが、この点について代表はどうお考えになるか。
もう一つは、今回の問題が今後の国会運営、安保の論義に与える影
響についてどうお考えか。
【代表】
発言があったことについての責任という面もあるかもしれませんが、
私はやはり総裁であればそういう発言が出たことについて、きちんと総
裁として、誤解を招かないように打ち消すことも含めて、もっと明確に
やっておかれるべきだと思います。「発言の自由」と受け止められない
ように、十分気をつけなければいけないと思います。
委員会への波及ということですが、これは非常に重要な話なので今
日もだいぶ出ましたが、今後も自民党の、あるいは総理(自民党総裁)
の対応によっては取り上げていかなければならない場面もあると思い
ます。
【TBS・牧野記者】
勉強会で自民党の議員から、メディアを規制するべきだという趣旨
の発言が出たこと自体についてはどのように受け止めているか。
【代表】
“おごり”でしょうね。自分たちに権力があると、そしてメディアを自由
に左右できるという、そういう“おごり”の結果の発言だと思います。そ
れが一つの突出した意見なのか、自民党の一部の人達の間の共通
した雰囲気なのか。もし後者であるとすれば、これは大変なことだと
思います。
〇《安保法制》日本本土上空を通過するミサイルへの対応について
【産経新聞・山本記者】
先日のBSフジの「プライムニュース」に出演された際の発言につい
て確認させていただきたい。日本本土の上空をミサイルが飛んでい
った時の対応について代表は、撃墜することは現在の法制ではでき
ないという趣旨の発言をされて、実際に米国に向かうミサイルに自衛
隊が共同対処する必要はないという認識を示したと思う。そこのとこ
ろの改めての説明と認識について伺いたい。
【代表】
まず、現行法では無理。政府案でも無理だと思います。
つまり何をもって「国家の存立が揺らぎ国民の権利が根底から覆さ
れる」と認定するのかという問題です。アメリカにミサイルが飛んでい
くことは大変なことであるということは番組でも申し上げました。しかし、
それが日本という国家の存立を揺るがし、日本国民の権利を根底か
ら覆すということにはたして該当するのか。該当するのであれば、政
府はそういうふうにはっきり言っていただければいいのですが、おそ
らくそれだけではそういうことにはならないのではないか。したがって、
今回の政府案でもそれはできないだろう。
本来、この話は全面的な集団的自衛権を認めるという、第1次安
倍内閣においてそういう方向の中で議論されてきたことであって、今
のような限定した集団的自衛権という前提に立つとそれはおそらく
無理なのだろうと思います。そういうことを申し上げた。いい・悪いの
価値判断を言っているのではありません。政府案でも、解釈でいう
と無理だろうと、私は思います。
【産経新聞・山本記者】
実際にそういう状況が発生した時の対応はどうするとお考えか。
【代表】
日本の上空で撃ち落とすということは、今の技術ではアメリカ大陸、
本土には無理だし、グアム・ハワイも現状では無理だと私は思いま
すが、近い将来、技術的にそういうことが可能になるかもしれません。
それに対してどうするのかというのは、政府の考え方を聞いてみな
ければいけませんが、私は政府の今の法案でも非常に難しいと思い
ます。
今、政府が言っているのは、グアム・ハワイについてはちょっと本土
とは分けて答弁しているように思うが、グアムやハワイに日本を防護
するための装備とか武器がある、それに向かって飛んでいくというこ
とは、日本の国家の存立を揺るがし国民の権利を根底から覆すこと
になる、というようなことをおっしゃっているようですが、はたしてそうい
うロジックが成り立つのかどうかです。
これは委員会の中で一度議論しなければいけませんが、私は、(政
府は)相当無理な上に無理な解釈を重ねて、結局限定したものを広げ
て議論している。詰めた時に、はたしてどうなのかという感じはします。
いい・悪いの話ではなくて、法令の解釈としてそういう問題がある。もし
それを全部認めるならば、フルスペックの集団的自衛権を認めなけれ
ばならないかもしれないということだと思います。
【フリーランス・宮崎記者】
ミサイルの話の中で気になったので伺いたいが、イージスシステムを
どう受け止めているか。イージス防衛艦をわが国も所持し、また実際に
ハワイでは模擬ミサイルの迎撃訓練を自衛隊がしている。現にイージス
がある中で、イージスというのは日本だけを守る前提ではないと思うが、
現在のイージスの開発と訓練についてどういうお考えか伺いたい。
【代表】
これは日本自身を守るものではないということになれば、今の政府案
でも私はミサイルを撃ち落とせないと思いますよ。国家の存立が揺らぎ
国民の権利が根底から覆されるという事態に該当しないということであ
れば、できないということになります。そういうことができるという事態な
らば、政府案ではそれは撃ち落とせることになるのでしょうけれども。
〇《安保法制》野党の対案について
【TBS・牧野記者】
安全保障関連の対案として維新の党が独自案を近くまとめる方針だが、
維新の党のこうした対応について代表の所見を伺いたい。
【代表】
領域警備法案は一緒に作ってきたというか、8割民主の“著作権”があ
るような法案ですので、これを勝手に出されることはないと私は思う。や
はりよく相談して、そうでないと同一労働同一賃金推進法案の二の舞い
になってしまう。だから、そこはよく相談していただけると思っております。
あとの法案については、私も詳細は承知しておりませんが、維新の党
がどういう判断をされるかというのは、基本的には維新の党がお決めに
なることです。
ただ、民主党としてはやはり中心は政府案に対する質疑、これはまだ
まだ、今日私が基本的なことを聞いても答えが返ってきていない状況。
他にも議論すべき点はたくさんありますので、なかなか維新の党の法案
について民主党が質疑する時間は取りにくい。これは分けてやるのでは
なくて、おそらくどっちに質問してもいいような形で質疑されると思います
ので、我々が維新の党に対して質問する、そういうことは少ないのかなと
思います。
【TBS・牧野記者】
維新の党の独自案を提出すべきという意見と、提出するべきではない
という意見が党内にあるようだが、代表はこの議論についてはどうお考
えか。
【代表】
それは維新の中でお決めになる問題。こちらが何か言う話ではないと
思います。
【TBS・牧野記者】
例えば国会での論義がぼやけるという懸念はあるか。
【代表】
ですから、限られた時間の中で政府案についてはしっかり議論しなけ
ればならないと思っているということです。
【読売新聞・前田記者】
民主党で今後、対案を提出する考えは今の段階であるか。
【代表】
我々の考え方をしっかりまとめようということは確認しております。まと
めた時に、それを要綱の形にするのか、あるいは法案の形にするのか、
それはまだこれから。時間との競争もあります。出すか出さないかにつ
いては何も意思決定しておりません。
ただ、同じような問題はあります。出せばそこに時間を取られてしまう
ということです。国民が一番知りたいのは政府案がどうなのかということ
ですから、これについてしっかりと議論する、その時間を確保することは
非常に重要だと思います。
【毎日新聞・福岡記者】
維新の党の対案について、維新の党は国会に提出する前にとりあえず
民主党・自民党・公明党に説明したいとおっしゃっているが、説明につい
ては受けるお考えか。
【代表】
基本的にはそれは政調会長、あるいは北澤俊美安全保障総合調査会
長のところでご判断になることで、私がそのことについて、いい・悪いと言う
つもりはありません。聞くこと自身はお任せしています。
〇《安保法制》領域警備法案について
【読売新聞・前田記者】
維新の党の今井政調会長は今日の記者会見で、領域警備法案について
民主党と協力してやっていきたいという趣旨の発言をされた。今後、領域
警備法案について維新と協議の上、共同提出する可能性はあるのか。
【代表】
まだ何も話しておりません。それから、それを出せば(政府案の)審議時
間がへこんでしまいます。
本来、この領域警備法案は政府案とは重ならない、もっとグレーゾーン
の話ですから、必ずしもこの特別委員会で議論しなければいけないわけで
もない。他の安全保障委員会、あるいは内閣委員会とか、議論できること
でもあります。そういうことも含めて、どうするかというのは今の段階では全
くの白紙です。
〇《安保法制》自衛権に関する代表の考え方について
【「FACTA」・宮嶋記者】
代表は冒頭、「存立危機事態」について、政府あるいは横畠法制局長の物
言いは論理的に破綻しているとおっしゃったと思うが。
【代表】
横畠さんが破綻しているのは、存立危機事態の第3要件(必要最小限度
の実力行使)のところです。
【「FACTA」・宮嶋記者】
第3要件。要するに「存立危機事態」というもの自体が、「重要影響事態」
の先にある部分はもう切迫しているから、個別的自衛権で本来対応できる、
だから限定的な集団的自衛権の行使というものは実質的にないんだと。前
から、そういうもの(存立危機事態で対処する事例)を岡田代表自身も探して
いるが、なかなか見つからないとおっしゃっているが、結局それで集団的自衛
権は要らないよと。岡田代表の論理としてはそういうことだということでよろし
いか。
【代表】
現時点では、です。将来、未来永劫とは言っていない。新しい事態になって、
新しい論理が築かれる可能性までを否定するつもりはない。全部否定してし
まったほうが楽ですが、私は真面目ですので、将来のことを全部否定するつ
もりはありません。でも、今のこの政府の建て付けを見ていて、それが必要
だとは到底思えない。
しかも非常に限定、要するに国家の存立が揺らぎ国民の権利が根底から
覆されるという、非常に限定した表現をしていますが、実際にはおそらくそれ
が少なくとも日米同盟の枠組みの中で行なわれる時には無限定に使われて
しまう、そういうことになるのではないか。あるいはそういう思いの中で作られ
た法案ではないかとも思います。
〇《安保法制》新安保法制の施行日について
【フリーランス・宮崎代表】
この法案は成立後、公布の日から起算して6ヵ月以内の政令で定める日
に両法とも施行されることになっている。ないだろうと思うが仮に9月下旬に
成立すると、年度内施行になる。「存立危機事態」は武力攻撃事態法の改
正に入るが、武力攻撃事態法など「有事3法」は基礎自治体の計画の定め
なども入っており、周知期間は基礎自治体の職員も必要になっている。わ
ずか6ヵ月以内に施行しようというこの法律の条文に関してどのようにお考
えか。
【代表】
ただ、基礎自治体の部分はほとんど今回触っていないのではないですか。
ですから今の話がはたして該当するのかどうか、私、自信がないですが。
〇岩手県知事選挙・参議院補欠選挙について
【NHK・花岡記者】
岩手県知事選挙の後に10月に行われる見通しの参議院補選について、
畑前衆議院議員の立候補も取り沙汰されているようだが、民主党としては
どのような方針か。
【代表】
党本部としては何も決めておりません。に誰をということについてはわが
党だけがまず決めてしまうということでは必ずしもないと思います。特に岩
手県は生活の党の小沢先生の本拠地でもあり、強い影響力も持っておら
れる。したがって、本来は生活だけではなくて維新も含めてとは思います
が、特に生活との連携は重要で、小沢先生とどこかできちっと話をしなけ
ればならないと思います。岩手県連、黄川田徹さんが会長ですが、黄川
田さんや階猛さんとは意見交換をしており、私にお任せいただいて、その
上で小沢代表とお話をしなければならないと思います。一任はもういただ
いています。
【フリーランス・堀田記者】
「一任はいただいている」というのは、誰からいただいているわけですか。
【代表】
岩手県連です。県連代表から一任するということで了解を取っています。
それなしに小沢代表とは会えません。
〇厚労委員会の審議混乱をめぐる発言について
【産経新聞・山本記者】
先日のBSフジでのご発言の確認にもなるが、厚労委員会での一連の、
委員長がけがをされた件で、代表は常々、強行採決を連発している与党
に対して、野党として反対するという一連の中で、暴力行為はあってもいい
ととれるようなご発言もある。暴力問題についてのご認識をいま一度伺い
たい。
【代表】
「暴力行為があってもいいととれるような」とおっしゃいましたが、そうい
うふうに書いているのは産経新聞です。私はそういうことは言ったことは
ありません。
【産経新聞・山本記者】
暴力を使ってもいいだろうとは一度もおっしゃっていないと。
【代表】
一度も言っておりません。当然です。だからそういうふうに言われるの
は驚きです。
〇野党連携について
【毎日新聞・福岡記者】
いわゆる一般的な野党再編について、民主党内や維新の党内でもいろ
いろな考え方がかなり幅広いと思うが、現状、代表はどのように見ておら
れるか。
【代表】
あまりこういうところで感想的に申し上げることではないと思います。我々
12月に総選挙を戦って、民主党の公認候補、あるいは比例で「民主」と書
いていただいて当選してきているわけですから、それは非常に大事にしな
ければならないと思います。
しかし、「一強多弱」という中で、なるべく野党が協力していかなければな
らないということは間違いのないことで、私かねがね申し上げておりますよ
うに、まず国会の中できちんと協力する。それからこの前の総選挙でも、
選挙区の調整、候補者の調整をやった。そこは最低限だと思います。そ
れより前に、私は詰めたほうがいいと思うのですが、どこまで進むかという
のは、それはやはり現実の中で決めていくこと。あの派遣法のてんまつな
どを見ていると簡単ではないなと思いますが、我々は野党第一党ですから、
大きな気持ちで他の野党の皆さんとおつき合いしていかなければいけな
い。協力できるように我々から働きかけていかなければいけないと思いま
す。
【TBS・牧野記者】
先ほど野党再編の絡みのところで、「私は進めたほうがいいと思うが」と
いう発言があったが、それはどういった形で進めたほうがいいと。
【代表】
野党間の協力を進めたほうがいいということです。それが具体的にどうい
う形をとるのか。一つの党になることを目指している人もいる、いろいろな形
があるのでしょうが、それはやはり現実を見ないと。政策や考え方が一致す
る必要がありますし、そもそも国会対応で足並みが乱れたり信頼関係が失
われたりするということでは、とてもそういうことにはなりませんので、私は一
つずつ積み上げていくことが非常に大事であると申し上げてきた。幸いにし
てというか、不幸にしてというか、国会が長くなりましたので、この間、いろい
ろなやりとりをしながら信頼関係を深めていきたいと私自身は思います。
〇会期延長について
【共同通信・光山記者】
昨日、自民党の山本幸三元経産副大臣が、安保法案成立を目指した今
回の会期延長について、「ここまで長期延長してゴリ押しするようなやり方は
本当にいいのか、個人的には疑問だ」と述べられている。与党の中からもこ
ういった疑問が呈される事態についてどのようにごらんになるか。
【代表】
与党の議員、個々の議員が何か言われたことについて、代表である私が
コメントするのは避けたいと思います。
ただ、我々以前から申し上げてきたことは、これだけ国民の皆さんの理解
も得られていない、しかも答弁が極めて不十分な中では、一旦閉じて、もう
一回きちんと精査して出し直すべきだということを申し上げてまいりました。
しかし、国会の延長はなされてしまいました。今そのことを繰り返し言っても
元に戻るわけではありません。
〇連合の新人事について
【「FACTA」・宮嶋記者】
正式には秋ということだが、連合で神津里季生さんがなられる。キャリア
から見ても岡田代表と馬が合う方なのではないかというイメージもあるが、
この方と二人三脚のようなことになると思うが、今までどういうおつき合い
があるか。この国会は長くなっておもしろいし、参議院選はそこで戦うこと
になるが、連合との関係ということで、民間ですから就任前からどんどん動
くのかなと思うが、その辺も含めて連合の新体制とどんな形でやっていこう
とお考えになっているか。
【代表】
まだ次の人事は決まっていない。
【「FACTA」・宮嶋記者】
ほぼ決まっているのでは。
【代表】
正式に決まっていないものを前提に私が言うことは、避けなければいけ
ないと思います。
古賀前会長、長く務められて、私も随分とこの間いろいろな場面で意見
交換させていただきました。非常に立派なリーダーで、大変お世話になり
ました。次のリーダー、誰がなるにしても、しっかりと連合と民主党との関
係を形づくっていかなければいけないと思います。
〇かつての同僚について
【フリーランス・宮崎記者】
6月26日ということで、社会保障と税の一体改革の衆議院での採決か
ら3年になる。総理大臣に対して与党内で後ろから鉄砲を撃ってくるような
人もいる中で、必死に総理を守って被弾してしまった人もいた。離島の名
産品を販売する会社に勤める花咲宏基さん。自身の会社を立ち上げた柿
沼正明さん。小原舞さんは京都府議会議員。永江孝子さんは引退を発表
されたその他にも、国政復帰をしていない方も、あるいは前回の選挙には
出ていないけれどもいずれ復帰する考えの方もいらっしゃるようだが、必死
に党を支え、そして今国会議員でない、そういった人たちとまた一緒にや
りたいとお考えか。
【代表】
最近、花咲さんや柿沼さんにお会いしていないので、状況はよくわからな
いのですが、非常に能力もあり、政治家として期待されながら、残念ながら
違う道を選ばれた方々。私は、まだまだ年齢的にも若い方もいらっしゃるし、
やがてまた民主党、一緒にやれる方々もたくさんいらっしゃるだろうと思い
ます。
首長になった方もいますし、いろいろな人生があるのだと思いますが、そ
ういった国会議員以外の人生経験をされた方々が一周りも二周りも大きく
なり、またこの永田町に戻ってきてくれることを期待しています。
〇戦後70年談話について
【日本経済新聞・恩地記者】
政府のほうでは閣議決定しないという考えが出ているようだが、これは中
韓への影響を考慮したということかもしれないが、政府の姿勢についていか
がか。
【代表】
閣議決定をしないという理由がまずわからない。そのほうがより自由度を
持って書けるということかもしれませんし、しかし閣議決定しなければ今まで
の談話に対して効力としては弱い、閣議決定されたもののほうがより効力と
してはある。
閣議決定しないということが決まったのかどうかもまだはっきりしておりませ
んので、あまり予断を持って言う必要はないと思いますが、 今日、私が安倍
総理に申し上げたのは、そういう形式、閣議決定するかしないか。それから
内容、従来の言葉遣いをどのぐらい、例えば「植民地支配」とか「侵略」とか
「謝罪」とか、そういう表現を使うのか使わないのか。私には私の意見があり
ます。閣議決定はすべきだし、いろいろな表現を使うべきだと思っていますが、
最終的に決めるのは総理ですから、その総理が70年談話を出して、それが
周辺の国、あるいはアメリカも含めてより理解されるような、意味のある、そ
ういう談話になるように努力してもらいたいと。逆に、これが周辺の国、ある
いはアメリカとの関係で不信感を増すようなことになれば、それは国益を損
なうわけですから、総理にはそのことについてしっかり考えてもらいたいし、
最終的には全責任が総理にはあります、ということを申し上げた。
〇江田議員などとの会談について
【TBS・牧野記者】
昨夜、江田議員らと会談されたが、どのような話をされたか。
【代表】
中身を何かお話しする必要はないと思いますし、別に何かの目的を持って
会っているわけではなく、時々雑談をしているということです。
普段はなかなかバレないのですが、昨日は盛大なカメラに迎えていただいて、
ちょっとビックリいたしました(笑い)。
【TBS・牧野記者】
出席者の方によると、安保法制とか将来の野党再編について話し合われた
ということだが。
【代表】
いずれにしてもいろいろなことを議論しています、2時間もありましたので。
中身は、それは雑談のたぐいで、お互いが党を代表して話しているものでは
ありません。