岡田克也代表ぶら下がり会見(8月14日)⇒https://www.dpj.or.jp/article/107368/
岡田克也代表ぶら下がり会見
2015年8月14日(金)18時54分~19時08分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.dpj.or.jp/article/107368/
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■冒頭発言
〇安倍総理の戦後70年談話について
■質疑
〇幹事社質問
〇各社質問
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■冒頭発言
〇安倍総理の戦後70年談話について
【代表】
安倍総理の談話をテレビを通じて聞いていました。
今までの政治家・安倍晋三の歴史観とは明らかに異なるものだと受け
止めました。(これまでの総理の発言から)総理が大きく考え方を変えた
ということであれば、それは内外の議論や指摘が影響を与えたということ
だろうと思います。
その上で、具体的に2点申し上げます。
「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのお詫び」、そういった表現
はいずれも引用という形で述べられている。例えば「植民地支配」「侵略」
というのは、日本のことを言っているのか、一般論として言っているのか定
かではない。はたして総理がどう考えているのか伝わってこない。やはり
こういった問題(歴史認識)について総理自身の考えをしっかりと述べら
れるべきではなかったか。一般論ではなく、日本がやってきたことについ
てどう考えているかを、述べられるべきではなかったかと思います。
もう一点は、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、
謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言っておられます。もち
ろん子どもや孫たちに直接謝罪を求められているわけではなくて、日本
が国家として求められているということです。いつまでも和解が実現でき
ないということにならないように、政治指導者はしっかりと責任を持たな
ければいけない。むしろ近隣の国々との緊張を高めてきたのが安倍総
理の今までだったのではないか。そのことについてしっかり反省してもら
いたいと思います。
■質疑
〇幹事社質問
【NHK・花岡記者】
先ほどおっしゃった中で「引用に終始した」という部分があるが、特に
「お詫び」については「過去を、この胸に刻み続けます」とか「深い悔悟
の念」「痛惜の念」という言葉を言っていて、直接的なお詫びというのは
なかったように思うが、この点についてはどうお考えか。
【代表】
総理自身の言葉で、日本が行ったことについて具体的に述べられた
ほうがよかったのではないか。もちろん表現は、従来の表現をそのまま
使わなければいけないと思っているわけではありません。しかし、一般
論に終始しているということが問題だと思います。
【NHK・花岡記者】
代表はこの談話を聞かれて、歴代内閣の歴史認識を安倍内閣も引き
継いだというご認識か。
【代表】
そこが必ずしも明確ではない。総理は今まで「全体として引き継ぐ」と
いう言い方で非常にあいまいにされてきました。その基本的スタンスは
変わっていないのだと思います。
【NHK・花岡記者】
代表は今月韓国を訪問されたが、この談話、周辺国にはどのように
映るとお考えか。
【代表】
それは周辺国の受け止めですから、私が今の時点でそれに言及す
ることは避けたいと思います。
【NHK・花岡記者】
談話の中で「過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません」
とあるが、この談話について、そういった過去に向き合っているものに
なっているとお考えか。
【代表】
全体としてのトーンは、必ずしも否定的なものではないと思います。今
まで議論してきた、専門家がしっかり議論してきたこと(8月6日、有識者
懇談会報告書)を踏まえたものになっていると思います。
ただ、問題は安倍総理ご自身の考え方がしっかりと示されているとは
言いがたいということだと思います。
【NHK・花岡記者】
四つの文言が盛り込まれたことについての評価はどのようにされてい
るか。
【代表】
先ほど申し上げたように、四つの文言が、総理ご自身がどう考えている
かということではなくて、一般論として、「植民地支配」と「侵略」については
日本のことなのかどうかもわからない。それから「心からのお詫び」とかい
うことについては、これは今までの引用として述べられている。やはり70
年談話ですから、総理ご自身のお考えをしっかりお述べになるべきではな
かったかと思います。
〇各社質問
【TBS・山本記者】
四つの文言をこういう書き方にした理由について、総理は会見の中で
「より幅広い国民と談話を共有するためだ」と説明しているが、この説明
というか理由についてはどうお考えか。
【代表】
よくわからない。意味がよく理解できないです。
【TBS・山本記者】
四つの文言を入れた理由として、支持率低下や安保法制を抱える中で
一定の配慮を示したという見方もあり得るかと思うが、そこら辺はどうごら
んになるか。
【代表】
これは70年談話、日本国としても非常に重要なもの。それについていろ
いろな憶測で物を言うのは避けたほうがいいと私は思います。
【産経新聞・山本記者】
先ほど代表は「全体的なトーンに関しては否定的ではない」とおっしゃった
が、評価するのか、しないのか、二択で言うとどういう形か。
【代表】
それは簡単ではない。この美しい表現がいろいろ散りばめられた文章が、
今までの総理のお考え、あるいは政治家・安倍晋三のお考えとは違うもの
がかなり入っていますので、総理ご自身がそこを全部消化された上で言っ
ておられるのかどうかというところに疑問が残る。
【産経新聞・山本記者】
政治家・安倍晋三とは明らかに異なる内容だというご指摘だが、これは
総理が自分の考えを素直に述べているものではないと代表はお考えか。
【代表】
こういうものを出された以上、それは当然、今後この談話の考え方で進
めてもらいたいと思います。「過去と違うのではないか」と言う人がいれば、
そこに対する説明もきちんとされたほうがいいと思います。
【読売新聞・前田記者】
総理は会見の時に、「先の大戦への深い悔悟の念」と、「悔悟」という言
葉を使った。これは過去の談話に入っていない言葉だが、この文言につ
いての評価を伺いたい。
【代表】
個々の表現について何かコメントするつもりはありません。
【ニッポン放送・後藤記者】
今回の談話が安全保障法制のこの後の審議等に影響を及ぼすとお考
えか。
【代表】
ダイレクトには結びつかない話です。ただ、総理が積極的平和主義の中
身を具体的に言われなかったことは賢明だったと思います。総理の積極
的平和主義というのは、自衛隊を使って、積極的に活用して、武力行使に
近いところも行っていくというような中身だと私は理解していますが、その
中身について言及されなかったことは一つ賢明だったと思います。
【文化放送・山本記者】
小泉談話・村山談話に比べて、安倍談話はかなり長い分量になっている。
メッセージというのは長くなればなるほどわかりにくくなったり、きちんと伝
わりにくい側面もあるが、この長さ、分量について代表はどう評価されるか。
【代表】
そういうことは、それぞれの考え方に基づいてやっていることですから、あ
まりコメントしないほうがいいと思います。それは安倍総理のお考えでこうい
う形になったということです。それについて否定的なことを言うつもりはあり
ません。それぞれの判断だと思います。
【読売新聞・前田記者】
今回の談話を受けて、民主党として独自の対案なり、政府の談話に対す
る反応を何か出すお考えはあるか。
【代表】
これは政府が出すものですから、政党として出したとしても、政府が出し
たものと並べられるものではありません。ただ、明日8月15日、70年目の
終戦記念日を迎えるに当たって党としての考え方は明らかにしたいと思い
ます。
【読売新聞・前田記者】
代表ご自身は、1931年の満州事変から終戦までの約15年間の戦
争の戦争責任についてはどういう認識で見ていらっしゃるか。
【代表】
東京裁判で一定の結論を得たということだと思います。東京裁判それ
ぞれを見ればいろいろな議論はあり得ると思います。ただ、国としてそ
れを受け入れたことで、日本は国際社会に復帰を果たしたわけですか
ら、もし個々に問題があるということを強調するのであれば、それは自
ら戦争の総括を行うべきだと思います。それがないままに東京裁判を
否定してしまうことは、結局、誰も責任をとらないということになってしま
いますから、本来であればやはり日本自身がきちんと総括すべきであ
った。残念ながらそのタイミングはほぼ失しつつある。70年過ぎて当時
の人たちはほとんどいらっしゃらないわけですから。
【読売新聞・前田記者】
総理の談話の中では、「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられ
た女性たちがいた」という表現が出てくる。具体的に慰安婦のことに直
接言及する話ではなかったが、この表現についてはどのようにとらえて
いるか。
【代表】
どういう表現を使うかというのは、ある意味では総理のご判断もあると
思います。ただ、全体を見て、やはり朝鮮半島の植民地化とか朝鮮半
島にまつわる話は、間接的には書いてあるのですが、直接的には言及
がないなと思いました。