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2015.10.09|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(10月8日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=wczHQND3Rd0

岡田克也代表記者会見
2015年10月8日(木)14時09分~14時49分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭発言
○第3次安倍改造内閣について
■質疑
○第3次安倍改造内閣について
○櫻井よしこ氏発言に関する質問状について
○維新の党との連携協議会について
○TPP交渉の「大筋合意」について
○維新の党との連携協議会について
○安全保障法制について
○公共事業に関する安倍政権の姿勢について
○難民問題について
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■冒頭発言

○第3次安倍改造内閣について

【代表】
 私からは冒頭、内閣改造について。
 キャッチフレーズ、「言葉は躍れど中身は不明」というのが今回の内閣
改造ではないかと思います。「女性の活躍」「地方創生」、今度は「1億総
活躍」と、具体的に何が今まで実現したのかというと、極めて心もとないと
思います。「1億総活躍」も具体的政策はこれからだと、そういう意味では
まさしく名前だけが先走りしている。広告会社を使い過ぎているのではな
いかという気がします。
 もう一つは、改革ということになればしんどいこともあるわけで、例えば
財政再建は一体どこに行ってしまったのか、全く言及がないが、2020年
プライマリーバランス黒字化、これはこのままでは実現できないことは明ら
かで、消費税を10%にしたとしても、それでもなお歳出削減なり歳入増が
なければやっていけない。そういうことについて全く言及しないまま内閣が
スタートしたことを非常に心配しております。経済成長すればいろいろな問
題が解決するのだという、それはありもしない幻想ですが、その幻想を振
りまいて、いっときは耳に心地よいことかもしれませんが、日本の将来に
非常に深刻な心配を持つものです。
 そういったことで、記者会見を見ても詳細はよくわかりませんが、私とし
てはそういう感想を持ったところです。

■質疑

○第3次安倍改造内閣について

【NHK・花岡記者】
 二つ伺いたい。今回、閣僚の留任が目立った「守り」の内閣だという指摘
もあるが、その点についての受け止めと、目玉人事の一つとして加藤勝信
・前官房副長官が1億総活躍担当相になった。この人事についての受け止
めを伺いたい。

【代表】
 どのくらいの閣僚を引き続き使っていくかどうかということは、内閣総理大
臣の一つの考え方に基づいて行うことですので、私はそれがいいとか悪い
とか言うつもりはありません。それは安倍総理がご自身で最善のものをお
考えになって実行したことだと思います。毎回毎回、全部かえなければいけ
ないものではもちろんないし、そこは考え方の問題だと思います。
 加藤大臣は、彼が今まで内閣においてしてきた仕事に対する一般的な評
価から見ると、ちょっと軽量級の大臣になったなというのが私の率直な感想
です。それはなぜなのかということは必ずしもよくわかりません。後任人事も
含めていろいろな議論がそこにはあるのかなと思っています。

【フリーランス・横田記者】
 目玉大臣の一人として河野太郎行革担当大臣がいるが、脱原発の論客
だったはずが(入閣と前後して)ブログも閉鎖し、今回に関しては脱原発に
ついての言及がない。佐賀県知事選では原発再稼動容認の樋渡さんを応
援したり、支離滅裂というか不一致なところが多いのではないかと思うが、
河野太郎さんに対する率直な見方を伺いたい。

【代表】
 河野太郎さんは、一緒に仕事をしたことがあるのですが、なかなかしっか
りした政治家であるとは思っています。今まではっきりと物を言ってこられた
ので、大臣になってその折り合いをどうつけていくのか。ここは一つ注目さ
れるところですが、現段階で憶測に基づいて物は言わないほうがいい。仕
事ぶりを見て。やはり今までの発言との整合性というのは当然政治家として
問われると思いますし、当然内閣の一員としてその方針には従わなければ
いけないわけで、そこをどう折り合いをつけていくのか、よく見てみたいと思
います。

【フリーランス・宮崎記者】
 先ほどのお答えの中で、加藤勝信さんに関して評価が高かったが、初代
の内閣人事局長だった。後任の人事も含めてとおっしゃったが、萩生田光
一さんが官房副長官になり内閣人事局長も兼ねるそうだ。初代局長の加藤
さんは官僚経験のある人で、萩生田さんは官僚の経験はない。総理とも大
変近い方でもあり、考えようによっては総理が直接、事務次官や局長を全
部決めてしまう気もするが、いかがお考えになるか。

【代表】
 それは想像ですから、わかりません。総理なのか官房長官なのか、あるい
は萩生田さんなのか、その辺はしばらく様子を見ないとわからないと思います。
 今回、加藤さんが官房副長官を辞めて、内閣の一番主要な大臣だと言え
ばそのとおりですが、今の大臣に就いたことの意味というのは時間がたてば
見えてくると思います。いろいろなことは考えられると思いますが、想像で言う
ような話ではないと思います。

【東京新聞・宮尾記者】
 復興大臣になった高木毅さんは昨日の就任会見で、被災地にある福島第
二原発の再稼働について「世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すれ
ば再稼働する」と、要するに他の原発と変わりはないというニュアンスのこと
をおっしゃった。地元の県議会では再稼働反対の請願が採択されていたり、
自民党県連も反対している状況だ。高木さんのような原発業界とつながりの
深い方が被災地の担当大臣になった人事についてどのようにお考えか。

【代表】
 高木さんが電力会社や原発業界といわれるものとつながりが深いかどうか
というのは、私は承知しておりませんので、コメントしがたいのですが。
 ただ、福島第二原発は、地元は「ノー」だと思う。おそらく中央レベルでも、
(再稼働を)はっきり言ったというのはあまりないのではないか。私は当然そ
れはあり得ないなと思います。
 それは内閣の中でよく折り合いをつけてもらいたいと思います。かなり不用
意な発言かもしれません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 昨日の基本方針で総理は「1億総活躍」という旗を高く掲げ、この内閣は「1
億総活躍内閣」というのが一番素直な理解だと思うが、そこに抜擢された加藤
さんが軽量ポストというのは、なぜそう思われるのか。まさにスローガン内閣の
旗振り役で重要閣僚だと思うが、軽量閣僚というご認識はどういうものか。

【代表】
 仕事次第だと思いますが、スタッフもいない中でやっていかれるわけですから、
やろうとすれば結局、各省庁の寄せ集めになってしまうのではないか。「地域再
生」もそれに近かったと私は思う、だいぶスタッフは増やしたとはいえ。そういう
意味で申し上げた。
 もちろん、そうではない仕事を示していただければ結構だと思いますが、「1億
総活躍」そのものが極めて抽象的であって、この前までは「女性の活躍」と言って
いましたので、それに男性が加わったのかなと、そういう感じですが、中身は全く
不明です。
 具体的に総理が言われたのは、毎年10万人出ると言われる介護のための
早期退職がないようにしたい、特養の待機がないようにしたいということと、あと
は出生率1.8というようなことを言っておられるのですが、私は一度申し上げた
と思いますが、問題の立て方自身が非常に疑問です。それは経済のために、
1.8であり、あるいは介護で退職する人をなくしたいと。経済から来ているので
す。そういうことではないと私は思う、問題の立て方自身が非常に疑問です。
 1.8というのは、一つの目標数値としてそういうものを掲げることを全否定す
るつもりはありませんが、重要なことは、子どもを産み育てることが可能な社会
をどうつくるか。その根底にあるのは、基本的にはやはり女性なり人間としての
幸福の追求ということだと思う。経済というのはそのための手段で、経済のため
に、人口が減ってしまうと経済成長できないから1.8を目指すとか、あるいは労
働力人口が毎年10万人も減ると困るから介護施設・特養をさらにつくるのだと
か(という発想は)、高齢者が充実した生活を送るとか、そういう観点から来てい
る話ではないのです。その辺がちょっと発想が偏り過ぎているのではないか。
 根本はやはりそれぞれの、女性であれ高齢者であれ、充実した幸せな人生を
送れるようにするというのが政治の目的であって、経済はそのための手段。手
段が自己目的化しているような印象を私は受けます。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 先ほど、この政権はスローガン先行だとおっしゃったが、安保法制というある
種民意に背くようなことをやって支持率が落ちたら、介護離職ゼロと、ポピュリ
ズムのほうに走っているように私には見える。ただ、そのスローガンがあまりに
空疎なので、そのポピュリズムにリアリティがないだけだと思う。その辺をどう
ご覧になっているか。グランドチェンジしてきているのは間違いないと思うが。

【代表】
 安保法から違う次元に移したいということの中で、「1億総活躍」という言葉が
出てきていると思いますが、ついこの前までは「地方創生」、あるいは「女性の
活躍」と。そういうスローガンが次々に出てきて、それで目先が変えられると思
っておられるのだと思うのです。でも国民から見ると、中身はそれぞれ具体化
していない、中身ないよねということもわかってしまっていますので、「1億総活
躍」、いい言葉と総理は思っておられるかもしれませんが、国民はもっと冷静
だと私は思います。

【「FACTA・宮嶋記者】
 私は「1億総活躍」という言葉にすごく違和感があり、これは国家総動員法で
はないが、安倍さん的なすごいネーミングだと思っている。代表は、綱領のパク
リではないかとおっしゃっていたように報道ベースで聞いたが。

【代表】
 綱領ではないです。我々のキャッチフレーズです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 キャッチフレーズ。昨日の閣議決定文書、いわゆる談話とか基本方針を見る
限り、ちょっとパクっているところもあるが、似て非なるものだというのが私の正
直な印象だが。

【代表】
 我々は、「すべての人に居場所と出番のある社会を」ということですね。だから
「1億総活躍」とかなり語感としては似ていると思います。ただ、内容的には全く違
うものだというのはそのとおりです。

○櫻井よしこ氏発言に関する質問状について

【産経新聞・松本記者】
 NHKの番組での発言をめぐる櫻井よしこ氏とのやりとりについて2点伺いたい。
 1点目は今後の対応だが、現時点では民主党の再質問状に対して、櫻井氏が
「再度の回答は不要」と回答して、そこで終わっているかと思うが、今後、再々質
問状を送るなど対応をとられるお考えはあるか。
 もう1点は、櫻井氏の指摘のどこが間違っていて、どこが誤解を招くのかを、代
表の言葉として伺いたい。

【代表】
 中身は、役員室長の名前で出しておりますので、それを読んでください。そこ
にすべて書き尽くしてあります。
 それから、再度の返事は不要だといって拒否されていますので、拒否されたと
いうことは重要なことだと思います。ただ、ちゃんとした答えが返ってきませんか
ら、これ以上やるのもいかがなものか。ですから櫻井さんが、少なくとも外務大
臣としての私の発言(に関する指摘)は間違いだったと、「間違い」とは言ってお
られませんが、違う場だったということは言われました。謝罪はしていませんが、
事実が誤っていたということは認められました。
 その他、あの答えを見て、我々の言い分、役員室長の言い分と、櫻井さんの
答えを見比べればその中身は明らかだと思いますので、これ以上言う必要は
ないと思います。

○維新の党との連携協議会について

【読売新聞・中田記者】
 先日のTPPの大筋合意を受けて、民主党は「国益に即しているとは評価でき
ない」という談話を出されたが、維新の党は「妥結したことは、率直に評価すべ
きである」とした。同様に、安保や憲法改正など、両党の間で方向性が異なる
課題はまだあるかと思うが、こういった状況について代表はどう捉えているか。

【代表】
 わが党の考え方は、(大筋合意の)中身を見れば相当問題があると、そこは
しっかり政府の考え方も聞いた上で議論したいと思います。だからこそ、早く国
会を開けということです。
 ただ、妥結したことそのものがだめだと言っているわけではありません。我々
は、妥結を目指して交渉するというのが基本的なスタンスです。ここにはいろい
ろな問題があっても、妥結したこと自身が国益を損なっているということではあり
ません。

【フリーランス・安積記者】
 維新の党との政策協議について伺いたい。9月30日に第1回の協議があった
が、あの時に民主党からは長妻昭代表代行と細野豪志政調会長、維新のほう
からは井坂政調会長と井出政調会長代理だったが、政策についてだったらバラ
ンス的にいって民主党のほうもトップは細野さんになると思うが。

【代表】
 いろいろな経緯があってそうなっているということです。

○TPP交渉の「大筋合意」について

【フリーランス・宮崎記者】
 TPPと国会日程に関して。さまざま複雑な要因がある中で、TPPの審議を今
年から始めたいか、来年の通常国会ということになるのか。あと国内対策も含
めて、補正はやるべきか、やるべきでないか。来年の参院選にかけてというこ
とになるかと思うが、臨時国会を開くかどうか。閉会中審査をどうするか。こう
いったことを網羅して、今後TPPの議論の仕方についてお話をいただきたい。

【代表】
 まず、TPPについての説明、そして基本的な質疑、これは早くやるべきだと
思います。私は、来週開くべきだと思います。政府としては報道以上の説明を
何も国民に対してしていない。若干記者の質問に答えただけです。
 そして臨時国会は当然開くべきだと思います。TPP以外にもさまざまな課題
があります。ただ、臨時国会を開くにはそれなりの時間もかかるということであ
れば、即座にまずは閉会中審査で予算委員会をやって、臨時国会も速やかに
開くという2段階だと思っています。

【フリーランス・横田記者】
 TPPに関して維新の今井幹事長は、基本的に自由貿易推進だが、今回の
合意に関しては重要5品目を守るという国会決議に違反している疑いがある
ので、十分検証するべきだとおっしゃっている。もう1点今井幹事長が言って
いたのは、自民党は野党時代に特別委員会を開けと言っていた、それくらい
重要な問題だと認識しているのだから、特別委員会を開くのは当然だとおっ
しゃっているが、この2点についてどうお考えか。

【代表】
 前者は、そう違和感はないです。中身は非常に問題があります。だから我々
は、国益を損なう、あるいは国会決議に反しているのではないかということは、
同じように指摘をしている。ただ、締結したのと、締結できずにこれが漂流した
のと、どっちがいいかといえば、それはまとまったほうがよかったと思います。
賛否を含めて中身の問題はこれからです。
 それから特別委員会については、当然、臨時国会を開いて、そこで特別委
員会を設けるというのは一つの考え方です。ただ、これは国対ベースの話な
ので、私が頭越しに申し上げるよりは、まず野党国対間でよく話し合っていた
だいたほうがいい。そもそも臨時国会が開催されると決まらないとそういう話
にはならないので、まずは早期の臨時国会の開催を求め、そこでしっかり歩
調を合わせていくことが大事だと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 国内農業に対する保護は、予算措置も含めてどうあるべきか伺いたい。

【代表】
 これは20年前に大きな失敗をしている。バラマキに終わって、非常に役に
立たないようなハコモノが随分できた。同じことを繰り返してはならない。
 大事なことは日本の農業の持続可能性です。それにつながるような予算措
置であり、あるいは制度改革が求められるのだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 中身の検証は必要だが、結んだこと自体は、これが国益に反するというこ
とを代表は考えているか。そうおっしゃる民主党の先生がいるが、社民・共産
と同じように、これ自体が国益に反するというのは私はちょっとよくわからない
が、外務大臣でもあられた代表はどうお考えになるか。

【代表】
 基本的に党の考え方として、結んだこと自身が国益に反するとは言ってい
ないと私は思うのです。ただ、個々の中身を見た時に、国会決議に反してい
たり、あるいは生産者の保護が持続可能でない形になっている。そういった
ところが国益に反している、そういう意味でわが党としては使っているとご理
解いただきたいと思います。
 もちろん、もっといいものができたはずだという意味では、不十分だとか国
益に反しているという言い方はあるかもしれませんが、締結したことと締結し
なかったことを比べれば、それは締結したほうがベターだったと思います。

【フリーランス・横田記者】
 今回大筋合意しても、オバマ政権下で締結に至ることはないだろうという見
方もあり、「90日ルール」もあるので米国議会に諮られるのは来年で、大統
領選でそれどころではないと。そもそも5月末がリミットだと言われていたので、
当分はアメリカで塩漬け状態という可能性も十分あると思うが、それにもかか
わらず自民党は農業対策を、参院選向けの選挙対策だと思うが、先行して進
めようとしている姿勢が見える。アメリカの様子がどうなるかわからない中で、
自民党が動き出してばらまこうとしていることに対して、どうお考えか。

【代表】
 まずアメリカについて言うと、確かにアメリカの状況はよく見極めなければな
らないと思います。議会は、前回のTPA(貿易促進権限)の時も、与党である
はずの民主党の議員に反対が非常に多かった。それを辛うじてクリアした。
今度は大統領選挙がありますから、共和党がどう出るのか。したがって、そ
この見極めは必要です。多少時間がかかると思います。
 国内の農業対策は、いずれにしても補正を組んだり、あるいはいろいろな
制度をかさ上げしたりするには法律も変えなければいけません。即座に臨
時国会を開いて、そこでポンと出てくるならばともかくとして、これから準備を
していくことになると、アメリカよりも先行してそういうものが決まるということ
にはならないのではないのかなとは思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 アメリカより先に物が決まることにはならないということだと、「90日ルール」
があるのでアメリカの署名はおそらく来年1月ではないか。日本の条約承認の
審議入りは来年1月以降でもいいというお考えか。

【代表】
 いや、条約の承認の話をしているのではなくて、補正とか具体的な対策です。
それは承認が前提になるわけですから。そういった中身が先になると、つまり
国会に出されて可決しなければいけません。そういうことが先になることはあ
まりないのではないかと申し上げている。

○安全保障法制について

【日本経済新聞・甲原記者】
 臨時国会を野党は要求しているが、そこでは具体的にどういう論点で与党側
を追及していくのか。一旦成立してしまった法律だが、どこの部分に問題があっ
てどうすべきだというところの整理は今どのようにされているか。

【代表】
 こちらの疑問・質問にほとんど答えていませんので、そういった点を引き続き
明らかにしていく。特に憲法との整合性、あるいは自衛隊員のリスク、極めて不
十分な答弁しかなされていませんので、引き続きそういったことを明らかにして
いくことになると思います。

【日本経済新聞・甲原記者】
 「存立危機事態」を認定する上での国会承認の話で、機密情報の取り扱い、
機密情報がなかなか公開されないと国会議員の判断でできないのではないか
という議論もあると思う。そのあたりは代表としてはどのようにお考えか。

【代表】
 そのとおりだと思います。

【日本経済新聞・甲原記者】
 そのあたりも追及の対象になってくるか。

【代表】
 追及というか、議論ですね。別に我々、追及ばかりしているわけではなくて、
きちんとした議論を行っていくということです。

【NHK・花岡記者】
 民主党の党内から、安保法については廃止ではなくて見直しをしていくという
声もある。代表は常々、安保法については憲法違反の部分については白紙に
戻すという話をされているが、代表の認識としては、次の国会から民主党として
安保法の廃止を目指すお考えか。

【代表】
 どの部分まで廃止をするのかということは、これから党の中で議論していかな
ければいけないし、他党とも議論が必要だ。なるべく一つに合わせたほうがい
い。非常に重要な点だと思います。
 ただ、違憲のものが残っているというのは、これは立憲国家としてはあり得な
いことなので、少なくともその部分は白紙に戻す、白紙にしなければいけないと
いうことを申し上げている。それ以上に、どの範囲まで廃案を目指していくのか
とか、そういう議論は各党、あるいは党の中も含めて、しっかりとした議論をして、
なるべく歩調を合わせていくということが重要です。歩調を合わせていくという意
味に関しては、維新もあれば社民党、あるいは生活、共産もあるわけですから、
全体が一つになるような形をなるべくとりたいなと思います。

○公共事業に関する安倍政権の姿勢について

【フリーランス・横田記者】
 臨時国会のテーマになるのではないかということで、鬼怒川の水害について
伺いたい。スーパー堤防とかダムとか費用も時間もかかることを優先して、一番
肝心な人命を守るのに大切な堤防強化を疎かにした、優先順位を逆転した国交
省の偏った河川政策が招いた人災という見方が「東京新聞」や「選択」に出ている。
これについてどうお考えか。安倍総理はまさに命と安全を守ると強調して安保法
制をゴリ押ししたが、国内の水害については見て見ぬふりをしているのではない
か。その辺についてご意見を伺いたい。

【代表】
 まだ臨時国会が開かれるかどうか、返事は全く返ってきていない段階ですので、
それが開かれることを前提の議論というのは控えたいと思います。我々は早く臨
時国会を開くべきだという考え方です。内閣もかわったわけですから、それは常
識だと思いますが、それに対して明確な返事は返ってきていない。
 鬼怒川に関して言うと、いろいろな議論があると思います。私、記事を読んでお
りませんので直接コメントはできませんが、堤防が極めて未整備、不十分だった
という議論も当然あると思いますし、じゃあそもそも全部堤防を整備するというこ
とが現実的なのかという議論もあると思う。むしろ水を逃がすような仕組みという
ものが必要だったのではないのかという議論もあると思います。さまざまな議論、
それはこれから行っていくことになると思います。

○難民問題について

【フリーランス・安積記者】
 安倍政権が発足した時にまず訪問したのは東南アジア諸国で、最初はアジア
重視と言われていた。この間の国連総会でシリア難民について8.1億ドル、約
900億円以上拠出すると宣言して、総理も官房長官もシリア難民のことはお話
しになるが、アジアについて、例えばミャンマーのロヒンギャ族の問題ではこの春
に岸田外相が4億円拠出すると表明したのみだ。ロヒンギャ族はミャンマー政府
から国籍を剥奪され、国外に出るために人身売買の被害に遭ったり、また集団
虐殺されたりという状況だが、これについてどうお考えか。

【代表】
 わが党的には、これは中川正春さんが個人的にも随分熱心に取り組まれてい
ると思います。
 難民問題で、この前の総理のやり取りは、聞いた外国人は何を言っているの
かよくわからなかったと思うのですが、ある意味では総理の問題意識がよく出て
いた答えだったかと思います。つまり、お金は出しましたと。じゃあ難民のわが国
への受け入れについてどうなんですかと聞かれて、「いや、日本は高齢者・女性
にまず働いてもらう必要がある」というのが答えで、おそらく聞いた方はちんぷん
かんぷんだったと思う。総理の頭の中にあるのは、難民を労働力として捉えてい
る、そういう発想ですね。労働力として考えた時には、まず日本人の女性や高齢
者だと、そういう趣旨のお答えだったと思うが、やはり難民問題の本質をそういう
ふうに考えているのかと、私はちょっと残念でした。せっかくお金を出すと言ったこ
とが全く帳消しになるような、そういう問題発言だったのではないかと思います。




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