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2016.08.01|記者会見

岡田克也代表臨時記者会見(7月30日)

岡田克也代表臨時記者会見
2016年7月30日(土)18時20分~
於:民進党本部5F

■冒頭発言

【代表】
お疲れ様です。私のほうから2点、まず冒頭申し上げたいと思います。
第一点は、いよいよ今日で都知事選挙、選挙運動期間終了いたします。まず、鳥越さん、非常に頑張っていただいていること、そして、7月10日のあの参議院選挙の結果を見て、決断していただいて、そして都知事選挙出ていただいたこと、心から感謝しております。現時点で、まだ追いかけている状況かもしれませんが、何とかして追いつき、追い越す、都知事として鳥越さんが当選されますように、党としても全力をなお挙げていきたいと思います。私もこれから新宿に駆け付けるところであります。
この間、多くの各党の関係者の皆さんはもとより、あわせてボランティアの皆さん、あるいは、いろいろな市民団体の皆さんに、この厳しい、難しい選挙を支えていただいたことを心から感謝申し上げますとともに、何が何でも今までの流れを断ち切って、新しい都政を始めるために、鳥越さんに最後、踏ん張っていただきたいと思っているところです。
もう一点は、私の代表選挙についての問題であります。都知事選挙をやっている最中に私が一定の方向性を出して、いろんな人がまた手を挙げたりして、党内がゴタゴタした印象を与えるのは好ましくはないということを申し上げてまいりましたが、正式には8時の後のほうがよかったんですけれども、事実上、選挙運動期間も終わるというなかで、私としての考え方を明らかにしておいたほうがいいと考えました。
国会も月曜日(8月1日)から始まりますので、いつまでも結論を先送り、先延ばしするのではなくて、私の考え方、1週間ほど前に事実上固めたわけですけれども、それについてお話をしておきたいと思います。
結論から申し上げますと、次の代表選挙には出ないという決断をいたしました。7月10日の参議院選挙が終わってから白紙だということを私申し上げてまいりました。まさしくリセットして、それまで何とか党を立て直す、そのために参議院選挙で結果を出すということで1年半やってまいりましたけれども、この参議院選挙も終わって、少し白紙の状態にして、これからどうすることが日本の政治にとって、あるいは民進党にとって好ましいかということを考えてまいりました。
1つは、私として自身の達成感というのがございます。海江田さんが落選されて代表がいなくなった。その後私が代表に就任したわけですが、この1年半の間に、例えば、維新の党との合併、あるいは野党共闘路線の方向付け、そういったことができたというふうに思っております。そして、衆議院の候補者についても、おおむね200名程度揃えることができて戦える体制ができた。そして、その中で迎えた今回の参議院選挙ですが、もちろん、いろんな見方があります。過半数を相手方に許したわけですから負けは負けなんですけれども、ただ、3年前と比べると17議席から32議席ということで、一定の成果を出すことができたというふうに思っております。どん底の状態から反転攻勢ができる一歩を踏み出すことができたと私は、自分自身では思っています。そういう意味では、一区切りつけられる状態まで来たというふうに思います。
相当な責任感で、かなり集中してこの1年半やってまいりましたが、ここで一区切りつけて、新しい人に担っていただいたほうが、党にとっても、日本の政治、政権交代可能な政治をつくるという意味でも望ましいのではないかというふうに判断をしたところであります。
もちろん、私の任期はまだ2カ月近くありますから、その間しっかり責任は果たしてまいりますが、後は一歩後ろに退いて新しい人々にしっかりと党を担っていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。
私自身は、この間、代表として1年半やってくるなかで、どうしても代表であるがゆえに深く取り組めない問題もありました。私の認識では、最近のブログにも書いたのですが、世界が大きく変わろうとしている。アメリカの大統領選挙を見ても、EUの状況を見ても、あるいはアジアにおいても中国の最近の振る舞いなど非常に大きな変化があるのではないか。そういう問題に代表だからこそできることもありますが、しかし、代表であるために深く極められないという面もあります。もう少しフリーの立場であれば、しっかり取り組めるのではないかというふうに思っています。
 国内もアベノミクス、私は限界に立ち至っているというふうに思いますが、その後日本をどうしていくのか、特に財政の健全化、あるいは、これからの本格的な少子高齢化の中での社会保障制度の改革など、少し自由な立場で極めたいというふうに、そういう思いも一方でずっと持っていました。そういったことをこれから真剣に取り組んでいく。そういう時間を作ることもできると思っております。いろいろ総合的に考えるなかで、ここは次の代表選には出ないほうがいいという判断をさせていただいたところでございます。

以上ご報告申し上げて、皆さんから質問があればお受けをしたいと思います。

■質疑応答

【J-CASTニュース・青木記者】
明日投票日を迎えるというタイミングで、次の出馬をしないという意向を示したのは何か理由があるんでしょうか?

【代表】
基本的に関係ない問題だと思っています、都知事選挙と私の代表選への出馬は。国会も月曜日から始まりますので、あまり長く引っ張るのは適切ではないというふうに判断いたしました。

【共同通信・関記者】
先ほど冒頭のご発言の中で、代表選不出馬に関して1週間ほど前に固めたというふうにご発言ありましたけれども、何を持って固められたのか、きっかけが何かあったのか、その辺りをお伺いできますでしょうか。

【代表】
特にきっかけはありません。ずっと7月10日から頭の中を空っぽにして、久々に参議院選挙も終わってですね、少し解放された気分の中で頭をリセットして、これから日本の政治を考えたときに自分としてどういうふうに身を処すべきかと考えたときに、合理的な判断として私が出ないほうがいいだろうと。ここは新しい人にやってもらったほうがいいだろうというふうに考えたということです。

【読売新聞・中田記者】
このタイミングでの不出馬の表明についてなんですけれども、代表これまで記者会見でですね、都知事選の間はゴタゴタしないほうがいいと繰り返しおっしゃっていらっしゃって、まだ8時まで選挙戦が続き、明日投開票が行われるというタイミングで発表するということについて、何かお考えはなかったのか。そして、都知事選の関係者の中からは、この時点での表明はちょっと無責任じゃないかという批判も出かねないと思いますが、その点…

【代表】
無責任だというご意見はちょっとよくわかりません。基本的に都知事選挙の話と、私が引き続き代表としてこの都知事選挙最後まで戦っていきます、この話と、私自身の今後の代表選挙の問題とは全く無関係、切り離された問題だと考えています。国会は月曜日から始まるということを考えても、今のタイミングがいいだろうと。昨日ということも考えたんですが、まあ、昨日か今日かということのなかで、今日を選ばさしていただいたということです。本来であれば8時を過ぎてからのほうがいいんですけれども、新宿で最後の鳥越さんの演説を終えてそこでぶら下がりをやるよりは、少し静かな環境の中で行ったほうがいいんじゃないかと。まあ、この2時間くらいをどう考えるか、ですけれども、事実上、私は変わらないというふうに判断をしたところです。

【フリーランス・安積記者】
そもそも鳥越さんに出馬を依頼されたのは代表だと思うんですけれども、その代表が投票日が終わってもいないのに、こういうふうに途中で出られない、今辞められるっていうわけではないですけども、そういったことで、周りがどういうふうに考えるのかとか、あとは明日の投票活動といいますか、明日の投票日の有権者の投票行為にどのような影響が与えるのか、そういうところもお考えになったんでしょうか。

【代表】
いろいろなことは考えてみました。で、まず今のお話ですと、鳥越さんの話は鳥越さんが決意をされて、私はその決意を聞いて、是非お願いをします、と申し上げたというのが正確なところであります。いずれにしても私は鳥越さんを当選させることについて、大きな責任を負っているというふうに考えております。そのことと、今私は代表ですから、代表を今辞めるわけではないので、代表の期間はまだ2か月近くありますから、そのことと、その2か月近く先の代表選挙には出ませんということは、これは関係のないことです。

【TV朝日・白川記者】
代表選に出馬しなかった理由について、今お話聞いたところですと、1つの達成感があったとういうことと、少し自由な立場でいろんなことに取り組んでみたいというお話だったんですけれども、参院選の結果について党内からは責任論というか、責任論として代表が今度の代表選に出るべきではないという意見もあったと思うんですけれども、参院選の結果を踏まえての責任を取って出ないという要素はあるんでしょうか?

【代表】
代表の責任論というのは私は直接聞いたことないんですね。いろんなことをブログで述べられたりしてる方がいらっしゃるかもしれませんが、私はもちろん6年前と比べれば、議席を減らしていることは事実です。ただ3年前の17議席から32、公認だけで、というのは私は1つの、今までの最悪の状況から一歩踏み出すことはできたというふうに私は考えています。

【フリーランス・宮崎記者】
報道によりますと、今週野田さんに会われたと思うんですけれども、私今回全然取材してないんで分からないんですが、過去、岡田さんは複数立候補の代表選では、いつも野田さんのグループ・花斉会というんでしょうか、蓮舫さん、近藤洋介さんらが主に事務局の中核を担っている形で代表選挙に立候補してきた経緯があるのではないかと思います。その件に関して、野田さんとの間で、何か野田さんのグループから応援をもらえないようなそういった感触というのがあったということでしょうか?

【代表】
全くございません。野田さんのグループということじゃなくて、私と野田さんのつながりは、非常に太い信頼関係で結ばれてますので、野田さんには事前にご理解をいただこうということでじっくり話をさしていただきました、私の考えを。この時に私の考え方、方向性はもう決まっていましたので、その上で、ご理解をいただくために話をさしていただいたということです。

【産経新聞・清宮記者】
共産党との共闘の関係なんですけれども、これから新しい代表に岡田代表が現時点で望むこととして共産党とこれからも共闘関係を続けていったほうがいいのか、それとも、関係については見直したうえで今後の党運営をしていってもらいたいのか、その辺りの考えをお聞かせください。

【代表】
私がいろんなことを言わないほうがいいと思います。ただ、先ほど言いましたように、野党共闘の問題も方向性は出せたというふうに思ってます。そのことも私自身がやった1つの達成感があると言ったことの1つですから、もちろん私は肯定的に考えているということです。

【北海道新聞・津田記者】
先ほど、日本の政治を考えたときに、新しい人にやってもらったほうがいいという趣旨のことをおっしゃいましたが、具体的に次の代表にふさわしいと思う人物像ですとか、もしくは個人名があればお答えいただけますでしょうか?

【代表】
私自身、ちゃんとあと、どういう人がいいのかということは、私自身の考えはありますが、そういうことは言わないほうがいいと思います。それはまさしく全党を挙げて、我こそはと思う人が手を挙げて、そして選ばれていくわけですから。前代表、まあ、今は現代表ですけれども、そういったことを、名前を出さないほうがいいというふうに思っています。

【記者】
関連ですけれども、どなたがいいということではなくて、代表選挙としてどういう構図というか、多くの人が手を上げたほうがいいとお考えなのか、これまで出た人、出ていない人、こういう形になったらいいなというお考えがあったらお聞かせください。

【代表】
そういうこともあまり言わないほうがいいと思います。ただ、先ほど言いました、今まで成し遂げてきたこと、それを更に肯定的に前に進めていただく方が、私としてはありがたいというふうに思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
目に関してですが、一昨年の代表選に出馬を表明した直後に網膜剥離というのがありまして、ご家族も含めて出ないでほしいという声もあったかと思いますが、この間回復されてきて、飛行機による遊説もされましたけれども、かなりA4版の文書なんかは直接付けてもなかなか見えないということで、遠くは見えるんですけど、近くの文字は見づらいなどのストレスが溜まったこともあったのではないかと思いますが、そういったとことでなかなか続けにくいというお考えがあるのでしょうか。

【代表】
それはあまりありません。もちろん左目の視力はかなり落ちてますので、なかなか見にくいところはあるんです。ただ、それは慣れですから。そういう方は沢山いらっしゃいますので、そのことが何か問題になったということはありません。

【朝日新聞・中崎記者】
明日の都知事選挙の有権者の投票行動について、支援している第一党の民進党の代表がこういう表明をされたことは何か影響を与えるというお考えは。

【代表】
全く考えていません。

【読売新聞・中田記者】
先ほどこれまでの1年半を振り返って、達成感があると、維新の党との合流などについておっしゃっていたが、政権交代可能な政治をつくるために、ご自分がこのまま続けたほうがいいということは考えなかったのでしょうか。

【代表】
それを考える期間が、この7月10日からだったわけですが、私の結論は先ほど申し上げたようなことであります。それ以上の理由を求められても困るんですけれども。客観的に置かれた状況を見て、ここはそろそろ代わったほうがいいと。私としてはもう自分のできることは全てやったと思っていますので、あとはもう少し違う人にやっていただいたほうがいいだろうと考えました。

【日本経済新聞・宮坂記者】
先ほど「合理的な判断」ということで、このタイミングで新しい人に、ということをおっしゃいましたけれども、その合理性というものをどういうふうに考えているのか伺います。

【代表】
これは私の頭の中での結論なので、それをこと細かく説明するのは難しいかもしれませんね。あらかじめ何人かの人には私の判断を伝えて、ご了解をいただいたというか、勝手にやるわけにはいきませんので。そういう中で、私を支持しようと思っていただいた方もたくさんいらっしゃいますので、驚かれた方もいらっしゃいます。ただ、岡田さんならそういうこともありだよねと、そういうことを言われた方も何人かいらっしゃったということです。

【共同通信・関記者】
確認なんですけれども、参院選後に野田元総理をはじめ党幹部の方たちと会合を重ねてらっしゃったが、そうした方たちの支持を得られなかった、あるいは代表選出馬に関して肯定的な意見が出なかったということではなくて、あくまでご自身のご意向をお伝えになったということでしょうか。

【代表】
私が会った何人かの方で、私を支持しないと言った方はいらっしゃいませんでした。そういう人と会ってないということはあるかもしれませんね。出るならもちろんしっかりと応援しますよという方が多かったということです。

【東京新聞・宮尾記者】
東京都連は都知事選で当初、古賀さんに出馬を要請しました。その日のうちに鳥越さんに変わったということで、都連の中には「ちょっと強引にやられた」という声もありました。その鳥越さんが今、情勢が必ずしもいいということではないと思うのですが、敗れた場合には責任を問われる可能性があるかと思います。その前に、責任を問われる形で出ないという形を避けるために先に言ったのではないかと勘繰ってしまうのですが、いかがでしょうか。

【代表】
それをゲスの勘繰りっていうんじゃないですか。私はそういう考え方には立っておりません。もちろん、古賀さんから鳥越さんと、鳥越さんの決断がありましたから、そういうふうに変えるべきだということに申し上げたのは私、私だけではないんですが、その中では、鳥越さんのほうが幅広く支持が集められるという判断がありましたし、現に今こういう形で鳥越さんが他の2人と競い合ってるというのは、私は判断が間違っていなかったと思います。もちろん、いろんな意見は当然あると思いますし、私がかなり、そういう中で鳥越さん擁立に役割を果たしたことは事実ですから当然責任はあるわけですけれども、基本的に代表が知事選挙の責任を取るというのは私は違うと思っています。代表が責任を持つべきは参議院選挙と衆議院選挙の本選だと私は常に申し上げてきているところであります。

【朝日新聞・中崎記者】
先ほど、この国の政治と民進党のことを考えてこのような決断になったとおっしゃってました。民進党の今後についてですが、代表が考える望ましい形というか、この決断に至ったその動機付けになった、新しい人に任せて、どういうふうな党になってほしいとか、そういった展望はございますでしょうか。

【代表】
それはその新しいリーダーが考えることですので、私が何か前代表としていろんなことを言うのは避けたほうがいいと思います。ただ、大きな方向性は、レールは引いたと思っていますので、できればそういう方向性の中でやってもらいたいというふうに私は思っております。候補者もかなり揃えましたし、良い優秀な人材が総支部長としてすでに決まっています。特に都市部はほぼ埋まりきった状態ですね。ですから、総選挙の準備もかなりできています。ぜひ彼らをしっかりとサポートして鍛え上げて、次の衆議院選挙で結果を出してもらいたいと思っています。

皆さんの中で、僕がこういう結論に至るっていう予想をしていた人、結構いるでしょ? 僕の過去のやってきたことを見れば、選択肢としてあったということは当然、思っていなかった? まあ、私としては最善の判断したつもりですので、ぜひ、後は良い次のリーダーを選んで、党一丸となって政権交代可能な政治をつくっていくと、そういうことを私としても期待したいと思っています。終わります。




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