朴槿恵大統領辞意─米大統領の交代もあり、特に北朝鮮に注意が必要
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、任期満了前に辞任することを記者会見で明らかにしました。韓国の国内情勢について、具体的なことを知り得る立場ではありませんし、また、私が何かコメントすることは適切ではないと思います。
ただ、朴槿恵大統領と長く交流してきた私としては、大変残念な辞任表明だと思っています。
事件の真相は、これから明らかになっていくと思いますが、そのこととは別に、2つだけ指摘したいと思います。
1つは、やはりこれだけ国民が大統領に対して厳しく批判した、支持率も5%を切ったというのは、韓国の国民の中に、大きなエネルギーが溜まっているということだと思います。
若者の高い失業率や、格差の拡大、あるいは厳しい経済状況などが背景にあるのではないかと思われますが、これだけの批判のエネルギーが蓄積されていたということに、驚いています。
今一つは、これからどういう手続きになっていくかは分かりませんが、事実上大統領不在という時期が長引けば、アメリカの大統領の交代時期ということもあり、特に北朝鮮に注意が必要だということです。
今までも、国連決議を無視したミサイルや核実験などが行われています。この年末年始にかけて、韓国の混乱がさらに深まるということではあれば、北朝鮮がそれを1つの機会と捉えて、大胆な行動に出る可能性があることは、十分に注意しておかなければいけないと思います。
官邸に対しても、政府に対しても、そこの備えはしっかりやってもらいたい。総理や官房長官いずれもが官邸を離れるといったことはないように、何があってもしっかり対応できるような態勢をとってもらいたいものだと思っています。
外交、経済においてそれほど大きな成果を上げているとは思えないのですが、やはり支持率が高いせいか安倍政権は安定し自信があるように見えます。私は常に政権交代可能な2大政党制が望ましい政治の形だと思います。民進党さんの躍進に期待するのですが、経済にしても、外交にしても自民党との違いを明確に説明するのはなかなか難しいと思います。細かい違いを丁寧に説明していくしかないと思います。そこでカジノ法案ですが、はっきり反対の方向でお願いしたいと思います。ギャンブル依存の問題もあります。そもそも日本は十分ギャンブル大国です。パチンコ、競馬、競輪特にパチンコ店の数の多いこと、これでギャンブル依存を減らそうなんてとても無理です。カジノを作り、経済の活性化などは俗な時代遅れな考えのような気がします。