中東への自衛隊派遣 ―大きな問題があり慎重な検討が必要
中東地域への自衛隊(護衛艦「たかなみ」と哨戒機「P-3C」2機)の情報収集活動を目的とした防衛大臣による派遣命令が1月10日に出されました。多くの疑問がありますが、私は次の点が特に問題と考えています。
第一に、中東情勢が更に不安定化する中でイラン核合意の一方的破棄やソレイマニ司令官殺害などを行った米国の要請に事実上こたえる形での派遣決定であることです。ペルシャ湾やホルムズ海峡は対象外ですがオマーン湾やバブ・エル・マンデブ海峡は米国の唱える有志連合の活動領域で重なっています。有志連合参加5ヶ国中、中東以外の国は英国と豪州ですが、派遣規模も日本と大差ないものとなっています。現時点では、イランは自衛隊派遣に理解を示しているようですが、今後は状況によっては有志連合参加であるとみなされる可能性があります。
第二に、自衛隊法上の「所掌事務の遂行に必要な調査・研究」目的で派遣されることです。自衛隊という実力組織を海外に派遣する際に、その活動内容や範囲、装備などについて法律上の限定を付して、国会で議論した上で派遣してきました。今回の派遣は防衛大臣の命令のみで、かつ情報収集活動の内容や自衛隊の装備について十分な説明すらありません。いざというときは海上警備行動を発令することとしていますから、一定の武器を装備していくことは確実ですが、高度な能力を持ったP-3Cなどがどこまで武装していくのかについての説明は全くありません。
第三に、政府は日本関係船舶の安全確保の為に必要な情報収集が目的であるとしていますが、実態は米軍との情報共有であり、自衛隊の収集した情報は当然米軍に提供されることになります。その実態の説明が全くなされていません。特に、米軍が軍事攻撃した場合にその情報が使われることになれば、自衛隊の活動は米国や有志連合とは異なる「独自の活動」とは言えなくなります。自衛隊の集めたデータが米軍と直接リンクしているときには、米軍と一体であると見られる可能性が高まります。
以上、特別の法律上の根拠を与えないまま、極めて曖昧な根拠に基づき、かつ活動内容も国民に説明されることなく自衛隊を紛争地域となりうる地域に派遣するもので、大きな問題があると考えています。今後国会でしっかりと議論する必要があります。
いつまでもアメリカ追随の政策は如何なものか?
イランとアメリカの真ん中に立てる立場になれる日本が、出来ることは沢山あると思いますが、
もう少し相手を認め、受け入れることはできませんか?
枝野さんも玉木さんも、必ずしも一つの党でなければならないですか?自公民のようではダメですか?今のままでは前に進めないではないですか!