国会開会――安倍総理の施政方針演説を聞いて思うこと
今日は本会議における安倍総理の施政方針演説が行われました。いよいよこれから本格的に通常国会がスタートするわけです。
まず、安倍総理の演説を聞いて、私の感想を若干申し上げておきたいと思います。
まず1つは、これは昨年の予算委員会でも申し上げたことですが、総理は「美しい国、日本」という表現を今回もかなり使われましたが、私の思う「美しい国、日本」の大きな欠かすことのできない1つの要素は、世界の人々が直面している問題、地球規模での問題、例えば世界の貧困、感染症、あるいは温暖化、そういった地球規模での問題について、しっかりと日本がそれに関与していく、そしてリーダーシップを発揮していくということです。
これこそが世界の国々から尊敬される「美しい国、日本」だと私は思うわけですが、残念ながら、今回の演説の中にもそういった表現はほとんど盛り込まれていませんでした。非常に内向きな「美しい国、日本」という印象を受けました。
そして、もう1つは、これは国内のことですが、総理も結びのところで、本当に黙々と働いている、そういう国民の力を引き出したいという趣旨のことを言われました。しかし、具体的な話は演説の中には出てきません。
例えば、この二極化の中で、正規の職に就きたいけれども、なかなかそれが叶わず、低い所得の中で懸命に働いている人たちとか、あるいは障害を持ちながら社会参加を試みておられる人たちですとか、そういった本当にこの日本のいわば底辺で頑張っている、そういう人たちに対する思い、目線、そういうものはほとんど感じられない演説でした。
この国会を我々民主党は「格差国会」と位置付けていますが、そういう二極化、塩崎官房長官はなかなかいい表現を使われたと思いますが、「新しい貧困」、こういう問題についてしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っています。
3番目に気になったのは、財政の立て直しの件です。財政再建については総理も触れておられますが、具体策はほとんどありません。従来の路線を引き継いでいくという趣旨にとどまっています。
こういった税収が予想を少し超えた、そういう時期に、だからこそ、いま財政の歳出削減の努力を加速してやっていくということになるのか、それとも、歳入が増えたから辛い歳出削減の話は少し先送りしていくのか、ここで全く将来の結果は違ってくるわけですが、こういう時期にしっかりと歳出削減を加速していくという、そういう決意なり姿勢というものは見らません。
これは日本に残された最後のチャンス、いまの財政の状況というのは本当に厳しいもので、いま小康状態にあるからといって、それで済む問題ではありません。
財政を立て直すこの最後のチャンスを安倍総理の下で逃してしまうということにならないよう祈るばかりであり、民主党としてもしっかりと努力をしていかなければならないと考えています。
予算委員会も始まります。私は2月4日の愛知や北九州の選挙の投票日までは質問に立つことはないと思います。むしろ、そういうふうにお願いをしていますが、その後、安倍総理としっかりと議論をする機会を持ちたいと考えています。予算委員会の質問の準備も合間を見て進めているところです。
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