4/22 予算委員会質疑(総理訪米、裏金問題、政策活動費など)
【委員会】衆議院 予算委員会
【日 時】2024年4月22日(月) 午前10時15分~10時50分(35分間)
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【主な質問内容】
- 総理訪米 両院合同会議における総理演説
- 裏金問題 森元総理に対する事情聴取
- 政策活動費
- その他
議事録
〇岡田委員 立憲民主党の岡田克也です。
まず冒頭、二十日夜の海上自衛隊のヘリの事故、大変残念なことであります。事故原因の究明と、そして、何より、行方不明になっておられる方々の徹底捜索を政府に要望しておきたいというふうに思います。
その上で、まず、総理、日米首脳会談を始め、一連の行事が行われました。私は、全体として、世界、あるいはアジアのパワーバランスが変化する中で、アメリカを内向きにしない、そういう考え方に基づいて今回の一連の首脳会談等が行われたと思いますが、そのことについては評価をしておきたいというふうに思います。
ただ、少し気になるところもありますので、少し総理の考えを確認したいというふうに思っております。
まず、総理は、上下両院合同会議における演説で、平和には覚悟が必要だというふうに述べられました。私は、覚悟という言葉を聞くと、麻生自民党副総裁が台湾で述べられた、台湾海峡で戦争を起こさせないためには戦う覚悟が必要だというふうに述べられた言葉を思い出すわけです。
総理はどういう意味で覚悟という表現を使われたのか、御説明いただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 覚悟をどういった意味で使ったのか。
今委員の方から台湾海峡云々の話もありましたが、平和を維持するために、当然のことながら、日本として、これは軍事的な対応のみならず、外交ですとか経済ですとかあらゆる手段を通じて、平和、安定、これを実現していく、こういった思いを込めさせていただきました。
平和を守るために、相互理解というのでは十分ではなく、やはり自ら積極的に、あらゆる手段を通じて能動的な態度が必要である、こういった考え方を述べた次第であります。
〇岡田委員 戦争の現実は悲惨であります。そのことは我々の一世代前が太平洋戦争で経験していることですし、最近でも、ガザの状況とかウクライナを見れば、いかに一般の国民が悲惨な状況に陥るかということ、これは明らかであります。
したがって、もちろん、日本がどこかの国から攻撃を受けるというときに、当然、それに対して自衛権を行使する、そういう意味での覚悟というのは私は必要だというふうに思いますが、そうでない場合に、そういった我が国が攻撃を受けるという事態を避けるために、ぎりぎりまで戦わない覚悟というのが私は求められると思うんですが、総理、同意いただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 その点については、私も委員の今の御趣旨に同感であります。
やはり、国家安全保障戦略の中においても明らかにしているように、我が国の国民の命と安全を守るために、領土、領海、領空を守るために、まずは外交努力を通じて我が国にとって最も好ましい環境をつくっていく、この努力をしていくことがまず第一であると思います。
逆に、その外交力の裏づけとなるために、日本として自分たちの国民を守れるだけの防衛力も用意していく、こういった発想を国家安全保障戦略の中にも明記をしています。
まずは外交努力を通じて、そして経済を始め様々な分野を通じて、日本として平和と安定のために最善の努力をする、これが第一であると考えます。
〇岡田委員 ですから、私は、軽々しく戦う覚悟などという表現を使ってもらいたくない、総理がと言っているんじゃないですよ、ということを申し上げておきたいと思います。
それから、総理の両院合同会議における演説で、二番、三番、四番と書きましたが、いろいろな言葉を使われています。なすべきことをする、その準備はできていますとか、肩を組んで共に立ち上がっていますとか、それから最後のところで、米国の最も近い同盟国という表現を使われました。
米国の最も近い同盟国といえば、イギリスがすぐ思い浮かびます。歴史的なこともあって、アメリカとイギリスは特別な関係、血の同盟と言う人もいます。そのアメリカとイギリスとの同盟よりも、日本とアメリカの同盟の方がより近いというふうにお考えで、こういう表現を述べられたんでしょうか。
〇岸田内閣総理大臣 御指摘の表現ですが、まず、なすべきことという表現については、日米がグローバルパートナーとして、自由と民主主義を擁護するために共に活動をする、こうしたものを指すことであります。
そして、肩を並べてということにつきましては、日本とアメリカは、地域の平和と安定を守るために、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守るために肩を並べて努力をしていく、こういった思いを表現したものであります。
〇岡田委員 私の質問に答えていただいていないんですが、最後のところの、米国の最も近い同盟国としての役割を果たす、その準備ができているということを言われたわけですね。
米国の最も近い同盟国という表現は、アメリカとイギリスとの間の同盟というのがまず思い浮かぶわけですが、それよりも近い、あるいは同等だ、そういう思いで言われているんですか。少なくとも、これを聞いた人は、これは万雷の拍手だったと思いますが、そういうふうに受け止めたと思いますが、どうですか。
〇岸田内閣総理大臣 基本的に、他国と、英国等と比較して申し上げたつもりではありません。
先ほど申し上げましたように、我が国として、米国と協力をする際に、基本的には、自由や民主主義を守る、そして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守る、こういった点において日本も責任を果たしていくと申し上げているわけであります。
手法や内容、そしてインド太平洋に対する考え方等、これは他国とは当然違うわけであります。日本においてこうした自由や民主主義、そして法の支配に基づく国際秩序を守るために、最も米国と近い同盟国として、日本なりの責任を、日本らしい責任をしっかり果たしていく、こういった趣旨を申し上げた次第であります。
〇岡田委員 これは比較じゃなくて、最もと言っておられるんですね。だから、普通の表現だと、最もというのは、私は、多くの人は、アメリカと英国の関係、それと同じか、あるいはそれよりも日本の方がより近いんだ、そういう印象を与えたと思うんですね。
でも、やはり基本的に異なるところがありますよね。つまり、集団的自衛権の行使です。
集団的自衛権の行使について、イギリスとアメリカの関係、例えば中東などでも、アメリカが武力行使するときにはイギリスもそれに同調しているというケースが私は非常に多いと思うんですが、最近でも、フーシ派の攻撃に対して、アメリカとイギリスは共に攻撃に加わりました。日本の場合は、存立危機事態においてのみ集団的自衛権の行使ができる、これは政府の解釈ですね。つまり、無限定の集団的自衛権の行使ということではないわけです。
ところが、総理は、そのことを演説の中では全く言っておられないし、そういうことについて触れていないだけではなくて、まるでフルスペックの集団的自衛権の行使ができるかのような印象を、プロの皆さんは分かっていますよ、だけれども、一般のアメリカの政治家や国民に与えたというふうに私は思うんですが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 日本の果たすべき責任、特に安全保障分野における責任の果たし方については、戦後七十数年の中で、日本の平和国家としての歩みが確定し、そして、どういった貢献ができるのか、こういった議論をずっと積み重ねてきました。そういった中にあって、今日の日米関係があります。
その日米関係において、日本として、同盟国として最大限の貢献をする。その際に、当然のことながら、安全保障上においては、日本国憲法があり、国内法があり、様々な条件や制限があります。しかし、それがあったとしても、日本として、外交力、経済力を始め、さらに、日本らしい、日本としてできる貢献、これはたくさんあるんだと思います。そういったものを総合的に動員することによって、日本として、最も近い同盟国としての責任を果たす、こういった思いを申し上げたものであり、今日までの日米関係を振り返りますときに、そういった日本としての立場、これは十分理解されるものであると考えています。
〇岡田委員 議会で聞いていた上下両院議員の皆さんの何割がそれを理解しているか、あるいは国民が果たして理解しているか、アメリカ国民ですね。私は、ほとんど理解していないんじゃないかというふうに思うんですね。
結局、イギリスと同じように集団的自衛権をフルに行使してくれるというふうにもし期待を持っていたとしたら、いざというときにそれはできないということになれば、大きな失望を招くということになりますよね。やはりそこは、日本は日本としての考え方があるんだということをきちんと伝えていく努力が、総理、必要だと思いませんか。
〇岸田内閣総理大臣 そういった理解につきましては、これまでも、日本として、日米ガイドラインの議論等も通じて、具体的に、日本として対応できる限界なり内容について説明をし続けております。こうした様々な努力を続けることによって、日本としての立場、これはアメリカに理解してもらえるように努力を続けてきております。
今回の演説、日本としての一つの思いを申し上げたわけでありますが、これまで様々に積み上げてきたこうした理解に向けての努力、そして日本としての立場の努力、こういったものの上に今回の演説があるわけでありますから、それをしっかりと今後も説明することによって、おっしゃるような誤解等につながらないように努力することは重要であると考えます。
〇岡田委員 もちろん専門家は当然承知していることですが、多くの政治家、あるいはアメリカ国民は全く理解していない。そういう中で、非常に誤解を招きやすい表現だったということは指摘をしておきたいと思います。
ここは、やはり期待が高まり過ぎると、いざというときに大きな失望につながりかねない、そのことも申し上げておきたいと思います。
さて、自民党のいわゆる裏金問題です。
私は、今の状態は、総理、危機感が足らないと思うんですよ。自民党の党員の中で車座集会をやったりしても、そこでもいろいろ言われるでしょうけれども、本当の声は聞こえていないんだと思うんです。恐らく自民党の若い諸君も、それぞれ選挙区で大変苦労していると思います。我々だってそうなんです。
この裏金問題、単に、いいかげんな処理をするということは、これは自民党だけの問題じゃなくて、日本の政治そのものの危機だと私は思うんですよ。もう政治そのものが嫌だ、距離を置きたいと。
そういう中で、私は、補選をやっていてもそういう雰囲気を感じますよ、投票に行かない人が増えるんじゃないか。そういう中から、とんでもない、ヨーロッパの例を見ても、左右の極端な、そういう政党が出てきたりするかもしれない。だから、強い危機感を持ってこれは対応しなきゃいけないというふうに思うんですね。
そういう観点で見ると、安倍派の裏金問題について、いつ、誰が、どのような意図を持って始めたのかという、この根幹のところが明らかじゃないんですよ。説明していただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 安倍派の裏金問題について、根幹の部分を説明しろということでありますが、その実態把握について、当然、当事者本人の説明が基本でありますが、自民党として、やはりこの問題について実態把握に努めなければならないということで、聞き取り調査等を行ってまいりました。そして、国会において政倫審等の議論も行われてきた、こういうことであります。
その中で、実態について把握をしてきたわけでありますが、我々として把握できている実態、長年にわたってこうした政治資金報告書への不記載、こういった慣行が続いてきたということ、そして、派閥としてそういった指示が出されていたということ、こういったことについて最大限把握をしてきたところであります。
そういった中にあって、党として、刑事責任は検察によって判断がされたわけでありますが、政治責任、政治家としての責任、これを判断しなければならないということで、得られた情報を基に政治責任についても判断をしたということであります。実態について把握している限りにおいて政治責任を判断したというのが、先日の処分でありました。
党として把握しているのは、聞き取り調査の報告書等に記載している、こういった内容が基本であります。
〇岡田委員 総理、時間もありますので、聞かれたことだけ答えてもらいたいんです。いつ、誰が、どのような意図を持ってこの裏金問題が始まったのかということを私は聞いているわけです。
今まで明らかになっているところでも、安倍派の幹部の皆さんも、ここに述べたように、例えば塩谷議員は、二十数年前から始まっていたのではないか。それから松野議員は、政倫審で、初当選、松野議員の初当選は二〇〇〇年ですけれども、初当選して清和会に所属した後に還付を知った。それから萩生田議員は、記者会見で、一期生のときに、つまり、二〇〇三年初当選ですが、一期生のときに、ノルマを超過した部分について活動費としてお戻しするとの話があったと。幹部がこれだけ、二〇〇〇年前後からそういったことがあったんだということを言われています。
では、そのときの派閥のトップは誰だったのかといえば、それは森元総理、当時は森派と言ったわけですね。一九九八年から二〇〇〇年、あるいは二〇〇一年から二〇〇六年、森元総理が森派のトップだった。ですから、やはり森さんに聞かないと分からないんじゃないですか。きちんと森さんに聞かれましたか。なぜ電話だったんですか。
〇岸田内閣総理大臣 今回、追加の聞き取り調査を行いましたが、森元総理に対して、電話にて聴取を行いました。
その中で、御指摘のように、長きにわたって不記載の慣行が続いてきた、これは様々な発言、証言から確認をされているところでありますが、その慣行のスタート等に関して、直接森総理の関与、これを確認することはできなかったと申し上げております。
何で電話だったのかという御質問でありますが、これは、聞き取り調査の日程の中で、森元総理の日程等の調整の中で、電話によって行うことを決定した次第であります。
〇岡田委員 森元総理は、キックバックの存在も知らなかったというふうに答えられたんですか。
〇岸田内閣総理大臣 こうした慣行がいつから始まったのかというようなことについて、直接関与したという証言は得られなかったということであります。
〇岡田委員 キックバックの存在を知らなかったと言われたんですか。お答えください。
〇岸田内閣総理大臣 今申し上げた点を確認いたしました。
それ以上については、この聞き取り調査、内容について詳細を明らかにしない、実効性を高めるという観点から、そういった前提での聞き取り調査であります。先ほど申し上げた点を確認いたしました。
〇岡田委員 総理の今の答弁は、中身は言えません、だけれども、自分が森元総理から関係はなかったと聞いているから関係はなかったんです、それでは何も説明したことにならないじゃないですか。それで納得する国民がどれだけいるんですか。そんないいかげんなことで許されるんですか。
〇岸田内閣総理大臣 これまでの自民党の聞き取り調査、そして、政倫審を始めとする国会でのやり取り等を通じて、うわさの域を超えて、森元総理の具体的な関与について確認できる発言はなかったということを申し上げております。
そして、今回の追加の聞き取り調査においても、具体的な関与を確認することができなかった、こうしたことを申し上げている次第であります。
〇岡田委員 電話で確認されたときに、総務会長とか幹事長は同席されていましたか。電話の横にいて、一緒に聞いておられましたか。そして、記録はあるんですか。
〇岸田内閣総理大臣 私の責任で聞き取り調査を行いました。記録はございません。
〇岡田委員 それは何もしていないのと一緒ですよ。
ですから、総理、もっと危機感を持ってくださいよ。そんないいかげんなことで納得されるわけがないんですよ。総理御自身が電話でやって、記録もないし、周りに人もいなかったんだ、それで何もなかったんだと。そんなことを誰が信じますか。そんなことをやっていたら本当に沈んでしまいますよ、この国は。
もっと真剣に考えて、しっかり、森総理を呼ぶなり、行くなりして、複数できちっと聞いて、記録を取ってください。その上で答えてください。そのことをまずお願いしておきたいと思います。
もう一つ、政策活動費について。
総理は、国会の答弁の中で、今回のこの問題において最も重要な課題は、政治資金の透明性の問題であるというふうに答えておられます。そして、具体的には、外部監査の導入とかデジタル等による透明性の向上だということも言われておられる。
しかし、政策活動費については、透明性がないわけですね、何に使ったか全く分からないわけですから。デジタル化とか外部監査といったって、監査のしようがないわけですよ。
ですから、総理が本当に透明性が大事だというなら、政策活動費についてもしっかりと改革するということが当然だと思いますが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 国会のやり取りの中で、今回の事案を振り返りますときに、責任の厳格化と、そして資金の透明性の向上がまずは大事だということを申し上げてきました。ですから、会計責任者だけではなくして、議員本人の責任ですとか、外部監査ですとか、あるいはデジタル化による透明性の向上、これは最低限取り組まなければならない課題だということを申し上げてきました。
そして、国会の議論の中で、その部分以外の、今回の事案の再発防止に直接関わらない部分であっても、政治資金について様々な議論が行われてきた、これは事実であります。その中で、御指摘の政策活動費についても議論が行われた。
よって、先ほど申し上げました最低限の取組以外にも、政策活動費の部分、政党助成金の使途を始めとする政党の資金の在り方という形でこの部分についても議論をすること、これは自民党として、各党との協議の中で行うこと、これを決して拒否しているものではありません。政党の資金の在り方として議論に上ってくるものについては、自民党としても議論に貢献をいたします。
〇岡田委員 議論に参加をするじゃないんですよ。やはり自民党としてどうするかということを私は聞いているわけですよ。
総理は、政治的自由とかいろいろ、二月の議論でも言われましたけれども、この安倍派の裏金の問題は、五年間で六億円。でも、同じ五年間で、二階幹事長だけで四十七億円。茂木幹事長だって、二〇二二年を見れば九億円。それは何に使ったか、全く説明されていない。それで本当に透明性確保だと言えるんですか。
もちろん、これは野党にもあると総理はよく言われます。確かに、ないわけではない。名前も、組織活動費であったり渡し切り費であったり、いろいろな名前があります、その後のことについて説明しなくていいというお金。
私は、二月のときにも申し上げました。これはもうやめましょう、お互い。こんなことをやっていたら、国民の信頼は戻らないです。だから、きっぱりこれをやめて、そして、全部透明にする、何に使ったか明らかにする。それが政治資金収支報告書を作ることの意味じゃないですか。
どうですか。もう一回考え直しませんか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費については、自民党としても、党勢拡張や政策作成、あるいは調査研究という目的のために、党の役職に応じて、内規やあるいは慣行に従ってお金を出す、そうしたルールに基づいてお金を出しています。そのお金を出す内規やあるいは慣行によって、何に使うお金なのか党としては把握しながら、こういった政策活動費を使っている、これが実態であります。
それをより透明化しろという御指摘であります。これについては、委員おっしゃるように、各党において様々な使い方がありますので、共通のルールとしてこの問題について判断をする、ルールを作るかどうか、どこまで透明化するのか、こういったことを判断していく、これは私も、議論として行っていくこと、これを決して反対しているものではありません。
その際に、政治の自由との関係について私が指摘をしたというお話を今いただきましたが、政策活動費については、先ほど申し上げましたルールで自民党としても使っているわけではありますが、こうしたものを各党とも明らかにする、使途を明らかにするということになりますと、各政党に協力した個人のプライバシーですとか、あるいは企業の営業秘密ですとか、さらには、戦略的な党の方針が他の政治勢力や外国勢力にも明らかになる等については配慮しなければいけない、こういったことを申し上げているわけであります。
こうしたものも踏まえながら、各党共通のルールとして議論をする、これは政治改革の、政治の信頼性を確保するという観点から、重要な議論であると考えます。政党全体の資金のありようという中でその部分についても議論をする、これは議論としてあるべきものであると考えます。
〇岡田委員 私たちは、議論するんじゃなくて、議論するには、まず考え方が示されなければ議論できない。自民党以外は、先ほどの赤羽さんも含めて、政策活動費について、やめるか中身を明らかにすると、みんな歩調を合わせて言っているわけですよ。その中で、議論する、議論すると言って何も具体案を出さない。本当にそれでいいんですか。それで透明性なんですか。
さっき、党として把握していると言われましたね。では、本当に把握されているんですか。
例えば、二〇一九年の参議院選挙で、河井夫妻が地方議員や後援会員らに二千八百七十一万円を配ったという事件がありました。総理のお膝元の広島の出来事ですよ。メモが出てきて、幹事長三千三百、そして選対委員長は百と。甘利選対委員長は、それは自分が渡したということは認めておられます。
では、この三千三百、二階幹事長に、これはどこから得た金なのか、私は政策活動費以外はあり得ないと思うんですが、確認しましたか、総理。どうですか。
〇岸田内閣総理大臣 河井事件におけるメモの話が出ましたが、あのときを振り返りますときに、まず、党から出た一億五千万程度のお金については、裁判が終わった後、資料の返還が行われた上で、弁護士や公認会計士等の専門家によって調査を行い、そうした買収等には使われていない、これは確認をしたところであります。
そして、メモについては、報道等で、そういったメモが出たという報道が出たこと、これは記憶しておりますが、そのメモがその後どうなったのか、私は承知をしておりません。報道しか承知しておりませんので、その内容について確認をするということは行っておりません。
〇岡田委員 どこから二千八百万のお金が出てきたのかということは、謎として残っているわけですよ。
実は、この政策活動費は党本部だけじゃないんですね。各県連でも、名前はいろいろ、政策活動費、そのほかの名前もあると思いますが、私が調べた限りでも、一億九千万円ぐらいの金額が各都道府県連から地方議員の皆さんを始め個人に渡っているということです。例えば、岩手県は千五十一万円、これは一人、つまり県連幹事長にこのお金が渡っていて、その後何に使われているかは分からない。今、補選をやっている島根も、一千五百万というお金が三十四人に、これは令和四年の話ですけれども、渡っている。その後は何に使われたかは分からない。
こういうことが許されるということになると、政党支部だって可能になりますよね。私の支部で、私がお金を、例えば百万円なり、それを誰か個人に渡したら、その後は何も書かなくていい。やはりこれは基本的におかしな仕組みなんですよ、どう考えても。
だから、この際、本当にメスを入れないと、国民の政治不信は止まりませんよ。総理、本気でやると言っていただけませんか。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について議論を行うこと、これを避けているということは全くありません。
これは、だからこそ、こうした政策活動費について明らかにするべきであるという議論が行われているからこそ、自民党としての政策活動費のありようについても説明を申し上げ、政党助成金等は決してこういった政策活動費には使っておりません、自ら集めた浄財をこういった部分に充てる、こういった国民の税金との関わりを説明するなど、政党助成金等々、政党の資金の在り方全体の中でこの問題についても議論するべきである、こういったことを申し上げております。
是非、透明化する等のルールについては、共通のルールとして、自民党も、今後どうあるべきなのか、判断をいたします。
〇岡田委員 巨額のお金が例えば選挙のときに候補者などにばらまかれていたとすると、それがもし記載がなければ、全部違法ですよね。違法です、個人から個人ということになりますから。そういうことが現にかなり行われているんじゃないか、そういう疑問が湧くわけですよ、お金の使い方を見ていると、政策活動費の。
だから、これは相当根が深いですよ。しっかりこういうものと決別して、政治と金の問題、旧文通費も含めて、この際、きちっと説明責任を果たす、制度改革をする、そういうお気持ちはありませんか。これは皆さん、有権者は聞いていますよ、総理の決意。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 先ほども申し上げましたが、今回の事案の再発防止として最低限やるべき政治資金規正法の改正、これは間違いなくやりますし、それ以外、周辺、政党の資金に関わる問題として、御指摘の点も含めて、そして、それ以外の、政党がどのように資金を集めて使っているかということ全体の中で政策活動費についても議論する、これはやぶさかではありません。
〇岡田委員 最初から最後まで、議論する、結局、やる気がないということはよく分かりました。でも、それではこの国の政治は救われません。お考えを変えていただきたいと思います。
終わります。
まず冒頭、二十日夜の海上自衛隊のヘリの事故、大変残念なことであります。事故原因の究明と、そして、何より、行方不明になっておられる方々の徹底捜索を政府に要望しておきたいというふうに思います。
その上で、まず、総理、日米首脳会談を始め、一連の行事が行われました。私は、全体として、世界、あるいはアジアのパワーバランスが変化する中で、アメリカを内向きにしない、そういう考え方に基づいて今回の一連の首脳会談等が行われたと思いますが、そのことについては評価をしておきたいというふうに思います。
ただ、少し気になるところもありますので、少し総理の考えを確認したいというふうに思っております。
まず、総理は、上下両院合同会議における演説で、平和には覚悟が必要だというふうに述べられました。私は、覚悟という言葉を聞くと、麻生自民党副総裁が台湾で述べられた、台湾海峡で戦争を起こさせないためには戦う覚悟が必要だというふうに述べられた言葉を思い出すわけです。
総理はどういう意味で覚悟という表現を使われたのか、御説明いただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 覚悟をどういった意味で使ったのか。
今委員の方から台湾海峡云々の話もありましたが、平和を維持するために、当然のことながら、日本として、これは軍事的な対応のみならず、外交ですとか経済ですとかあらゆる手段を通じて、平和、安定、これを実現していく、こういった思いを込めさせていただきました。
平和を守るために、相互理解というのでは十分ではなく、やはり自ら積極的に、あらゆる手段を通じて能動的な態度が必要である、こういった考え方を述べた次第であります。
〇岡田委員 戦争の現実は悲惨であります。そのことは我々の一世代前が太平洋戦争で経験していることですし、最近でも、ガザの状況とかウクライナを見れば、いかに一般の国民が悲惨な状況に陥るかということ、これは明らかであります。
したがって、もちろん、日本がどこかの国から攻撃を受けるというときに、当然、それに対して自衛権を行使する、そういう意味での覚悟というのは私は必要だというふうに思いますが、そうでない場合に、そういった我が国が攻撃を受けるという事態を避けるために、ぎりぎりまで戦わない覚悟というのが私は求められると思うんですが、総理、同意いただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 その点については、私も委員の今の御趣旨に同感であります。
やはり、国家安全保障戦略の中においても明らかにしているように、我が国の国民の命と安全を守るために、領土、領海、領空を守るために、まずは外交努力を通じて我が国にとって最も好ましい環境をつくっていく、この努力をしていくことがまず第一であると思います。
逆に、その外交力の裏づけとなるために、日本として自分たちの国民を守れるだけの防衛力も用意していく、こういった発想を国家安全保障戦略の中にも明記をしています。
まずは外交努力を通じて、そして経済を始め様々な分野を通じて、日本として平和と安定のために最善の努力をする、これが第一であると考えます。
〇岡田委員 ですから、私は、軽々しく戦う覚悟などという表現を使ってもらいたくない、総理がと言っているんじゃないですよ、ということを申し上げておきたいと思います。
それから、総理の両院合同会議における演説で、二番、三番、四番と書きましたが、いろいろな言葉を使われています。なすべきことをする、その準備はできていますとか、肩を組んで共に立ち上がっていますとか、それから最後のところで、米国の最も近い同盟国という表現を使われました。
米国の最も近い同盟国といえば、イギリスがすぐ思い浮かびます。歴史的なこともあって、アメリカとイギリスは特別な関係、血の同盟と言う人もいます。そのアメリカとイギリスとの同盟よりも、日本とアメリカの同盟の方がより近いというふうにお考えで、こういう表現を述べられたんでしょうか。
〇岸田内閣総理大臣 御指摘の表現ですが、まず、なすべきことという表現については、日米がグローバルパートナーとして、自由と民主主義を擁護するために共に活動をする、こうしたものを指すことであります。
そして、肩を並べてということにつきましては、日本とアメリカは、地域の平和と安定を守るために、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守るために肩を並べて努力をしていく、こういった思いを表現したものであります。
〇岡田委員 私の質問に答えていただいていないんですが、最後のところの、米国の最も近い同盟国としての役割を果たす、その準備ができているということを言われたわけですね。
米国の最も近い同盟国という表現は、アメリカとイギリスとの間の同盟というのがまず思い浮かぶわけですが、それよりも近い、あるいは同等だ、そういう思いで言われているんですか。少なくとも、これを聞いた人は、これは万雷の拍手だったと思いますが、そういうふうに受け止めたと思いますが、どうですか。
〇岸田内閣総理大臣 基本的に、他国と、英国等と比較して申し上げたつもりではありません。
先ほど申し上げましたように、我が国として、米国と協力をする際に、基本的には、自由や民主主義を守る、そして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守る、こういった点において日本も責任を果たしていくと申し上げているわけであります。
手法や内容、そしてインド太平洋に対する考え方等、これは他国とは当然違うわけであります。日本においてこうした自由や民主主義、そして法の支配に基づく国際秩序を守るために、最も米国と近い同盟国として、日本なりの責任を、日本らしい責任をしっかり果たしていく、こういった趣旨を申し上げた次第であります。
〇岡田委員 これは比較じゃなくて、最もと言っておられるんですね。だから、普通の表現だと、最もというのは、私は、多くの人は、アメリカと英国の関係、それと同じか、あるいはそれよりも日本の方がより近いんだ、そういう印象を与えたと思うんですね。
でも、やはり基本的に異なるところがありますよね。つまり、集団的自衛権の行使です。
集団的自衛権の行使について、イギリスとアメリカの関係、例えば中東などでも、アメリカが武力行使するときにはイギリスもそれに同調しているというケースが私は非常に多いと思うんですが、最近でも、フーシ派の攻撃に対して、アメリカとイギリスは共に攻撃に加わりました。日本の場合は、存立危機事態においてのみ集団的自衛権の行使ができる、これは政府の解釈ですね。つまり、無限定の集団的自衛権の行使ということではないわけです。
ところが、総理は、そのことを演説の中では全く言っておられないし、そういうことについて触れていないだけではなくて、まるでフルスペックの集団的自衛権の行使ができるかのような印象を、プロの皆さんは分かっていますよ、だけれども、一般のアメリカの政治家や国民に与えたというふうに私は思うんですが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 日本の果たすべき責任、特に安全保障分野における責任の果たし方については、戦後七十数年の中で、日本の平和国家としての歩みが確定し、そして、どういった貢献ができるのか、こういった議論をずっと積み重ねてきました。そういった中にあって、今日の日米関係があります。
その日米関係において、日本として、同盟国として最大限の貢献をする。その際に、当然のことながら、安全保障上においては、日本国憲法があり、国内法があり、様々な条件や制限があります。しかし、それがあったとしても、日本として、外交力、経済力を始め、さらに、日本らしい、日本としてできる貢献、これはたくさんあるんだと思います。そういったものを総合的に動員することによって、日本として、最も近い同盟国としての責任を果たす、こういった思いを申し上げたものであり、今日までの日米関係を振り返りますときに、そういった日本としての立場、これは十分理解されるものであると考えています。
〇岡田委員 議会で聞いていた上下両院議員の皆さんの何割がそれを理解しているか、あるいは国民が果たして理解しているか、アメリカ国民ですね。私は、ほとんど理解していないんじゃないかというふうに思うんですね。
結局、イギリスと同じように集団的自衛権をフルに行使してくれるというふうにもし期待を持っていたとしたら、いざというときにそれはできないということになれば、大きな失望を招くということになりますよね。やはりそこは、日本は日本としての考え方があるんだということをきちんと伝えていく努力が、総理、必要だと思いませんか。
〇岸田内閣総理大臣 そういった理解につきましては、これまでも、日本として、日米ガイドラインの議論等も通じて、具体的に、日本として対応できる限界なり内容について説明をし続けております。こうした様々な努力を続けることによって、日本としての立場、これはアメリカに理解してもらえるように努力を続けてきております。
今回の演説、日本としての一つの思いを申し上げたわけでありますが、これまで様々に積み上げてきたこうした理解に向けての努力、そして日本としての立場の努力、こういったものの上に今回の演説があるわけでありますから、それをしっかりと今後も説明することによって、おっしゃるような誤解等につながらないように努力することは重要であると考えます。
〇岡田委員 もちろん専門家は当然承知していることですが、多くの政治家、あるいはアメリカ国民は全く理解していない。そういう中で、非常に誤解を招きやすい表現だったということは指摘をしておきたいと思います。
ここは、やはり期待が高まり過ぎると、いざというときに大きな失望につながりかねない、そのことも申し上げておきたいと思います。
さて、自民党のいわゆる裏金問題です。
私は、今の状態は、総理、危機感が足らないと思うんですよ。自民党の党員の中で車座集会をやったりしても、そこでもいろいろ言われるでしょうけれども、本当の声は聞こえていないんだと思うんです。恐らく自民党の若い諸君も、それぞれ選挙区で大変苦労していると思います。我々だってそうなんです。
この裏金問題、単に、いいかげんな処理をするということは、これは自民党だけの問題じゃなくて、日本の政治そのものの危機だと私は思うんですよ。もう政治そのものが嫌だ、距離を置きたいと。
そういう中で、私は、補選をやっていてもそういう雰囲気を感じますよ、投票に行かない人が増えるんじゃないか。そういう中から、とんでもない、ヨーロッパの例を見ても、左右の極端な、そういう政党が出てきたりするかもしれない。だから、強い危機感を持ってこれは対応しなきゃいけないというふうに思うんですね。
そういう観点で見ると、安倍派の裏金問題について、いつ、誰が、どのような意図を持って始めたのかという、この根幹のところが明らかじゃないんですよ。説明していただけますか。
〇岸田内閣総理大臣 安倍派の裏金問題について、根幹の部分を説明しろということでありますが、その実態把握について、当然、当事者本人の説明が基本でありますが、自民党として、やはりこの問題について実態把握に努めなければならないということで、聞き取り調査等を行ってまいりました。そして、国会において政倫審等の議論も行われてきた、こういうことであります。
その中で、実態について把握をしてきたわけでありますが、我々として把握できている実態、長年にわたってこうした政治資金報告書への不記載、こういった慣行が続いてきたということ、そして、派閥としてそういった指示が出されていたということ、こういったことについて最大限把握をしてきたところであります。
そういった中にあって、党として、刑事責任は検察によって判断がされたわけでありますが、政治責任、政治家としての責任、これを判断しなければならないということで、得られた情報を基に政治責任についても判断をしたということであります。実態について把握している限りにおいて政治責任を判断したというのが、先日の処分でありました。
党として把握しているのは、聞き取り調査の報告書等に記載している、こういった内容が基本であります。
〇岡田委員 総理、時間もありますので、聞かれたことだけ答えてもらいたいんです。いつ、誰が、どのような意図を持ってこの裏金問題が始まったのかということを私は聞いているわけです。
今まで明らかになっているところでも、安倍派の幹部の皆さんも、ここに述べたように、例えば塩谷議員は、二十数年前から始まっていたのではないか。それから松野議員は、政倫審で、初当選、松野議員の初当選は二〇〇〇年ですけれども、初当選して清和会に所属した後に還付を知った。それから萩生田議員は、記者会見で、一期生のときに、つまり、二〇〇三年初当選ですが、一期生のときに、ノルマを超過した部分について活動費としてお戻しするとの話があったと。幹部がこれだけ、二〇〇〇年前後からそういったことがあったんだということを言われています。
では、そのときの派閥のトップは誰だったのかといえば、それは森元総理、当時は森派と言ったわけですね。一九九八年から二〇〇〇年、あるいは二〇〇一年から二〇〇六年、森元総理が森派のトップだった。ですから、やはり森さんに聞かないと分からないんじゃないですか。きちんと森さんに聞かれましたか。なぜ電話だったんですか。
〇岸田内閣総理大臣 今回、追加の聞き取り調査を行いましたが、森元総理に対して、電話にて聴取を行いました。
その中で、御指摘のように、長きにわたって不記載の慣行が続いてきた、これは様々な発言、証言から確認をされているところでありますが、その慣行のスタート等に関して、直接森総理の関与、これを確認することはできなかったと申し上げております。
何で電話だったのかという御質問でありますが、これは、聞き取り調査の日程の中で、森元総理の日程等の調整の中で、電話によって行うことを決定した次第であります。
〇岡田委員 森元総理は、キックバックの存在も知らなかったというふうに答えられたんですか。
〇岸田内閣総理大臣 こうした慣行がいつから始まったのかというようなことについて、直接関与したという証言は得られなかったということであります。
〇岡田委員 キックバックの存在を知らなかったと言われたんですか。お答えください。
〇岸田内閣総理大臣 今申し上げた点を確認いたしました。
それ以上については、この聞き取り調査、内容について詳細を明らかにしない、実効性を高めるという観点から、そういった前提での聞き取り調査であります。先ほど申し上げた点を確認いたしました。
〇岡田委員 総理の今の答弁は、中身は言えません、だけれども、自分が森元総理から関係はなかったと聞いているから関係はなかったんです、それでは何も説明したことにならないじゃないですか。それで納得する国民がどれだけいるんですか。そんないいかげんなことで許されるんですか。
〇岸田内閣総理大臣 これまでの自民党の聞き取り調査、そして、政倫審を始めとする国会でのやり取り等を通じて、うわさの域を超えて、森元総理の具体的な関与について確認できる発言はなかったということを申し上げております。
そして、今回の追加の聞き取り調査においても、具体的な関与を確認することができなかった、こうしたことを申し上げている次第であります。
〇岡田委員 電話で確認されたときに、総務会長とか幹事長は同席されていましたか。電話の横にいて、一緒に聞いておられましたか。そして、記録はあるんですか。
〇岸田内閣総理大臣 私の責任で聞き取り調査を行いました。記録はございません。
〇岡田委員 それは何もしていないのと一緒ですよ。
ですから、総理、もっと危機感を持ってくださいよ。そんないいかげんなことで納得されるわけがないんですよ。総理御自身が電話でやって、記録もないし、周りに人もいなかったんだ、それで何もなかったんだと。そんなことを誰が信じますか。そんなことをやっていたら本当に沈んでしまいますよ、この国は。
もっと真剣に考えて、しっかり、森総理を呼ぶなり、行くなりして、複数できちっと聞いて、記録を取ってください。その上で答えてください。そのことをまずお願いしておきたいと思います。
もう一つ、政策活動費について。
総理は、国会の答弁の中で、今回のこの問題において最も重要な課題は、政治資金の透明性の問題であるというふうに答えておられます。そして、具体的には、外部監査の導入とかデジタル等による透明性の向上だということも言われておられる。
しかし、政策活動費については、透明性がないわけですね、何に使ったか全く分からないわけですから。デジタル化とか外部監査といったって、監査のしようがないわけですよ。
ですから、総理が本当に透明性が大事だというなら、政策活動費についてもしっかりと改革するということが当然だと思いますが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 国会のやり取りの中で、今回の事案を振り返りますときに、責任の厳格化と、そして資金の透明性の向上がまずは大事だということを申し上げてきました。ですから、会計責任者だけではなくして、議員本人の責任ですとか、外部監査ですとか、あるいはデジタル化による透明性の向上、これは最低限取り組まなければならない課題だということを申し上げてきました。
そして、国会の議論の中で、その部分以外の、今回の事案の再発防止に直接関わらない部分であっても、政治資金について様々な議論が行われてきた、これは事実であります。その中で、御指摘の政策活動費についても議論が行われた。
よって、先ほど申し上げました最低限の取組以外にも、政策活動費の部分、政党助成金の使途を始めとする政党の資金の在り方という形でこの部分についても議論をすること、これは自民党として、各党との協議の中で行うこと、これを決して拒否しているものではありません。政党の資金の在り方として議論に上ってくるものについては、自民党としても議論に貢献をいたします。
〇岡田委員 議論に参加をするじゃないんですよ。やはり自民党としてどうするかということを私は聞いているわけですよ。
総理は、政治的自由とかいろいろ、二月の議論でも言われましたけれども、この安倍派の裏金の問題は、五年間で六億円。でも、同じ五年間で、二階幹事長だけで四十七億円。茂木幹事長だって、二〇二二年を見れば九億円。それは何に使ったか、全く説明されていない。それで本当に透明性確保だと言えるんですか。
もちろん、これは野党にもあると総理はよく言われます。確かに、ないわけではない。名前も、組織活動費であったり渡し切り費であったり、いろいろな名前があります、その後のことについて説明しなくていいというお金。
私は、二月のときにも申し上げました。これはもうやめましょう、お互い。こんなことをやっていたら、国民の信頼は戻らないです。だから、きっぱりこれをやめて、そして、全部透明にする、何に使ったか明らかにする。それが政治資金収支報告書を作ることの意味じゃないですか。
どうですか。もう一回考え直しませんか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費については、自民党としても、党勢拡張や政策作成、あるいは調査研究という目的のために、党の役職に応じて、内規やあるいは慣行に従ってお金を出す、そうしたルールに基づいてお金を出しています。そのお金を出す内規やあるいは慣行によって、何に使うお金なのか党としては把握しながら、こういった政策活動費を使っている、これが実態であります。
それをより透明化しろという御指摘であります。これについては、委員おっしゃるように、各党において様々な使い方がありますので、共通のルールとしてこの問題について判断をする、ルールを作るかどうか、どこまで透明化するのか、こういったことを判断していく、これは私も、議論として行っていくこと、これを決して反対しているものではありません。
その際に、政治の自由との関係について私が指摘をしたというお話を今いただきましたが、政策活動費については、先ほど申し上げましたルールで自民党としても使っているわけではありますが、こうしたものを各党とも明らかにする、使途を明らかにするということになりますと、各政党に協力した個人のプライバシーですとか、あるいは企業の営業秘密ですとか、さらには、戦略的な党の方針が他の政治勢力や外国勢力にも明らかになる等については配慮しなければいけない、こういったことを申し上げているわけであります。
こうしたものも踏まえながら、各党共通のルールとして議論をする、これは政治改革の、政治の信頼性を確保するという観点から、重要な議論であると考えます。政党全体の資金のありようという中でその部分についても議論をする、これは議論としてあるべきものであると考えます。
〇岡田委員 私たちは、議論するんじゃなくて、議論するには、まず考え方が示されなければ議論できない。自民党以外は、先ほどの赤羽さんも含めて、政策活動費について、やめるか中身を明らかにすると、みんな歩調を合わせて言っているわけですよ。その中で、議論する、議論すると言って何も具体案を出さない。本当にそれでいいんですか。それで透明性なんですか。
さっき、党として把握していると言われましたね。では、本当に把握されているんですか。
例えば、二〇一九年の参議院選挙で、河井夫妻が地方議員や後援会員らに二千八百七十一万円を配ったという事件がありました。総理のお膝元の広島の出来事ですよ。メモが出てきて、幹事長三千三百、そして選対委員長は百と。甘利選対委員長は、それは自分が渡したということは認めておられます。
では、この三千三百、二階幹事長に、これはどこから得た金なのか、私は政策活動費以外はあり得ないと思うんですが、確認しましたか、総理。どうですか。
〇岸田内閣総理大臣 河井事件におけるメモの話が出ましたが、あのときを振り返りますときに、まず、党から出た一億五千万程度のお金については、裁判が終わった後、資料の返還が行われた上で、弁護士や公認会計士等の専門家によって調査を行い、そうした買収等には使われていない、これは確認をしたところであります。
そして、メモについては、報道等で、そういったメモが出たという報道が出たこと、これは記憶しておりますが、そのメモがその後どうなったのか、私は承知をしておりません。報道しか承知しておりませんので、その内容について確認をするということは行っておりません。
〇岡田委員 どこから二千八百万のお金が出てきたのかということは、謎として残っているわけですよ。
実は、この政策活動費は党本部だけじゃないんですね。各県連でも、名前はいろいろ、政策活動費、そのほかの名前もあると思いますが、私が調べた限りでも、一億九千万円ぐらいの金額が各都道府県連から地方議員の皆さんを始め個人に渡っているということです。例えば、岩手県は千五十一万円、これは一人、つまり県連幹事長にこのお金が渡っていて、その後何に使われているかは分からない。今、補選をやっている島根も、一千五百万というお金が三十四人に、これは令和四年の話ですけれども、渡っている。その後は何に使われたかは分からない。
こういうことが許されるということになると、政党支部だって可能になりますよね。私の支部で、私がお金を、例えば百万円なり、それを誰か個人に渡したら、その後は何も書かなくていい。やはりこれは基本的におかしな仕組みなんですよ、どう考えても。
だから、この際、本当にメスを入れないと、国民の政治不信は止まりませんよ。総理、本気でやると言っていただけませんか。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について議論を行うこと、これを避けているということは全くありません。
これは、だからこそ、こうした政策活動費について明らかにするべきであるという議論が行われているからこそ、自民党としての政策活動費のありようについても説明を申し上げ、政党助成金等は決してこういった政策活動費には使っておりません、自ら集めた浄財をこういった部分に充てる、こういった国民の税金との関わりを説明するなど、政党助成金等々、政党の資金の在り方全体の中でこの問題についても議論するべきである、こういったことを申し上げております。
是非、透明化する等のルールについては、共通のルールとして、自民党も、今後どうあるべきなのか、判断をいたします。
〇岡田委員 巨額のお金が例えば選挙のときに候補者などにばらまかれていたとすると、それがもし記載がなければ、全部違法ですよね。違法です、個人から個人ということになりますから。そういうことが現にかなり行われているんじゃないか、そういう疑問が湧くわけですよ、お金の使い方を見ていると、政策活動費の。
だから、これは相当根が深いですよ。しっかりこういうものと決別して、政治と金の問題、旧文通費も含めて、この際、きちっと説明責任を果たす、制度改革をする、そういうお気持ちはありませんか。これは皆さん、有権者は聞いていますよ、総理の決意。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 先ほども申し上げましたが、今回の事案の再発防止として最低限やるべき政治資金規正法の改正、これは間違いなくやりますし、それ以外、周辺、政党の資金に関わる問題として、御指摘の点も含めて、そして、それ以外の、政党がどのように資金を集めて使っているかということ全体の中で政策活動費についても議論する、これはやぶさかではありません。
〇岡田委員 最初から最後まで、議論する、結局、やる気がないということはよく分かりました。でも、それではこの国の政治は救われません。お考えを変えていただきたいと思います。
終わります。