6/5 政治改革に関する特別委員会 質疑
【委員会】衆議院 政治改革に関する特別委員会
【日 時】2024年6月5日(水) 午後1時15分~(15分間)
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【主な質問内容】
- 調査研究広報滞在費の立法措置
- 立憲民主党案と自民党案の比較
- 政策活動費
議事録
〇岡田委員 立憲民主党幹事長の岡田克也です。
総理、時間がすごく短いので、お互い端的にやり取りしたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、調査研究広報滞在費について。
衆参議長の下に議論する形はできましたが、議論はまだこれからです。一点、どうしても確認したいんですが、この立法措置について今国会中に結論を得る、そういうことでよろしいですね。
〇岸田内閣総理大臣 調査研究広報滞在費、いわゆる文通費については、我が党として、維新の馬場代表と私との間での合意のとおり、衆参議長の下に設置される議論の場で前向きに検討を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずる方針、この方針を確認しているところであります。そして、委員御指摘のように、議院運営委員会の現場などで、今、具体的な進め方を調整しているさなかであります。
そういう段階でありますので、私から一方的にスケジュールについて具体的に申し上げることは控えなければなりませんが、当然のことながら、今申し上げた方針に基づいて、できるだけ早期に結論を出すべく、自民党として貢献をいたします。
〇岡田委員 維新の馬場さんは、合意文書には書いていないんですけれども、今国会中ということを何度も強調されていました。私も同じ思いですよ。こんなことはいつまでも引きずる話じゃない。だから、この国会でやると約束していただけませんか。
〇岸田内閣総理大臣 ただいま申し上げたとおりであります。
今現在、もう既に、衆参議長の下で議論を行うということで、議院運営委員会の場等で取り運び等を検討しているさなかであると認識をしております。その段階で、私から具体的なスケジュールを一方的に申し上げることは控えなければならないと思っています。
ただ、先ほど申し上げた、紹介した合意等もあります。この問題につきまして早期に結論を出すべく、自民党として貢献いたします。
〇岡田委員 是非この国会で結論を出しましょう。
次に、我が党が様々な主張をいたしましたが、ほとんど無視されてしまいました。ただ、その中には非常に重要な主張がありますので、簡単に申し上げておきたいと思います。
まず、国民民主党と有志の会との共同提案の法案ですけれども、政治資金監査人による監査対象に、今までは支出だけでした、収入も加える。これはたしか予算委員会で、自民党の議員の質問に対して、前向きな答弁を総理はされたことがあると思うんですね。支出を加えるということについて、イエスかノーかでお答えください。どうして自民党の案にははっきり書いていないんですか。
〇岸田内閣総理大臣 支出につきましては……(岡田委員「収入」と呼ぶ)失礼。支出と収入、その収入の方につきましては、今回、議論の中で、対象の拡大について、業務量の増加に監査人が対応できるかなど、実務上の検討事項もあることから、まず、国会議員関係政治団体の範囲の政策研究団体への拡大と、そして国会議員関係政治団体の収入に対する政治資金監査の導入、これを行うということを、自民党として対応を用意した次第であります。
〇岡田委員 収入について具体的に書いてありますか。
〇小倉議員 収入については、口座残高の繰越額と実際に一致しなかった場合は、差額証明書、これを作成して提出をすることになっています。したがいまして、この差額証明書に基づいて、収入の不記載がないかどうかチェックをする仕組みになっております。
〇岡田委員 分かりやすく言うと、収支報告書と通帳の比較をする。それは収入のごく一部じゃないですか。今回の裏金、それで防げますか。そもそも通帳に入っていなかったお金でしょう、裏金は。だから全然対策になっていないんですよ、それじゃ。
だから、収入についてもきちんと全部対象にする、総理、そうしないとこれは意味がないですよ。違うんですか、総理。
〇岸田内閣総理大臣 国会での議論を振り返りますときに、御指摘のように、支出のみならず収入もしっかりと把握するべきである、こういった議論がありました。そうした方向性に鑑みて、自民党として、具体的な実務を併せて検討した中で、先ほど申し上げました業務量の増加に監査人が対応できるかなど、こういった諸点を勘案し、まずは国会議員関係政治団体の収入に対する政治資金の監査の導入、先ほどの答弁にありましたような形でこの対策を行っていく、こういった提案をさせていただいた次第であります。
〇岡田委員 業務量、果たしてできるかどうかなどというのは、それは関係者の意見も聞かなきゃいけないかもしれませんが、基本的には収入を全部監査の対象にするということを約束してもらえませんか。
〇岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、支出のみならず収入についても透明性を高めていくことが重要である、こういった議論の中で、現実にまずやるべきこととして、国会議員関係政治団体の収入に対する監査の導入、これを行うことを提案させていただきました。
こうした大きな方向性に鑑みて、具体的にどういった制度をつくるのか、こういった議論は政治改革全体の中で重要だとは思いますが、まずは一歩を踏み出すことが重要であると認識をしております。
〇岡田委員 元々、裏金問題を二度と起こさないためにどうするかという議論だったんじゃないんですか。だから、それに対しては、今回決めることはほとんど無意味なんですよ。こういうのを羊頭狗肉と言うんですよ。
次に、いわゆる茂木方式。
私たちは、百万円以上のお金を移すときには国会議員関係政治団体とみなすという規定を置きました。自民党さんは一千万です。私は唖然としましたね、一千万と。そうしたら、そういう団体を三つつくれば三千万、五つつくれば五千万。結局、我々国会議員は一万円以上の支出は全て収支報告書に書かなきゃいけませんが、それを全部免れている。恥ずかしくないですか、こんなことをして。脱法行為そのものでしょう。
だから、そういうことはやらない、せいぜい百万というふうに、ゼロを一つ消しませんか。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政治団体間の資金移動についても予算委員会等で度々議論が行われたところでありますが、その中での議論として、一般論として、政治団体間の政治資金の移動については、それぞれの団体の目的ですとか実態に即して行われるものであり、幾ら以上であったならばこれは直ちに脱法的であると判断することは難しいという議論は行われたと記憶をしています。
要は、その政治団体が後援会なのか、政治資金管理団体なのか、この団体の性格によって必要とするお金は変わってくるわけでありますから、幾ら以上であれば脱法的であるということを一概に論ずることは困難な側面がある、こういったことを議論したと記憶しておりますが、少なくとも国会議員関係政治団体から年間一千万以上の寄附を受けている政治団体については、両者が相当程度密接な関係にあると推認できるとして、党内実務者の間では意見の一致があったと承知をしております。
こうした規制の対象となる政治団体、これは事務負担についても重たいものがあります。この基準額についてはバランスの取れた案が重要であると考えており、今回の基準額については私も妥当なものであると考えております。
〇岡田委員 少し常識のある人が見たらとても恥ずかしいことを総理は言っているんですよ。一万円以上と収支報告書で義務づけられているのに、それを事実上脱法する行為を是認しているわけですからね。
政策活動費について。
昨日の議論を聞いていると、黒塗りというものがどうも認められるらしいということが分かりました。誰が黒塗りの範囲をどういう基準で決めるんですか。お答えください。
〇鈴木(馨)委員 その点につきましては、これから、その透明性、大事さ、さらにはプライバシーの問題等との兼ね合いで、今後各党間での協議に委ねられると承知しています。
〇岡田委員 何も答えていないわけですけれども。
もし、例えば、自民党の政策活動費を自民党が黒塗りの範囲を決めるとなったら、これは公開したということは全く意味がなくなりますよね。やはりこれは、今回設けようとしている独立機関が、一定の基準に基づいて、黒塗りが妥当かどうか、どの範囲を黒塗りにするかということをチェックする、そういうことしか考えられないわけですね。
そもそも、この政策活動費そのものが何でもかんでも認められるわけじゃないと思うんです。本来であれば、これはきちんと領収書を全部添付して、一万円以上は公表しなければいけない。その例外をつくるということであれば、百歩譲って、総理の言うことがある程度、私は政治的自由というのは全く認めませんが、例えば、プライバシーの侵害になるとか、あるいは国の安全を損なうような場合とか、そういう場合について政策活動費という形を取るということを認めるとしても、そもそも、そういう基準がまずはっきりあって、その基準に合っているかどうかをこの第三者機関、独立機関が判断をした上でそれが認められるということにしないと、何でもかんでも政策活動費という名前がついたら認められるということじゃ、それは事実上の脱法行為をどんどん認めてしまうということになると思うんですが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について、公開を行うということについては、この方向性、これは確認しているわけでありますが、その公開に向けて具体的なルールをどうしていくのか。委員御指摘のように、政策活動費の配慮すべき様々な点、個人のプライバシーですとか、政党の戦略的な取組が外部に知られることになるですとか、配慮しなければならない点、こういった点も配慮しながら、具体的なルールをこれから作っていくことになると承知をしております。
そして、あわせて、よりこうした制度の信頼性を高めるために、第三者機関というものについても議論を行っていく、こういった方向性も確認されているわけでありますから、この政策活動費の公開の制度と、そして第三者機関を設置して、第三者機関にどのような権限や、あるいは取組を認めるのか、こういった議論と、これが合わさることによって、この実態を国民が把握していただき、そして理解していただく、こういったことにつながると考えております。
〇岡田委員 私の言うことを全然理解していただいていないんですが、十年後の出口の話だけじゃなくて、入口、政策活動費として認めるかどうかのところもやはりこの独立機関が一定の基準に基づいてチェックしないと、何でもかんでも政策活動費と、例えば自民党なら自民党の判断でできてしまうということでは駄目だと思うんですよ、これはすごい例外をつくるわけですから。
だから、入口のところで独立機関が一定の基準に基づいて判断する、その基準は何かということをきちっと法律で決めておく、そういうことだと思います。
非常に心配するのは、この独立機関の設置、政策活動費の監査の在り方については、検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられる、十五条ですね、非常に、時期の明示がないんですよ。これは、ずるずるずるずるいって、結局できない可能性があるんですね。だから、少なくとも来年度の収支報告からきちんと適用できるように、年内に全部準備を終えるということはお約束いただけませんか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について、まずは、収支報告書の中において政策活動費をどのように報告するのか、そして、十年後に政策活動費をどのように公表していくのか、そして、あわせて、第三者機関によって政策活動費をしっかりとチェックする、この三つが合わさることによって政策活動費の透明性、信頼性を高めていく、こういった仕組みが今議論をされているところであります。
ですから、こうした三つが合わさることは重要であると思いますが、それぞれ、この第三者機関についても、どういった権限を与えるのか、政治の自由やその透明性との関係においてどのような機関をつくるかなど、これは簡単な議論ではありません。
ただ、この三つが重要だということを念頭に置きながら、できるだけ早くこの三つの取組を進めていくことは重要であると考えます。
〇石田委員長 岡田克也君、時間が参っております。
〇岡田委員 結局、仕組みはつくったけれども、実際に動き出すのはずっと先だということになりかねない、単なる先送りにすぎないんじゃないか、そういう疑念が国民の中にありますから、その疑念を払うためにも急いでもらいたいと思います。
最後に一言だけ言っておきます。
これは、地方議員は対象になっていないですよね、政策活動費。ですから、私がこの場で、予算委員会で指摘をした、県連から地方議員への渡し切りのお金、これは対象になっていないんです。国会議員だけですから。そこは法の私は欠缺だと思いますので、少なくとも、是非参議院において修正してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
終わります。
総理、時間がすごく短いので、お互い端的にやり取りしたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、調査研究広報滞在費について。
衆参議長の下に議論する形はできましたが、議論はまだこれからです。一点、どうしても確認したいんですが、この立法措置について今国会中に結論を得る、そういうことでよろしいですね。
〇岸田内閣総理大臣 調査研究広報滞在費、いわゆる文通費については、我が党として、維新の馬場代表と私との間での合意のとおり、衆参議長の下に設置される議論の場で前向きに検討を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずる方針、この方針を確認しているところであります。そして、委員御指摘のように、議院運営委員会の現場などで、今、具体的な進め方を調整しているさなかであります。
そういう段階でありますので、私から一方的にスケジュールについて具体的に申し上げることは控えなければなりませんが、当然のことながら、今申し上げた方針に基づいて、できるだけ早期に結論を出すべく、自民党として貢献をいたします。
〇岡田委員 維新の馬場さんは、合意文書には書いていないんですけれども、今国会中ということを何度も強調されていました。私も同じ思いですよ。こんなことはいつまでも引きずる話じゃない。だから、この国会でやると約束していただけませんか。
〇岸田内閣総理大臣 ただいま申し上げたとおりであります。
今現在、もう既に、衆参議長の下で議論を行うということで、議院運営委員会の場等で取り運び等を検討しているさなかであると認識をしております。その段階で、私から具体的なスケジュールを一方的に申し上げることは控えなければならないと思っています。
ただ、先ほど申し上げた、紹介した合意等もあります。この問題につきまして早期に結論を出すべく、自民党として貢献いたします。
〇岡田委員 是非この国会で結論を出しましょう。
次に、我が党が様々な主張をいたしましたが、ほとんど無視されてしまいました。ただ、その中には非常に重要な主張がありますので、簡単に申し上げておきたいと思います。
まず、国民民主党と有志の会との共同提案の法案ですけれども、政治資金監査人による監査対象に、今までは支出だけでした、収入も加える。これはたしか予算委員会で、自民党の議員の質問に対して、前向きな答弁を総理はされたことがあると思うんですね。支出を加えるということについて、イエスかノーかでお答えください。どうして自民党の案にははっきり書いていないんですか。
〇岸田内閣総理大臣 支出につきましては……(岡田委員「収入」と呼ぶ)失礼。支出と収入、その収入の方につきましては、今回、議論の中で、対象の拡大について、業務量の増加に監査人が対応できるかなど、実務上の検討事項もあることから、まず、国会議員関係政治団体の範囲の政策研究団体への拡大と、そして国会議員関係政治団体の収入に対する政治資金監査の導入、これを行うということを、自民党として対応を用意した次第であります。
〇岡田委員 収入について具体的に書いてありますか。
〇小倉議員 収入については、口座残高の繰越額と実際に一致しなかった場合は、差額証明書、これを作成して提出をすることになっています。したがいまして、この差額証明書に基づいて、収入の不記載がないかどうかチェックをする仕組みになっております。
〇岡田委員 分かりやすく言うと、収支報告書と通帳の比較をする。それは収入のごく一部じゃないですか。今回の裏金、それで防げますか。そもそも通帳に入っていなかったお金でしょう、裏金は。だから全然対策になっていないんですよ、それじゃ。
だから、収入についてもきちんと全部対象にする、総理、そうしないとこれは意味がないですよ。違うんですか、総理。
〇岸田内閣総理大臣 国会での議論を振り返りますときに、御指摘のように、支出のみならず収入もしっかりと把握するべきである、こういった議論がありました。そうした方向性に鑑みて、自民党として、具体的な実務を併せて検討した中で、先ほど申し上げました業務量の増加に監査人が対応できるかなど、こういった諸点を勘案し、まずは国会議員関係政治団体の収入に対する政治資金の監査の導入、先ほどの答弁にありましたような形でこの対策を行っていく、こういった提案をさせていただいた次第であります。
〇岡田委員 業務量、果たしてできるかどうかなどというのは、それは関係者の意見も聞かなきゃいけないかもしれませんが、基本的には収入を全部監査の対象にするということを約束してもらえませんか。
〇岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、支出のみならず収入についても透明性を高めていくことが重要である、こういった議論の中で、現実にまずやるべきこととして、国会議員関係政治団体の収入に対する監査の導入、これを行うことを提案させていただきました。
こうした大きな方向性に鑑みて、具体的にどういった制度をつくるのか、こういった議論は政治改革全体の中で重要だとは思いますが、まずは一歩を踏み出すことが重要であると認識をしております。
〇岡田委員 元々、裏金問題を二度と起こさないためにどうするかという議論だったんじゃないんですか。だから、それに対しては、今回決めることはほとんど無意味なんですよ。こういうのを羊頭狗肉と言うんですよ。
次に、いわゆる茂木方式。
私たちは、百万円以上のお金を移すときには国会議員関係政治団体とみなすという規定を置きました。自民党さんは一千万です。私は唖然としましたね、一千万と。そうしたら、そういう団体を三つつくれば三千万、五つつくれば五千万。結局、我々国会議員は一万円以上の支出は全て収支報告書に書かなきゃいけませんが、それを全部免れている。恥ずかしくないですか、こんなことをして。脱法行為そのものでしょう。
だから、そういうことはやらない、せいぜい百万というふうに、ゼロを一つ消しませんか。いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政治団体間の資金移動についても予算委員会等で度々議論が行われたところでありますが、その中での議論として、一般論として、政治団体間の政治資金の移動については、それぞれの団体の目的ですとか実態に即して行われるものであり、幾ら以上であったならばこれは直ちに脱法的であると判断することは難しいという議論は行われたと記憶をしています。
要は、その政治団体が後援会なのか、政治資金管理団体なのか、この団体の性格によって必要とするお金は変わってくるわけでありますから、幾ら以上であれば脱法的であるということを一概に論ずることは困難な側面がある、こういったことを議論したと記憶しておりますが、少なくとも国会議員関係政治団体から年間一千万以上の寄附を受けている政治団体については、両者が相当程度密接な関係にあると推認できるとして、党内実務者の間では意見の一致があったと承知をしております。
こうした規制の対象となる政治団体、これは事務負担についても重たいものがあります。この基準額についてはバランスの取れた案が重要であると考えており、今回の基準額については私も妥当なものであると考えております。
〇岡田委員 少し常識のある人が見たらとても恥ずかしいことを総理は言っているんですよ。一万円以上と収支報告書で義務づけられているのに、それを事実上脱法する行為を是認しているわけですからね。
政策活動費について。
昨日の議論を聞いていると、黒塗りというものがどうも認められるらしいということが分かりました。誰が黒塗りの範囲をどういう基準で決めるんですか。お答えください。
〇鈴木(馨)委員 その点につきましては、これから、その透明性、大事さ、さらにはプライバシーの問題等との兼ね合いで、今後各党間での協議に委ねられると承知しています。
〇岡田委員 何も答えていないわけですけれども。
もし、例えば、自民党の政策活動費を自民党が黒塗りの範囲を決めるとなったら、これは公開したということは全く意味がなくなりますよね。やはりこれは、今回設けようとしている独立機関が、一定の基準に基づいて、黒塗りが妥当かどうか、どの範囲を黒塗りにするかということをチェックする、そういうことしか考えられないわけですね。
そもそも、この政策活動費そのものが何でもかんでも認められるわけじゃないと思うんです。本来であれば、これはきちんと領収書を全部添付して、一万円以上は公表しなければいけない。その例外をつくるということであれば、百歩譲って、総理の言うことがある程度、私は政治的自由というのは全く認めませんが、例えば、プライバシーの侵害になるとか、あるいは国の安全を損なうような場合とか、そういう場合について政策活動費という形を取るということを認めるとしても、そもそも、そういう基準がまずはっきりあって、その基準に合っているかどうかをこの第三者機関、独立機関が判断をした上でそれが認められるということにしないと、何でもかんでも政策活動費という名前がついたら認められるということじゃ、それは事実上の脱法行為をどんどん認めてしまうということになると思うんですが、いかがですか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について、公開を行うということについては、この方向性、これは確認しているわけでありますが、その公開に向けて具体的なルールをどうしていくのか。委員御指摘のように、政策活動費の配慮すべき様々な点、個人のプライバシーですとか、政党の戦略的な取組が外部に知られることになるですとか、配慮しなければならない点、こういった点も配慮しながら、具体的なルールをこれから作っていくことになると承知をしております。
そして、あわせて、よりこうした制度の信頼性を高めるために、第三者機関というものについても議論を行っていく、こういった方向性も確認されているわけでありますから、この政策活動費の公開の制度と、そして第三者機関を設置して、第三者機関にどのような権限や、あるいは取組を認めるのか、こういった議論と、これが合わさることによって、この実態を国民が把握していただき、そして理解していただく、こういったことにつながると考えております。
〇岡田委員 私の言うことを全然理解していただいていないんですが、十年後の出口の話だけじゃなくて、入口、政策活動費として認めるかどうかのところもやはりこの独立機関が一定の基準に基づいてチェックしないと、何でもかんでも政策活動費と、例えば自民党なら自民党の判断でできてしまうということでは駄目だと思うんですよ、これはすごい例外をつくるわけですから。
だから、入口のところで独立機関が一定の基準に基づいて判断する、その基準は何かということをきちっと法律で決めておく、そういうことだと思います。
非常に心配するのは、この独立機関の設置、政策活動費の監査の在り方については、検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられる、十五条ですね、非常に、時期の明示がないんですよ。これは、ずるずるずるずるいって、結局できない可能性があるんですね。だから、少なくとも来年度の収支報告からきちんと適用できるように、年内に全部準備を終えるということはお約束いただけませんか。
〇岸田内閣総理大臣 政策活動費について、まずは、収支報告書の中において政策活動費をどのように報告するのか、そして、十年後に政策活動費をどのように公表していくのか、そして、あわせて、第三者機関によって政策活動費をしっかりとチェックする、この三つが合わさることによって政策活動費の透明性、信頼性を高めていく、こういった仕組みが今議論をされているところであります。
ですから、こうした三つが合わさることは重要であると思いますが、それぞれ、この第三者機関についても、どういった権限を与えるのか、政治の自由やその透明性との関係においてどのような機関をつくるかなど、これは簡単な議論ではありません。
ただ、この三つが重要だということを念頭に置きながら、できるだけ早くこの三つの取組を進めていくことは重要であると考えます。
〇石田委員長 岡田克也君、時間が参っております。
〇岡田委員 結局、仕組みはつくったけれども、実際に動き出すのはずっと先だということになりかねない、単なる先送りにすぎないんじゃないか、そういう疑念が国民の中にありますから、その疑念を払うためにも急いでもらいたいと思います。
最後に一言だけ言っておきます。
これは、地方議員は対象になっていないですよね、政策活動費。ですから、私がこの場で、予算委員会で指摘をした、県連から地方議員への渡し切りのお金、これは対象になっていないんです。国会議員だけですから。そこは法の私は欠缺だと思いますので、少なくとも、是非参議院において修正してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
終わります。