岡田克也代表定例記者会見(4月8日)
岡田克也代表記者会見
2016年4月8日(金)15時00分~15時38分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○航空自衛隊機の墜落事故について
○TPP関連法案の審議について
○日本の核保有・日米安保に関するトランプ氏の発言について
■質疑
○TPP関連法案の審議について
○「日本の核保有」について
○オバマ米国大統領による広島訪問の可能性について
○「農政モニター」意識調査の受け止めについて
○参議院選挙における野党統一名簿構想について
○消費税率の引き上げについて
○おおさか維新の会について
○山尾政調会長の政治資金収支報告書に関する調査結果について
○次期マニフェストについて
○女性の国政参政から70年に当たって
○租税回避の動きについて
○衆議院北海道5区補欠選挙について
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■冒頭発言
○航空自衛隊機の墜落事故について
【代表】
私からは冒頭3点。1番目は自衛隊機の事故についてです。
自衛隊機が消息を絶って、乗務員と見られる方4名が心肺停止状態で発見されましたが、残る2人の方については捜索活動を続けている状態
だと理解をしております。大変痛ましい事故です、ご家族、関係者の皆様のご心配を考えると、大変心が痛む問題でありみます。
この2名の方の捜索活動に全力を挙げていただき、その救出に全力を尽くしていただきたいということと、再発防止のためにしっかりと対応していただきたいと思っております。
○TPP関連法案の審議について
【代表】
2番目はTPPをめぐる国会での審議です。現在、(審議は)止まった状態にありますが、午前中の冒頭の審議を見ても、昨日の玉木雄一郎さんから始まって指摘をしているが、あまりにもひどい資料の公開ぶりです。
(政府から提出された資料は)真っ黒です。さらに、西川委員長の書いたとされる本も、ゲラは既に入手していますが、本を書くのには役人は協力をする、あるいはご本人も(政府に居た立場から知り得た)いろいろ知っていることを書く。国会には、あるいは国民には報告できない。全く言語道断です。
交渉の詳細を全部示せというのは、難しいかもしれません。しかし、どの国だってこの条約を国会で審議しようとすればきちんとした説明責任を果たした上で採決に至るというのは当然だと思います。こんな冗談のような真っ黒な資料を示しておいて、「これで審議しろ」とは全く理解できない。しかも委員長自ら記した本があるということですから、きちんと情報の開示を行うことが必要だということを重ねて申し上げたい。
○日本の核保有・日米安保に関するトランプ氏の発言について
【代表】
3番目、核保有をめぐるトランプ・アメリカ大統領候補共和党予備選挙候補の発言。詳しくコメントすることは避けますが、こういう発言が飛び出る、日米安保についても発言していますが、いろいろな誤解に基づいてこういう発言をしていると思います。外務省・日本国政府は、大統領候補者になり得る人に対して、日本の考え方、あるいは現状について、あらかじめきちんと説明しておくのが当然だと思う。そういうことがどれだけなされたのか。今からでも遅くありません。しっかりと説明をする、その責任が(外務省・日本政府には)あるということは申し上げておきたい。
また、このトランプ候補の発言に関して、おおさか維新の松井代表が発言をしております。私にはちょっと理解のできない発言で、わが国が核を保有することの可能性はないということはもう議論し尽くされた話だと私は思います。わが党の中でもかつて議論したことはあります。その結果は、2000年のわが党の核政策の中で結論を書いているが、そもそもわが国が核を持つということになれば、今の北朝鮮や昨年までのイランと一緒です。各国からまず厳しい経済制裁を受ける。そういう選択肢はないことは、常識のある人ならばわかる。それを、松井さんの発言によれば、「何も持たないのか、抑止力として持つのか、という議論をしなければならない」と、責任ある政党のトップの発言として出てくること自身、極めて問題だと申し上げたいと思います。
■質疑
○TPP関連法案の審議について
【日本経済新聞・宮坂記者】
TPP審議に関連して、委員長の本の話も代表は今されたが、委員長の委員会運営の仕方についても野党は反発していると思う。委員長の資質、それから運営手法について、どのようにお考えか。
【代表】
私が直接、今の段階で言うのはどうかと思いますが、委員長は自分の書いた本だということを忘れておられる。そうとしか思えない運営ぶりだ。他人事です。そこをよく自覚される必要がある。残りのことは理事会の場などで、我が党の理事がしっかりと申し上げているところですので、これ以上は控えたいと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
岡田さんは外相時代に情報公開ということで前向きにいろいろ仕事をされたと私は思うが、今回の黒塗り、これは外務省の裁量、官邸の裁量。要するに自民党政権になって、やはりそういう外務省の官僚を含めて官邸におもねっているようなことになっているのか。情報公開ルールが後退しているとご覧になるのか、外相経験者として伺いたい。
【代表】
官僚は自己防衛ですから、それは放っておけばどんどん黒く塗りつぶす面積が増える。今回は非常に極端なケースですが。やはりそれは政治主導で「なるべく国民にわかるように、説明できるように」と、大臣なりあるいは官邸が指示をしないと、そういうものは出てこないということだと思います。そういった政治家のリーダーシップというものが全くない。あるいは逆に働いているのかもしれません。そういう中で今回の事態に至っているということだと思います。
私も外交交渉が全て明らかになるべきだと言っているわけではありません。しかし、それぞれの関係の人々、あるいは業界にとっては死活問題で、何がどうなってこういう結果になったのかということを、ある程度理解できるように説明する責任が政府にはある。まずその裏付けとなるデータ・資料を示す。当然のことだと思います。
○「日本の核保有」について
【東京新聞・宮尾記者】
トランプ氏の発言そのものではないが、核兵器について。日本は核兵器を持っていないわけだが、核兵器に転用できると言われるプルトニウムをかなり大量に貯め込んでいる。今、高速増殖炉や再処理、実現の見込みがないものにこだわる利用はもっぱらエネルギーの面から語れられているが、隠れた動機は潜在的な核保有能力を持つためではないかと、そういう意思を持つ人が政府内に一定数いるのではないかということは昔から言われている。岡田代表は外務大臣はじめ政府の中枢にいた経験もある中で、日本政府の中にそういう動機を持った勢力というのが一定数あるとお感じになったことはあるか。
【代表】
ありません。それは現状を見ると、先ほど言ったように、もし核兵器を持とうとすればたちまち(各国から厳しい経済制裁を受ける)。今の仕組みの中で、日本が完全に孤立の道を選ぶのであれば別ですが、そうでない限り不可能な仕組みになっています。そういったことを、ある程度もののわか
った人が考えているとは、私は到底思えません。
【東京新聞・宮尾記者】
今の安倍総理の祖父の岸総理が昔、核兵器保有について発言したことがあるが、そのDNAを引き継いでいると言われている安倍総理の隠れた動機として、そういう考えがあると見られたことはあるか。
【代表】
例えばプルトニウム、そういう核兵器の材料となるものに対する規制のあり方が当時と根本的に変わってきていますので、私は幾ら安倍総理でも、そういったことをお考えだとは思っていません。
○オバマ米国大統領による広島訪問の可能性について
【NHK・花岡記者】
オバマ大統領がサミットに合わせて広島を訪問するのではないか、調整が行われているという報道がある。代表は非核議連にも入っていたと思うが、オバマ大統領の広島訪問について所感があれば伺いたい。
【代表】
これは歓迎します。ぜひ実現してもらいたい。
もちろんアメリカの中でいろいろな議論はあります。私の本にも書いておきましたが、スミソニアン博物館でエノラ・ゲイを展示しようとした時に、いか
なる事態に陥ったか。つまり、核投下を正当化する見方がかなりある中で、大統領が広島を訪れることについては相当いろいろな議論が出るでしょう。しかし、ぜひそういったものを乗り越えて、大統領には広島に行っていただきたい。
プラハ演説で始まったこの核軍縮の動きは、米ロ間の戦略核の削減、それとイランの対応ですね、一旦そこで終わってしまっていて、北朝鮮とか中国の核の増強とか、逆の動きもかなり出てきています。もう一回「核のない世界」を目指すための大きなきっかけにオバマ大統領の広島訪問は結びつくと思いますので、ぜひ実現してもらいたいと思います。
○「農政モニター」意識調査の受け止めについて
【フリーランス・安積記者】
日本農業新聞が一番近々に行った農政モニターによると、安倍内閣の支持率が33%、不支持率64%。不支持が2倍くらいあって、近年この傾向にある。特に2013年の参議院選、2014年の衆議院選の時からまたグッとその傾向が顕著になっているが、これについてどう思われているかということと、政党別支持率においては、やはり自民党が圧倒的多数で、民進党がなかなかそれに追いついていない。この現状についてどうお考えか。
【代表】
どういう調査が行われたのかわかりませんのでコメントすることは難しいが、ただ、やはりTPPについて非常に不誠実な対応をとったことです、「絶対反対」だと。これは別に安倍さんというよりはむしろ自民党ですが。それが手の平返しをやったということもあるし、同時にやはりコメについて減反廃止ということを言われながら。通常考えれば、減反を廃止すれば生産が超過して価格が下がると、誰が考えてもわかる。そのことについてきちんとした答えを出していない。そういったことについての、農業に携わる方々の反応ではないかと思います。
これは安倍政権だけではなくて、自民党が政権とともに推進してきた政策ですから、本来であれば自民党の支持率も影響を受けるべきだと思いますが、どうしてそうなっていないのか、私にはわかりません。
○参議院選挙における野党統一名簿構想について
【毎日新聞・野口記者】
参院選の野党の統一名簿の構想について、昨日の執行役員会で参加しない方針を確認したそうだが、その理由と、今後、この構想については参加しないということで、これ以上議論も検討もしないということでよろし
いか。
【代表】
昨日の執行役員会で何か決めたわけではなくて、確認をしたということです。非常に問題が多いということです。
かつては「オリーブの木」構想と言われるもので、私もこの1年くらい、維新と同じ党になるということを考える中で、この問題も含めていろいろな可能性について検討しましたが、私の得た結論は、やはりこの「さくらの木」構想、これは非常に問題があると。
一つの党にするか、あるいは政治団体を作って比例だけ別立てにするということが基本的な考え方だと思いますが、非常にわかりにくい。選挙が終わればまたもとの党に戻るというような議論もあるのですが、それがはたして有権者に理解されるのか。
あわせて、ダブル選挙になれば、衆は「民進党」とか「社民党」とかそういった名前で比例を争い、参は「さくらの木」と、これまた非常にわかりにくい。現実味がないと私は思います。
○消費税率の引き上げについて
【北海道新聞・西依記者】
消費増税に関する党の見解というのを、改めて近々、岡田代表のほうから示されることになるという話が江田代表代行からあった。江田さんは「凍結すべし」という論者だと思うが、現段階で、こうした党内からの声も踏まえて、代表としてはどのようにお考えか。
【代表】
近々、何らかの見解を示すということを決めた事実はありません。
【北海道新聞・西依記者】
昨日の執行役員会の手続の話としてはそういうことだと今理解したが、改めてだが、現段階での代表の消費増税に関する考えはいかが。
【代表】
この場でたびたび申し上げていることですが、まずこれを選挙のためにという次元で話をすべきことではない。「選挙で有利だから、先送りすべきだ」とか、あるいは「そういったことにならないように、先に先送りを言うべきだ」とか、そういう次元で論ずる政治の質が下がる話、そこに注目が行っているのは非常に残念なことだ。
我々、なぜ10%ということを政権時代に決めたか。やはりこの国の財政の健全性をどうやって確保していくか。そうでないと、次の世代にとって大変なことになるという中(今の政治の責任という意思)で決めたことです。ですから先送りするということは、やはり次の世代に全部先送りすること。(3党合意で約束された)社会保障の充実なども先送りされてしまうということになりかねない。
しかし他方で経済の現状は、安倍さんのもくろみと違って、上げられる状況にはたしてあるのかというと、これもかなり疑問がある。
そういう中で、どこかで政治は決断をしなければならない、どちらに行くかということを。私は、まだ決めておりません。
そういう次元の話をきちんとすべきことであって、何かお手軽に「選挙に有利だ」「不利だ」という次元で、メディアも含めて、話がなされているのは、私は残念なことだと考えています。
【北海道新聞・西依記者】
いろいろな場で代表がおっしゃっていることが維持されているのだと理解したが、とりあえず当面の大きな選挙は北海道5区と京都3区で衆院の補欠選挙があるが、少なくともそれより前に、今お示しになったような消費増税をめぐる見解、党としての見解を改めて出すということはないという理解でよろしいか。
【代表】
そういう問題とは独立して判断する問題だということを申し上げている。
【産経新聞・松本記者】
判断を示す時期だが、先週のBSの番組でサミットの前後という見通しを示されたが、その判断を示す時期については変わりはないか。
【代表】
サミットの前後は、政権側が、安倍総理の側が示す時期はそのくらいが予想される、ということを申し上げた。
【産経新聞・松本記者】
政府側がその時期に示されるであろうとおっしゃった後に、だから民進党が示す時期がそれと同じくらいになるとご発言された記憶しているが。
【代表】
同じになるかどうかはわかりません。前になるかもしれませんし、後になるかもしれません。
【産経新聞・松本記者】
大体その前後であるという、そういうスケジュール感は変わりはないか。
【代表】
今、時期まで細々と申し上げる、そういうことではないと思います。
○おおさか維新の会について
【「FACTA」・宮嶋記者】
先ほどの松井代表の(日本の核保有をめぐる)発言は、これは個人の資質だけとは限らない。元自民党の府議ですから。結局、おおさか維新の会というのは野党5党にとってどういう位置づけか。与党でもない野党でもない云々というのもあるが、与党の補完勢力なのか、独自の右寄り政党なのか。参議院選挙もあるが、どういうふうにおおさか維新をとらえているか伺いたい。
【代表】
難しいですね。先ほどの発言は、与党寄りだから出てきたという次元の発言ではないと思う。自民党の中でも、そんなことを言う人はまずいないのではないか、ほとんどいないのではないか。
おおさか維新の会がどういう存在かというのは、いろいろな言動を見て判断していかなければなりません。ただ、大事な時に官邸に行って、親しく話をする、そういう存在ですから、現時点で我々と近い存在だとか一緒にやれる存在だというふうには考えておりません。
もちろん全否定するのではない。国会の中で、場合によっては歩調を合わせるものもあるかもしれませんので、全否定するつもりはないですが。
【J-CAST・工藤記者】
おおさか維新の会の件で伺いたい。昨日の衆院総務委員会で足立議員が、民進党について「アホ」だと発言したということで、既に懲罰動議が出されているが、この件について代表の受け止めというか、これは個人の資質なのか党の体質なのか。この辺りも含めて代表の受け止めを伺いたい。
【代表】
そこはわかりませんので、代表が一々細かく言うことかな、という感じはしますが。ご本人がおそらく勝手に言われたことだと想像しますが、しかし、そういうことが放置されているという意味では、やはり党にも責任があると思います。
○山尾政調会長の政治資金収支報告書に関する調査結果について
【共同通信・関記者】
山尾政調会長が先日、記者会見を開いて、自身の政治資金収支報告書の記載の訂正について説明をされた。まず、この一連の説明に関して、代表の受け止めを伺いたい。
【代表】
明確に説明されたと私は思います。質問が出なくなるまで答えておられましたし、しっかりとした対応をされたなと考えています。特にガソリンのプリペイドカード、本当に買ったのかどうかということもあるのですが、そこをめぐるさまざまな疑問については、きちんとお答えになっていたと受け止めています。
【共同通信・関記者】
山尾政調会長の会見の中でも一部まだ残った部分もあったと思うが、今後さらなる説明や追加で説明していく必要性はないとお考えか。
【代表】
私、現時点では特にないのではないかと思いますが、新たな問題が出てくれば、それはご本人の判断で何か説明することはあるかもしれませんが、基本的にはこの前の説明で、しっかりとお答えになったと思います。
【フリーランス・安積記者】
会見を見ていての感想だが、情況証拠てだけで、例えば具体的に秘書がどうやったというような証拠の提出がなかった。これは横領に発展しそうな問題なのに、これは非常に問題ではないかと私は印象を持った。ましてや山尾議員は検察官として3年間務めていて、刑事事件については無罪推定という原則が働くと思うが、初めから犯人ありきで、それでいわば妥当な根拠がないと。これは国民に対しての説明としては不足ではないかと思うが、これについてはいかがお考えか。
【代表】
私の知る限り、山尾さんの説明は断定しているわけではなくて、そういう可能性があるということを言われたものだと理解している。それは彼女自身がどうしてそう判断したかということは、時期の問題とか、あるいはガソリンの領収証の中身を見て説明している。可能性の問題として言われたと思います。
【産経新聞・松本記者】
今朝のTBSの番組の収録で、山尾さんの説明に関して、異論みたいなものはあまり聞いていないと述べられたが、この異論というのは党内の異論ということか、それとも党の外も含めた世論全般での異論ということか。
【代表】
まあ彼女の説明に対して「ここがこういうふうにおかしい」と根拠を挙げて何か指摘があるとは、私の見る限りは、そういったことは認識していない。
【産経新聞・松本記者】
党内での異論ということか、それとも党外も含めて。
【代表】
私は党外も含めて、そういったことは聞いたことがないということです。
○党名浸透のための取り組みについて
【「FACTA」・宮嶋記者】
党名の浸透について(まず大事なこと)はポスターを貼ることだと代表はおっしゃったが、私は自宅の周辺を歩いてみたら民進党のポスターを見ることはできなかった。これは政策が遅れているのか、あるいはロゴとか何かが決まらないからなのか、それとも、競馬ではないが後方から追い込むという作戦なのか。やはり名前が浸透しないとなかなか参議院選は難しいと思うが、その辺を伺いたい。
【代表】
総支部長、現職とか公認候補予定者がいるところは、ある程度貼っているとは思う。そうでないところは、やはり遅れている。それから組
織におろしていたりするところは時間がかかります。
私の選挙区も、貼っているのかどうか、しばらく帰っていませんので確認していませんが、その前のポスターを貼ったばかりなので、もったいないと思っているかもしれませんが、今度帰ったら指示をきちんと出そうと思っています。
○次期マニフェストについて
【NHK・花岡記者】
昨日の執行役員会でマニフェストの進め方についても議論があったと聞いたが、現時点でマニフェストを作るに当たってどういう人を配置して、どういうスケジュールで、どういったものを柱にしてやっていくか。決まっていることがあったら伺いたい。
【代表】
中身は、まだ議論しておりません。ただ、検討体制は固めました。長妻昭代表代行をヘッドにして、山尾政調会長を全体の取りまとめ役。そのもとに、たしか5名か6名、党内で企画とか広報とか、そういった担当の人を中心に集めて、企画委員会のようなものをつくる。
その企画委員会と執行役員会でキャッチボールしながら、あるいは私との間でキャッチボールをしながら中身を詰めていく。4月中くらいには党内での議論も含めてある程度終えて、5月には案の段階で各地方に説明できるようにする。地方の意見もいただきながら、6月にはいつでも出せるようにする。
ただし、ダブル選挙か参議院単独かでも中身が変わってくる部分もありますので、最終的に固めるのは政府・与党の状況を見ながらということになると思います。
【NHK・花岡記者】
2点確認だが、代表は常々「正直なマニフェストを作る」とお話しされていたが、長妻さんのほうにどういったコンセプトでマニフェストをまとめてほしいと指示されるおつもりかということと、4月中にまとめられるマニフェストの原案の中には消費税についての方向性も盛り込まれると考えてよろしいか。
【代表】
マニフェストについては、「正直なマニフェスト」、2009年の反省にも立って。それから同時に「エッジのきいたマニフェスト」ということで指示はしてあります。
消費税については、党として先ほど申し上げた結論がいつ出るかによって書きぶりは変わってきますので、現時点でなかなかそれ以上の話はしにくい。
○女性の国政参政から70年に当たって
【日本経済新聞・宮坂記者】
この4月10日で女性が初めて参画した衆院選から70年ということになる。この70年前の選挙で初めて女性が投票に行き、出馬もし、実際に当選する人も多く出たが、この時に比べても、今、女性議員の数は決して多いとは言えない状況になっている。この70年間の歩みも踏まえて、今の政治、女性の参画ということについてどのようにお考えかということについて、改めて伺いたい。
【代表】
まず選挙権という観点から言うと、私、申し上げるのですが、今の選挙権が当然のように得られたものではない。先人たちの大変な努力・苦労がある中で、女性が選挙権を得たのは70年前。それまでは全くなかった。やはりそのことも考えて、ぜひその権利を行使してくださいと申し上げたい。当然のようにあるものではないということです。
それから、現状は甚だ問題だと思います。だからわが党としても、女性の候補者をそろえたい。特に私は地方議員の数を、次の統一地方選挙で(女性の)立候補者の数を倍増すると申し上げているが、やはり地方でいろいろな経験をした女性の政治家が国政を志すというのは、一つの非常に重要なルートだと思います。そこを太くしたいと思います。
同時に、衆議院の候補者として、地方議員ではないその他のルートで政治家を志す人も、もっともっと増えてもらいたい、手を挙げてもらいたいと思っています。
○租税回避の動きについて
【日本経済新聞・宮坂記者】
今、「パナマ文書」とか、租税回避地での巨額投資が課題になっている。民進党も金融課税の強化などを掲げているが、こういった租税回避の動きによって税収が大幅に減ったりということなども問題になっている。この問題について、代表としてどのようにこれから政策等を打ち出していきたいか、どういう考えをお持ちか伺いたい。
【代表】
「これは国の主権の問題だ。何をしようと自由ではないか」と言われればそのとおりかもしれませんが、そういう話では終わらない問題だと思います。特に政治家が、あるいはそれに連なるということになると問題はさらに重大になってきます。スイスの銀行に対して情報公開という動きもあったと記憶していますが、やはりどこかで開示することは最低限必要だと思います。だから、開示されて困る人が利用するということはないようにすることはまず必要だと思いま
す。
その上で、いろいろな租税回避の動き、あるいは法人税の税率が極端に低いところがある。そういうところに企業が本社を移すとか、そういう動きもあります。そういったことについて、国際社会の中でよく話し合っていかないと、税率の引き下げ競争もそういう中で起きていることだし、租税回避はその極端な姿ですが、社会にとってプラスは全くないと私は思う。そういう意味で、国際的によく話し合って、そういう抜け穴をしっかりと塞ぐ努力が必要ではないかと思います。
○衆議院北海道5区補欠選挙について
【北海道新聞・西依記者】
北海道5区の選挙は非常に盛り上がってきていると言われているが、野党の共闘ぶりを有権者にアピールするためにも、各党の野党党首が揃い踏みをして演説をするとか、そういった場面を演出するべきではないかという声が現場のレベルから上がってきていると聞く。各党党首で一堂に会するというようなことについて、代表はどのようにお考えか。
【代表】
いろいろな議論はあると思います。重要なことは、選挙に勝つことです。
【北海道新聞・西寄記者】
選挙に勝つためには、それはしたほうがいいと思われるか。
【代表】
その判断は、私が独断ですることではない。総合的に判断して、選挙に勝つために何をすべきかを決定していきたいと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
北海道5区は、女性は辻元清美さんも含めて5党そろって華やかに応援していたと思うが、代表が行かれると「自公vs民共」というキャンペーンにはまってしまうということがあるので行きたくないと。この段になって、なぜ野党5党で戦わないのかなと思うが、その辺は、やはりそういうお考えなのか。
【代表】
北海道5区は私も2回入った。この場で野党共闘をアピールすることがいいことなのかどうか。特に告示も直前に迫っています。勝つためには何が一番いいかと、そういう観点で判断していくべき問題だと、先ほどお答えしたとおりです。