岡田克也代表定例記者会見(5月20日)
岡田克也代表記者会見
2016年5月20日(金)14時59分~15時38分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○沖縄女性遺体遺棄事件について
○伊勢志摩サミットの開催に当たって
■質疑
○沖縄女性遺体遺棄事件について
○財政出動を求める首相方針について
○台湾・蔡英文新総統の就任について
○野党連携について
○改正刑事訴訟法の成立について
○消費税率の引き上げについて
○衆議院選挙制度改革関連法の成立について
○参議院選挙について
○舛添東京都知事の政治資金使途に関する諸問題について
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■冒頭発言
○沖縄女性遺体遺棄事件について
【代表】
私からは冒頭2件。
まず第1に、沖縄における大変、これは表現することすらできないような、女性の行方不明事件、そして米軍関係者の関与が明らかになりましたが、まず関係者の皆様に心からお見舞い申し上げたいと思います。
こういうことが繰り返されることについて、「怒り」という言葉では表せない憤りを感じております。何度も何度も同じことが繰り返されるわけですが、そういったことが起きないように、政府においても、そして米国政府においてもしっかりと対応してもらいたいと思っております。
○伊勢志摩サミットの開催に当たって
【代表】
次にサミットについて。来週、伊勢志摩サミットが開かれます。私の会見は今日が、伊勢志摩サミット前では最後になります。幅広くいろいろな議論がされるということですが、ぜひいい結論が得られることを期待しております。
世界経済については、この前も予算委員会等でも議論いたしました。基本的な認識として、リスクがある、あるいはリスクが強くなっているということは当然の前提なのですが、現時点において直ちに世界の経済が危機的状況にあるということではないわけで、そこの認識が安倍総理と他の首脳との間に食い違いがあるのではないかと思っております。
先般の党首討論でも申し上げましたが、そこの認識が違うと処方箋も当然違ってくるわけで、「機動的財政出動」、これも中身によるのですが、この1年間の目の前にある危機に対応するということであれば、リーマン・ショック後のG20サミットのように財政出動ということを確認されればいいと思いますが、もう少し長い目で見て、つまり2、3年のタームでリスクがあるということであれば、むしろその処方箋は構造改革であるべきで、財政出動ではないということになります。
財政出動にもいろいろありますが、私が党首討論でも主張しましたように、既に決まっている社会保障の充実策などを前倒しでやっていくことで、より安定した国民生活を確保していく。そういうものならばわかりますが、公共事業中心の財政出動というのは私には理解ができない。自民党の中にも、消費税は予定どおり引き上げた上で、考えられないような大きな財政出動を期待しているといった声もありますが、私には全く理解ができない。我が国の財政状況もしっかり踏まえた上で、現実的で、かつ意味のある政策をしっかりとやっていかなければいけないと考えます。
■質疑
○沖縄女性遺体遺棄事件について
【NHK・花岡記者】
政府と沖縄県の間で基地問題について対立が深まって、沖縄が基地問題の負担ということを大きく訴える中で、そういうタイミングで起きたということと、もう一つは、こういった問題が繰り返されるたびに、日米地位協定についてこのままでいいのかという議論が再燃するが、この点、代表はどのようにお考えか。
【代表】
今回は地位協定が直接問題になっているわけではなくて、被疑者、既に逮捕されていますが、地位協定が邪魔になって(逮捕)できないということではないと私は理解しています。ですから、地位協定の問題そのものが今回の事件に直接引き出されるということではないのではないかと思います。
基地が存在することでこういう事件が起きるということは、それはそのとおりですが、ただ、沖縄以外のところでも事件はあるのですが、やはり頻度から見ても沖縄が非常に多いということは間違いありません。沖縄の皆さんに基地が存在することで多くの負担をかけている時にこういう事件が起きると、さらにその負担感といいますか、基地に対する批判が
当然出てくる。ここはアメリカ側にも、米国政府、あるいは海兵隊初め米軍にも、しっかりと管理をして、こういうことが起きないような具体的措置をさらにとってもらいたいと考えています。
【フリーランス・上出記者】
元海兵隊だということで、1995年にやはり海兵隊の人間が事件を起こしていることもあって、沖縄では本島とは比べものにならないぐらいの怒りが爆発しているようだ。特に参議院選挙、県議選もあるので、自民党はこの問題をなるべくおさめようということも見え隠れするが、民進党として本気でこの問題をやっていこうと思ったら、先ほどの地位協定も含めて、抜本的な見直しを何らかの形で推し進めていくという対応の発信が必要なのではないかと思うが、いかがか。
【代表】
基本的に夜間の外出についての制限というのもあったはずです。
(犯行)時間帯ははっきりしませんが、夜間は基地に戻るというルールもあるはずです。そういうものがどこまで守られているのか。そういうことも含めてきちんと検証し、そしてより厳しいルールを運用していく必要があると思います。
【IWJ・ぎぎ記者】
先ほど岡田代表は質問に対して、他の場所でも事件はあるが頻度が違うといった趣旨の発言をされたが、それは他の地域で起きている米軍関係者の犯罪を指しているのか、または全国で起きている一般的な婦女暴行・殺人事件を指しているのか、どちらか。
【代表】
前者です。
【IWJ・ぎぎ記者】
こうした事件が起こるたびに、日本政府は遺憾の意を述べ、米軍は綱紀粛正に努めるという言葉を繰り返している。本日、軍関係者が、教育プログラムを強化していくといった旨の発言をしているようだが、これまでも無理だったことが、同じ言葉の繰り返しで再発防止につながるとは思えない。そのため県民の多くは、基地がなくならない限りは無理だと主張しているが、こうした県民の怒りを岡田代表はどう受け止めるか。
【代表】
当然の怒りだと思います。ただ、まだできることはたくさんあるのだろうと思っています。先ほど言った夜間外出禁止というようなことも、きちんとやれば、そういったことをきちんと管理して、特に若い兵士が外に住居を持つことも規制して、基地の中に寝泊まりすると。一定の時間が来れば戻らなければいけないということを厳格にすると、かなり違ってくる可能性があると私は思う。だから、できることをちゃんとやるべきだと。しかも、そういうことは一旦、約束したわけですから。
【IWJ・ぎぎ記者】
地位協定は直接影響がないとおっしゃったが、今まで日米地位協定があったからこうした犯罪が野放しになってきた面を考えると、もう一度見直しを検討する必要があるのではないかと思うが、その辺はどうか。
【代表】
地位協定の問題は不断に見直しをしていくことが必要です。ただ、今回の事件は地位協定があって、例えば日本の裁判ができないとか、日本の検察の取り調べができないとか、そういう話ではないと、そういう意味で申し上げた。
○財政出動を求める首相方針について
【フリーランス・宮崎記者】
G7サミットでの財政出動に関して伺いたい。安倍総理はゴールデンウィークにヨーロッパを訪問し、財政出動が必要だということに関してはドイツのメルケル首相からははっきり断られている。自民党内からは山本幸三議員などから「20兆円補正」なんていう話も出ているが、安倍総理はなぜここまで財政出動にこだわるのかということに関して伺いたい。
【代表】
ですから「機動的財政出動」ということの意味なのですね。世界経済の状況についてリスクがあるということは間違いないので、頭から否定するということではないのですが、「機動的」という言葉が付くと、公共事業ということがまず念頭に来る。まだ総理は内容を語られていないので、コメントのしようがないところもあります。
それから「機動的財政出動」という日本語になっていますが、英語は「フレキシブル(flexible)」となっていたのではないかと思う。だいぶ意味が違いますよね。そうすると、そういう意味を、「機動的」と言うと到底相手から受け入れられないので、「柔軟な」と言えば、それはこの1年ということではなくて、もう少し長いタームでとらえる見方も出てくると思う。そういう使い分けまでして何とか認めさせようとしているというのは、ちょっとよくわからない。
【フリーランス・宮崎記者】
古典的な手法だが、この参議院選挙に向けて、何か補正予算、景気対策を安倍総理が組むということならば、G7の共同コミュニケというのか、それをもとに参院選前に編成を始める、そういったことはあまりいい方法ではないとお考えか。
【代表】
いずれにしても、お墨付きを得たからやるということではないと思います。日本の固有の事情の中でアベノミクスが行き詰まって、しかも1本目の矢、金融政策については、特に為替のところで限界があると。だから古い手法に戻って、2本目の財政出動で景気を一時的に支えると。それがまた、選挙を控えて、一部の業界の皆さんからは非常に歓迎される。
こういうことだと古い自民党に戻っただけですから、そういうことではないだろうと。「ないだろう」という意味は、我々とは考え方が違うということは申し上げておかなければならないと思います。
○台湾・蔡英文新総統の就任について
【共同通信・関記者】
台湾の新総統に蔡英文・民主進歩党主席が就任した。就任演説の中では、中国側が受け入れを迫っている「一つの中国」という原則には言及せず、中国との融和路線をとった馬英九氏の国民党から民主進歩党への8年ぶりの政権交代となった。まずこちらの受け止めを伺いたい。
【代表】
まだスタートしたばかりですので、私がコメントするのは早いと思います。
これから、もちろん民主進歩党の従来からの主張もあります。台湾の人々の気持ちも当然あると思います。それを受けて選挙に勝利したことが当然ある。しかし、他方で現実もあります。そういう中で総統がどういうふうに舵取りをしていかれるかは注目しています。
○野党連携について
【読売新聞・中田記者】
昨日の党首会談で参院選全1人区での一本化と、衆院選でのできる限りの選挙協力ということが確認された。代表はこれまで「野党共闘」とか「選挙協力」という言葉は使っていないということを繰り返されていたが、特に参院選の1人区でこれだけ一本化が実現して、野党全体として与党側と対峙していくという状況ができてきた中で、事実上の野党共闘と言える状況になってきたのではないかと思うが、代表のご認識を伺いたい。
【代表】
「できる限り協力する」ということです。
【読売新聞・中田記者】
共産党との関係だが、共産党の国民連合政府構想について、基本的な政策が異なる共産党との連立は考えられないと代表はおっしゃっているが、共産党側としては協力の仕方として閣内協力ではなく閣外協力でも構わないというスタンスをずっと示している。衆院選での協力を経て政権交代が実現した場合の、共産党との閣外協力の考え方について伺いたい。
【代表】
「閣外協力」ということの意味がよくわからないのですが、政権をともにすることはないということです。それ以上のことは、ダブル選挙かどうかわからない現時点で言うということは特にありません。
【朝日新聞・中﨑記者】
参院選の1人区の野党統一候補について伺いたい。昨日時点で29で合意がなされ、残すところ三つになっているが、現在のところの調整状況と、代表の地元である三重県でまだ決まっていないことに対して伺いたい。
【代表】
それぞれの県連ごとの対応に委ねている部分がかなりあります。したがって、三重県がどうかということについて特にコメントはありません。
それから「統一候補」ということの定義もはっきりいたしません。具体的にはいろいろな状況があって、民進党公認候補を他党が推薦しているケース、あるいは民進党公認候補を他党が推薦していないケース、そもそも推薦依頼状を出していないケース、それから無所属候補を各党が推薦しているケース、いろいろなバリエーションがあるということです。
【産経新聞・松本記者】
参院選の候補者調整について、香川選挙区で共産党の候補を統一候補にしようという動きがあるようだが、今、民進党が推薦を決めている候補を取り下げる余地はあるか伺いたい。
【代表】
香川県の民進党の候補については、先ほど香川県で県連が記者会見を行って、勇気ある撤退をするということを発表した。
共産党との関係は現時点で白紙です。ただ、いまだに我が党と共産党との間で候補者が両立している中で、ご本人の考え方として、県議会も始まるということも考え合わせると、ここは撤退すべきだと判断されたと聞いています。
【時事通信・小松記者】
参議院の香川選挙区だが、候補者の勇気ある撤退ということだが、これは候補者の事情でその方が降りるということで、民進党としては別の候補者を探すということなのか、あるいはもう立てないという選択肢もあるのかどうか伺いたい。
【代表】
これは現時点では何も決まっておりません。我々も突然のことで、次のことを考えるというところまで至っていない。
○改正刑事訴訟法の成立について
【ビデオニュース・神保記者】
刑事訴訟法の改正案が、今、参議院を通る。民進党がそれに賛成していることについてだが、郵便不正事件その他の一連の経緯を受け、「検察の在り方検討会議」などがあって、基本的に可視化の方向等かなり厳しいものが当初出ていたが、今回の法案は冤罪を防ぐどころか、場合によってはより冤罪を起こすリスクがあるのではないかというような意見もかなり出ている内容だ。民主党政権内にいた岡田代表は、今回の刑事訴訟法を改正するきっっかけとなったところからずっとご覧になっているわけだが、この内容で民進党が賛成してしまっているということについて、代表ご自身はどのように考え、また民進党としてはそれをどのような形で今正当化されるのか、改めて伺いたい。
【代表】
衆議院において我々も賛成して可決されたものです。今回それが参議院においても可決。
いろいろな議論をしました。しましたけれども、我々こういった法案を議論する時に、100点満点を目指していくのか、それともぎりぎり合格点というところであっても、例えば70点であっても、ないよりいいと考えるのか。非常に悩ましいところですが、我々はこれが一歩前進だと判断して、賛成を決めたところです。
○消費税率の引き上げについて
【「FACTA」・宮嶋記者】
QT(党首討論)は大胆不敵というか、消費税見送り提案、しかも四つの条件込みという、大胆な提案だったと思うが、これは今後、参議院に対するマニフェストに書き込んで、消費税の見送りも旗に掲げて戦うと捉えていいのか。それには党の機関決定も必要だと思うが。この中には、赤字国債による社会保障政策の充実という提案もあるわけで、これはなかなか大胆だと思う。その辺もやはりマニフェストに書き込まれるような内容になるのか。どういうお考えであの四つの条件を示されたのか伺いたい。
【代表】
基本的に我々、軽減税率を含む消費税の引き上げには反対すると。行革もできていないし、条件も整っていないということは、既にだいぶ前(2月)に党としての方針を確認してきた。その線に沿っての私の提案で、唐突に出てきたものではございません。ただ、私としてはやはり財政健全化ということも非常に重要なので、そこはぎりぎり何とか両立できないかと考えてきたが、残念ながらアベノミクスはうまくいかない中で、やむを得ないと最終的に判断した。
しかし、既に約束していた「社会保障の充実」というものがあります。例えば低年金者への月額(最大)5000円の給付とか、受給資格期間25年から10年への短縮とか、そういったことについては我々必要だと考えて既に決めている。2度にわたって消費税の10%への引き上げが延ばされたから延ばすというのも非常におかしな話だと思う。そういう意味で予定どおり(2017年)4月からやるべきだと。
その間(2年間の)、財源の問題が当然出てきます。行革等で賄えれば一番いいと思います。ただ、それが全部賄えるだけの行革が可能なのかというと、そこは「いや、絶対にやります」と言うのは根拠が必ずしも十分でないということになりますので、最悪の場合は赤宇国債で補うことになってもやむを得ないということを申し上げている。
自民党から「赤字国債は無責任だ」とか、そういう話が出てまいりますが、そうであれば、もちろんちゃんと10%に上げるならいいのですが、10%に上げない場合にじゃあどうするんですかということは、逆に聞いてみたい。
【テレビ朝日・河村記者】
昨日、山尾志桜里政調会長が、岡田代表の指示で消費税の凍結法案を準備している、今国会に間に合えば提出する方針だ、と表明された。改めて法案についての代表の考え方と、その法案には、2019年4月の経済状況を見て判断するかどうかという、いわゆる景気条項は盛り込むのか、2点伺いたい。
【代表】
詳細は党の中でよく議論したいと思います。ただ、やはり我が党の考え方を明確にするのは、法案の形で出すということで明確になりますので、なるべくこの国会に提出するように準備してくださいと指示したところです。
【フリーランス・宮崎記者】
赤字国債に関して、消費税2%分ということになると年間5兆円、掛ける2年間で10兆円ということなのかなと私は思ったが、低年金者への簡素な現金給付と年金の加入期間25年から10年へということで、その歳出に関する見合いの分の赤字国債を2年間発行したいということか。
【代表】
基本的にはそういうことです。もちろん行革等で財源が出ればまた別ですが、そうでなければ、社会保障の充実にかかる部分の財源を赤字国債で賄うということです。
【日本経済新聞・宮坂記者】
与党側からのいろいろな話があると代表もおっしゃったが、その中には、上げられる環境づくりをどう整備するのかということの道筋をちゃんと示していないという批判も与党側から来ている。今回、消費税を上げられる状況ではないと代表も追及されたわけだが、消費税を上げられる環境づくり、経済環境をどうつくるのかということについては、どのように示していくお考えか。
【代表】
それは与党が示すべきでしょう。我々を与党にしてくれれば、当然責任を持ってやります。そういう議論が出てくるということは、結局、もう一回再延期しても与党に手がないということを自分で言っているようなものです。恐ろしいことだと思います。アベノミクスがうまくいかずにこういう事態を招いたことについて、もっとしっかり反省してもらいたい。
【日本経済新聞・宮坂記者】
財源論に関して、以前スティグリッツ教授と話された時も、例えば炭素税とか、消費税に反対する中でも別の課税の方法があるという話も出ていた。例えば民進党でも金融課税の強化とかいろいろ新しい財源をつくるための方策を検討してきていると思う。この新しい財源、消費税以外に何か確保していくことをさらに打ち出していく考えはあるか。
【代表】
2019年には必ず10%にするわけです。そこで賄う話。ですから、それで新たな財源とか新しい税制とか、そういうことではありません。
ただ、我々的に社会保障、つまり社会保障の充実策として3党合意で確認したこと以外の、プラスアルファの、子ども・子育ての7000億円を超える部分とか、その他、我々のマニフェストに書き込む新たな政策、そこの財源をどうするかということはきちんと議論をしなければならない。
この前も予算委員会で申し上げたのですが、例えば所得税・相続税の最高税率を引き上げることとか、具体的な財源の手当てについて、これは直ちにやるということではない、消費税を一方で先送りしておきながら、「所得税を上げます」ということにはなりません。やはりこの3年、4年ぐらいのタームで見た時の、「2020年PB黒字化」
と整合性を合わせるという意味では、これから3年の間にはやるということになると思いますが、直ちに来年やるということではない。そういう財源対策というものは当然考えて、そしてマニフェストの中にもある程度示していかなければいけないと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
これは党首討論でやったことだから重いと私は思っていて、前段では、2度にわたる消費増税の先送りというのはアベノミクスの破綻であるから、総辞職すべきと。そういう論理と、もう一つは、仮に2度先送りをするのであれば、野党第一党が提案した四つの条件を、まあ、どこまでのむかわからないが、それに沿うような公約をするのならば、安倍さんは続投もありということになるのか。要するに、あの党首討論での総辞職と消費税の先送りのところの議論というのは、岡田さんはどういう整理になっているのか伺いたい。
【代表】
私は、総理が辞任することが筋だと思います。あれだけ公約されたわけですから。そして選挙を戦って、現実に1年半たって、その条件を満たせないわけですから、その責任をとるべきだ、ということが基本です。
ただし、総理が言ったのは、リーマン・ショックのようなことが来ない限りは必ずやります、上げられる状況をつくり出しますと、こうおっしゃった。残念ながらそういう状況になっていないという中で、私ならこれは当然先送りせざるを得ないと申し上げた。
私が四つ具体的に申し上げましたが、それをやれば総理の責任が免れるということではもちろんありません、というふうに私は整理しています。
○横路孝弘元衆院議長の議員引退報道について
【北海道新聞・西依記者】
今朝の新聞各紙で、北海道1区の横路孝弘元衆院議長が次期衆院選に出馬せず引退する意向を固めたという報道があった。12期務めて、リベラル勢力の中心としていろいろ活躍されてきた方だと思うが、その引退への受け止めを伺いたい。
【代表】
これは道新が報じたものだと承知していますが、本人からそういったご発言があったとは私は理解していません。したがって、コメントはありません。
○衆議院選挙制度改革関連法の成立について
【毎日新聞・松本記者】
今日、衆院の選挙制度改革の法案が成立した。その受け止めと、「一票の格差」是正と定数削減のあり方について、民進党代表としての立場と、今回削減の対象になった三重県選出の国会議員という立場、両方で伺いたい。
【代表】
私の考え方は随時、今まで申し上げてきているところであります。一番心配・懸念は、「違憲」判決、「違憲状態」判決が出る可能性が非常に高いということです。そういう場合に、安倍総理はどういう責任をとられるのだろうかということですね。
三重県出身の議員としての特段のコメントはありません。
【共同通信・関記者】
本日、法案が通ったわけだが、地方選出の議員比率が低下していくことに関して、「一票の格差」という論点と、もう一つあると思うが、人口比率によって地方選出の議員の割合あるいは数が減少していく。今後もこういった傾向が続くかと思うが、この点についての代表の考えを伺いたい。
【代表】
これは憲法論議を行うのかどうかという問題だと思います。最高裁の考え方はもう明確に示されていて、国会議員というのは地域代表ではなくて、国を代表する、選挙区がどこであれ国全体のことを考えるのが国会議員であると。したがって、そういう懸念というのは当たらないというのが最高裁の考え方です。今の憲法をもとにすれば、そういうことだと思います。一票の平等ということを考えれば、そういう答えにならざるを得ないと思います。
あとは、例えば参議院について1県1人とか、そういったことを憲法を改正することで実現するというのは一つの道だと思いますが、まだまだ議論はほとんどなされていない状態、十分に成熟していない状態だと思います。
【NHK・花岡記者】
「違憲状態」の判決のリスクが高いとおっしゃったが、改めて「違憲状態」の判決が出た際にどういう対応が必要なのかということと、もう一つは、ダブル選挙についても巷間言われているが、こうした状況の中で確定までに1年ぐらいかかるわけだが、そうした中で解散を行うことについて、代表はどのようにお考えか。
【代表】
ダブル選挙ということで言うと、それ自身に否定的だとか、いろいろな議論が出てきますので、私、特にコメントしません。
ただ、違憲状態のまま選挙をしてしまうということは非常に問題があるということは申し上げておきたい。解散権を必ずしも縛るものではありませんが、望ましいことではない。
○参議院選挙について
【読売新聞・中田記者】
1人区の候補者がほとんどのところで一本化できている状況だが、改めて次回の参院選に向けての民進党としての獲得議席の目標について伺いたい。
【代表】
なるべく多くの議席を目指していくということです。
○東京五輪招致をめぐる裏金疑惑について
【フリーランス・上出記者】
昨日、民進党のチームが例の東京五輪の金銭疑惑についてヒアリングを行ったが、聞いた話では、残念ながらマスコミはあまり関心を示さないで来ていなかったと。枝野幹事長にも質問したが、特に電通が絡んでいるので、やはりマスコミにとっては電通のことに触れるのはタブーなので、なかなか徹底した追及ができないのではないかという面もある。この点をどう捉えて、どこまで追及していくおつもりか、見解を伺いたい。これは根深い問題がいろいろ見えてくると思うが。
【代表】
特定の会社の話は私は承知しておりませんので、コメントしません。
ただ、この問題自身は非常に重要な問題なので、しっかりと真相を究明していかなければいけない。税金が使われていないとか、いろいろな言い方をされている方もいますが、そういう問題ではなくて、国の信用の問題である。我が国がお金で東京での開催を買ったというような、そういう疑惑が出ているわけですから、しっかりとその潔白を証明する必要があると思っています。
○舛添東京都知事の政治資金使途に関する諸問題について
【NHK・花岡記者】
今日、舛添東京都知事が会見をして、諸々の疑惑について外部に調査を任せてそれを待つという話になっているが、この間、さまざまな疑惑が追及されて、都知事としての資質に欠けるのではないかという厳しい指摘もある。この問題について民進党代表としてどのようにお考えか。
【代表】
あの会見を見ている限りは、非常にがっかりします。もし言われていること、ご本人が言われたりしているわけですから今までのところは事実に近いのだと思いますが、一人の政治家として、しかも都政のトップですから。私も存じ上げない方ではないのですが、政治家としての舛添さんを評価してきた、そういう私から見ると、がっかりすることが続いている状況です。それ以上のことは現時点では申し上げることはありません。