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2001.10.24|マスコミ

政治ホットライン「テロ対策法案の是非」

「国会承認」

国民理解のもとで自衛隊派遣を

「事前承認は譲れないところだ。ここで合意が得られなかったのだから決裂は仕方ない。自衛隊を戦争状態の近くまで出して支援するというのは、今までの安全保障政策の大転換を意味する。政府が間違いを犯すことがあるから、丁寧なシビリアンコントロール、つまり国民の代表である国会がダブルチェックをすることが必要だ。自衛隊も、国民的理解を得て出ていくことが望ましいと思う」

―迅速対応のためには事後承認でも仕方ないのでは、との声が読者から寄せられています。

「緊急時だから、『やれ行け、どんどん』ではいけない。もちろん事前承認でも、審議に何週間もかけるつもりはない。われわれも、この法案の考え方には賛成。やる以上、間に合うタイミングでの承認が必要で、迅速に承認手続きをとる」

―この法案をめぐって、民主党内には意見対立もありましたが、事前承認の審議を短時間でできるでしょうか。

「当然できる。『そういう(事前承認の)話になれば、民主党は協力して迅速に手続きを進める』と首相官邸側にも伝えてあった」

―政権を担う責任政党として、修正合意はできなかったのですか。

「自民党は、当初は柔軟だった。首相も含めて非公式にはそのような(事前承認の)ことも話していたのではないか。だが、途中で固くなった。公明、保守両党の存在があったからだろう」

「妥協しろという意見もあったが、これはバナナのたたき売りではない。原理原則は譲っては駄目だ。変に妥協しなくて良かった。妥協したら、民主党の主張が分かりにくくなったと思う」

「武器使用」

憲法を踏み越えることはできず

「日本は世界でもまれな、武力行使をしないという憲法を持っている。それを踏み越え『必要だから、どんどん武器使用の範囲を広げろ』と言っていると、憲法がどこかへいってしまう。使用制限があるということは、戦場と離れたところまでしか、自衛隊を出しませんよということだ。それを忘れてはいけない」

―法案で武器使用の範囲が広がったことをどう受け止めますか。

「はっきりした説明も歯止めもなく、範囲が広がることは問題だ。PKO協力法以降、次々と広がり、それに伴って『憲法の枠内』も広がっている。今回も与党の一部には、『任務遂行上、必要な範囲で』との一文を法案に書き込むことで、武器使用範囲を一層広げようとする考えもあったほどだ」

―法案には、グレーゾーンが大きいとの読者の指摘もありました。

「小泉純一郎首相は国会審議で(武器使用の範囲などに関する)私の質問に全く答えていなかった。がっかりした。だから(グレーゾーンの拡大を食い止めるため)『自分の管理下にいて、身を守る手段を持たない人を守るための武器使用が憲法上許されるのは、人道的見地から見て妥当だ』との政府見解を引き出した。『人道的見地』という論理が加わったことで病人、通訳など、スタッフを守るところまでしか武器使用はできなくなった。他国の部隊のためには使用できない線が引けたと思う」




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