定例記者会見録 2003年3月
3月28日
○統一地方選挙は総選挙に向けて重要な位置付け、全力で取り組みたい
○与党が補正を主張するのは来年度予算が欠陥予算だと認識しているから
○有事法制—-3月中に民主党案を出すと言ったことはない
○有事法制に関する与党の言動は統一地方選をにらんだ揺さぶりに過ぎない
○情報収集衛星の打ち上げは当然のこと、むしろ遅かったぐらいだ
○MDも敵基地攻撃もしっかりとした議論が必要、バタバタすべきでない
○健保3割負担—-新たな法案作成を含め、党内および野党間で検討
○「北朝鮮問題があるから有事法制を早く」というのは全くの偽り
統一地方選スタート
【幹事長】昨日から、統一地方選挙がスタートしました。以前にも申し上げたかもしれまんせが、我が党にとっても総選挙に向けて非常に重要な位置付けを持つ選挙だと考えています。
併せて、やはり我が党の中心の政策である地方分権、地方を変えることで地方から国を変えるという観点からも、民主党の考え方を理解した知事や議員が増えることは大変力強いことだと思いますので、党として全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。
私はたまたま地元でもあったわけですが、三重県の知事選挙、野呂候補の応援に行きました。ちょっとまだ観衆が盛り上がってないかなという気もしましたが、三重県の場合には民主党と自由党を中心に応援し、社民党にもご推挙いただきました。
対して、自民党のほうは候補者を出し切れていないと、やや変則的ではありますが、しっかり野呂候補が当選し、北川県政改革のあとをしっかり引き継いでいけるように頑張っていただきたいと思っています。
今週末は、北海道・札幌に行きます。先週に引き続いてということになりますが、私どものほうで事実上の筆頭副幹事長を務めていただいていた鉢呂さんが知事選に出ておられますので、これもしっかり応援したいと思いますし、ある意味では最も典型的と言いますか、民主党と自民党がそれぞれの候補者を立てて戦っている唯一の知事選挙でもありますので、ここで確実に勝利できるように頑張っていきたいと思っています。
来年度予算の成立を受けて
【幹事長】次に、先ほど参議院で来年度予算が成立したということで、考えれば2月の始めから衆参の予算委員会を中心にずっと議論してきました。
あの予算は欠陥予算であるというのが我々の考え方であり、だからこそ8兆円の組替え、つまり民主党の考える予算案を提案したわけですが、それが省みられずに欠陥予算が成立したことは大変残念だと思っています。
与党のなかからも、すぐ補正予算の話が出てきてるわけですから、彼らもこれが欠陥予算だということは十分認識しておられるんだと思いますが、これでは経済・雇用に対して何もインパクトもありませんし、現在の下降局面に対して、むしろ拍車をかけてしまうことになるのではないかと、大変残念に思っています。
最近、イラク問題が全面に出て、報道も含めて、経済の問題が半歩後に隠れた形になっていますが、年度末を月曜日に迎えるわけですし、経済の状況は引き続き厳しい。そういうなかで戦争の影響も懸念されるわけで、これは国会でもしっかり議論していかなければいけない問題だと考えています。
なお、月曜日に4野党幹事長・書記局長会談を開く予定にしています。いくつかのことを話し合おうと考えていますが、特に健保3割負担が4月1日から実施されるということで、凍結を求めた我々の提案は議運(議院運営委員会)の採決のなかで、今国会棚上げの状態になっています。
そういう事態を打開するためにどうしたらいいかということを4党の幹事長・書記長間で協議したいと考えています。もちろん、その他の問題についても4人が集まって議論することになると思います。
民主党版有事法制
【記者】今日午前中の山崎幹事長の会見で、有事法制について民主党が今月中に対案を出すと言っても遅れているということに対して、「試合放棄ではないか」と厳しい批判をしていますが、対案を出す時期などについてお聞かせください。
【幹事長】まず、今月中に対案を出すということは、私の知る限りでは言っておりません。山崎さんはたびたびそう言われるんですが、誰がいつ言ったかはっきり言うべきで、そういったことについて示さないまま仮定あるいは事実でないことに基づいてご発言されていることは、与党の第一党の幹事長としていかがなものかと思います。
我々は対案を出すということは約束しておりますが、3月いっぱいに出すということは私が知る限りでは言っていないと思います。今、党内で対案の議論をこれから始めようということで、現場サイドではかなりいろいろな骨格を練りつつありますが、本格的な議論はこれからです。
もちろん、全体のタイミングの問題もあります。あるいは下手に引き伸ばそうという気はありませんが、きちんと議論をして我が党の考え方をはっきりした形で出していきたいと考えています。
【記者】関連しますが、与党が言っているのは対案を作ると言ってからあまりにも遅いのではないかということなんですが、これから議論をしてと言っていますが、同じ会見で「連休明けまで待ってくれと公式に言っていて試合放棄であり、無責任政党であり当事者能力がない」と言われたわけですが、実際有事法制については昨年からずっと論議があったわけで、これから議論するというこういう状況になったのかということについてお聞かせ下さい。
【幹事長】ゼロから議論するわけではありません。我々は政府案に対して常に具体的意見も述べております。それに対して与党のほうは誠意をもって答えたと言われているようですが、我々の提案の10分の1くらいのところについて答えを出しただけであとは何も答えははないわけですね。
我々はもう少し誠意ある答えが出てくると思っていた部分もあるのですが、まったく不誠実な対応であります。そういうなかで、我々の考えをもう一度きちんとした形で示すべきだということで、ベースはもうあるわけです。それを条文の形にしていく作業をおこなっているということです。
何百人という官僚がいるわけではありませんので、時間はそれなりにかかるということはやむを得ないことだと思います。
【記者】野田国対委員長などは、個人情報保護法案の審議を優先させていくという考えを示しています。それとの関係でどのようにお考えでしょうか。
【幹事長】どういう順序で議論するかというのは国対で議論してもらえばいいことだと思いますが、対案の準備状況という意味では個人情報保護法案のほうが進んでおりますので、そちらから議論するというのは我々からすれば自然の流れだと思います。
【記者】与党は対案が出てこないなら与党単独でもという構えを見せていますが、間に合わない可能性が強いと思いますが……
【幹事長】皆さんもプロですから十分お分かりだと思いますが、統一地方選の最中にいろいろな揺さぶり、そして民主党が有事法制の問題で動きが遅れているということを選挙に使ってきているわけですから、そのことを皆さんも十分踏まえて理解いただきたいと思います。
それをあまり真に受ける必要はないのであって、本当に与党がそのように考えているのかということも含めて私にはよく分からないということです。
【記者】実際、対案が出ないままに見切り発車となってしまったらどうしますか。
【幹事長】そういうことが起これば、そのときに最善の対応をしたいと思います。
【記者】最善の対応というのは?
【幹事長】そのことを今の段階で仮定の質問に答える必要があるでしょうか。
【記者】社民党の幹事長が民主党が対案を出すことについて、政府案の審議を促進させないよう配慮して欲しいと言っていますが、それについてはいかがでしょうか。
【幹事長】どういう状況でお話になったのか分かりませんが、私たちの基本的スタンスは有事法制は必要であるということですから、その中身についていろいろな議論が政府案ではとても不十分だということで議論をしているわけなので、そのスタンスは変わりません。
【記者】有事法制における野党の連携というのはどうお考えでしょうか。
【幹事長】有事法制について野党で反対で歩調を合わせてきたということはないと思いますが。
【記者】政府案に対する反対も?
【幹事長】政府案に対する反対ですか。それはそうですが、基本的には我々は有事法制は必要であるという前提のなかで流れの議論をしているわけですから、これも前国会でも前々国会でも一貫したスタンスですのでそこは全く変わっておりません。
【記者】有事法制について、菅代表は基本的に役人に頼らず法案をつくれる政党であるということをおっしゃっているわけで、事務的な遅れを理由に対案を出せないということは理由にならないと思いますが。いつ頃までに出すのかということをお聞かせ下さい。
【幹事長】党内でこれから議論していきますが、これは大議論だと思うんです。有事法制というのは憲法にも触れかねない中身を持つものですから—-だからダメと言っているのではありませんよ—-その党内の議論がどういうタイミングで終息していくのか。
一方では統一地方選挙がやっている真っ盛りのなかで、議員もそちらに相当エネルギーを割かれていますので、そういう状況でいつまでというお約束は今するわけにはいかないと思います。
しかし、我々としてはきちんと議論をして、有事法制が必要であるという前提に立っておりますので、その前提のなかで考えているということは申し上げておきたいと思います。
【記者】山崎さんは会見で、「連休明けと言っている」と言っていますが、それは違うのでしょうか?
【幹事長】私は全く知りません。どなたが言われたのか、党としての正式な見解ではありません。
情報収集衛星の打ち上げ成功
【記者】情報収集の衛星の打ち上げが成功したということですが、それについて北朝鮮の反応もいろいろあるかもしれませんが、党としてはどのようなお考えでしょうか。
【幹事長】情報収集のための衛星打ち上げは必要なことだと従来から考えていたはずだと思います。成功したのは非常に良かったと思います。
もちろん、我が国は日米安保体制、日米同盟というなかにあるわけですが、そういう情報収集の部分で自らも努力していくということは国として当然のことだし、私としては、むしろ遅かったんじゃないかという気がします。
ミサイル防衛
【記者】ここ何日かの間、菅代表、前原安全保障ネクスト大臣がミサイル防衛(MD)に対して大変前向きな発言をされている。それと、敵基地攻撃もできるようにすべきではないかということも前原さんはおっしゃってますが、そういう考え方が出てきていることについて幹事長としてはどうお考えですか。
【幹事長】一般論として言う話と、このタイミングで言う話と、両方の視点があると思うんですが、まず、このタイミングで言うのは、私は日朝間についていろんなことが懸念されるなかで、あまり緊張感を増すような議論を「バタバタと」すべきではないとは思います。
ただ、いずれも非常に重要な問題ですから、議論すべきでないとは全く思いません。むしろ、党内や国会でしっかりとした議論をすべきだと考えています。
MDについては、代表も開発段階への関与について言われたと思いますが、技術的にどうかという問題もありますが、将来的にきちんとした形で日本を守ることができる、そういうミサイル防衛というものが望めるのであれば、それは1つの選択肢として議論になりうると思っています。
もちろん、集団的自衛権などいろんな問題点も指摘されていますので、そういったことを合わせて国会・党内で議論すべきだと考えています。
敵基地への攻撃能力を持つことについては、石破防衛庁長官がいろいろご発言になっていて、政府もかなり慎重な物の言い方になっていると思います。
今までの考え方からも、自衛権の行使としてのミサイルの行使ということが、否定されているわけではありません。そういうなかで、しかし果たしてそれが有効な手段たり得るのかと、それから軍拡競争を招くのではないかといったいろんな論点が派生してきますので、そういうことも含めて、プラス・マイナスをしっかり議論したらいいと思います。
健保3割負担への今後の対応
【記者】冒頭にありました、健保の3割負担の問題なんですが、凍結法案がこういう状況になって、かつ3割への引き上げは4月からということで、具体的に民主党としてはどのようにすればいいとお考えですか。
【幹事長】これは民主党だけではなくて、野党4党でどこまで歩調を合わせられるかという話でもあると思います。
今日少し、枝野政調会長や野田国対委員長ともご相談したいと思っていますので、今、確たることは申し上げられません。
ただ、1つの選択肢としては、新たに法案を出すということもあるのではないかと思っています。つまり、2割負担に戻すという法案ですね。4月1日以降、3割負担が実施されるという前提で。そのことの妥当性も含めて、これから党内で議論していかなければいけないと思っています。
ただ、4月1日はすぐそこまで来てますから、何とか今日中に方向性を出したいなと。まとまれば、4党の幹事長・書記局長会談で提案したいと思っています。
補選の候補者擁立の見送り
【記者】統一地方選挙について、総選挙に向けて重要な選挙だと先ほどおっしゃいましたが、衆参の補欠選挙は、結局2つが不戦敗という形になっています。総選挙に向けて重要だという位置付けなら、なおさらそういうところできちんと勝負すべきではないかという意見もありますが、山梨3区の鞍替えの問題を含めて、ご見解をお願いします。
【幹事長】茨城の参議院と山梨は候補者を立てないと我々確認しました。これは1つは、「やろう」という候補者がいなかったということがあります。
しかし、私はもちろんやりたいという人がいれば話はまた違うんですが、やりたいという人がいなかったということを前提にしつつ、もう1つは全ての選挙区に候補者を立てて戦っていくというやり方は適当ではないのではないかと私は個人的に思っています。
もう総選挙も間近、恐らく年内にはあるんだと思います。そういうなかで、あえて今戦って、そしてまた半年後くらいに同じ選挙をやることがいいのかどうか。
私としては、次の総選挙で我々が第一党になるということが目標ですから、その視点から今戦うことがいいのかどうか判断すべきであると。
何でもかんでも戦うのではなくて、そこは選択と集中、本当に力を出すべきところにエネルギーを集中させるべきだと考えています。
【記者】くどいようですが、鞍替えの問題については今後考えを改めるつもりはないですか。
【幹事長】今日、どうしたの?(笑) 鞍替えの問題は、原則はすでに立てていますが、そのことを変えるつもりはありません。あれは「原則として」と書いてあるわけで、補選になったときに優先権はやはり、そこで戦ってきた人にあると。
仮にその人が出ないということで辞退して、変わりにやりたいという人が出てきて、それ相応の結果を残せば、次に優先権があるという考え方は基本的にそのとおりだと思っています。ですから、それを変える必要はないと思います。
有事法制政府・与党案の非現実性
【幹事長】有事法制は与党がいろいろと揺さぶってきてますが、あまりその揺さぶりに乗ることなく、我が党としていいものを作り上げていきたい、提案していきたい—-そんなふうに思っています。
ときどきマスコミでも報じられるんですが、北朝鮮の状況が緊迫しているから有事法制の整備を急がなければいけないというような発言が与党幹部から出ます。
これは全くの偽りで、政府・与党の有事法制にはテロに対する規定はありませし、そういうことを整備しなければいけないという修正案は出てますが実際には中身はないわけですし、国民保護法制についても規定は全て2年後に先送りにされているわけで、今出ている有事法制を作ったからといって、現実に何か対応できるわけではありません。
むしろ、対応したとしたら、国民保護法制のないなかでの有事法制が発動されるということで、むしろ危険なことでもあるわけで、もし与党幹部の皆さんが「北朝鮮情勢もあるから」と言うのであれば、国民保護法制もテロへの対応も合わせてパッケージとして是非提案していただきたいと。
それが出てくれば、我々はそういうものとして出そうとしてますので、より有益な議論が国会でもできるんじゃないかと。是非そういう責任ある態度を求めたいと思います。
3月14日
○党首会談—-日本語を話す宇宙人と話しているように全くちぐはぐだった
○企業献金に関する党内アンケートを集計、今後党内論議を進める
○法務省には刑務所の所管と人権の擁護という2重の責任がある
○ビルオーナーの招致で疑惑が深まれば、農水相秘書の招致も実現させる
○株価下落—-株価対策という発想自体を改める必要がある
党首会談
【幹事長】昨日、総理官邸で菅代表とともに総理と官房長官にお会いし、20分少々ですが意見交換をしました。
それで、「総理のお考えを」と申し上げたところ、明確な答えは何1つなくて、例えば、「アメリカが国連決議がないままに武力行使をしたらどうなのか」と訊いたら、「そのときになったら考える」と。
それから、今提案されている英米決議案は武力行使容認決議案ではないかと。この英米案について、総理が各国に賛成を働きかけているということは認めたんですね。で、「これは武力行使容認決議案でしょ?」と言ったら、「いや、それは分からない」と。なぜなら「イラクが武装解除するかもしれないから」と。
別にイラクの対応如何によって決まる話ではなくて、この決議案がどういう性格なのかと訊いているわけで、これは世界の常識として、もしこの決議が通って、イラクがそれでも従わなければ武力行使をしますよという、武力行使容認決議の性格を持つということは世界の常識だと思いますが、「分からない」と。
自ら他の国に「これに賛成しなさい」と勧めながら、「中身は?日本の態度は?」と言われると「分からない」という、この無責任さですね。
私は極めて情けないという印象を受けましたし、お互い日本語としては何か話してるんですが、中身は全くちぐはぐで、外国人か宇宙人と話してるような印象すら受けました。日本語を話す宇宙人と話してると。この方たちが日本の国を率いているリーダーかと思うと、大変情けない残念な思いがしました。
いずれにしても、「国会の場でしっかり議論させてほしい」という要望に対しても、「それは事態が大きく進展したら考える」ということで、確かにあの答えでは何を言っても意味がないのかもしれませんが、今日のイラク問題に関する本会議も開催されなかったということです。
これで本当に国民に対して、世界に対して説明責任を果たしているのかと。全くそういうことがなされていないと言わざるを得ないと思います。自由党の小沢党首は途中で出てきたということですが、私も途中で出たくなったぐらいです。
おまけに、北朝鮮の平壌宣言について、「いや、北朝鮮はぎりぎりこれを守ってる」というお話で、これは官房長官が言われたんですが、あれだけ踏みにじられても守っているというのは、全く理解に苦しむ発言だったと思っています。
国会審議の展望
【幹事長】国会のほうは昨日、参議院が一応の決着と言いますか、合意に達しまして、審議が再開されました。
一部に衆議院とのちぐはぐさを言われる方もいらっしゃいますが、私の理解では、野田国対委員長が言っていたのは、参議院をサポートするためにも衆議院としては今後新たな協議には応じないと言われたのであって、その参議院の決着がついたんであれば、衆議院がそういうサポートをする必要性もないわけですから、私はうまく連携して物事が進んでいると理解しています。
あとは参考人質疑で、これは衆議院がまず先行しますが、そのあとは衆議院の第2弾と参議院の参考人招致の順番や連携がより重要になってきますので、これは詰めの作業としてしっかり連携をとりながら進めていきたいと思いますし、私は基本的に国会対策は国対委員長が決めればいいという考えですが、場合によっては私もご相談したいと思っています。
とにかく、しっかり真相究明していくなかで、大島農水大臣の問題を明らかにしていく。そして、明らかになれば辞任ということになると思っています。
企業団体献金に関する党内アンケート
【幹事長】それから、先般来お話ししていました、民主党内のアンケート調査ですが、10日締め切りだったものですから、少しご紹介しておきたいと思います。
都道府県連と現職国会議員のいる総支部、それから現職議員のいない総支部。これは新人候補者がいるところと、地方議員の方が支部長をやっているところも一部あります。
都道府県47のうち、回答があったのが20。現職のいる総支部は177、回答があったのが89。現職のいない総支部169、回答があったのは33。全体で440のうち、142の回答が今日現在であります。
ただ、ちょっと失敗したのは無記名なので、まだ出していない人がいてもどこに催促すればいいのか分からないという状況に陥ってまして、なかなかこれ以上集めるのは難しいのですが、現職は半分を超えていますので、まずまず回答していただけたかなと思っています。
まず企業団体献金について、基本的にどう考えるかということについては、「将来的には、企業団体献金はより制限、ないしは禁止すべきであるが、個人献金が制度として定着していない現状では、透明性を高めた上で認めるべき」というのが51%です。
で、「直ちに廃止すべき」というのが30%。「透明性をより高めることなどは必要だが、禁止する必要はない」というのが17%。「現状でよい」というのが1%という答えです。
それから、「今、企業団体献金が禁止されたとすれば、県連、支部の運営に問題が生じるか」という問いに対しては、「はい」が31%、「いいえ」が59%。 「企業団体献金が禁止されると、地方議員の活動や新人の出馬が制約されるとの意見に賛成ですか」いう問いに対しては、賛成34%、反対61%。
「『党本部として財政基盤強化のために、企業団体献金を拡大すべき』との意見に、賛成ですか、反対ですか」という問いに、賛成39%、反対56%ということで、大体賛成が30〜40%、反対が60%前後という形になっています。
これをどう見るか。3割の人が「困る」と言ってるから「やっぱり困るんだ」と考えるのか、「いや、過半数が反対と言ってる」ということを重視するか。ここは意見の分かれるところだと思います。
それから、いろんな透明性の確保の問題は、大体共通してまして、「インターネットによる支部の政治資金収支報告公表」は賛成68%。
それから、「一定の範囲の公共事業受注企業からの献金の制限又は禁止」は、制限・禁止を合わせて賛成95%。
「公認会計士、税理士などによる外部監査導入」は賛成74%。 それから、「民主党国会議員の、より踏み込んだ資産公開の実施」は賛成68%「公設秘書名及び主たる勤務地(東京か地元か)などの公表、一定範囲内の親族である場合はその旨の公表」は賛成85%。
「支部への企業団体献金の1社あたりの上限の設定」、これは例えば公明党が150万円と言ってますが、賛成81%ということで、大体8割を超える賛成が、透明性を上げるための6つの民主党独自のやり方について、これだけの賛成が集まったということです。
こういうことを踏まえて、党全体としてどうすべきかとうことは、近々方向性をまとめて、党役員会や常任幹事会で議論していきたいと思っています。
都知事選の候補者擁立作業
【幹事長】最後に、都知事選の話ですが、今日も4者協(4者協議会)、まあ私も入りましたので5者と言うべきかもしれませんが、開きまして、いろいろ議論しました。
具体的に何人かの人に当たりつつあるということで、都連サイドからもご報告がありましたが、それとは別に、今日の新聞に名前の出ていた方について、民主党の周辺でご本人の意向を聞いているという事実はあるということです。
ただ、これは私たち5者のなかで当たっているわけではありませんので、しばらく従来のルートでご本人のご意向を確認中ですから、その方向性が出るまで待とうということにしました。
しかし、タイミングは大分切迫していますので、来週の月曜日にもう一度5者の会議を開くことにしています。
全体の状況を見ながら、場合によっては代表なり私が動くということも必要になるかもしれませんが、今の段階ではまだそこまでに至っていないと。周辺で打診をしている状況で、その感触はまだ伝わってきていないということです。
《質疑応答》
名古屋刑務所事件と法相の責任
【記者】名古屋刑務所など4刑務所で過去10.年間にかなり不自然な死が多かったことが明らかになりましたが、それについての幹事長のご感想と法務大臣の責任についてお聞かせください。
【幹事長】今、大島問題とか小泉さんご自身の問題などにかなり予算委員会等は力を注いでいまして、ややその影に隠れた形になってますが、ある意味でこれはより深刻な問題だと受け止めています。
つまり、刑務所という非常に限られた空間のなかで、弱い立場にある受刑者が基本的人権を抑圧されている。状況によっては死に至らしめられているということですから、ゆるがせにできない問題だと思います。徹底的に調査をするということがまず必要です。そして、二度とそのようなことが起きないような再発防止策を考える。
併せて、基本的人権を最も守らなければいけない立場にあるのが法務省です。刑務所を所管する法務省の立場という責任があると同時に、人権を最も守らなければならない役所としての法務省の責任と、二重の責任があるわけです。
法務大臣としてあまりにも危機感が乏しく、そして対応が後手後手に回ったということは大変な責任だと考えています。これから国会のなかでしっかりこの問題を取り上げていこうと、民主党としては考えています。
衆参統一補選の候補者擁立状況
【記者】補選について、だいぶ日にちが迫ってきていますが、4つの選挙区のうち2つしか候補者が決まっていないという状況があります。野党第一党として有権者の方に選択肢を示すということはお考えでしょうけれども、候補者擁立が遅れている状況についてどのように見ていらっしゃいますか。
【幹事長】今のところ補選は4つで、おっしゃるように東京と茨城の衆議院については決まっているということです。残るところは茨城の参議院と山梨3区ということになります。
山梨3区は後藤斎さんが選挙区から出て比例で当選しています。我々のルールによれば後藤さんに立ってもらうというのが基本で、後藤さんが立たない場合には代わりの候補者を考えるということになるわけです。
私も後藤さんとは何度か話をしていますし、山梨県連の党大会にも少し前に出席しました。後藤さんが決断して出てもらえると私は確信していますが、地元で今、支援者を集めて連日のように相談をしていらっしゃいますので、もう少し時間がかかるかなと考えています。
それから、茨城の話はまだ役員会では特に話をしているわけではありませんが、私は今回の参議院の補欠選挙はかなり特殊な状況にあると考えています。つまり。1つは任期があともう1年ちょっとしかないという状況で、2人区ですが我が党は郡司議員が現職でいらっしゃいます。
自民党の議員の死亡に伴う補選ですから、そこに必ず出さなければいけないというふうには私は思っていません。むしろ、出さないことに十分な合理性があるとも思っていますので、いい候補者が地元で擁立できれば、もちろんそれは出したほうがいいわけですが、無理をして出す必要はないと私は考えています。
そこは最後、地元と詰めをこれからしなければいけないと思っています。何でもかんでも候補者を立てて戦わなきゃならないというふうには、私は考えておりません。
大島大臣問題と参考人招致
【記者】大島大臣の問題で、秘書2人の参考人招致を要求してきたのが受け入れませんでしたが、菅代表の元秘書の山本譲司氏と、社民党土井党首の元秘書の五島氏の招致というのが自民党側から取引材料に出されたから断念したという話が出ていますが、それについてはどう思われますか。
【幹事長】全く関係ないと思います。まず、私たちは秘書の招致を諦めたわけではありません。衆議院のほうはまずはビルオーナーということですが、その後引き続きということですのでビルオーナーから聞いた結果、疑問点が深まれば当然、秘書の招致を実現させると思っています。
参議院のほうも同様に、ここは解釈は我が党と自民党とでだいぶ言い方の開きがあるようですが、我々としてはここで秘書を呼ぶということをかなり確信をもって取れると思ったからこそ、合意したということです。
イラク問題に関する国会決議の動き
【記者】昨日の代議士会でも話があったと思いますが、石井一副代表、前原誠司ネクスト安全保障大臣、生方議員などが、イラクでのアメリカの国連決議なしの単独武力行使反対のための査察の強化・継続を目指す決議案を国会決議しようと署名運動を始められたのですが、党として決議案を提出する考えはあるかどうかについて……
【幹事長】石井さんと誰?
【記者】石井さんと岩国さんと生方と前原さん、横路さん……
【幹事長】私の常識からいうと、理解に苦しむことですね。大臣ですから、『次の内閣』でご主張になればいいわけですよね。石井さんも副代表だし。いきなり署名運動なんていうのは私は理解に苦しみますが。
【記者】手続き的な面は別にして、党としてそういう国会決議を出そうという話はあるのでしょうか。
【幹事長】その前に自らが責任者ですから、副代表であったり大臣であったり。『次の内閣』で問題提起されたらいいんじゃないですかね。それが普通だと私は思いますけれども。ですからよく分からないです。どういうことでそうなっているのか。
決議をするということはそれも1つの考え方だと私は思いますが、決議をしようとすれば与党の反対で合意はできないですよね、今の総理から見て。もし合意するなら非常に訳のわからない決議しかできないでしょ。ですから決議を提起して与党側に決裂させるという目的ならやる価値はありますが、それだけの意味があるのかどうかという「判断」でしょうね。
株価の低迷と補正予算
【記者】2つあるんですが、1つは株価が低迷していますが民主党としてどのような対策をお考えか。それから自民党内では補正予算の編成の話が出ていますが、追加的な財政出動について経済によい影響を与えるのかどうか、その2点をお聞かせください。
【幹事長】まず、補正の話はまだ予算の審議中ですから、自民党も随分お手軽になったなと思います。
一昔前なら、もちろん政府がそんなことを言ったら大変おかしいわけですが、与党だって予算が通るまではそんなことを言わなかったものですが、それだけ軽くなって無責任になっているのかなと。選挙向けのリップサービスをしているのかなと思っています。
ただ、補正を組むということは、当然それに伴ってさらに国債を発行するということで、そのことのマイナス面も含めて論じなければ意味がないので、非常にお手軽な提案をしているなと私は思います。
もう少し与党であれば責任を持って、与党であればという言い方はおかしいですね、野党も同じなんですが、トータルで見てどうかということを提案すべきだと思います。
株価の話は株価対策という発想そのものを、私は改めるべきだと思っています。これは昨年3月にも申し上げました。結局一時的に株価を維持するために、昨年は空売り規制あるいは証券会社に金融庁がチェックをして売ることそのものについても随分牽制して、人工的に株価を支えて3月末を越えた。そういうことを繰り返したことによって、日本の株式マーケットは極めて信用がないという評価が定着してしまった。
個人株主も外国資本も、「日本のマーケットはフェアじゃない」と言うなかで、どんどん資本が逃げている現実に気が付くべきだと思います。日本のマーケットというのは非常に売買が細っています。それは、そういうことが原因で基本的にそうなっていると考えるべきだと思います。
今、いろいろ言われている株価対策も、先送りであったり隠蔽であったり、ますます日本のマーケットの信頼性を損なっているわけで、そういうことは基本的に辞めるべきです。やはり基本に戻るべきだと思います。
もう1つ言うとすれば、イラクに対するアメリカの武力行使というのは、これは日本だけではありませんが、株式マーケットにかなりの不安感を与えています。そういう意味でも不安感というのは戦争が始まるかもしれないという不安感。
もう1つは国際的な平和維持の秩序がこれで壊れてしまうかもしれない、20世紀の国連中心の仕組みが壊れて、アメリカ単独のそういう形ができるかもしれないという不安感などが非常に影響していると思います。
そういう意味でも、ブッシュに対して「査察を継続すべきだ、慎重に考えるべきだ」ということを総理がしっかり言うべきだと考えています。
補選の勝敗ライン
【記者】4つある選挙区のうち、民主党がもともと議席を持っていたのは東京の1選挙区だけですが、4選挙区の勝敗ラインをお聞かせください。
【幹事長】この前、参議院議員会長の角田さんに「『全部勝つ』と言わなきゃいけないんだ」と怒られましたので、「全勝を目指します」と言っておきましょうか。ただ、4つか3つかはさっき言ったようにまだ分かりません。
国連査察の強化・継続
【記者】イラク問題ですが、民主党としては今、査察の強化・継続を求めていますが、無期限に継続しても意味がないということで期限を区切ってということが議論されています。現実的にはどのくらいの査察継続が必要なのか、具体的期限があれば教えてください。イギリスが今、6項目の提案をしていますが、その点についてもお聞かせください。
【幹事長】我々は当事者ではありませんので、具体的にどこまでと言われても分かりません。ただブリクス委員長が数カ月という言い方をしていますから、その範囲のなかで考えていく話だと思います。 イギリス提案については……私がここで何か言わなければなきゃいかん?(笑)
【記者】国連の枠組みを守るためにいろいろな提案をされていることについてどう思われますか。
【幹事長】まあ、事態はイギリス提案について真摯にそれをどうするというような状況じゃないんじゃないですか。
補選での鞍替えの是非
【記者】補選の関係で鞍替えの話がありますが、昨年古賀さんが補選に出馬したときに鞍替え批判で落選され、鞍替えについて後藤さんに迷いがあると聞いています。昨年鞍替えについての党の方針を伺いましたが、批判があることも踏まえて、現時点でも考えが変わっていないかどうかお聞かせください。
【幹事長】ルールは決めたものですから、今これを私がおかしいとかいう立場にはないし、基本的に私はそのルールでいいと思っています。
古賀さんの場合は私はかなり気の毒なケースだと思います。初めてでしたし、私も早い段階で現地に入りましたが、鞍替えについての批判はあまりありませんでした。その後、かなりマスコミが書きましたよね。私には意図的とすら思えるくらい書きました。そのことが相当影響したと思います。
【記者】それが今の山梨の件について影響しているかと思いますが……
【幹事長】確かに影響している部分はあると思います。しかし、そこは有権者にしっかりと語っていくことで十分乗り越えられると思います。
3月7日
○坂井代議士の逮捕—-他の自民党議員に裏金はないのか説明が必要
○自由党との協議—-合流の可否を中心に選挙調整や国民勢力結集も議論
○「政治とカネ」の国会審議を中心に来週は重要な1週間になる
○大島農水相はそろそろ年貢の納めどき、放置する総理も同罪
坂井代議士の逮捕
【幹事長】まず、先ほどの本会議において、自民党の坂井隆憲代議士の逮捕許諾請求が認められ、現実に逮捕もされたと報道されています。
この事件は、これから真相の解明はこれから検察の手によって行われていくと思いますが、少なくとも今分かっているだけでも、大変大きな問題を含んでいる。国民の信頼を決定的に裏切っていると思います。
今、政治資金についていろいろな議論がなされていますが、その議論の前提はきちんと届出がなされている、収支報告書に記載されているということを前提に、さらなる規制の強化や法改正といったことが議論されているわけです。
しかし、今回の事件は、そもそも収支報告書に記載されていない「裏金」の話で論外です。こういう国会議員がいたということは、残念ということを通り越して、誠に遺憾です。
こういう事件が出ますと、じゃあ他の自民党議員は大丈夫なのか、裏金の問題は他の議員にはないのかという疑問が出てくるわけで、そういったことも含めてしっかり自民党および小泉総裁には説明責任を果たしていただきたいと考えています。
事件そのものも、さらに広がりを見せるかもしれません。この問題を引き続き注視していくとともに、こういうことが二度と起きないためにはどうしたらいいのかということを、もちろん、すでに我々が提案している法案などもありますが、この事件は先ほども言いましたように、それをはるかに超える性格を持っていますので、再発防止を含めて、しっかりとした議論が必要だと考えています。
自由党との政権構想協議会
【幹事長】それから、自由党との政権協議についてですが、今日の午前中に第1回の「政権構想協議会」を開催しました。
今回は第1回ということもあり、約1時間半、自由討議を行いました。そして、とにかく次の総選挙が政権交代の最大のチャンスであるという共通認識を両党が持ちながら、両党の合流の可否も含めた関係も含めて、検討を重ねていくということになりました。
併せて、これから両党の合流の可否を中心に議論していくわけですが、それ以外にも選挙区調整ですとか、あるいは政党の外側の応援団、いろんな国民勢力の結集ですとか、そういう問題については合流の可否と並行して進めていくということが確認されました。
最後に私から、合流の可否を検討するに当たっての視点として4つ申し上げて、自由党の藤井幹事長からもそれについて同意していただいたと思っています。
第1は、合流することによって議席が増えるのかどうかという点についての検討。第2が、合流することによって国民の期待感が高まるのかどうか。「高まる」ということは議席増にもつながる、政権交代にもつながるということです。第3に、政党文化の違いをいかにして乗り越えるのかということ。第4に、解散・総選挙が少なくとも1年数カ月以内にある、早ければ夏にもあるという状況のなかで、合流のタイミングをどう考えるべきか。こういった点について、両党でしっかり議論していく必要があるということです。
もちろん、論点はこれに尽きるものではありませんが、一応その4つに今日のところは整理させていただいたということです。
今後の国会運営
【幹事長】それから、今日も臨時役員会を開きまして、来週以降の国会の運び方について議論させていただきましたが、来週は非常に重要な1週間になると認識しています。
衆議院では、大島農水大臣関連の参考人招致を来週中に行うことで合意されており、参議院でも、11日に「政治とカネ」に関する集中審議が予定されています。さらに、イラク情勢がどうなるかといった問題もあり、かなり重要な1週間になると思っています。
そういうなかで、衆議院の側において、大島農水相問題、森山法相・名古屋刑務所問題ですとか、医療費3割負担の問題ですとか、いろんな論点が出てきました。今回の坂井代議士の話もそうです。あるいは小泉総理の親族関係の疑惑もあります。
そういう問題について、来週1週間で、何らかの進展があるのではないかと期待していますし、衆参協力しながら、国民の皆さんにご理解いただけるような審議をしていく必要があると考えています。
医療費3割負担問題
【幹事長】なお、それに関連して、医療費3割負担問題、これはこの前の院内集会のメインテーマでもあったんですが、我が党では国民運動委員会の下に専用のホームページ(http://www.kenpo3.jp/index.htm)を立ち上げまして、国民の皆さんからいろんなご意見をいただこうということにしています。
併せて、都道府県連を通じて、各市町村議会の決議を求めるということで、国民運動委員会を中心にして活発に活動していただいています。
この問題は、国会で議論するだけではなくて、地方議会や国民レベルでの盛り上がりが非常に大事だと思っていますので、国民運動委員会を通じてそういう盛り上げもしていきたいと考えています。
《質疑応答》
都知事選についての今後の対応
【記者】今日、石原都知事が正式に出馬表明をされましたが、そのことに対する感想と民主党の今後の知事選に対する対応についてお聞かせください。
【幹事長】石原都知事の出馬は既定路線ですので、特にそのことについて私は感想はありません。
我が党がこれからどうするかは、実はこれから関係の皆さんにお集まりいただいて、協議をすることになっています。基本的な方向性については前から申し上げていますように、我々としては都候補者を出すことが望ましいという前提の下で、今、具体的な人選に入っているという状況です。
【記者】見通しは?
【幹事長】それを議論するために今日4時から集まることになっています。
【記者】逆にいえば期日が迫っているということもあり、若干遅いような印象も受けるのですが、それについての感想と今後どれくらいまでにどうしたいのかという目途がありましたらお聞かせ下さい。
【幹事長】これは代表とも少し意見交換もしているんですが、これだけ一般の人気がある石原候補に対抗する、対抗馬を立てるということは、なかなか容易なことではありません。立てる以上は勝てる候補、少なくとも勝負になる候補者ということは最低限必要になりますので、そういう意味で時間がかかっているということです。
目途というのは、代表に言わせれば「今日からが本当の勝負だ」ということですから、いろいろな名前も挙がりつつあるようですが、これからしっかり議論していきたいと思います。特に期限を切っているわけではありません。
小宮山参議の補選出馬表明
【記者】昨日、小宮山洋子参議院議員が東京6区の補欠選挙に出馬することを表明されましたが、参議院の比例代表1位で当選されたという経緯もあります。その職を辞して、民主党側の事情で補選に出ることについての幹事長のご意見をお聞かせください。
【幹事長】まず事実関係を明確にしておきたいと思いますが、小宮山議員は昨日ここで会見をされたと思いますが、現時点において、故・石井紘基議員の後継候補として小宮山議員が出るということを党として決定したわけではありません。昨日は小宮山さんご自身の意思を表明されたと受け止めています。
もちろん、この選挙区において故・石井紘基議員のご遺族や後援会の皆様との話し合いということは重要なポイントですから、羽田最高顧問を中心にそういった方々との話し合いを進めるなかで小宮山さんのお名前が出てきたということは事実で、そのことは我々も承知していますが、まだ都連から正式に小宮山さんのお名前が挙がっているわけではありません。従って、党として何か正式に決定したものではないということをまず申し上げておきたいと思います。
その上で、一般論としてお答えしたほうがいいと思いますが、参議院議員の比例当選の方が、今回の場合は衆議院の選挙区選挙に出るということですが、参議院議員として選ばれているわけですから、それなりの理由が必要だとは思います。
今回の場合には、小宮山さん自身の意思だけではなくて、そういうことを含めた周りからのご要望もあってそういうことになったというふうに思います。任期をあと1年少し残しておりますが、逆に言うと任期の大半は参議院議員としてお過ごしになったわけでもありますし、今回のことが何か問題であるとは私は考えておりません。
個人情報保護法案の今後の審議のあり方
【記者】今日、個人情報保護法案が閣議決定されました。報道の適用除外などがありますが、それに対する現時点での見解と、特別委員会で議論しようという話が出ていることについての見解をお聞かせください。
【幹事長】具体的な話は枝野政調会長が党としての見解を述べていますのでそれに尽きると思います。私から付け加えることは特にありません。
特別委員会の話はこれから国会のなかで議論されると思いますが、幹事長に質問されるにしてはちょっと細かいかなという感じがしますよね。野田国対委員長と相談することになると思いますので、その時点でよくご相談したいと思いますが、今の段階で私から飛び越えて申し上げるのは適当ではないと思います。
大島農水大臣の進退問題
【記者】先週の記者会見で幹事長は、「大島大臣は限りなくクロに近いグレーだ」とおっしゃいましたが、1週間の質疑を経て、どのように考え方が変化しましたか。
【幹事長】大島さんはいろいろな問題を抱えているんですが、今回議論になったのは法制次長の問題ですね。衆議院の法制局を使って大臣答弁を作成した問題です。
これは参議院の予算委員会の審議のなかで、参議院法制局長から「参議院はそのようなことはしない」ということをかなり明確に発言されましたので、ますます問題があるということが浮き彫りになったと考えています。
こういう問題では普通、衆参で考え方の違いがないはずですから、私は衆議院も本来同じような考え方に一般論としてはお答えになるのだと思います。そういう意味で、衆議院法制局の対応に問題があったことも明らかになったし、それに依頼した大島大臣の問題点も明確になったと考えています。
先ほど申し上げましたが、来週いろいろな意味で大島農水大臣の問題に関する衆議院における参考人質疑、そして火曜日には参議院における「政治とカネ」の問題の集中審議ということで、これはテレビも入ると聞いていますが、我々としては、そろそろ大島さんも年貢の納めどきではないかと思っています。
【記者】今おっしゃっいましたが、大島大臣のイトーヨーカ堂の件に関しては秘書が600万円受け取って収支報告書に記載がない、つまり裏金だったということで、先ほど逮捕された坂井代議士と同じケースだと思います。従って、来週には不信任案を出すことも検討しているのでしょうか。
【幹事長】これは特に火曜日の審議を見ないと何とも言えないと思います。出すだけなら簡単ですが、我々は出す以上は結果を出したいと思っていますので火曜日に問題点をしっかりと明らかにするなかで、詰めの作業をしていきたいと考えています。今の段階ではそれ以上申し上げられません。
ただ、小泉総理もここまで問題が明らかになっているにもかかわらず、この問題を放置するということは大島大臣と同罪だと言われても仕方がない。そういう状況に今なっていると思います。
裏金授受の再発防止策
【記者】裏金の問題ですが、政治資金規正法の強化とは別の議論が必要だと思います。再発防止のためにこれから議論されるということですが、現時点でどうしたらこういうことがなくなるか幹事長の再発防止策をお聞かせ下さい。
【幹事長】1つは政治家の側としては罰則を強化するということは考えられますね。それから私も法律関係はよく分かりませんが、政治家が個人で受け取って年度内に使えば所得にもならないし報告も要らない。
私も精査しなければなりませんが、こういう扱いになっているのではないかと思います。そういう逃げ道をふさいでいくということも非常に重要な点ではないかと思います。
出す側からすれば使途不明金として処理されているということだと思うんですね。使途不明金などという概念を税務当局が認めないようにするというのが、私は裏金を封じる最大の道ではないかと考えています。
坂井代議士の早期逮捕の合理性
【記者】坂井議員の関係で、今回事件が明るみになってから逮捕されるまでが非常に早いという印象を受けましたが、この早さについてはどのようにお考えでしょうか。
【幹事長】合議的な理由があれば、早いことはいけないということにはならないと思います。問題は根拠なく逮捕許諾請求が出てくるということであれば、それはもちろん過去の歴史を見れば、権力によって政治家の口が封じられるというこになりかねないので、そこは注意しなければいけないと思いますが、今回は証拠隠滅その他の問題からいって、あるいは時効の問題からいって、短期間で逮捕できたということは合理性があると思います。従って、問題があるとは全く考えていません。
三重県知事選での鳩山前代表の対応
【記者】三重県知事選をめぐって、鳩山前代表が結果としてですが、対立候補に出馬を促すような形になってしまったという経緯がありますが、それについて前代表の対応を含めて幹事長のご認識をお聞かせください。
【幹事長】率直に言って残念なことだと思っています。ただ、今何か具体的に問題がこれ以上拡大するということではなくて、一応終息に向かっていると考えていますので、それ以上あまりコメントしたくありません。
【記者】今、「終息に向かっている」という認識を示されましたが、もう少し詳しく言うとどういうことですか。
【幹事長】鳩山前代表とは2回お会いして、かなり地元の状況などもご説明してありますので、それでご理解をいただいたと考えています。
企業・団体献金についての今後の党としての取り組み
【記者】企業・団体献金の見直しの関係で、すでにアンケート調査なども実施されていますが、一部の若手議員が会合を開いて、企業・団体献金を禁止しようという決定もしているようですが、今後の対応をどのようにしていこうとお考えでしょうか。
【幹事長】議員の皆さんが自らそういった企業団体献金を受け取らないということをお決めになること、あるいはインターネットを通じて収支報告を出していこうとか、パーティー券を売らないでおこうとか、そういう自らを律していくことは、党として何か口を挟むべきものではありませんし、私は1つの立派な行いだと評価をしております。
私自身もインターネットでは収支報告をかなり前から出していますが、そういうことはそれぞれの議員が自らの判断で行うことだと思います。
彼らも別に民主党に対してどうこうしろというお話をしているわけではないと私は理解していますので、党としてどうするのかという話と個人がどうするかという話は別の話ですから、混同せずに党としてはきちんと説明責任を果たせるように何をすべきかということを党内で議論していきたいと考えています。
アンケート調査の締め切りが来週の月曜日ですから、その結果なども見ながら「政治とカネ」の問題も今非常に議論されている時期だからこそ、党としてもしっかりとしたものを出していきたいと思っています。
いわゆる「審議拒否」の是非
【記者】国対に対応の話になってしまいますが、大島大臣の問題を中心に来週が山場だということですが、強く迫るために従来からの審議拒否というものも手段として使わざるを得ない場面が出てくるかと思いますが、審議拒否という手段についてはどうお考えでしょうか。
【幹事長】審議拒否という言い方がいいかどうかというのはいろいろ議論が分かれると思いますが、審議をしないということを手段としてそういった目的を達成していく。それは予算委員会と他の委員会でも違うと思いますし、今現に法務とか農林水産の委員会はまだ開かれていないんですね。これを「拒否」というかどうか別にして。
それから、予算委員会でも衆議院と参議院ではまた若干意味が違うと思います。参議院の場合には1カ月経てば予算が自然成立するということで、そういう意味の違いもあります。
私自身はなるべく審議をするという野田国対委員長の方針を強く支持する立場ですが、ただ、「なるべく審議する」ということは—-「審議拒否」という言葉は私はいいと思いませんが—-「絶対にそういう手段を取らない」ということを意味するものではありません。そう言った瞬間に、「何をやっても結局は審議に応じるんだから」ということになっては居座りを防ぐこともできなくなりますので、そういう意味ではあらゆる手段を否定することなく、しかし基本は国会というのは議論をする場だということはちゃんと認識をしながら、ポイントのところでは思い切った手段も臆することなく—-というくらいの感じで進んでいく必要があるのではないかと思っています。まあ、本来であれば小泉総理は、大島大臣を辞めさせておくというのが普通だと思いますね。