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2003.11.30|その他

定例記者会見録 2003年11月

11月28日

○2年半前の国民への発信力を思えば小泉総理は様変わり、あと1年と持たない
○憲法9条をゆるがせにするイラクへの自衛隊派遣に対する「ノー」を行動で示す
○小沢代表代行からは有益なアドバイスをいただけると期待
○都築代議士の秘書逮捕は遺憾なことだが、今できるのは推移を見守ること
○足利銀:債務超過なり過小資本なり、実態に基づいて適切な法的対応をすべき
○経済団体も55年体制ではない、是々非々でお付き合いしていけばよい
○党人事は派閥や旧党派に囚われず実力本位で適材適所の登用をしていきたい

特別国会を終えて

【幹事長】特別国会もあっけなく終わってしまいまして、我々は臨時国会の開催を求めているわけですが、何度も申し上げますが、戦後解散・総選挙が行われたあと通常国会まで所信の表明がなされなかったということはありません。

そういう意味では小泉総理が初めて、解散・総選挙で、つまり国会の院の構成が変わるわけですから、新しいメンバーも当選してきますし、そういう国会において、自らの総理としてこれから3年間何をなすべきかということを述べないまま、通常国会までの間空白の期間を過ごしてしまう初めての総理であるということです。

1つだけの例外として言われる、解散ではなくて任期満了で選挙を行った三木内閣、これは確かに三木さんは所信表明を行いませんでしたが、それは行わないまま福田内閣に代わってしまったために行われなかったわけで、そういう意味で、解散・総選挙が行われ、そして所信の表明を行うというのが今までの慣例でしたが、それを行わない、国民に対して責任を果たさない初めての総理であるということです。

予算委員会でもいろいろ追及したんですが、「いや、そういう国会もある、こういう国会もある」ということで、私の意図を意図的に取り違えて、解散・総選挙ということではなくて、一般の臨時国会で所信の表明を行わなかったことがあるということを時間をたくさん使って長々と述べられて、「いや、それはそうじゃないんだ」ということを申し上げると、最後は「どうして1カ月待てないのか」ということで開き直られたわけですが、2年半前を思い出しますと、あれだけ本会議において発信力を持って国民に対して語りかけた、自らこれから総理として何をしたいかということを述べられた小泉さんですから、それと比べるとあまりの落差に、2年半という時間がこうまで人を変えてしまうのかということを改めて唖然として見ています。

それだけ党内がまとまっていないとか、自信がないということの表れだろうと思いますが、私は質問をしていて、「小泉さん、あと1年持たないだろうな」ということを肌で感じました。

イラクへの自衛隊派遣反対運動

【幹事長】その臨時国会の招集を求めながら、一方でイラクへの自衛隊の派遣の問題について、一部に基本計画を閣議決定するのではないかという報道があります。それは確たる情報がありませんので分かりませんが、もちろんそういうことになれば、これは閉会中審査を求めて国会でしっかり議論をするということが必要になります。

同時に、そういう形でいよいよイラクに自衛隊を派遣することが本格化してくるということであれば、これは大々的な国民運動を展開し、自衛隊のイラク派遣阻止に向けて、民主党として働きかけをしていかなければいけない。国民に対して、共にそういった憲法9条をゆるがせにするような行動についてはっきり「ノー」と言うことを行動で示していかなければならない。そういうふうに考えています。

昨日も党務委員長会議を行っているなかで、これから年末から年始、あるいは来年春にかけての党のポスターを毎年作る時期ですが、そういったイラクへの自衛隊派遣反対ということをメインテーマにしたポスターを是非作るべきだという意見が出されまして、今検討を進めているところです。

小沢前自由党党首の代表代行就任

【幹事長】昨日、小沢一郎代表代行、そのときはまだ「代表代行」ではなかったんですが、小沢前自由党党首と菅代表との間で話し合いが行われて、小沢先生が代表代行、そして「次の内閣」副総理ということで話がまとまりましたので、それを前提にしてこれから党内の人事、そして今回は人事だけではなくて、党の機構も少し変える必要があるのではないかと思っていますので、そういったことも含めて作業に取りかかるということです。

あまり時間がかかりすぎますと、次の通常国会に向けての対応が遅れますので、そう長い時間をかけることなく、と言っても1週間以上はかかると思いますが、具体的な人選も含めて、代表と相談しながら作業に入っていきたいと考えています。

若い記者の方はご存じないかもしれませんが、私にとって小沢先生は政治の世界における父親にあたる存在だということを前から申し上げています。もちろん、すでに独立して家は出ているわけですが、これからもいろんな意味でご指導いただきながら、しっかり党を運営、切り盛りしていきたいと。大先輩ですから、いろんな有益なアドバイスをいただけると思っていますので、そういう形でしっかり次なる参議院選挙そして総選挙、政権をこの民主党が取れるように、一致団結して党の中が頑張れるように、幹事長として責任を果たしていきたいと思います。

先ほどたまたま、議員会館の地下の床屋さんに行きましたら、隣に横になってひげを剃ってもらっている人がいて、よく見たら小沢さんだったものですから、お互い頭を刈ってもらっている最中ですので一言二言だけ挨拶を交わしましたが、また一緒にやれるという期待感も込めて、頑張っていきたいと思っています。

<質疑応答>
小沢代表代行に対する不安感の払拭

【記者】小沢代表代行のことですが、今「政治の世界の父親」とおっしゃいましたが、それだけではなくてやはり新進党時代のことが脳裏によぎってなかなか不安が消えないという一部の議員の方がいらっしゃるようですが、これに対して幹事長自身のご見解はともかく、そういう懸念が党内から消えないことに対して、何か払拭するような手立てといいますか、そういうムードがあること自体、幹事長はどうお考えでしょうか。

【幹事長】それはこれからの党の運営の実績でもって示していくということだと思います。小沢代表代行とのコミュニケーションをよくしながら、もちろん代表を中心にしっかりと執行部がまとまっていくという姿を見せることが、そういったいろいろな心配を持っている人がいるとすれば、それを解消していくことになるのではないでしょうか。説明する前にそういう姿を示せばいいわけですから。

小沢代表代行に期待する役割/都築代議士公設秘書の逮捕

【記者】昨日、小沢さんが代表代行になったわけですが、もう一度改めて小沢代表代行にはどういう役割を期待したいとお考えなのか、改めていただけますか。それから、都築代議士の公設秘書の方が公選法違反で逮捕されましたけれども、これについて現時点で幹事長としてどう受け止めていらっしゃるのか、2点お願いします。

【幹事長】小沢代表代行にどういう役割を果たしていただくかということは、これは私が言うよりは代表が述べられるお話だと思います。

ただ、規約上「代表を補佐する」ということになっていますので、党運営についてまさしく代表を補佐していろんな意味でアドバイスもいただき、意思決定にも参加していただくということを期待しているところです。

それから、都築さんの件は公設秘書の逮捕ということ、それから選挙責任者の方の自殺というのがその前にありまして、大変痛ましいことだし、こういう逮捕者まで出したことは残念なことだ、遺憾なことだと考えております。

都築さんは今日記者会見をされて、そして「自らはそういったことがないようにと口を酸っぱくして言ってきた」と会見をされたと聞いていますが、党本部としては事態の推移を見守るということが、今できる唯一のことだと思っています。

足利銀行への公的資金投入

【記者】政府が足利銀行に対して公的資金の投入を検討していると伝えられていますが、今年5月にりそな銀行に対して資本注入をした際、民主党としては株主責任を問わない形での処理を随分批判されていたと記憶しています。現時点で足利銀行に対する公的資金投入に対して、まだ決定はされていませんが、どのように見ていらっしゃるかお考えをお聞かせください。

【幹事長】1つは私たちは具体的なデータを持っていせんので、あまりこういった民間企業のことについて確たるデータを持たずに語ることは注意深くしたいと思います。そのことがいろんな憶測を呼び、思わぬことにつながるということがあるかもしれませんので慎重でありたいと思っています。

そういう意味で一般論として申し上げたいと思いますが、報道では今おっしゃったようなことが報道され、あるいは債務超過ではないかという話もあります。りそな銀行の場合に我々は、株主責任を問わなかったことについて批判をしたわけですが、今の時点で言えばそれ以上に、結局新しい経営陣が決まって適正な引き当てをした結果、自己資本率がさらに下がってしまったということがあります。もし新しい経営陣が採用した基準でやっていれば、りそな銀行は債務超過だったという疑いが濃厚でありまして、債務超過であれば資本注入ではなくて国有化というのが法律上の取るべき結果です。

そういう意味では本来すべき国有化を行わずに、政府が債務超過である銀行に対して資本注入という間違ったやり方で対応したということは非常に大きな問題だと考えています。私は竹中大臣はそのことだけでも辞任に値すると考えています。

今回の足利銀行の場合はデータがありませんので、申し上げることは困難ですが、もし債務超過であれば債務超過に沿った対応をなされるべきですし、債務超過ではなくて自己資本が不足しているということであればそういった対応がなされるべきだと考えています。しかし、今の段階で我々がそれ以上のことを申し上げるべき状況にはないということです。

小沢代表代行の就任時期と常幹への出席

【記者】2点あります。1つは小沢さんの関係で細かい確認なんですが、今後の小沢代表代行をいつどういう手続きで決定するのか、他の人事との絡みもあると思いますのでその段取りと、常任幹事会への出席はいつなのか、その見通しを教えてください。

【幹事長】まず、「いつなのか」という話については、その他の人事も含めて両院議員総会を開いて承認を得るという手続きが必要なものがあります。

ですから両院議員総会をいつ開くのかということになると思いますが、再来週の前半ぐらいを目指したいと思いますが、それはこれからの作業の進み具合ですので、何とも申し上げられません。なるべく早くというふうに思います。ただ、先ほど言いましたように、かなり大がかりな異動になりますので来週中というのはちょっと厳しいのかなと思っています。

それから、代表代行の常幹へのご出席は、そういった手続きを経て正式に代表代行に決定されたときに常幹が開かれるのであれば、代表代行というのは副代表の中で代表代行になられたということですので、当然副代表も含めて常幹メンバーですから、常幹に来ていただくようご通知申し上げることになると思います。

参院選の候補者擁立状況と議席増に向けた戦略

【記者】2点目は参院選への対応ですが、今までも繰り返しお述べになっていますが、改めて現時点での候補者擁立・調整の状況と、今回の改選を迎える35人の方々、その35議席をどう維持あるいは拡大していくのか、その辺りの見通し・戦略も併せてお聞かせください。

【幹事長】まだ全体の見通しについては述べる時期ではないと思います。今、各都道府県連の代表者を呼んで順次話を聞いているところで、来週にもその作業の残された部分について行う予定にしています。

今週は複数区を中心に1人区のところも少し含めて、お話を聞かせていただいて実情把握と候補者が定まっていないところについては早く決めるようにと、年内に作業を終えて欲しいということを個々にお願いしています。

5年前は非常にいい結果を得ていますので、なかなかそれ以上に積み上げていくことは大変だと思いますが、やはりポイントは1人区でどれだけ取れるかということだと思います。複数区で1人取るのは当たり前で、もっと言えば複数区で特に3人区、4人区のところで2人取れるところがあるのかどうか、それからもう1つは1人区でどれだけ取れるのかということが非常に重要だと思っています。

比例区の部分も前回の参院選は非常に結果が悪かったんですが、衆院選では2200万票を得ているわけで、それだけの数字が出ればかなり比例区でも増えますから、そのことも頑張らないといけないと思っています。今の段階では、そういう一般論に留めておきたいと思います。

労組依存の解消

【記者】今の参院選に絡むんですが、これまで組合出身の方とか労組依存の傾向が強いという言われ方をしたと思うのですが、今後どのように幅広い人材の発掘を進めていくんでしょうか。

【幹事長】連合も産別労組も選挙における非常に重要な担い手であると、衆院選も含めて考えてますが、依存度がそんなに高いとは考えていません。

たまたま発表の仕方が比例区について先に決まった人を発表した結果、産別代表が名を連ねたということであって、これからブロックの代表としての比例区の候補者、あるいはそれ以外の知名度の高い比例区の候補者といった方々が出てきますので、労組の依存度が高いという印象は薄まっていくと考えています。

ちょっと固定観念じゃない?今度の民主党の新しく当選した58人を見ても、いろんな多様な顔があることは一目瞭然だと思いますね。

経済団体との関係

【記者】労組のお話がありましたが、逆に経団連など経済界との付き合い方についてお伺いしたいのですが。

【幹事長】経団連というか経済団体も55年体制ではありませんので、是々非々でやっていけばいいと思います。

例えば、商工会議所とか商工会、あるいは中小企業家同友会などは地域経済に非常に根を張っていますよね。そういった地域経済の中での中小企業の皆さんというのは民主党にとっても非常に大事なサポーターになり得る存在だと思います。

それから経団連や同友会など大企業と言われるところの経営者の皆さんも、感覚的にはマニフェストなんかを読むと自民党よりも民主党のマニフェストのほうがピッタリくるところが結構あるという声も聞くんですよね。

それは政策ごとに一致するものは推していただきたいし、イデオロギーも基づいてノーと言う必要はないと思いますね。是々非々で行きたいと思っています。

そうは言っても自民党さんとの関係が濃いというのは事実ですね。

党人事改造の基本理念

【記者】党人事のことですが、先ほど大幅なものになるということをおっしゃいましたが、個別の人事はともかく、基本理念としてこういう人事改造をしたいというかそういうのはありますか。例えば、旧自由党の方々をもっと取り込めるような形にしたいとかですね……

【幹事長】そういうのは基本理念とは言わないんだよね(笑)。

もちろん、2つの党が1つになったわけですから、完全に融合した形を示したいと思います。だからといってバランス人事とかそういうふうには考えません。

私は従来から党の中に派閥を作るべきではないという意見を持っていますし、自分としてはそういうふうに行動してきたつもりですので、あまり旧党派とか、どんどん新しい人が入ってきていますからそういうことは民主党においては過去の話になりつつありますが、どうしてもそういうのでやりたい人も中にはいらっしゃいますが、そういうことに囚われずに、実力本位・実績本位で適材適所登用していきたいと考えています。

自身の幹事長続投

【記者】幹事長自身の人事ですが、一部報道で小沢さんの人事に呼応するように、幹事長続投も決まったというような報道もありますけれども、これは幹事長自身の理解としては菅さんとのお話で……

【幹事長】どうなんでしょうね?(笑)

【記者】お尋ねしてるんですけど……

【幹事長】そういう前提のような話がずっと続いていますので何となくそうではないかと思いますが……確認するのもおかしいですから確認はしていませんが。

私も昨日までは、その先の話はなるべくしないようにしてきたつもりですが、今日は代表とお話しするタイミングはありませんが、月曜日から少し具体的な話をお互い持ち寄ってしなければいけないとは思っています。

そこに私は幹事長を違う人に当てるという案は持っていきませんが、代表からそういうのが出てくれば、そのときには「分かりました」と言うだけのことですから。幹事長は代表が選ぶということになっていますので。私はどちらでも構いません、はい。

11月21日

○所信表明なき特別国会:憲政史上稀に見る事態、総理は国民の顔を見ていない
○来週の予算委では、所信表明をしない総理に対し内政・外交の基本を質す
○道路公団の新総裁が力量を発揮できる体制を政治がきちんとつくることが大事
○参院選:候補者擁立を進めながら、政権党として国民の信頼を得るべく努める
○田中真紀子議員には、外相経験者として川口外相と大いに議論してもらいたい
○新人議員が地元の一般有権者と触れ合い議論することが次の選挙につながる
○他党への投票依頼が事実なら、党のルールに従った措置が必要になる
○マニフェストで示した政策は、現実的判断をしながら適宜具体化していく
○大阪府知事選:府連の判断を待って、党としての対応を決める

所信表明なき特別国会

【幹事長】まず、特別国会も始まって予算委員会の日程も粗々決まったようですが、火曜日に我が党は代表と私、そして山岡議員が質問するということで考えています。

これから具体的な質問の調整をしたいと思いますが、とにかく本来であれば所信表明を行うべきところ、それを飛ばして、しかもわずか半日の予算委員会で済ましてしまおうということですから、国民から逃げていると言われても仕方がありません。

自民党総裁規定によれば、これから3年間の任期があるわけですから、3年間で総理として自らが何をするのかということについて、しっかり国民に対して述べるいい機会であったにもかかわらず、その機会を自ら封じてしまったということは考えがたいことです。すでに、国民に顔が向いていない総理であるということがはっきりしたと思います。

過去の例を調べましても、1つだけの例外を除いて、総選挙の後には必ず特別国会または臨時国会で所信表明をしています。1つだけの例外というのは、三木内閣の任期満了で総選挙が行われ、その後内閣が代わった、総理が代わったケースです。

そのケースだけは通常国会での施政方針演説まで少し時間が開きましたが、それ以外では私の調べた限り、必ず特別国会、臨時国会を開催して所信表明をしていますので、臨時国会も開かないと総理は言っているわけですから、これは前代未聞のことが起こる、憲政史上稀に見る出来事ことが起こるということだと思います。

そういったことついて猛省を求めますし、我々としてはきちんと臨時国会を開いて所信表明を行い、そして代表質問と予算委員会質疑を行うよう強く求めていきたいと考えています。

テロの続発と自衛隊派遣

【幹事長】次に、いろいろとテロが続発しています。当然、予算委員会でも議論になりますが、イラクへの自衛隊の派遣がますます適切でない状況になっていますので、自衛隊を派遣しないということを直ちにきちんと意思決定するように予算委員会を含めて求めていきたいと考えています。

予算委員会質疑の内容

【幹事長】それから、予算委員会でどういうことを議論するかということは、これから代表とも相談したいと思っていますが、私としてはそういった所信表明がない状態での予算委員会ですから、具体論・各論もさることながら—-もちろん道路公団やイラクへの自衛隊派遣、年金制度改革などもやりますが—-総理の所信表明がないというなかで、内政・外交の基本についてきちんと議論したいと考えています。

<質疑応答>
チャレンジングな参院選挙区

【記者】今日、政府が「国民保護法制の要旨」を決定・公表しました。「大規模テロにも準用する」といった記述もありますが、幹事長の感想というか、どういうところに問題があるかご指摘いただきたいというのが1点と、今後通常国会などで民主党はこの国民保護法制についてどのような立場で取り組んでいく考えかお聞かせください。

【幹事長】私はまだ中身を見ていませんが、「大規模テロを含めて」というのは、そもそも現在の武力事態対処法自体に大規模テロが入っているのか、入っていないのかはっきりしない状態で、大規模テロは武力事態に入るという議論もあったと思いますので、ちょっとコメントは差し控えたいと思います。これからをよく見て申し上げたいと思います。

ただ、次の通常国会の中で大いに議論をし、そして基本的人権にも配慮したものとして成立をさせるということは必要なことだと考えています。

道路公団新総裁人事

【記者】道路公団の近藤新総裁について、「参議院議員任期の途中で」という批判もありましたけれども、そういったことも含めて、新総裁決定の一連の経緯をご覧になってどうお感じになっていられるか、予算委員会でもぶつけられるかもしれませんが教えてください。

【幹事長】経済界の皆さん、特に経団連の皆さんが異論を述べておられるのは、これは自民党と経団連との問題ですから、経団連としては自らの代表を出そうということで参院選でカネも出し、汗も流したなかで、近藤さんが簡単に議員を辞めてしまったことに対する批判だと思います。それは民主党の立場でどうこう言うことではありません。

ただ、非常に中途半端な人選だったと思いますし、自ら道路公団についてはほとんど分からないということを言われている方ですし、そして何より問題なのは道路公団の総裁が本当にきちんと力量が発揮できるだけのバックアップ体制ができているのかということです。

それはこれから予算委員会の中で議論していくことではありますが、例えば整備計画路線について、採算の悪いものは造らないということを新総裁も言われているようですが、それは新総裁の前にきちんと政治が判断すべきことで、本来、民営化の最大の意味というのは無駄な道路を造らないことにあったはずで、公団が無駄な道路も含めて造らせられるということになれば民営化などできないわけです。

あるいは公団がやらないにしても整備計画路線を全てをやるんだと公明党などはマニフェストで述べていますが、そういったことについて、総理として、まずきちんと判断を下さないと、いつまで経っても議論が煮詰まっていかないと思います。そういったことを恐らく予算委員会でも議論することになると思います。

参院選の位置付けと取り組み

【記者】来年夏の参院選についてですが、これからどういったスケジュールで候補者擁立をしていくのかということと、政権交代に向けた参院選の位置付けについてお聞かせ下さい。

【幹事長】まずスケジュールですけれども、なるべく早く候補者を決める必要があります。したがってまず、来週には複数区でまだ候補者を決めていない都道府県連を呼んでヒアリングをし、早く決めるように指示を出すつもりです。引き続いてまた、当選可能性が高い1人区について、来週にも呼んで年内に決めてくれといことを強く申し上げるつもりです。

5年前の選挙は民主党としてはかなりいい結果を出したものですので、それをさらに上乗せしていくというのは現実なかなか難しい問題ではあります。ただ、1人区でどこまで勝てるかということが重要だと思います。複数区は当然1人は通るということになりますが、もちろん2人出して2人通るという複数区もあるかもしれませんが、愛知などは現に2人立てていますが、重要なのは1人区でどれくらい取れるか。

例えば新潟県とか滋賀県とか、滋賀県は衆院選の4選挙区の中で3つは小選挙区を取っているわけですね。そして1人は惜敗率で上がって、4つとも埋まっているわけです。奈良も4つのうち2つを取りました。

それから、前回2年前の参議院選挙で1人区を制した三重、岩手といったところを中心に、1人区でどれだけ勝てるかということで、上乗せができるかどうか決まってきます。

5年前には複数区だったところが1人区になったところもありますので、厳しいところもありますが何とか上乗せができるように頑張っていきたいと思います。

参院選に向けての政権戦略

【記者】先ほどの参議院選のことにちょっと絡みますが、自公政権になったことを受けて、来年の参院選を目指して、どういうふうに政権批判というか戦略を立てていくのかということをお聞かせ下さい。

【幹事長】1つは大いに国会の場で論争・議論していくことだと思います。批判のための批判ではなくて、きちんと対案を示しながら批判をしていきたいと思います。

そのときに、1つの基準といいますか我々の示したマニフェスト、これを全ての候補者が前面に立てて選挙を戦ったわけで、これを1つのよすがとしながら大いに議論をしていきたいと思います。

もう1つは幹事長としていい候補者を立てるということも重要ですし、同時に民主党が政権を任されて大丈夫だという信頼感を得られるように、党の中をしっかりまとめていくということは非常に重要なことだと思っています。

そういったことの全体の結果として参議院選挙で議席を増やし、次なる総選挙に向けての重要なステップにするということです。

田中真紀子議員の外務委員会配属

【記者】田中真紀子さんが外務委員ということになって、田中さん、小沢さんと人材もかなり揃ってきたと思うんですが、来年の通常国会では川口大臣との新旧大臣対決もあるかもしれませんが、外務委員になった田中真紀子さんに対する期待感を改めてお聞かせください。

【幹事長】真紀子さんは会派に参加されたわけで、民主党そのものではないのですが、非常に国民の考え方ということを捉えて非常にメリハリのある力のある発言をされる方です。

今回外務委員になられたわけですが、大臣経験者として一般の国民の知らないこと、あるいは我々外から見ていて分からないこともご存じなわけですから、例えば機密費の問題などそういったことも含めて、外務委員会において川口外務大臣と大いに論戦していただきたいと期待しているところです。

新人議員の政治基盤強化

【記者】今回の総選挙で当選された58名が新人の方ですが、今後新人議員のトレーニングといいますか研修みたいなことを具体的にどういうプランでお考えなのかお聞かせください。

【幹事長】それぞれ国民に選ばれた国会議員ですから、トレーニングという言い方は私は好きじゃありませんが、この前私と政調会長、国対委員長のところで、まず基本のところについてお話をさせていただきました。

いろいろな機会を見て、そういった国会議員として、あるいは政治家として活動する際の基本になることについてはしっかりと理解していただけるように機会をつくっていきたいと思います。

同時に、やはりそういった58人の皆さんが次は選挙区で全員勝つということが政権交代につながるわけで、日常の地元における活動も含めてこれから具体的にいろいろ申し上げていきたいと考えています。まだどういう組織でとか、そういうことは詰めていません。

【記者】それはこれから地元での組織づくりとか組織固めみたいなことを念頭に置かれているんでしょうか。

【幹事長】そういうことも含めてですね。やはり我々も選挙戦で全国の選挙区を回っていて、そういった自前の支援者のネットワークというのを作り得ていないという方もかなりいらっしゃいましたので、最初は民主党という名前と支援団体その他の支援の中で当選ができても、2回目以降はそういうわけにはいきません。特に接戦になればますます地力の差が出ます。

相手は自民党の既存の支持者に加えて公明党支持者という二段重ねの布陣ですから、それを乗り越えていくということは相当な日常活動が必要になりますのでそういったことについてしっかりと理解をしていただけるように、我々も申し上げていきたいと思っています。

そういうふうに日常活動、例えば私の例でいえば地域での後援会づくり、あるいは座談会、タウンミーティングと言えばより聞こえがいいかもしれませんが、普通の有権者との普段の意見交換や対話を通じて政治に求められているものということが理解されてくるわけで、そういった日常活動の結果いろんなことができるわけです。

そういったことについて、従来はどちらかというと自民党議員の専売特許のようなところがあります。最近は自民党の議員すらそういうことをやっていない、単なる業界団体の上に乗っかっているだけの議員も多いと思いますが、一般の市民の皆さんとしっかり議論できる、触れ合うことができるような、そういう日常活動を多くの議員や候補者ができるように示唆していきたいと思っています。そのことが選挙にもつながるということですね。

総選挙における他党への投票依頼

【記者】今回の衆院選で公明党との関係で、民主党の中に「比例代表は公明党で」という訴えをした方がいたという話で、具体的には東京10区の鮫島さんについては都連から厳正な対応を求めるといった要望を幹事長にしたと伺っています。鮫島さんのケースも含めて、この問題について実情をどの程度把握されているのか、それから今後の対応についてお聞かせください。

【幹事長】実情の把握は現在努めている最中です。そういう中で、もし今の党のルールに反するようなケースが出てくれば、党のルールに従って措置していかなければいけないと考えています。

比例は何々党へということで、候補者が民主党以外のところをお願いしたという明らかな証拠があれば、それは党のルールに反していますので、そういうケースが本当にあるのかどうかということを精査していきたいと思います。

自民党の場合には明らかにそういうケースが非常にたくさんあったわけですが、我が党としては他党を利する行為というのはしてはならないことになっていますし、しかも選挙戦の最中の話ですのでそういうケースが明確な証拠をもってあれば一定の対応が必要になってくると考えています。まずそういうケースがあるのかどうかについて、現在作業を始めたところです。

【記者】鮫島さんについては都連から報告があったと思いますが、現在なお調査中なのか、その辺はどうなんでしょうか。

【幹事長】よく話を聞いてみないといけないですね。まだそこまで行ってません。1人だけなのか他にもおられるのかということも含めて、対応が必要ですから。

自衛隊を派遣しない場合の海外からの批判

【記者】イラクへの自衛隊派遣について、民主党は出すなという主張ですが、これに対してすでに出している国、例えばイタリア、オランダ、オーストラリア、韓国、そしてもちろんイギリスなどがありますが、そこから危ない仕事を自分たちにさせて何もしないという批判が出てきた場合にどのようにお答えになりますか。

【幹事長】日本には憲法9条があるということです。武力行使には参加しないというのが日本国憲法ですから、戦闘地域と非戦闘地域の区別ができないなかでは、それは武力行使に該当する。そこは政府も同じだと思うんですね。

戦闘地域と非戦闘地域に分けられるということで政府は説明しているわけですが、分けられないとなった瞬間にそれは憲法9条との関係が出てきます。もし、それでも自衛隊を派遣しろということになると、憲法そのものを考えるということにならざるを得ないと思います。

新たな党人事体制

【記者】参院選に関連して先ほど、党をきちんとまとめていきたいというお話がありましたが、人事について菅代表は特別国会が終わるころまでには決めたいということをおっしゃっていましたが、幹事長ご自身としては特に旧自由党の小沢さんの処遇も含めて、どういう体制で今後通常国会を経て、参院選に臨むのが望ましいとお考えでしょうか。

【幹事長】私は個別の話はしません。ただ、1つは党の組織そのものが今のままでいいかとどうかということについても、再検討しているところです。

それから、個別の人事のことは申し上げませんが、やはり政党組織ですから意思決定すべき場で意思決定をするという形が必要ですので、そういう意味では旧自由党に所属されていた皆さんもそういう意思決定の場に入っていただいて、そしてもちろん決めたことにはそれに基づいて行動していただくという、組織として当然のことを実行できるような形が必要だと思っています。一般論で申し上げます。

今後のマニフェストの取り扱い

【記者】マニフェストの件ですが、政権を取った場合にこういうことを実行しますという中身ですが、今後対案という形で出していくのかということと、例えば政治資金の問題であれば民主党だけで自主的な対応も可能かと思うのですが、そういったことについてはどうされるのか。有権者は投票したけれども、その場限りのことでしたよということだと問題があると思うんですが、その辺りご説明ください。

【幹事長】もちろん、基本は我々が政権を取った場合にそれを実現するというのがマニフェストですので、政権を取れなかったという現実がありますから、次に政権を取るときまでにそのマニフェストをバージョンアップしてもう一度世に問うということが基本です。

ただ、国会の論戦の中でそのマニフェストに書かれたことについて議員立法をして政府・与党にぶつけていく、少しでも実現を図るということは必要なことですから、それは折に触れてそういったことを考えていきたいと思います。

最後におっしゃった点はなかなか難しい問題ですが、政党として同じ土俵の上で競争をしているときに、自らどんどん手足を縛っていけば政権は遠のいてしまう場合もあるかもしれません。そういう点については現実的な判断をしながら考えていくということで、十分ご理解いただけるものだと思っています。

大阪府知事選への対応

【記者】民主党の江本参議院議員が大阪府知事選に出馬する考えを正式に表明されましたが、党としての対応をお聞かせください。

【幹事長】参議院の執行部でいろいろ慰留に努めたようですが、どうしても出られるという決意が固くて今日の記者会見になったということです。我々は一緒にやってきた仲間ですから、参議院を辞めて知事選に出られることは非常に残念なことだと思っています。

今後、党として大阪府知事選についてどういう対応をするかということについては、党のルールに従って、大阪府連からのどういうことで上がってくるのか、今週末ぐらいに府連で議論をするということも聞いていますので、それを待って判断をしたいと思います。

一般論でいえば、江本さん以外の人を推薦ということで府連から上がってきて、常任幹事会で議論した結果推薦ということになれば、それは江本さんはかつての仲間だったとしても応援できないということになりますが、江本さん自身が推薦を希望するということはどうもなさそうです。

もう1つのケースは推薦ということが上がってこない状態、誰も推薦ということが上がってこないという状態、あるいは上がってきても誰も推薦しないと決めるということも考えられます。そのときは基本的に個々の議員の判断に委ねるということになります。いずれにしても府連の対応をまず見極めたうえで、常幹で議論するということになると思います。

今申し上げたことを、昨日太田知事にも一般論で申し上げておきました。

11月14日

○今回の総選挙を総括するとともに、参院選、次期総選挙に向けて準備を急ぐ
○総選挙後に総理が所信表明しないのは前代未聞、しっかりと求めていく
○参院選でも、総選挙で掲げたマニフェストをバージョンアップして臨む
○複数区での議席確保、有望な1人区での勝利を前提に参院選対策を進める
○著名人候補者の是非は、民主党の考え方への共感度が大きなポイント
○農村部での民主党支持は時間差こそあれ確実に広がりつつある

総選挙の総括

【幹事長】まず、総選挙も終わりまして、177議席という議席を民主党は得たわけですが、今日、総合選対本部の会議を開きまして、その第1回の総括について議論しました。

その議論もそうなんですが、同時に今後の、次なる戦いということで、私から1つは参議院選挙、もう1つは次なる総選挙に向けての対応ということで発言しました。

参院選につきましては、もう1年をとっくに切っている状況ですので、まず複数区で確実に取るということが前提になります。

もちろん、複数区で2人取ることを狙うということも課題としてこれから挙がってくるかもしれません。現に愛知県では2人候補者を立てています。

あと神奈川や東京をどうするかという議論は今後出てくるかもしれませんが、いずれにしても、複数区で確実に1人取っていくということは大前提ですから、まだ複数区で候補者を立てていない選挙区がいくつかあります。そういうところについて、擁立を急ぐということが1つです。

同時に、1人区の中で、特に今回の衆院選において、民主党の得票が多かったとか、あるいは民主党の議員が当選を複数果たしたとか、そういった選挙区につきましては、当然1人区でも勝つ可能性があります。

3年前の前回の参院選挙では1人区では岩手と三重の2県だけだったわけですが、やはり1人区でさらに増やしたいと考えていますので、そういう1人区で有望なところについても、候補者を年内のできるだけ早い段階で立てられるように、これから各県連代表を呼んで個別に要請していこうと。

衆院選につきましては、もう次なる戦いが投票日の翌日から始まっています。我々は、惜敗率で上がった人も含めて、177人のバッジを付けた候補者を選挙区に抱えているわけです。それ以外の残る123の選挙区につきましては、候補者の擁立を急がなければいけないということで、前回の選挙で、惜敗率でも上がれなかったけれども健闘した候補者については、継続して次の選挙を戦っていただけるように、手続きを迅速に進めたいと考えています。

特に、新人で惜敗率が5割を超えたような候補者、そういった方を中心に党の手続きを急ぎ、公認候補予定者として早く認めて、次の戦いに向けてスタートしていただこうと考えています。

特別国会にあたって

【幹事長】次に、国会の話ですが、国対委員長の下でいろいろとご検討いただいています。与党側もいろいろと言い値で言っているようですが、やはり総選挙が行われ、そしてメンバーは変わらないとはいえ新しい内閣がスタートしたわけですから、所信表明つまり国民に向かって小泉総理が今度の内閣で何をしたいのか、明確に述べることが必要だと私は思います。

これは述べる場は国会しかないわけですから、国会でしっかり所信表明をしていただき、そしてそれに対して代表質問あるいは予算委員会で質疑をするということが必要だと考えています。

もしそれをしないまま、所信表明がないままで通常国会まで行くということになると、例えば予算編成なども、所信表明が国民に伝わらないまま政府予算案を編成するということになるわけで、これはおよそ前代未聞のことだと思います。

総理が何をしていいのか分からないというのなら別です。今の状況の中で、経済も外交も自分が何をしていいか分からなくなっているから国民に語れないというのなら、それはもう即代わっていただくしかないんですが、内政・外交について自らの所信をしっかり述べるというのは、当然のことだと思いますので、あくまでもそのことをしっかりと求めていきたいと考えています。

<質疑応答>
参院選のマニフェスト

【記者】先日、菅代表からお話があったのですが、参院選に向けてのマニフェストというか公約についてはどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】基本的に、衆議院であれ参議院であれ、党のマニフェストを掲げて戦うというのは当然のことだと考えています。

したがって、衆院選で掲げたマニフェストについてバージョンアップをして、表現の仕方などそういったところについて今回の反省もあるかもしれません。そういったものはしっかり補いながら、次なる参院選で同様にマニフェストを掲げて選挙をするということは当然のことだと思います。

総選挙でようやくマニフェスト選挙が定着しかかっていますので、是非次の参院選でそれを確実なものにしていきたいと考えています。他の政党にも同様のことを呼び掛けたいと思います。

チャレンジングな参院選挙区

【記者】参議院選挙について、1つは衆院選で複数取ったところは1人区でも立てたいということですが、これは例えば奈良県なんか1区、2区で小選挙区で勝ちましたが、こういったところが念頭にあるんでしょうか。

【幹事長】どこがと具体的に言い出すとキリがないのですが、まだ決まっていないところでいうと岩手、山形もそうですね、惜敗率で2人入っていますし、新潟もそうですね。それから三重、滋賀、奈良、そういったところが特に我々も努力をすれば1人区でも勝つ可能性が十分にあるという選挙区ではないでしょうか。もちろん、これだけではありません。

【記者】それに対して、政権奪取のシナリオの中で来年の参議院選挙をどのように位置付けているか教えてください。

【幹事長】実は5年前の参議院選挙はいろんな要素もあるなかで、民主党としては非常にいい成績を収めた選挙でありますので、そういう意味であまり大きく議席を増やすとかそういったことはなかなか難しいところもあります。

ですから、一遍に過半数を我々が取るというのは非常に厳しいということを認識しつつ、しかし次なる総選挙に向けてしっかりと足場を固めるためにチャレンジしたいと思っています。

やはり1人区でどれだけ取るかというのは、1つの目安になるのではないでしょうか。前回に2つだったのが、これがかなりの数出てくるということになれば、次なる総選挙に向かっての大きなステップになると思います。

前回、出来過ぎたところがあるんだよね。複数取れたところがかなりあって、愛知、岐阜なんかも2人立てて2人通りましたからね。神奈川……そういったところ、岐阜なんか、結局調整できずに2人出したら2人とも通っちゃったという部分もありますから、今回2人出すということはあり得ないと思うんですね。そういう部分も確かにあると思いますが、なるべく意欲的にチャレンジングにやりたいと思っています。

著名人候補者擁立に対する考え方

【記者】今日の総合選対本部会議で議論があったようですが、前回2年前の選挙で著名人が各党乱立して批判もあったと思うのですが、現時点で幹事長として、著名人を出して票を稼ぐという選挙を各党取ることについてどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】著名人と一括りにしてしまうとなかなか言い方が難しいのですが、その人次第じゃないでしょうか。

民主党の考え方をきちんと理解し、共鳴していただくことで社会的に名の通った人という方がいらっしゃれば、それは出ていただくほうがいいに決まってるわけで、やはりそこのスクリーニングといいますか、何でもかんでもということではなくて—-前回が何でもかんでもだったと言うつもりはありませんが—-やはり民主党の考え方に対する共感度というのは大事なポイントだと思います。

農村部選挙区への対応

【記者】政権交代を掲げながら、177議席と躍進はしましたけれども、まだ政権交代には至っていないという一番大きな要因で、自民党の支持基盤であるいわゆる農村部などで、今回も新潟など一部を除いて浸透しきれていなかった部分があって、その辺り自民党の支持基盤である農村部を今後どう崩していくのかというのがやはり政権交代に向けた1つの大きな課題になってくると思うのですが、その辺りの総括というか議論はどうなんでしょうか。

【幹事長】前回と比べればはるかに広がっているとは思いますね。前回、1区現象と言われたものがさらに広がって、これは時間の関数でもあるので次第に時間が経てば経つほどそういった民主党に対する共感というのは広がっていくので、今回の総選挙よりも数年後の次の選挙はさらに広がると思います。

もちろん、政策的にも十分そういったことを意識しながらやっていく必要があると思いますが、悲観はしていません。

それから、やはり今回の選挙で民主党は力負けしていないです、選挙区についても。やはり公明党支持者の方の票の分だけ足りなかったというところが非常に多いわけで、それがなければ我々は小選挙区のほとんどを征していたんじゃないかと思うんですね。

逆に言うとそれだけハンディキャップを我々は負っているわけですが、それを跳ね返すだけの力をつけなければいけない。自民党候補に比べて2〜3万票多く取れるということになって、初めて勝負になるということです。それは十分可能なことだと思います。




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