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2003.12.05|その他

戦後政治に大きな一歩 次の総選挙で必ず政権

――衆議院比例では第一党となったが、しかし目標の政権交代はできなかった。その原因について。

小選挙区で競り負け

地元での活動不足

今回の選挙二つの特徴があった。一つは政権選択の選挙、もう一つはマニフェストを前面に掲げた政策本位の選挙だ。この二つはいずれも民主党が土俵をつくったもの。

これが非常に成功した。政権選択、政権交代のリアリティーを有権者が初めて感じた選挙という意味では画期的だと思う。

もう一つの、マニフェストを掲げた政策本位の選挙もいままでになかったこと。候補者がそれぞれの公約を勝手に掲げて選挙に臨むのではなく、政党として責任を持って政策を期限、財源つきで、有権者に対する契約として打ち出した。最も具体的で内容があったのは民主党のマニフェストで、これは選挙後の世論調査でも裏付けられている。つまり選挙の質が全く変わった。この二つの「政権選択の選挙」「政策本位の選挙」という流れはもう変わらない。戦後政治に大きな一歩を踏み出したと位置付けられる選挙だった。

しかし政権獲得に至らなかったことは我々の力が足らなかったと率直に認め、反省しなければいけない。比例で2200万票いただき、第一党になり画期的なことだった。ただ小選挙区において力が及ばなかった。ここが最大の反省点と思う。

なぜ小選挙区で競り負けたのかだが、いくつかの理由がある。最大の問題はわが党及びわが党の候補者がまだ日常活動が不足していること。自民党の候補者が「金帰火来」で週末に地域に密着して活動をしているなかで、相対的には、民主党の議員に地域活動が不足している人が多かったのではないか。

弱い地域への対策

議員活動が問われる

もう一つは、西日本を中心に非常に弱い地域がはっきりしている。中国、四国、九州南部、埼玉を除く北関東、そして日本海側が非常に弱い。特に中国、四国、九州で不戦敗を含め47も負け越している。今回も広島2区、惜敗率での復活も含めれば岡山2区、徳島2区などで議席が得られているので明るい芽はある。もう少し弱い地域に対して集中的な対策を次の選挙に向けて考えていかなければいけない。

もう一つは、都市部で伸び切れなかった部分がある。大阪、奈良、滋賀を含めて関西圏、埼玉とか千葉、ここは非常に良い結果だったが、前回良かった東京や神奈川がやや伸び悩んだ。これは自民党のベテラン議員が「今度は最後だ」と死力を尽くしたこともあるが、こちら側に油断もあったのではないかと思う。千葉や埼玉では伸びているので、選挙戦術が間違っていたとは思わないが、次の選挙では東京や神奈川もさらに伸ばさなければいけない。

もう一つは、初当選した議員は、2回目の当選がより難しいこと。1回目は若くて、民主党ということで投票してくれる人も、現職になると次は候補者本人が議員として資質などを有権者から判断される。これは今回の新人議員の皆さんにしっかり申し上げたいが、政治家としてどういう活動をしているかが判断される。1回目より厳しい目で見られることを自覚していただかなければいけない。


――参議院選挙、次の総選挙が控えていますが。

参院選で勝利する

総選挙の準備急ぐ

民主党としては次の総選挙で政権交代の実現を具体的な目標として掲げ、これからの計画を作らなければいけない。そのために何をすべきかだが、まずは参議院選挙で議席を増やす。5年前にかなり勝った選挙なので、厳しい部分もあるが、特に1人区を中心に議席を伸ばさなければいけない。年内にはすべての選挙区において候補者の擁立を終えたい。また、複数区において最低1議席は確実に勝つことと、1人区において勝てる選挙区をつくることが重要になる。2年前の選挙では三重と岩手だけだったが、それを10ぐらい当選可能性のある選挙区をつくることを具体的な目標に掲げて、候補者の人選、諸般の準備を進める。

次の衆議院選挙に向けては、候補者の擁立を急ぐことが何よりも必要。一応の基準を、この前の選挙が初挑戦だった候補者で惜敗率50%以上取った人は、原則引き続き公認予定者とすることとし、その手続を急ぎたい。もちろん50%に達しなかった人、あるいは2回チャレンジしたけれどもだめだった人も、個々の選挙区事情、本人の意向を確認しながら、有望な人は候補予定者にしていきたい。全体として参議院選挙までに300小選挙区のかなりの部分で候補者を立て終わることを目標に進めたい。

あわせてマニフェストの参議院選挙に向けてのバージョンアップ。今回戦ってみてまだ議論が十分でない点を中心に、より具体的なものをつくる作業も急ぎたいと考えている。

――民主党は年齢も当選回数もものすごく若い。若い人たちを選挙の運動面でも議員の質でも高めることが必要では。


新人議員に関しては、国会で鍛えられることで政治家としての基礎ができていくので、質問にもどんどん立ってもらうことが必要。さらに地元の活動についてもきちんとガイダンスをして、しっかり活動できるようにしていきたい。その体制も年内にはつくりたい。

若い人が大勢いるので、活用し「全員野球」で若い民主党をアピールすることが大事だ。今回の選挙でも民主党として支持をしてもらったので、民主党をさらに強くしていく、つくることに対して新人の皆さんにも協力してもらいたい。大いに議論するのは大賛成だが、議論した結果として決まったことはみんなで尊重していくという党風をつくっていってもらいたい。そうすれば「民主党に政権を任せてみよう」となるのでは。

政権を任せられる党

今度の選挙は、「自民党がだめなのは分かるが、民主党に本当に任せていいのか」というためらいがまだ少し残った。そのためらいをこれからの民主党の姿を見せることで解消する。つまり若くて大いに議論を活発にする、しかし、決まったことは実行していく。そういう党をアピールすれば次の総選挙で民主党政権は必ず実現すると思う。




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