定例記者会見録 2004年2月
2月27日
○予算委ではかなりの成果、看板倒れの小泉改革という理解が進む
○歯科医政治連盟問題:これからかなり重大な事件に発展していくのではないか
○6カ国協議:拉致問題がおざなり、民主は政府にできない独自の取り組みで
○党改革委:代表に権限を集中、集団的に党運営を行うという2つの組織論
○北朝鮮が核を放棄するという明確な担保を取れるか、ぎりぎりの詰めが大事
○埼玉補選:比例復活の木下議員が小選挙区から出馬するのは当然のこと
○自民現職の逮捕による補選で不戦勝を許せば明らかに民意に反する
○オウム元教祖判決:裁判が非常に長引いたことは遺憾、テロ対策も遅れている
○後遺症に悩むサリン事件被害者への国の対応は不十分、再度国会でも議論を
国会審議と歯科医師政治連盟問題
【幹事長】まず、第1点は国会の審議ですけれども、予算委員会、来週以降、予算についての緊迫した状況を迎えるのではないかと思いますが、しっかりとした審議をするということを基本に、なお充実した議論をしていきたいと思っています。
今までのところもいろんな問題が出てきていますが、特に年金の問題、道路公団の問題などは、小泉改革のいい加減さというものが議論を通じて浮き上がってきたと思います。国民の皆さんもそのことは、もう十分いろんな調査を見ても、小泉改革が看板倒れであるということはかなり理解が進んできたと思います。予算委員会において、これから具体的な法案を審議するに先立っての前哨戦として、予算委員会でかなりの成果を上げられたのではないかと思っています。
同時に、いろいろな与党を取り巻くスキャンダルについても議論が出てきました。そのなかでも特に、歯科医師政治連盟をめぐる問題は、これは極めて重要な問題であり、永田寿康議員を中心にいろいろ国会でも議論をしていただいたわけですが、具体的な案件をめぐって個々の議員が動き、そしてその議員に、判明しているだけでも、つまり政治資金収支報告書上明らかになっているだけでも、前年度と比べて桁違いに大きなカネが渡っているという、これははっきりしていることです。
そして、個々の議員の名前をわざわざ挙げて感謝をしているということが議事録で残されているということもはっきりしていることでありまして、これはかなりこれからですね、重大な事件に発展していくのではないかと考えています。党としても、しっかりとこの問題について国民の目線で分かりやすい解決を求めて頑張っていきたいと考えているところです。
6カ国協議と拉致問題
【幹事長】それから2番目、拉致問題について。6カ国協議が行われていますが、6カ国協議における拉致問題の取り上げ方は極めておざなりである、そう思います。
我が党として、この拉致問題に対して独自の取り組みをしていますが、今月初旬に鳩山前代表が民主党拉致問題対策本部本部長として訪韓され、そして拉致され脱北されてきた方々との意見交換をしてきました。
来週、そのうち3名の拉致被害者の方に日本に来ていただいて、そして党の中で、あるいは国会でいろいろなお話をいただくことにしています。拉致された方を通じた北朝鮮の現状、あるいは場合によっては拉致された日本人の皆さんについての情報も得られるのではないかと期待をしているところです。
党としてそういった独自の視点で、政府にできない取り上げ方をして、拉致問題の解決に向かって少しでも歩みを進めていきたいと考えているところです。
第2回党改革推進委員会
【幹事長】3番目ですが、先ほど党改革推進委員会について、第2回目を開催しました。今日は論点メモをお示しして、少し自由にご議論をいただいたところです。
皆さんのお手元にも行っていると思いますが、全体を党組織関係と、選挙関係、その他というぐらいの括りで、アンケート調査でご指摘いただいた点なども踏まえて、試案を作成をさせていただきました。
党組織関係の中では、特に党の意思決定の仕組みや執行体制のあり方についての議論が中心でした。今後、衆参の関係や、地方組織のあり方、党員・サポーター制度、これらは党組織の関係ですが、こういうものも今日は議論を積み残していますので議論をする、選挙関係その他も議論をするということにしていますが、今日ご議論いただいた党組織の中の党の意思決定の仕組み、執行体制のあり方については、議論を踏まえてもう少し方向性を出したメモを作成をし、また党改革推進委員会でご議論いただきたいというふうに思っています。
いろんな議論が出ましたが、大きく言って2つの考え方があるわけです。つまり、現在のように代表にある程度の権限を集約して、代表のリーダーシップの下で党運営を進めていくという考え方と、それから従来あった、例えば民社党とか社会党にありましたように、代表以外の、例えば中央執行委員というような形でですね、何人かの人を党大会で選び、そしてそういった人がある意味では集団的に責任を持って党運営を行っていくと、こういう考え方とがあります。
今日の議論でもやはり代表がリーダーシップを発揮できる形が望ましいという意見がほとんであったと私は理解をしました。ただ、代表にそういうふうに権限を集中しますと、それに対してチェックをするという視点がどうしても必要になるのではないかと、そういう意味で常任幹事会などを従来の執行機関と議決機関の両方の意味を兼ね備えるという、そういう常任幹事会から、より議決機関、つまりチェック機関としての性格を前面に出した、そういうものに変えていく必要があるのではないか。
それからもう1つは、両院総会の開催が、党の代表あるいは常任幹事会の要請によって開かれるということになっていますが、やはり党所属国会議員の3分の1程度の要求があったときには開くということを決めてはどうかと、そういう方向で大体議論が集約されつつあるのではないかと思っています。
なお、常任幹事会をそんなふうに議決機関と位置づけますと、今は幹事長が常任幹事会を主催していますが、むしろ幹事長ではなくて、幹事長は執行部ですから、執行部以外の人が常任幹事会を、あるいは名前も変わるかも知れませんが、その会議を主催したほうがいいのではないかと、そういうふうに私自身が申し上げたんですが、そういう意見も出ています。
その辺を1つにまとめて、あとは常任幹事会の構成をどうするかとか、今は地域別とか、あと執行部も入っています。そういったことをもう少し議論を煮詰めてですね、1つの形で示してみたいと考えているところであります。
<質疑応答>
6カ国協議の成果
【記者】まだ終わっていませんけれど、今6カ国協議が開かれていまして、核問題については一応北朝鮮側も一部を放棄する考えを示して、それをどういうふうに国際的な合意に持っていくかということで、今6カ国が協議しているんですが、現時点で幹事長はこの第2回目の6カ国協議の成果をどんなところにあると思っていらっしゃいますか。
【幹事長】最終的にどういう合意がなるのかということがまだ決まっていないと承知していますので、今の段階でなかなか申し上げにくいと思います。
ただ、やはり核について、核全体についてですね、明確に放棄をしていくという担保をどれだけ取れるかというところだと思いますので、今日1日、あるいは明日にかけてのぎりぎりの詰めのところが非常に大事だと思っています。
前回の米朝合意のような曖昧さは認めてはいけない、必ず核開発を断念させるということの担保をしっかり取るべきだと思っています。残りは、「日曜討論」で(笑)。
埼玉8区補選と木下議員の鞍替え出馬
【記者】昨日の常任幹事会で衆院埼玉8区補選の木下さんの公認が決まりましたけれども、木下さんの立候補にあたっては比例代表から小選挙区補欠選挙に出るという鞍替えということがあって、自民党の中からも批判の声が出ていますけれど、これに関して民主党の、明文化されていないものも含めてのルールみたいなことと、それから衆議院議員を辞めて衆議院議員に立候補するということの説明をどのように有権者にされていくお考えなのかを教えてください。
【幹事長】木下さんの場合、比例代表として当選をされています。地域から選挙で選ばれた衆議院議員ではありません。したがって今回、地域から選ばれた衆議院議員となるべく、チャレンジをされるということで、制度が違いますから、問題があるとは全く思っていません。党としては、むしろそういう場合に出ていただくことが原則であると考えて、そういう合意をしているところです。
もちろん、出る出ないは本人の最終的には自由です。しかし、出ない場合には次のその小選挙区における公認権は基本的にはゼロベースになりますよと、こういうことを確認しているところです。したがって、木下さんが選挙区から出られることは、むしろそれは普通であると考えています。
もう一言言わせていただくと、今回のこの選挙は、自民党の選挙区で勝った議員が現職でありながら逮捕されるという、30数年ぶりの、大変残念なと言いますか、情けない、そういう状況で補選が行われるものです。
もし、我が党が候補者を出さないとか、そういうことになれば、つまり木下さんがいるということで候補者を出さないということになれば、これはそういった大変問題のある自民党の総支部、そこに不戦勝を許してしまうということになりますので、これは私はその選挙区における有権者の気持ちに明らかに反している。
むしろ選挙区の皆さんはここで民主党がきちんと候補者を出して、そして買収という前代未聞の事件を起こした自民党総支部に対してはっきりと決着を付けてくれると願っていると思っています。
【記者】関連して、今のご説明だとなかなか有権者からは分かりづらいと思うんですよね。つまりまるでその議員が、小選挙区から出た方と比例で出た方の間に差があるかのように受け止めるかも知れませんが、その点についてどのようにお考えになりますか。もう1つは、自民党のほうで公募制で候補者を選ぶようなことをやっていますけれど、その点に関してどのようにご覧になっていますか。
【幹事長】差があるというのは、格差があるという意味ではもちろんありません。ただ、制度が違うわけですから、それは違う選挙だというのは当然のことだと思います。
私は、この木下さんを一生懸命応援していただいた有権者の皆さんは、今回相手が卑劣な買収という手段で当選をしたわけですが、本来であれば選挙のやり直しを求めたいという気持ちなんだろうと思います。そこに木下さんが出るのは当然のことだと、有権者の皆さんもそういうお気持ちだと私は思います。
それから、公募制は我が党もそういったことについては従来から行ってきたところですが、どういう理由があるにしろ公募制をやられることは私は結構なことだと思います。
しかし、でき得れば、それはこういったケースだけではなくて、長老議員が任期満了近くなっていきなり辞めて息子さんを出してくるという、前回総選挙において自民党でたくさん見られたケースではなくて、引退議員がいるところについて一般的に公募制を導入していただきたいと、他党のことながらそういうふうに思っております。
オウム真理教・松本被告の判決公判
【記者】今日、オウム真理教の元教祖の方の判決公判が行われているんですが、これについて、裁判が非常に長期化したということ、それから被害者の救済で進んでいない面もあること、またテロ対策と言いますか、団体規制の事件後の進展などを踏まえまして感想をいただきたいと思います。
【幹事長】裁判が非常に長引いたことは遺憾だと思います。今回のこの事件の性格から見ても、かなり結論は予想されるわけですが、それが長引いたということは非常に問題があると考えています。
テロに対する対応は遅れています。これは我が党もかねて主張していることですが、諸外国において、むしろこのサリン事件に驚いてテロ対策をしっかり取った国が多いなかで、日本は非常に対応が遅れていると思っています。政府としてはそういったものに対してしっかりとした対応を取っていただきたいと考えています。
最近、私もテレビ等で、まだ後遺症に悩む被害者の皆さんの映像なども目にすることが多いわけですが、極めて悲惨な、全く何の責任もないなかで地下鉄サリン事件に遭遇された皆さんのお気持ち、あるいはご家族のお気持ちを思うと、誠に遺憾なことだと思います。
こういった場合に国としてどこまで対応ができるのか、現在の対応が私は必ずしも十分だとは思っていません。今回の判決をきっかけにそういった議論がもう一度しっかりとなされることが必要だと、国会においてもその必要があると思っています。
2月20日
○第1回党改革推進委を開催し自由討議、来週金曜日は論点を整理して議論
○権力はメディアに対して謙虚でなければならない
○政府から一歩距離を置いたところが免許権限を持つのが民主国家として当然
○日歯問題には重大な関心を持って調査・追及していく
○政党としての完成度を高め、21世型の新しい、国民の立場に立った政党に
○定年制:年齢だけでバッサリ切ることがふさわしいかどうかは議論がある
○国連改革が進まないから分担金支払いを遅延・滞納するのはいかがなものか
○「日本を常任理事国に」という声が大きくならないのは、日本自身にも責任あり
○特定船舶:法案準備に後ろ向きではないが発動は慎重に、6カ国協議もある
○自民党員の減少:締め付けが効かず、自分の意思で党員になる人は少ない
○参院選:全国幹事長会議前後に再ヒアリング、未決区は本部主導で決める
第1回党改革推進委員会
【幹事長】1つは、今朝、第1回の党改革推進委員会を開催しました。若干のメンバーの方、予算委員会の出席等でご欠席もありましたが、今日から、原則週1回のペースでやっていきたいと考えています。
今日は、先般行った党所属国会議員へのアンケート、112名の方から回答をいただいたわけですが、皆さんのお手元にもお配りさせていただいていることと思いますが、非常に多様なご意見をいただきました。
そういったことについての説明、そして今まで1年数カ月やってきた改革についての説明を執行部の側からしまして、その後でフリーディスカッションをしました。
大きく分けて、党組織の関係、選挙の関係、財務・経理の関係、そういったことを中心に、出された論点の中で全てを議論することはできませんが、主な点を整理して来週の金曜日に行うときには論点整理をしたうえで議論を始めたいと思っています。
各委員の皆さんには火曜日までに何らかのご意見がある場合にはペーパーで出していただいて、それを踏まえて論点整理を作成し、金曜日から議論を始めることにしました。
民主党はいろんな改革に取り組んできていますが、なお残された課題もありますので、しっかりとした議論をしていきたいと思っています。
政治権力とメディアとの関係
【幹事長】それから2番目ですが、今日新聞がいろいろ報じていますが、自民党と某テレビ局との間の問題について、一定の決着がついたと報じています。
私は個々のことについてこの場で申し上げるつもりはありませんが、やはりこういう問題は、先般来の自衛隊あるいは防衛庁のことに関する政府の態度なども含めて、権力とメディアというものについてやはりもう一度考え直させる機会を与えるものだと思っています。
今回もテレビ出演を断るとか、いろんな圧力があったと私は理解します。そういう中で今日の結果になったわけですが、やはり権力というものはメディアに対して謙虚でなければいけないと思います。
特に日本の場合には免許制度になっています。ここも私は基本的に考え直した方がいいと考えていますが、例えばイギリスやアメリカのような、政府から独立した行政執行機関、アメリカであればFCC(連邦通信委員会)であり、イギリスであればオフコン(OFCOM)といったような、政府から一歩距離を置いたところが免許についての権限を持っているというのが民主国家として当然のことだと思います。
日本の場合には、それが総務省という中で完全に一体化しているわけで、これはやはり長い目で見たときに民主主義の基盤を崩していくことになりかねないと、そういうふうに重大な懸念を持っています。
そういったこともこれから国会の場でも議論していかなければなりませんし、メディアの皆様にも問題提起をしておきたいと思っております。
日本歯科医師政治連盟問題
【幹事長】それから3番目ですが、日歯、日本歯科医師政治連盟の問題がいろいろメディアでも報じられています。
これはいろんな深さのある問題だということは私もいつか申し上げた記憶がありますが、ここ1日2日の中で、具体名も含めて、いま分かっているのは表に出ているパーティーとか政治献金の話ですが、特定の事案に結びついて多額のパーティー券あるいは献金があったのではないかと言われています。
そこに出てくる4名の方は私はいずれも知らない方ではありませんので、やや言いにくいところもありますが、しかしそのうちの2名は当時の職務権限のある官房副長官であり、そして行革担当大臣ですので、そういう意味でこれは民主党としても重大な関心を持って、この問題、これからしっかり調査をし、そして疑問があるのであれば国会の場でも追及をしていかなければならないと感じているところです。
<質疑応答>
党改革のねらいと論点
【記者】1点目の党改革推進委員会に関して、今回の推進委員会を設置して、党改革について議論するねらいについて改めてお話をいただきたいのと、幹事長自身が委員長を兼ねていますが、その幹事長自身がどの辺が主な論点になると考えているのか、その2点についてお願いします。
【幹事長】論点については、今これから詰めていきますのでなかなか確たるところは申し上げにくいんですが、私が委員長を務めているのは、これはいわばたたき台を議論する場であります。
したがってこの委員会、役員会でも議論をしながら、たたき台ができたところで常任幹事会で正式にご議論いただくことになります。
いま何故かと言われれば、この党もできていろんなことが整ってきました。先の総選挙では政権交代可能な政党として認知もされたと思います。そういう意味で、さらに政党としての完成度を高めていきたいと、21世型の新しい、国民の立場に立った政党をつくっていきたい。そういう思いの中で、さらなる党改革を提案しているところです。
今までも政治資金の問題を中心に、説明責任、透明度を高めるためのいろんな努力をしてきましたが、その他の点についても議論していかなければならないと思います。
私のいまの時点での考え方をざっと申し上げますと、1つは党の意思決定についてどう考えるのかという問題があると思います。
いろんなご意見の中にもありますが、代表が大きな権限を持ってリーダーシップを発揮できる、そういう政党がいいのか、従来の社会党や民社党のように、党大会で代表以外の役職も含めて決めて、ある意味では党内のいろんな力のバランスを取ったような執行部を形成するほうがいいのかと、ここのところが入口の議論としてあるんだと思います。
大きな権限を持たせれば、それに対するチェック機能が結果として必要になりますので、両院議員総会とか常任幹事会というものをどういうふうに位置づけていくのかという議論に発展します。
もう1つの大きなかたまりは、やはり地方組織。これは党スタート以来、フラット型の政党かピラミッド型かという議論は常にあるわけですが、より具体的に言えば、県連組織をいうものをどういうふうに位置づけていくのか、そういったことについての議論が必要だろうと思います。
選挙の関係は、新人の支援とかいろんなことを決めたわけですが、予備選挙のあり方とか、それから、これはこれからの議論ですが、定年制的なものをどう考えるのかと──これは私は必ずしも「積極的」ではありませんよ、申し上げておきますが(笑い)──しかし、定年制的なものをどう考えていくのかといったような問題や、あるいは2世候補、同じ選挙区から例えば政治家の子供がそのまま出るというようなことをどう考えるのかというような問題があるんだろうと思っています。
財務・経理の透明化はかなりいろんなことをやってきましたが、やはり税金+パーティーの収入だけではなくて、もう少しバランスの取れた自律的な歳入構造をどうやって築いていくのかというようなことですね。
それからその他シンクタンク、いまシンクネットというものを我が党は持っておりますが、これをいかに拡充をしていくのか、政策能力をアップしていくのかと、そういうような問題が当面考えられます。しかし、他にもいろいろ課題はあるでしょうから、まず課題の整理から入っていきたいと思っております。
定年制についての考え方
【記者】必ずしも「積極的」ではないということですが、定年制について幹事長の今のお考えをお聞かせください。
【幹事長】ここはいろんな議論があるんだと思いますが、必ずしも年齢でバッサリ切ってしまうことが、個人差がかなりありますからね、ふさわしいのかどうかというところは私は議論があるんだろうと思っています。
もう1つは小選挙区の場合には、選挙で選ばれるわけですね。きちんとその選挙区において活動もし、有権者から認知されて選ばれてくる、そういった人材を単に年齢が一定に達したということだけで、「次はダメです」ということが本当に妥当なのかどうかという議論があると思います。
ここは比例区で上がってくる場合と小選挙区で上がってくる場合であるいは考え方を変えてもいいのかも知れません。それ以上言いますと私の考え方が出てしまいますのでこの辺にとどめておきたいと思いますが。
国連改革と分担金
【記者】国連のアナン事務総長が来日されるということですが、国連改革がなかなか進まないということについて、自民党に聞きますと分担金の納付を遅らせるとかやめることも考えた方がいいという意見もあるようですけれども、国連の改革の状況と、分担金の遅延・滞納ということが出ていることについてどのようにお考えですか。
【幹事長】一国で、経済規模とはいえ、今の割合だけを担うことが妥当かどうかという議論はそもそも私はあるんだと思いますね。ただ、日本の望んでいる方向に改革が進んでいないことをもって、それで分担金を減らすというのはいかがなものかという気もします。
そもそも今の日本を見ていたら、アメリカに2票与えるのと一緒ですから、それではやっぱり与えようということには国際世論としてならないと思うんですね。
そういう意味では日本自身が自らの意思を持って国連の中でリーダーシップを発揮できると、本来の常任理事国にふさわしいだけの働きを示すことが必要であって、いま「日本、日本」という声が出てこないのは、日本にも相当責任があると私は思います。
有事法制に関する与野党協議提案
【記者】有事法制についてですが、与党側が協議会を設けて一緒に議論していこうという提案があったようですけれど、今国会は重要法案になっているので、これにどう対処していくのか、協議会との絡みで現時点での幹事長のお考えを聞かせてください。
【幹事長】多少今日は議論もしましたので、申し上げられません。議論する前だったら私の考えを言いますけれども、恐らく火曜日の役員会できちんと議論をして結論を出すことになると思います。それまではペンディングです。
政治のメディアへの締め付け
【幹事長】他にありますか?せっかくメディアの関係で問題提起したんですから、皆さんから何かか。
まあ、総務大臣がテレビ局に来ると社長が玄関までお出迎えに出るような、そういう場面も目にしたことがありますが、やっぱりそれは健全な姿ではないんじゃないかという感じが私はしますね。
そういう意味では仕組みの問題を変えないと公平・公正な報道というのはなされないんではないかという心配は常につきまとうと思います。
特に最近の、サマワへの自衛隊派遣をめぐっての政府の態度など見ていますと、かなり一定の方向に誘導しようというか、締めつけようという感じが今の政権には非常に感じられるものですから、大変懸念をしているということは申し上げておきたいと思います。
特定船舶入港禁止法案
【記者】今日、前原議員などから、特定船舶入港禁止法案の問題についての部門会議の議論の報告があったと思いますが、これについてのお考えをお願いします。
【幹事長】基本的に今日のメンバーではそこの意思統一といいますか、方向的違いはなかったと思います。
法案を準備していくということについて我々として後ろ向きではありません。しかし、それを発動するかどうかと、これは外為法のほうも含めてですね、現実に発動するかということについては、これは慎重に見極めていかないと、カードは切ってしまったら後はなくなりますから。
それからタイミングの問題、6カ国協議があるという、そのことも無視をしてはならないと思います。どんどん強硬論を言うことは世論的には非常に受け入れられやすいわけですが、そこはやはり政治家として一定の見識をもって、何が国益かということを頭に置きながら考えていかなければならないと考えています。
有事法制に対する民主党の基本的立場
【記者】先ほど、「今日議論してしまったので」とおっしゃった件ですが、有事法制について民主党の基本的な立場を改めて少し伺えればと思うんですが、お話しできない部分は別にして、現状での基本的な姿勢を改めて伺えますか。
【幹事長】基本法を作るということについては、私の名前で、当時の山崎幹事長と議論しているわけですね。ですからその話し合いは必要だと思います。それをどういう形で話し合うべきかということについて、自民党からご提案もあったようですが、それでいいのかどうかということについてはペンディングというふうに申し上げました。基本法が必要であるということは我々の元々の主張です。
それ以外に、今回の国会に出てくる政府提案の国民保護法制を始めとするそれぞれの法制については、これは国会に出てきたときにしっかりと議論をしていくということだと思います。
自民党員の減少
【記者】党員について伺いたいんですが、今日自民党が党員の数を発表しまして、153万人ということで減ってきていると。減っている理由として、党員になるメリットがないというふうに分析をしているんですが、民主党のほうから考えまして、党員について、規模拡大ということでいろいろお考えだと思いますが、自民党のほうが減っているということについて民主党からどう分析されているか、ありましたら教えてください。
【幹事長】まず、減っているということに対する原因の分析は、たぶん間違っていると思いますね。つまり、どれだけの人が自らの意思で自民党の場合党員になっているのかと。参議院選挙の前に増えたりするわけですよね。もちろん拘束名簿方式ではなくなりましたので、そこは若干状況が違っているにしても、やはり自民党支持団体、それぞれ候補者が立っていますから、そこが党員の数を競うと。あるいはそれをもって選挙運動をしているということだろうと思うんですね。だんだんそういう締め付けが効かなくなって減っているということだろうと思います。自分の意思で喜んでなっている人は、私は非常に少ないんだろうと思いますね。
民主党の場合、これから党員の問題をどう考えるのかと。党員とサポーターとあるんですね、党員6000円、サポーター2000円ということをこの前決めました。あまりサポーターと比べて党員のメリットが多くないじゃないかと、値段は3倍するのにですね。という議論は出ています。したがってこれは改革推進委員会での1つの課題、テーマになりうると考えています。
特定船舶入港禁止法案への対応
【記者】特定船舶について、今国会での法案の対応の仕方、決して法案準備には後ろ向きではないということでしたけれども、その辺お話しできる範囲でお願いします。
【幹事長】今国会で船舶法案を議論しないということは私はないんだろうと思います。あとはまず案を詰めないといけませんから、あまり拙速で出すよりはきちんと議論をして、そして国会においてもしっかり議論をして、そして成立を目指していくということが必要だと思います。
外為法の場合には非常に短期間で成立しましたが、非常に重要な法案です、いずれにしても。したがってきちんとした議論を私はすべきだと思います。外為法のときも実はそういうふうに申し上げました。皆が、ほとんどの政党が同じ方向を向いているからといって議論もしないというよりはきちんと議論をしたほうがいいと。
したがって、外為法のときにも委員長提案とかいろんな議論がありましたよね。あるいは一般質疑の中でやって法案そのものの質疑の時間は取らなくていいんじゃないかとか、いろんな議論がありましたが、私はきちんと、短時間であってもいいから時間をとって議論をすべきだということを国対には指示をしました。船舶の法案はさらに一歩進むものですから、きちんと国会の中において議論したうえで成立を目指したほうがいいと思います。
参院選候補者の擁立作業
【記者】参議院選挙の選挙区の候補者擁立の問題ですが、10いくつまだ空白のままだと思うんですけれども、中四国あるいは南九州、北陸とか、民主党の弱いとされる地域が比較的多いんじゃないかと思うんですが、何が原因で擁立が遅れているのかということと、3月6日に全国幹事長会議があると思いますが、それが終われば党本部としてより関与する形で候補者擁立をされるのかという辺りをお願いします。
【幹事長】もうちょっとタイミング的には急がなきゃいけないと思っていますので、2月いっぱいということでお願いをしています。したがって、3月6日の全国幹事長会議の前後、あるいはそのとき東京まで出てきていただくわけですから、決まっていないところについてはヒアリングをもう一度きちんとして、なんとか早く擁立をすると。できなければもう党本部主導で決めていくと、そういうことにしたいと考えています。
いま中四国、南九州と言われましたけれど、九州はだいぶ固まってきているんですよね。中国も、島根、鳥取、山口がまだですね。それから四国は愛媛、徳島、あと石川とか福井、そういったところが空いていますので早く候補者を決めたいと思っています。今までは選対委員長のお尻を叩いてきましたが、もうそろそろ乗り出さなくてはいけないんではないかと思っています。
2月13日
○予算委質疑の感想は「小泉さん、非常に元気がない」、答弁にほころび目立つ
○靖国:A級戦犯を含めて敬意と感謝を捧げるということなら私には理解できない
○道路:本来の民営化とは似て非なるものと分かっているから総理も声を荒げた
○金利と成長率:竹中大臣は30年間の話にすり替えたが私が聞いたのは10年後
○1月1日付の公設秘書情報を自主的に開示、チェックを受ける手がかりに
○年金改革は今国会最大の焦点、ポスター等を含めてしっかり訴えていきたい
○年金改革の法案化作業は政調会長の下でしっかりとりまとめているところ
予算委員会質疑の感想
【幹事長】まず、国会のほうは予算委員会で本予算の審議が始まりまして、私も火曜日、90分質問させていただきました。その後も民主党の予算委員のメンバーを中心に次々とバッターとして立てて、活発な論戦が行われていると思います。
私自身の感想は、「小泉さん、非常に元気がないな」というのが率直な感想ですが、そういう中で、いくつか後に問題を残す発言もありました。
靖国発言の問題は、あまりこの問題に深入りするつもりはなかったんですが、ただ総理も発言の中で、いろんなことを言われたわけですが、哀悼の意を捧げたいということと、それから敬意と感謝を捧げたいと、こういうふうにおっしゃったんですね。
私は一般の、靖国神社に祀られている、まさしく戦争に行き、そして亡くなった方に対しては同じ思いですけれども、A級戦犯として祀られている人に対しても哀悼の誠というのは、私もそこはその通りだと思いますが、「敬意と感謝」というのは、それはやっぱり違うんだろうと思うんですね。
まあ、その後総理は、「日本には死者に鞭打つ習慣はない」と続けられたんですが、ロジックの飛躍というかすり替えがあるわけで、やはりA級戦犯というのはまさしく、戦争で命をなくして靖国に祀られている人たちをつくり出した原因、つまり責任を負う立場にある人たちですから、その原因をつくった人と、その結果として命を落とした人を一緒に議論することは、極めて私には理解のできないことです。
それから、道路公団の問題はその後、枝野さんにもフォローの質問をしてもらいましたが、総理の論理は突き詰めれば、民営化の議論をする中で、その20兆円かかる費用が、現実は13兆円ということで、半分近くになったじゃないかと、それが民営化の成果だということですが、それは民営化の議論の成果ではあるかもしれませんが、民営化そのものの成果ではないんですね。
半分近くの値段でできるということを、石原さんも細かく積算の内容を説明してくれましたが、今の段階ではこれは絵に描いた餅で、それが現実はそうなるかどうか分かりません。
やはり、民営化の最も大事なところは、民営化することでコストを安くする、そのことが利益につながる、そういう仕組みがビルト・インされることが民営化の最大のメリットで、そこについて総理は何も語ってないわけですね。
言ってみれば、今度の民営化会社というのは、高く造っても安く造っても、それはリース料と値段の差になるだけで、最終的には資産と負債は機構に移るわけですから、そういう意味では本来の民営化とは似て非なるものであると言わざるを得ないと思います。総理もそのことをお分かりだからこそ、あそこで言葉を荒げて言われたんだろうと思っています。
それから、竹中大臣に、名目金利と名目成長率の話を、これもその後、池田議員にフォローしていただきましたが、竹中さんは30年間の話に話をすり替えたわけですが、私はこれから10年後、基礎的財政収支が黒字なるという議論の中で、その段階においての話をしているわけで、別に30年の話をしているわけではないんですね。
ここも議論が完全にすり替えられたわけです。そういう、非常にほころびの目立った答弁だったのではないかと思っています。
党所属議員公設秘書の情報公開
【幹事長】次に、先日、社民党の辻元さんの判決が出たわけですが、公設秘書の問題という、これは非常に重要な問題で、風化をさせてはいけないことだと思っています。
民主党としては年に2回、公設秘書の現状について情報公開をするということをすでに決めていまして、6月1日に引き続いて、1月1日付のものを今日公開することにしました。
新人議員の数も増えましたので少し集計に時間もかかりましたが、それぞれの氏名、主たる勤務地、そして一定の範囲内の親族である場合にはその旨を公表するということにしています。
お手元に資料として配らせていただいています。衆議院の場合、中野副議長も含めてという形になっていますが、全公設秘書が467名であります。参議院の場合には本岡副議長を含んで、公設秘書全体で192名であります。
そして、それぞれ配偶者がなっておられるケース、その他親族、つまり親とか子とか、兄弟姉妹がなっておられるケースも若干あります。
前から申し上げているように、そういった配偶者や一定の範囲内の親族が公設秘書になること自体に問題があると考えているわけではありません。問題は勤務実態です。
そして、その勤務実態が事実と異なるようなこと、事実と外に向かって説明していることが異なるということにならないように、我々は情報公開をして、その中でいろんな形でチェックを受ける、そういう形をとっているわけです。
もちろん、これは最低限のことであって、今後、公設秘書はどうあるべきかという議論、これは国会の中でも大いに議論をしていくべきことですので、我が党としても積極的に参加をしていきたいと思っています。そういったことのスタートラインとして、情報開示を自主的に行っているということです。
<質疑応答>
公設秘書の勤務実態調査
【記者】公設秘書の調査の件ですが、これは多分、各事務所からの申告をまとめられたものだと思いますが、先ほど幹事長がおっしゃったように、問題は勤務実態であると。勤務実態については、ここに載っているということは問題はないという理解でいいのか、そこは調査の対象外ということか、どちらでしょうか。
【幹事長】勤務実態まで個々に調査はしていません。それをきちんとやろうと思えばもっと時間がかかります。この試みは、それを外に出すことによって、そういった実態と形が異なるということがないようにすると、そこに狙いがありますので、実際に調査はしていません。
しかし、周りの方が見れば、実態があるかないかは分かるはずです。そのための手がかりを出しているということです。
年金ポスターと民主党案の法案化作業
【記者】今日、年金のポスターの発表があると思いますが、この時期に発表する狙いと今回の特徴をどんなふうにご覧になっているかということについて、よろしいでしょうか。
【幹事長】年金のポスターは後ほど古賀一成国民運動委員長からご説明があると思いますが、この国会で最大の争点だと思っていますので、しっかり訴えていきたい、こういうことです。
【記者】年金の話に関連して、幹事長は年金の法案化を指示されていますが、その進捗状況をどのように捉えているか、なかなか法案に落とし込む作業は実務的に難しいという声もあるようですが、その辺の進捗状況をどのように見てらっしゃいますか。
【幹事長】今、政調会長を中心にいろいろ議論が進んでいるというふうに理解をしています。まだ私のところまでは上がってきていません。先般も役員会の中でもまず政調会長のところでしっかりとりまとめをしてもらおうと確認したところです。
2月6日
○国会審議:国民の目の前でしっかり議論することが大事、自分も質問を準備中
○鳩山前代表らが訪韓、党として韓国人拉致被害者を日本に招いて話を聞く予定
○イラク地震の募金活動に一区切りがついたので来週大使館に届ける
○安倍幹事長学歴問題:一番よく分かっているご本人がきちんと説明すればいい
○秘密会などの形で国会に機密情報を公開する仕組みを検討すべき
○政府がイラク大使館員の待避を説明しないのは安全という言葉に隠れた情報隠し
○党調査で憲法改正に賛成が6割:驚くことでない、我々も具体的に議論している
○政府・与党の年金改革案は、改革の名に値しない小手先の数字合わせ
○歯科医師会の裏献金問題について自民党は説明責任を果たすべき
○議員年金の見直しを政調に指示、少なくとも公務員程度の国庫負担にすべき
○政府・与党も早く抜本改革案を出して、民主党案と同じ土俵で議論すべき
参院審議と衆院予算委員会
【幹事長】まず、国会のほうは、参議院に移りまして、イラクの問題を中心に特別委員会での審議が続いていますが、しっかりとした審議をしていく中で、議論をすることが目的ですので、しっかりとした審議が国民の目の前で行われるということは非常に重要だと思っています。
今後のことは、月曜日以降もありますので、その状況を見てどこかの段階で本会議採決ということになるのかもしれません。基本的には参議院の国対・執行部にお任せをしていますが、それが終わればいよいよ衆議院における本予算の審議ということになるわけです。
私も最初に質問するということでいろいろ準備をしているところであります。この国会は非常に多くの課題を抱えていますので、外交の問題、あるいは改革の後退の問題、経済活性化の問題、そういった問題についてしっかりと議論をしたいと考えています。
鳩山前代表らの訪韓
【幹事長】それから、鳩山前代表を始め、我が党の拉致問題対策本部のメンバー3名が訪韓しました。今朝、韓国で記者会見をやっていますので結果はご案内のとおりだと思いますが、特に3人の韓国の拉致被害者の方と面会をして、そして日本に党としてお招きをし、北朝鮮で日本人に会っているという情報もありますし、拉致の現状についていろいろお話をお伺いすることができればと考えています。これは拉致問題対策本部の、党の事業として行いたいと考えています。
その他、(元朝鮮労働党書記の)ファン・ジョンヨプ氏の来日の要請その他多くの成果を上げて間もなくお帰りになるということです。
イラン地震被害への募金
【幹事長】3番目に、党としてイランの地震の問題について募金を続けてきましたが、それが一区切りつきましたので、機会を見てイラン大使館にお届けをしたいと考えています。来週そういった機会をつくりたいと考えています。
党で議論していく中で、そういった何らかの災害・突発事項が起きた直後にお金が出せるような仕組みをつくったほうがいいのではないかと。そういう基金的なものをつくって、まずはそこから出すと。そして後から募金活動を行ってそれを補っていくというような仕組みをつくったほうがいいのではないかというご提起がありまして、今、具体策を検討しているところです。
<質疑応答>
安倍自民党幹事長の学歴問題
【記者】東京(中日)新聞です。
【幹事長】久し振りだね。早くあれ代えてよ、似顔絵。あまり気に入ってないです。(笑)
【記者】…… あの、自民党の安倍幹事長の学歴の問題で、南カリフォルニア大学に2年間留学しているということについて、留学の期間の問題など事務所のほうで説明をしたんですが、それについてどのような感想をお持ちでしょうか。また、今後この問題について国会の中でどのように取り上げていくのかお聞かせください。
【幹事長】安倍さんの経歴の問題について、党として何か方針を立てて国会で追及していこうとか、そういうことを決めているわけではありません。
ただ、私も実態をよく知りませんので、そこは注意深くお話をしたほうがいいと思いますが、外に対して言ってこられたことと現実がもし違うということであれば、ご本人がきちんと説明をされたらいいと思います。それが有権者に対する責任だと思います。
【記者】現段階では説明が十分ではないという認識なのでしょうか。
【幹事長】ご本人はまだ説明はされていないと聞いています。事務所が説明されているということですが、ご本人の経歴はご本人が説明されたらいいと思います。私ならそうします。一番分かっているわけですから。
イラク等についての情報公開と国会の関わり方
【記者】イラクの現地の実態がなかなか情報公開されなくて、国会もなかなか関与・コミットがなかなかなされなかったと思いますが、例えばアメリカでは秘密公聴会を開くケースもあると聞いていますが、情報公開と国会の関わり方について幹事長がどうお考えか伺えますか。
【幹事長】まず、政府がどこまで分かっているかという問題がありますよね。国会審議を見てると、政府もよく分かっていないのではないかと。そういう中で自衛隊を出すという決定を非常に無防備に行ったというふうに、国会審議を聞いていて強く思いました。
それは横に置いて、政府が知っていることについて、例えば秘密会のような形できちんと国民から選ばれた国会議員に対して説明をさせるということは私は非常に重要なことだと思っています。そういう仕組みを国会の中に作るということは大いに検討に値する課題だと思います。
今、機密費の話がまた問題になっていますが、機密費などについても、国会の中で秘密会的なところできちんと説明をさせるとか、そういうことも考えるべきではないかということも、かねて申し上げているわけであります。
在バグダッド日本大使館員待避情報と外務省の対応
【記者】バグダッドの日本大使館から、政府が館員を退避させていたということが一部報じられていまして、場所をどこに移動したかは別としても、外務省の報道官は館員の安全に関わることなので公表できないと。退避させたということすら情報が出てこないということについて、幹事長どのようにお考えかお聞かせください。
【幹事長】現地にいれば、大使館員が大使館からいなくなったということは容易に分かるわけですね。
したがって、容易に分かることを、国会審議中ということもあるんだと思いますが、あえて伝えないということは、それは明らかに「安全」とかそういった言葉に隠れて必要以上に秘密を隠していると言われても仕方がないと思います。
憲法改正に関する民主党インターネット調査
【記者】読売新聞です。民主党が先頃実施したインターネットによる調査で、憲法改正について6割の方が賛成で、反対が17%だったという結果について幹事長はどのようにお考えかお聞かせください。
【幹事長】読売新聞を読み過ぎてるんじゃないの?(笑)まあ、それは冗談です。
それはいろんな理由があると思います。特にインターネットで我々の調査に応じてくれる方は、男女比で見ると圧倒的に男性が多いです。それから、やはり若い層が多いですね。若いという意味は、中堅といいますか、戦争世代じゃない人たちが多いということ。そういったことが複合的に作用した結果だろうと思います。
しかし、我々も憲法については大いに議論するという次元ではなくて、改正について具体的に議論するという場面に至っていますので、驚くに値しない結果だと思います。
今後のイラク問題の重点の置き方
【記者】イラクの承認案件が来週の初め頃にも参議院で終わりそうです。仮定の話になりますが、その後本予算の審議に入るなかで、予算委員会でも引き続きイラクの問題を追及するような形にされるのか、それとも一区切りということで景気なり年金などの話に重心を移していくのか。承認後の民主党としてのイラク問題の対応の重点の置き方についてお聞かせください。
【幹事長】大きな方針があってそれに基づいて質問者が時間を細かく決めるわけでは必ずしもありません。かなり質問者に委ねられている部分というのが多いと思います。
私の個人的な感覚で言えば、かなりイラクの問題を今まで議論してきましたので、その他にも重要案件はたくさんあります。景気・経済の問題もあります。それから年金や、あるいは道路公団をはじめとする小泉構造改革の問題、そういったことに対しての議論もあります。北朝鮮はじめ、イラク以外の外交課題もあります。そういう中で、イラク一辺倒ということには私はならないだろうと思います。
もちろん、毎週1回、イラク特は開いて報告を受け、議論をするということですから、しばらくはその場が中心になっていくのではないでしょうか。
年金改革政府・与党案の問題点
【記者】年金についてですが、政府の関連法案の閣議決定はおそらく2月10日ではないかと見られているようですが、政府案の問題点や、どのような論争をしていくかということについてお聞かせください。
【幹事長】年金は総選挙においても非常に大きな課題、実質的には最大の課題であったと言ってもいいかもしれません。与党の中でも公明党は自らそうおっしゃっていたわけですね。
しかし現実はいったいどうであったろうかと。「安心100年プラン」とかいろんなことを言ってこられたわけですが、自民党の方も「安心ができるような抜本的な改革をやる」という趣旨のことを言っておられましたが、現実は5年ごとの従来の見直しの範疇を出ていないわけで、数字を実態に合わせたに過ぎない。そういう意味では小手先の改革だと。あるいは改革の名に値しない数字合わせだと言われても反論はできないだろうと思います。
歯科医師会裏献金問題
【記者】日本歯科医師会の献金について裏献金などの指摘がありますが、自民党の前議員がすでに事情聴取されているようですが、これについての感想を伺いたいのと、民主党の議員についてはこういったことがないのかどうか、把握している限りで伺いたいのですが。
【幹事長】まず、今、問題になっているのは裏献金ですよね。そういうものは民主党にあるとは思っていません。しかし個別に調べているわけではまだありません。そういうことはないと思っています。
それから、これは自民党にとって最大のスポンサーですから、そこがこういった裏献金の問題で今、調べを受けているということは非常に重いと思いますね。果たして吉田前議員だけだったのかということも含めて、数々の疑念が出てきます。そういったことに対して党としてきちんと説明責任を果たされるべきだと考えています。
かなり資料は検察の手に渡っていますから、追加的にいろんなことが出てくるかも知れませんね。吉田さんだけだという理由はどこにも見当たりませんから。
国会議員年金
【記者】今日、民主党の一部有志が枝野政調会長に対して、議員年金を廃止すべきだと。その法案を党として提出するように求めて、枝野政調会長も前向きに検討する旨答えてらっしゃるんですが、幹事長としてはこの議員年金の取り扱いについて、廃止も含めてどういう方向性を打ち出すべきだとお考えでしょうか。
【幹事長】政調での議論を私はお願いした立場です。昨日の「次の内閣」の中でも、実は3つ政調できちんとやっていただきたいとお願いしたわけですが、これは従来から言っていることの繰り返しなんですが、1つは議員年金の問題、そしてもう1つは参議院における定数是正の問題、第3は衆参の役割分担。そういったことについてこの国会できちんと方向性を出してくださいということを申し上げました。
議員年金問題は私もかねて関心を持って予算委員会等でも質問をしてきたという経緯もあります。数年前から取り上げてきたと思っています。現状を見る限り非常におかしな制度であって、国家公務員の場合ですと半分が国、半分が本人ですね、基本的に。それから会社の場合、厚生年金ですと半分会社、半分本人。国会議員年金の場合ざくっと言えば国が3分の2、本人が3分の1ですから、やはりそこは少なくとも公務員並みの国費の投入割合にすべきだ思っています。
いろいろ今まで議論してきた中で、国会議員には退職金がないと。したがってそれに相当するのが議員年金だという反論があります。しかし、もし退職金が必要だというのであれば、それは退職金が例えば首長、知事とか、市長でもあるわけですから、国会議員に退職金という議論は別途したらいいと思いますが、そのことをもって年金を正当化することはできないと思っています。
国会議員年金をゼロにするというのも、それは個人的にはそういう考え方も私は決して反対ではありませんが、いろんな立場の方がおられるわけで、いきなりゼロにするというのは少し乱暴かも知れません。
ちなみに私は国民年金なんですが、多くの国会議員は国民年金に入っていると思います。自営業者として。私は国民年金基金に入りまして老後に備えています。国民年金だけでは生活できませんので。
年金改革政府・与党案への具体的対応
【記者】年金ですが、与党の改革案は「改革の名に値しない」ということですが、対案を出していくなどの具体的な対応策をお聞かせ下さい。
【幹事長】これは少し次元が違うんですよね。我が党は抜本改革案ですから。
我が党の案はご案内のようにまず基礎年金に相当する分は全額税方式。そして、その上に所得比例型の年金を置くということで、厚生労働省が11月に出した案にも、そういうものが検討課題としてあるということが明記されていますように、かなり魅力のある案だと私たちは考えています。その法案も是非この国会に出したいと思っています。
ただ、今はちょっと次元が違うので、与党のは小手先の案ですから、それと我々の案を比較して同じ土俵の上では議論できません。まずこの与党の案の問題を徹底的に議論をして、そのうえで抜本改革という次元になったときに、我々の案と与党の案が比較されるということだと思います。
大事なことは与党の案が5年先なんて言ってますが、早く抜本改革の案を次の参議院選挙までに出して、そして我々と同じ土俵に立つということが大事だと思っています。このまま放っておくと、「5年先」と言ってますから、結局永遠に抜本改革はできないということになると思いますね。