定例記者会見録 2004年4月
4月23日
○補選:感触は悪くなく関心も高まっている、最後の努力をしたい
○政府・与党が年金法案の採決を急ぐのは中身に自身がないことの表れ
○かつてないなおざりな審議、強行採決となれば小泉内閣の姿勢が問われる
○3閣僚の年金保険料未納は論外、国民年金の形骸化の象徴
○国連待機部隊:まずは部門会議でよく議論を、その上で『次の内閣』等で協議
○三菱自動車:消費者・ユーザーを向いた経営がいかに重要か、これは政党も同じ
○小泉政権3年:言うこととやることが全然違うということが認識されてきた
○3補選共通の争点は年金だが、「政治とカネ」など選挙区事情による争点も
○補選で自民勝てば強行採決の可能性高まる、あとは結果が出てからの問題
埼玉・広島・鹿児島3補選の状況
【幹事長】今日は、いよいよ25日に補選の投票が行われるということで、私自身もこれから本会議後に広島、そして明日は埼玉ということで、代表はそれと入れ替わりのような形になると思います。その他、鳩山前代表あるいは石井副代表等々の幹部が、手分けをして応援に行くことになっています。
今の状況は、感触でしか分かりませんが、埼玉8区と広島5区はそれぞれ、感触としては悪くないと思っています。手を振っていただく方が随分多いなという感じがしますし、関心も高まっているなと認識をしています。
もちろん、3つの選挙区それぞれ重要ですが、特に広島5区、埼玉8区については、何とかして当選に向けて最後の努力をしたいと考えています。
マスコミの予想もいろいろ新聞記事では拝見をしています。広島はどちらかと言うと厳しいんじゃないかという報道もありますが、私自身は全くそういう印象は受けていません。しっかり戦っていくなかで、広島5区についても三谷候補の当選を目指していきたいと考えています。
年金法案の国会審議
【幹事長】それから、国会のほうは引き続き続いていますが、年金法案について、まだ審議が十分なされているわけではありません。採決などということはとんでもないわけで、しっかりとした委員会における審議、そして地方公聴会を含めた公聴会の開催、そのことをしっかり求めていきたいと思います。
採決を急ぐのは中身に自信がないからだと、そういうふうに思っています。議論すれば議論するほど、働く立場あるいは年金の受給者だけではなくて、経済界からも異論が出てくるという案です。
こんな案で本当にいいと思っている人は、恐らく与党の中でも非常に少ないんじゃないかと思いますが、だからこそ、慌てて急いで採決ということなんでしょうが、これほど重要な法案について、今までの歴代の内閣の中でも、これほどなおざりに審議もせずに採決をしたということを、私は聞いたことありませんので、そういうことになれば、強行してくるということになれば、それは小泉内閣そのものの姿勢というものが問われると思っています。
<質疑応答>
3閣僚の国民保険料未納問題
【記者】民主党が求めていた、小泉内閣の閣僚が国民年金の保険料を払っているかどうかという問題で、今日3人の閣僚(麻生総務相、中川経産相、石破防衛庁長官)が一時期払ってなかったということを認めたんですけれども、今後この問題を受けて、それをどう受け止めるかということと、今後どう追及していくのかという点についてお聞かせください。
【幹事長】江角マキコさんであれば、コマーシャルに出てきたとはいえ民間人ですからまだしも、大臣の職にあるものが、そもそも払っていなかったというのは、これはもう論外ですね。
国民年金というものが、いかに形骸化してるかという象徴であるとともに、本人たちに自らが立法、行政府の責任者であるという自覚を欠いていることの表れだと思っています。
全大臣について、今求めていますので、そのことを見ながら、政府の責任を追及していきたいと思っています。
本日の国会対応/国連待機部隊構想の党内集約の見通し/三菱自動車の経営問題
【記者】3点ありますが、厚生労働委員会が止まっているようですが、今日の本会議をどうされるのかということが1つです。
それから、参議院選挙に向けて、安全保障・国際協力の問題・政策を取りまとめられると思うんですが、今日の報道の中で、先に小沢さんと横路さんが合意された国連待機部隊構想が、1つの大きな収斂の方向になると。幹事長もこれを軸に意見集約を急ぐのではないかという趣旨の報道がありましたが、この見通しについて教えていただきたいということ。
3点目が、政治と関係ないですが、三菱自動車への再建策で、ダイムラー社が追加の増資に応じないという姿勢を表明したことで、三菱グループは支援をしていくと言ってるようですが、伝統ある自動車メーカーが非常に窮地に立っていることについて、ちょっとコメントをいただければと思います。
【幹事長】何か、頭の中がバラバラになりそうな、ベクトルの違う3つの質問だったと思うんですが……(笑)。
まず最初の問題は、できれば早くこの会見を切り上げて、よく相談をしたいと考えています。今、申し上げることはありません。
それから2番目の問題ですが、私も新聞で拝見しましたが、党の中で何らかの方針が決まったわけではありませんので、まだその途中の段階ということですので、率直に言って、まだ私のところまでは来ていません。
『次の内閣』まで上がってくれば私のところということになるわけですが、まずは部門会議でよく議論をして、その上で執行部として協議をしたいと考えています。
私自身は、基本的にこの安全保障の問題についての責任者の皆さんがそういうことでまとめる、まとまるということであれば、それに対して異論はありません。ただ、まとまったかどうかというのは確認していませんので、何とも申し上げられません。
三菱自動車の話はやはり、いかにユーザー・消費者が重要かと、消費者・ユーザーを向いた経営をしていかないと、どんな名門企業・大企業であっても非常に厳しいことになるということの1つの例として、私は経済人だけではなくて、我々政党関係者も肝に銘ずべきだと思いますね。政党も一緒だと思います。やはり有権者・国民の視点で見ていかないと同じことになるんだろうと思います。
そういう意味で、説明責任とか情報公開とか、そういうことを重視した党運営をやってきたつもりですが、ますますそういったことの必要性というものを実感しています。
具体的に、そのダイムラー社が増資に応じないとか、そういったことについては、コメントはちょっと今、控えたほうがいいと思います。
小泉政権3年間の感想と評価
【記者】小泉政権3年の感想と評価についてお願いします。
【幹事長】最近、菅代表は「やるやる詐欺」という言葉を発明されましたが、私は「天才詐欺師」と今まで呼んできたわけです。
「天才」というと、非常に褒めた印象を与えるから良くないんじゃないかと、ご忠告もいただくんですが、言ってることと結果があまりにも落差があるということが、最初は結果というのは時間がかかりますから、出てくるまでですね。
ですから、言ってることだけ聞いてて、これは何かやりそうだという、そういう期待感を与えたと思いますが、もう3年たちますと結果が次々出てきますので、医療制度もそうです。そして高速道路もそうです。三位一体もそうです。また年金もそうですが、全然言ってることとやってることが違うんじゃないかということは、広く国民の中でも認識されてきたのではないかと思っています。
自民党の中に、しかし適当な人がいないということで、一定の支持率を維持しているという、不思議な内閣だと思いますね。小泉さんに代わる人は、自民党にはいないかもしれませんが、民主党がありますので、次なる選挙で政権交代ということがいよいよ現実味を増してきたということだと思っています。
補選の争点
【記者】補欠選挙なんですけれども、選挙戦をやってこられて、一番今回の補選の争点として訴えられたこと、そして一番反応として大きいのは年金ということになるんでしょうか。
【幹事長】共通するのは年金ですね、年金だと思います。ただ、それぞれ3つの選挙区ですので、特に、埼玉であれば前職の議員が現金買収で逮捕されるという事態を受けての選挙ですから、政治とカネの問題というのも、同様に非常に重要な問題だったと思います。
それから広島であれば、世襲と言いますか、政治というものは一体どういうものなのかということも非常に重要なポイントであったのではないかと。まあ、過去形で言うのも変ですが、そういうふうに思っています。
年金法案など今後の国会運営
【記者】先ほどの国民年金を払っていなかった閣僚が3人もいたということとの関連で、今後の国会運営なんですけれども、年金は非常に頑張って問題点を明らかにして、廃案に向けて運動をやってるというのは分かるんですが、その他、道路なんかは通ってしまいますし、スムーズに与党ベースで行き過ぎなんじゃないかという声も党内にありますけども、その今後の年金法案について、どうやって対処していくかということも含めて、今後の国会運営の所感を伺えればと思います。
【幹事長】国会そのものは、議論の積み上げであるわけですね。それぞれの委員会で、どれだけ密度の濃い、そして時間的にも、議論をしてきたかということですので、いろんな議論があることは承知していますけれども、私自身が直接委員会の現場にものを言うことは控えたいと思っていますので、国対委員長を通じてですね、状況を把握していますが、それぞれ現場ではかなりのご努力をいただいていると聞いています。
補選の結果が今後の国会運営に与える影響
【記者】補選の結果が今後の国会運営、とりわけ年金の法案の審議にどういうふうに影響するか、ご所見をお聞かせください。
【幹事長】結果が出てからものを言った方がいいと思いますけれども、ただ私自身が選挙で訴えているのは、自民党が勝つようなことがあれば、強行採決の可能性が高くなるということは申し上げています。あとは結果が出たところで考えるべき問題だと思います。あまり予測を交えて話す話じゃないと思います。
4月16日
○人質解放:本当に良かった、しかし結果オーライ、同じことはまた起こり得る
○イラクはまさしく戦争状況、日本の復興支援のあり方をしっかり議論すべき
○日歯連汚職:これは入口に過ぎない、捜査当局は責任を持って事実究明を
○民主党も追及本部を設置、汚いカネによる社会保障の歪みを白日の下にさらす
○国会が混乱している、しかし疑惑隠しのための委員会審議を許してはならない
○韓国総選挙:民意が政治の変革を求めた結果、日本にも大きな波を起こしたい
○渡航禁止法:NGOのような組織もある、一般的な形で規制するのはまずい
○将来にわたってイラクに関わりたいという3邦人の志を批判するのは筋違い
○人質の自己責任:基本的にはそうだが、だから国が何もしなくていいわけでない
○審議再会は与党側に球、なおざり審議の総理・自民幹事長に国会運営上の責任
○補選:埼玉・広島はがっぷり4つ、鹿児島は候補者に力、これから盛り上がる
在イラク日本人人質解放
【幹事長】第1点は、イラクにおいて拘束をされていた3人の日本人の皆さんが解放されました。今日、ご家族の方も本部に来られて、喜びを共有することができたと思います。本当に良かったと思います。
ただ、この間の政府の対応を見ていますと、本来自衛隊を出すと決めたときに当然しておかなければいけない準備が、全くできていなかったことは明白です。情報も取れないなかで、今回のことは「結果オーライ」だったと思います。
同じことが、すでに2人の方の所在が不明になっていますが、今後も同じことが繰り返される、それはイラクの国の中だけでなくて、世界中どこにでも起こり得ることです。
イラクの国民の皆さんが、自衛隊に対して人道復興支援という日本政府の説明を真に受けているということはない、米軍に対する協力と見ていることは、今回の事件でも明らかになったことだと思います。
したがって、今後繰り返されるであろう、同じような誘拐・拘束、あるいは日本国内におけるテロ、そういったことに対する準備が全くできてないことは、明らかに小泉政権の問題であり、早急にその対応をしていただきたいと思いますし、そのことの責任は重いと申し上げておきたいと思います。
同時に今回3人の方が無事に帰ってきたことを受けて、本来もっと早く言うべきであった、日本のイラク復興支援のあり方について、これからしっかり議論をしていかなければならないと思います。
代表も繰り返し言われているように、ファルージャにおける戦いなどは、わずか2週間足らずの間に20万人の都市で600人以上が亡くなるという、まさしく戦争という状況になっているわけで、それはファルージャに限らず、イラクあちこちでそういう状況になりつつあるというなかで、日本はいかにして復興支援に関わっていくか、あるいはイラクに平和とイラク国民の手による復興のために何をすべきかということをきちんと議論していかなければならない、そういう事態だと思っています。
日歯連贈収賄事件
【幹事長】2番目ですが、日歯連(日本歯科医師連盟)の問題ですが、今回逮捕者を出した診療報酬にまつわる贈収賄事件は、代議士会でも私は申し上げましたが、これは入口に過ぎないと。これでもしフタを閉じてしまったら、捜査当局は意図的にそうしたと言われてもしょうがないと思っています。
資料はすべて彼らの手元にあります。その資料を調べれば、もっといろんなことが分かるはずです。政治家の疑惑も言われています。そういったことに対して、きちんと捜査当局として責任を果たしてもらいたいと思います。
どれだけこの国の社会保障制度が汚いお金によって歪められているかということを白日の下にさらす、その責任があると私は考えております。
もちろん、民主党としても本部を設置しました。従来から、いろいろな調査局やあるいは国会Gメンで調べてきましたが、より組織的にこの問題を正面から取り上げていきたいと考えています。
そして、そのことをめぐって国会が混乱をしています。先ほど、私も委員会の現場を覗いてきました。皆さん、非常に頑張っていただいている。女性議員を筆頭に、あるいは城島筆頭理事を先頭に頑張っていただいていることは心強いと思います。
こういった疑惑を隠すための厚生労働委員会の審議を許してはならないと思います。同時に、厚生労働委員会の公聴会の設定があまりにも先を急ぎ過ぎている。これでは、国会で議論する意味がないと言われても仕方がないと思います。
そういったことに対して、きちんと我が党として異論を述べ、そして、そういったことは実現しないようにまず集中審議、日歯連の集中審議だということを貫いていきたいと思います。
補選と韓国総選挙
【幹事長】3番目ですが、日本の補選もいよいよあと1週間ということで、私も今から所沢に行って、小泉総理も来られるそうですが、木下候補の応援に行ってきます。
是非それぞれの選挙区、候補者も、あるいは応援していただいている方も、それぞれ頑張っていますので、良い結果が出るように頑張りたいと思っています。
日本でも補選が行われていますが、韓国で国会の選挙が行われました。党としての見解は、紙で配らせていただきましたが、いずれにしても、韓国の政治の世界も革命的な変化が起きていると思います。
299議席の中で、現職が再選されたのは100人に満たないわけで、現職は3分の1以下ということになります。それだけ民意が政治の変革を求めたという結果だと思います。ある意味では、非常に羨ましい感じもします。日本もやがてそういうときが来るんだろうと思っていますし、次なる総選挙、あるいは今年の参議院選挙、そうした大きな波を起こしていくために我々も努力していかなければならないと思っています。
数カ月前にはこういうことになるとは、誰も予想しなかったと思います。チョン・ドンヨン(鄭東泳)ウリ党議長のリーダーシップの中で、こういった事態が起きたということに対して、私も友人として敬意を表したいと思っています。
同時に、民主党の選対委員長のチュ・ミエ(秋美愛)女史のような、彼女も民主党としてはいろんな形で交流してきた方ですが、落選をしてしまいました。あるいは、やや年配とはいえキム・ジョンピル(金鍾泌)さんも落選をして、キム・ジョンピルさん率いる自民連は崩壊状態に近いわけです。
個人的にはそれぞれ残念なことだと思いますが、大きな変革の波が韓国に来ている、それだけの変革を起こすだけのバイタリティがあるということを、非常に羨ましく思っております。
日本も次の総選挙では、そういった状況を是非つくり上げたいし、国民の皆さんが期待を持って、希望を持って投票していただけるような、そういう状況にしなければならないと思っています。
<質疑応答>
イラク等特定地域への渡航禁止法
【記者】幹事長がおっしゃった1番目の問題と絡むんですが、与党側で特定地域に対する渡航を禁止する法律を検討しようという動きになっています。具体的にはイラクを指すのだろうと思いますけども、こういった法律、憲法上の問題もあるかと思うんですが、民主党としてはどういうお考えでしょうか。
【幹事長】まだ、与党の側でどういう法案を用意しているのか承知をしていませんので、今の段階でコメントするのは早いと思います。
今回の事件に関して、いろんな議論はあると思います。ただ、もう少し視点を変えると、例えばNGOという組織をもって、そして、ある程度の経験を経たうえで、あえてイラクに留まっている人はいます。
今回の3人の方はどちらかと言うと、個人ベースで動かれていたと思います。そこはちょっと状況が違うわけで、私はNGOの皆さんが、政府が十分活動できないなかで、まさしく必要な活動をしてるという場面を見てきています。例えば、コソボでまだ外交官が入れない状況の中で、私もNGOの方のお骨折りでコソボに入った経験も持っています。そういうものを一般的に規制する形になればそれはまずいと思います。
今回の件はどうだったのかという点は、これからの検証だろうと思いますので、3人の方の帰国を待って、いろんな議論が出てくるだろうと思っています。ただ、もう少し注意深くすれば防げたことかもしれないなという個人的な気持ちを持っています。
人質や家族に対する政府・与党からの批判
【記者】今とやや関連する話ですが、法制度の話もありますが、全体的に人質となった皆さんに対してですね、批判的な言動が与党・政府の方から聞こえてきます。例えば、救出費用を明らかにすべきだとか、あるいは一部なりとも負担させるべきだとか、あるいは総理からも、ボランティア活動を続けたいという発言に対して、やや批判的な発言をすると。この政府・与党側から、人質となった皆さん自身に対して、ある種風当たりが強いという、これを幹事長はどうご覧になりますでしょうか。
【幹事長】まず、総理の発言を聞いて私は驚きました。今すぐにイラクに行きたい、残りたいということであれば、私は論外だと思いますが、しかし、将来にわたってイラクと関わりを続けて持ちたいというお気持ちはとても大切なことで、私はこれだけ厳しい状況に置かれたにもかかわらず、その志を曲げないということに対して、敬意を表したいと思っています。
総理がどういう意味で言われたのか確認のしようがありませんが、関わりを持っていきたいということに対して批判したのであれば、これは全くの筋違いだと思います。もちろん、最初に言ったように、すぐ戻るということであれば、それはちょっと違いますねと申し上げなければならないと思っています。
イラク情勢や人質事件が補選に与える影響
【記者】改めて今回のイラクの解放、現状のイラクの情勢が補選に与える影響をどのようにお考えでしょうか。また、それを踏まえて、今後、選挙の中でどのように訴えていかれますでしょうか。
【幹事長】なかなか難しい質問だと思いますが、イラクの問題は無事に帰ってきて良かったという思いは、国民の皆さんの中に共通だと思いますね。
それが補選にどういう影響を及ぼすかということは、私はあまり議論したくありません。事実は事実として受け止めて、選挙は選挙としてしっかりやっていくということだと思います。
ただ、もし政府が今回の3人の無事解放を、これは政府の努力の賜物であると、そういう趣旨でおっしゃることがあれば、それはそうではありませんと。むしろ、いろいろ後手に回った部分もあるし、国民が共通して努力し、無事の解放を願った結果であると申し上げたいと思います。
選挙のことは選挙のことですから、あと1週間ですから「とにかく全力で走る」と言うしかないんじゃないでしょうか。我々としては、先ほど申し上げたようにイラクの現状、そういう中で日本は何をすべきなのか、ということをきちっと伝えていくということだと思ってます。
日歯連贈収賄事件が補選に与える影響
【記者】日歯連の贈収賄事件が補選に与える影響については?
【幹事長】贈収賄事件は、今回の贈収賄事件というよりも、これも先ほど申し上げましたように日歯連を取り巻く政治とカネの問題と捉えて、真相究明の重要さを我々としては訴えていきたいと考えています。
もちろん、今回のことも大きな問題ですし、私は贈賄側はもちろん、収賄側も伝えられていることが事実だとすれば、連合の幹部の方もいらっしゃいますけども、それは論外だと言わなければいけないと思っています。
民主党の国会対応に対する世論の動向/報道のあり方と自己責任
【記者】審議に応じないということで、今日、国会が止まっているわけですけれども、その一方ですね、日歯連をめぐる追及なんかも一方で国会でしなければならないという、ジレンマも多いと思うんですが、この戦術が世論にきちっと通るのかということが1点と、先ほどの質問と絡むんですが、自己責任という原則が盛んに言われていて、このフリーのジャーナリストに我々頼っている部分もあるので、あまり人のことは言えないんですが、報道のあり方みたいなものを多分問われてくると思うんですが、その辺もちょっとコメントいただけないでしょうか。
【幹事長】これは非常に難しい問題ですよね。簡単に割り切ることはできません。
私は自らの判断で、特に渡航禁止ということが明らかになっているなかで行けば、それは基本的には自己責任だということだと思います。
しかし、自己責任だから、国として何もしなくていいかというとそういうことはでないわけで、それは国家として国民を守る責任がありますから、それはしっかりと対応しなければならない。
二律背反といいますか、非常に微妙な難しい問題ですが、自己責任といっても自分の命のことまで、これは自分一人の命ではありませんから責任を取れないわけなんで、自己責任だけで割り切れないし、それは本人にとっても国としても、自己責任だからといって突き放すことはできない、そういう問題だと思いますね。ちょっとそれ以上言いがたいですね。
ただ、日歯連の問題、国会の問題は、止まっていると言っても日歯連の疑惑についての集中審議をするということになれば動き出すわけですから、それは政府・与党の側に球があるということです。
我々としては、年金の審議ももちろんしたいし、何よりもこの日歯連の疑惑の問題を国会の場でやりたいということですが、それを隠してしまうような与党のやり方に、簡単に乗るわけにはいかないということについて、国民の皆さんにしっかり理解を求めていかなければならないと思います。
これだけ大きな年金の問題について、まだ審議が始まってさほど時間は経っていませんし、審議時間もまだわずかですが、そういう中で公聴会を設定し、連休前に採決して上げてしまうというのは、これは何のために国会やっているのか分からないと思うんですね。
しっかりした議論をするということが前提であるはずで、そういう意味では、これは別に与党だけではなくて、政府も含めて、小泉総理も含めてですね、あるいは安倍幹事長も含めてですね、こういった国会の運営について責任があると思っています。
国会審議再開の条件
【記者】今、幹事長から、国会に関して集中審議さえあれば動き出すという発言があったと思うんですが、これは与党側が公聴会の日程を強行してきた場合であっても、集中審議の日程さえ入れば今後は動き出す、そういう趣旨のご発言なんでしょうか。
【幹事長】違います。公聴会の日程というのは、日歯連の問題の集中審議が行われ、その上で年金の審議が正常化し、そういう中でどういうタイミングで公聴会を行うかという議論がなされるべきことですから、あらかじめ公聴会の日程を設定して、その上で集中審議というのは、それは明らかに順序が違いますので、公聴会日程が設定されていないということが大前提になります。
新進党の座り込みとの違い
【記者】厚生労働委員会の阻止のために、物理的な実力行使に出てらっしゃるわけですけれども、新進党時代に金融国会で座り込みをやって、あれで決定的に国民の支持が離れたという経験もあるわけですけども、当時との状況の違いと、今回これをやらなければならなかった理由を分かりやすく説明してもらいたいんですが。
【幹事長】今の厚生労働委員会の現場の状況は、別に物理的に阻止をしているのではありません。そこに立って抗議をしている、ということです。
3補選の現状認識
【記者】補選の関係でもう1点お願いしたいんですが、唯一の週末に入りますけれども、現時点で3選挙区の状況認識にについてどのよう考えていらっしゃるかお聞かせください。
【幹事長】なかなか私の口から言うのは難しいんですが、埼玉と広島はまさしくがっぷり4つに組んでの勝負になっているということです。鹿児島5区は少し出遅れました。しかし、聞いていただいた方は分かると思いますが、我が党の候補者は極めて力のある演説をする方です。ですから、なるべく多くの方に聞いていただくなかで、私はこれからどんどん盛り上がってくると思っています。
与党内の国会審議再開案
【記者】先ほどの質問の関連ですが、与党内では公聴会の日程は先送りにして、火曜日に日歯連問題の集中審議をするということで正常化したいということですけれども、この案なら乗れるということなんでしょうか。
【幹事長】こういう場でのいろんな話は気をつけなきゃいけないんですが、何も正式に議論しているわけではありませんし、今、事態はまさしく厚生労働委員会を開いて審議をするかどうかというところでもめてるわけですから、あまり仮定に基づいた議論に私はお答えできません。
4月9日
○党女性候補支援基金を大幅に拡充、あわせて愛称も公募
○3邦人拘束事件:激しい怒りを禁じ得ない、即時・無条件の解放を強く求める
○政府はテロリストの脅しに屈することなく人質救出に全力を
○総理の責任は重大だが、今は人質救出に向けて我々も協力したい
○当然予測できた事態に対し、総理・政府はあまりにも準備ができていない
○党本部は24時間体制で情報収集、藤田国際局長もアンマンへ派遣
○今は敢えて自衛隊撤退を主張せず、犯人の要求をのんだと誤解されかねない
○補選:埼玉、広島で接戦、党を挙げて対応していきたい
民主党女性支援基金の拡充
【幹事長】まず、お手元に資料を配らせていただきましたが、民主党の女性支援基金というものがあります。資料のとおり、今まで国政から市町村会議員の皆さんまで、党全体含めて、162名の方がこの基金を利用され、そして93名の方が当選をされています。この女性支援基金につきまして、先般相談をして、今年の予算は1000万円を予定していましたが、3000万円に拡大して、特に国政レベルの候補者に対しては、従来の100万円を200万円に引き上げるということを、私のところで決めさせていただいたところです。
同時に、女性の政治家を志している方を積極的に支援するという観点から、女性支援基金の愛称を公募するということになりました。4月末までを期限にして、その作業を行っていきたいということを考えています。
在イラク3邦人拘束事件
【幹事長】さて、今日は奇しくもフセイン政権崩壊後丸1年になります。そういう中で、今回の日本人の拘束が行われました。このことにつきましては、お手元に談話をお配りしています。先ほど、昨日作りました対策本部第1回目を開催しまして、その場において協議をしていただき、談話として取りまとめたものです。たまたま菅代表も、九州・種子島のほうへ行っておりましたので、羽田から国会までの車中で相談をしてまとめたものです。それを対策本部でオーソライズしたということです。
ここに書かれた通りですが、改めてかいつまんで申し上げますと、まず今回の事件に対して、こういった形で人質を取るというやり方、そして自らの条件が満たされなければ殺害を示唆するような、こういったやり方に対して、激しい怒りを禁じえないところです。先ほど、代表のところに3人のご家族の方もお見えになりましたが、その思いを、心中をお察しますと、本当に言葉もないところです。犯人グループに対しては、即時に、無条件で3人を解放するように強く求めたいと考えています。
しかしこうした事態は、ある意味十分予測できたことです。当然、自衛隊を出すことを決めたときにそのようなリスクも踏まえて、決定がなされたのです。
したがって政府は、こうした事態が不幸にも現実化したということですので、その対応に万全を期して、そしてもちろん脅しに屈することなく、人質の救出に全力を挙げてもらいたい考えています。同時に、イラクに残る他の邦人の安全についても強く政府にその安全の確保を求めたいと思っています。
党としては、もちろん従来から、アメリカやイギリスによる大義なき戦争に強く反対をしてまいりました。またイラク特措法が、いろいろ問題があると、戦闘地域と非戦闘地域の区別はできないということを申し上げてまいりました。
私自身も、予算委員会の場で、将来シーア派が、自らの意見が受け入れられないということで、アメリカに対してより敵対的な行動に出た場合には、サマワもどうなるか分からないと、そういう意味で将来に渡って戦闘地域になることがないと言われる、非戦闘地域というのはそれは言えないのではないかとうことも申し上げました。
あるいは今、自衛隊を出すことが、イラク国民の日本に対する見方を変えてしまうことになるのではないかという、そういうことも申し上げて、自衛隊の派遣に反対したところです。残念ながら、我々が考えていたことが現実のものになりつつあるということかと思います。
いずれにしても、こういった事態を招いたことに対しての小泉総理の重大な責任ということは、指摘せざるを得ないと思います。
ただ、今何をすべきかという観点で考えたときに、そういった総理や政府の責任を追及していくということよりも、今のこの時点で言えばですね、捕らえられた3名の日本人を無事に取り戻すということに、全力を傾注すべきであるということは明らかだと思いますので、いろいろ我々としては言いたいことはありますが、そのことは当面横に置いて、政府に、必要があれば、求めがあれば全面的に協力をしながら、3人の邦人の方の救出に向けて我々も協力をしていきたいと考えているところです。
<質疑応答>
民主党案の提出方針
【記者】幹事長は今、最後に「求めがあれば」とおっしゃいましたが、民主党のほうから、例えば党首会談を申し入れるですとか、そういったこちらからのアクションというのは考えていらっしゃらないのでしょうか。
【幹事長】今のところ、具体的にそういったことはありません。求めようにも総理自身が国会にずっと出ているわけですね。我々は、本当に厚生労働委員会、国土交通委員会に総理が出続けることが、この緊急事態における一国のリーダーのあり方として適切なのか、疑問に思います。率直に言って。
しかしそれは、政府・与党がそういったことを強く主張された結果ですから、我々としては、やむを得ないものとして審議を行っているわけです。
先ほどの菅代表に対する、「これからどうするのか」という問いに対する総理の答えは全くありませんでした。相手が分からないのだと、一言で言えばですね、その一言だったと思います。当然予想されたこの事態に対して、あまりにも準備ができていない。心の準備も含めてですね。そのことが垣間見えた答弁だったと思います。しっかりとした対応をしてもらいたい。こういうときにこそ、国のリーダーとしての資質が問われるというふうに思っています。
週末の連絡体制
【記者】犯行グループは、3日以内の自衛隊の撤退を求めているのですが、この週末にかかってくるかと思うのですが、民主党として週末の連絡体制や幹部の方の対応で、方針のようなものが決まっていれば教えてください。
【幹事長】まず、情報収集が非常に大事だと思います。したがって、党本部としては24時間態勢でこれから情報収集に当たっていきます。現地の情報も重要かと思います。したがって、藤田国際局長を今晩、確か8時だったと思いますが、アンマンに向けて出ていただきます。スタッフと合わせて2名でアンマンに常駐をして情報収集に当たってもらうということにしています。
恐らく日曜日の夜遅くに本部を開催することになるのではないかと思っています。それまでも常時、情報収集に努めていきたいと考えています。
自衛隊撤退の是非
【記者】今日の代議士会でも、執行部として今は、政府・与党に協力していくと、3名の救出に協力していくということは分かるけれども、やはり大義がなく、こういうことが実際起きてしまった以上、自衛隊を撤退させるべきだということを、政府に求めるべきだという意見も出されていましたけれども、それについては、どう理解を求めていくのか、幹事長としてはどう整理されていくのかという点と、これは3日間という期限がつけられていますが、どこでどうなるか分からないのですが、本来の民主党の主張に戻るタイミングというものは、現時点ではどうお考えになっておられるのでしょうか。
【幹事長】本来の主張というのは、自衛隊を派遣すること自身に反対したという意味ですか。
【記者】はい。
【幹事長】党の中に、一部ですね、おっしゃったような議論があることは確かだと思います。私は決して多くないと認識していますが、いろんな意見がある中で、直ちに自衛隊を戻すべきだという発言もあったようですから、そういうふうにあるのだと思います。
ただ、こういう緊急時においては、やはりトップダウンで物事を決めていかなくてはなりません。今、党を挙げて議論をしているだけの時間はないと思います。そういう意味で、この対策本部の中の議論として、先ほど申し上げたような基本的な考え方を決めたところであります。
もちろん、党内的な論議、これから重要になると思いますので、今日は金曜日ですから、月曜日にそういった議論の場を設けたいと考えているところです。
もともと、自衛隊派遣に反対していたのではないかということについては、それはその通りです。先ほど言いましたように、我々が懸念していたようなことが、まさしく起こっているということだと思います。同時にイラクの今の状況は、ここ数日、一段と、フェーズが変わったというかですね、そういう状況になってきているということも言えると思います。
したがって、我々としてはより強く自衛隊の派遣に反対をするという立場を再度確認し、主張していかなくてはなりませんが、しかし今このタイミングでそれを言うことが、テロリストと言いますか、誘拐犯の主張を100%そのまま受け入れたと誤解を招きかねませんので、今敢えてこのことを言うつもりはありません。
物事は、やはり順序がありますから、今はとにかく無事に戻すこと、それに全力を挙げる、そして、そのことに目途がついたところで、本来の自衛隊の扱いについての議論をしっかりしようと、こういうことだと思います。
補選の争点
【記者】目途がついた段階で、改めて主張をしていくということでありますけれども、目途がついた段階で、今後の補選の争点としてこの問題を取り上げていくおつもりがあるのかということと、関連して、3補選の現在の状況についての認識を改めてお聞かせください。
【幹事長】状況がどういうふうに展開していくかまだわかりませんので、問題の解決が2、3日でなされるのか、それともずっと引きずった状況が続くのか分かりませんので、今の段階で補選に対する影響というのは、なかなか測りがたいものがあるというふうに思います。
それから、補選の状況ですが、3つの選挙区それぞれ、大変候補者に頑張ってもらっていると思っています。それぞれの選挙区、党として、大切にしたいと思っていますが、中でも埼玉と広島については、非常に接近した戦いになっています。
そういう意味で、ここについて勝つか負けるかという状況になっていますので、しっかりとした党を挙げての対応としていきたいと思います。私もこれから埼玉に向かいたいと思っています。
テロリストからの最後通告時の民主党の態度表明
【記者】そうは言っても、3日間の期限ということで日曜日の夜にタイムリミットが来るわけでして、もしテロリストがもう一度、撤退しなければ具体的に人質に危害を加えるとなった場合、民主党としての態度表明はあるのでしょうか。つまり、撤退すべきかすべきでないかということです。これは政権を取ったときにどうするかという、政権に近づけば近づくほど問われてくることではないかと思いますが、その辺りのお考えをお聞かせください。
【幹事長】頭のいい方はすぐ、頭の体操、ケーススタディをしたがるわけですが、私はこういう人の命が関わった問題について、「もし」とか、「万が一」とかそういう仮定に基づく議論をすべきではないと思います。
4月2日
○最も重要な年金問題で説明責任が果たされぬ以上、審議ストップもやむを得ない
○各議員・候補者が政府対応の不備を世論に訴え、再審議に応じさせることが重要
○今後の対応を今言うのは不適切、一刻一秒真剣勝負で再審議を求めている
○世論の支持:まともに答弁しない総理の姿は国民の目に焼き付けられている
○山崎・平沢両氏の訪中:官房長官・外相は不快感を示すよりも反省の弁が先
年金問題と政府・与党の「審議拒否」
【幹事長】今日は何と言っても、国会の問題、年金の問題に尽きると思います。
昨日の本会議における、我が党の枝野政調会長、古川ネクスト厚生労働大臣の質問に対して、まともに答えない総理の姿が浮き彫りになりました。我々から見て、とても誠実な答弁がされているとは考えられませんので、再度審議をやり直せということを求めましたが、それが拒否をされ審議できない状況のまま、今日、本会議が開かれたことは誠に遺憾です。
我々としては本会議をきちんと開いて、国民が最も関心がある年金の問題に対して、国民の分かるような議論のやり取りがなされるべきだと考えて、今、政府・与党側の対応を見守っているところです。
もちろん、本会議がそういう不正常な状況ですので、各委員会も同様に止まっているという状況です。我々としては極めて不本意ですけれども、しかし最も重要な年金の問題について説明責任が果たされていない以上、やむを得ないことだと思っています。
一刻も早く政府が、小泉総理が自ら答弁しなかった問題を中心に、きちんと我が党の審議要求に応じるように求めたいと考えています。
この週末は、各議員あるいは候補者が全国に散って、政府の対応の不誠実さ、逃げの姿勢、そういうものをしっかり訴えていくなかで、世論を味方に引き付け、そして再度審議することに政府が応じざるを得ないような状況に持っていくことが最も重要なことだと考えています。
今日の池袋駅東口での、代表あるいは私も入っての街頭演説を言わば皮切りに、この週末、全国で同じような試みがなされることになります。この国会の大きな山場だと認識していますので、しっかり戦い抜いていきたいと考えています。
<質疑応答>
昨日の本会議での対応/今後の見通し
【記者】年金をめぐる国会対応についてですが、昨日、田中真紀子さんが指摘していましたけども、枝野さんが再々質問した段階で総理が答えてなかったわけですから、あの時点で止めるべきだったという指摘がありますけれども、そういう指摘を捉えれば、今日になって止めるというのはちょっとチグハグな感じがするんですが、これについてはどう受け止めているのかということと、今後、審議に応じるか政府側の対応を見守るということですけども、どこまで審議に応じられないという状況で今後引っ張っていくのか、今後の見通しについてお願いします。
【幹事長】まず、昨日の本会議における状況は、私ももう少し熟練したやり方があったかもしれないとは思っています。それから、古川議員の質問が終わったあとも、議運の皆さんに私から出向いて、対応するように申し上げたわけですが、そういった若干のことはあるかもしれません。
しかし、それで止まったかというと止まることはなかったと思います。本会議がそういう形で止まるというのは普通、非常に考えにくいことです。
今日、改めて議院運営委員会の場で我が党が主張し、そしてそれが容れられないということになったということです。
それから、今後の対応は、これは一刻一刻、真剣に戦っていくということですので、いつまでにとか、そういったことを申し上げるのは適切ではないと思います。
我々も、国会に長い間我々が出ない状況が続くことが決して望ましいとは思っていません。ただ、今のこの政府のいい加減な、答弁をまともに行わない国民無視の姿勢、そういう状況が続く限り、国会を開いて我々が出ても同じことだと考えて再度審議をやり直すことを求めているわけで、一刻一刻、一秒一秒が真剣勝負だと考えています。
民主党案の提出方針
【記者】当初、対案を9日に提出するというお話でしたが、今回のような状況になって、対案を9日に提出するという方針はどういうような取り扱いになるのでしょうか。
【幹事長】基本的には変わっていません。我々は9日を目指して作業をしていますので、9日には出せると思います。
ただ今までは、9日に出すことで政府案と一緒に厚生労働委員会で年金の審議に入るということでしたが、厚生労働委員会を勝手にどんどん動かしていくということになりますと、9日という日の意味が大分変わってくるとは思います。
だからと言って、我々は先に送ろうという気持ちを持っているわけではありませんが、そういう状況・意味付けが変わってくるなかでの総合判断の問題だと思っています
審議再開のシナリオ
【記者】今後のシナリオなんですが、あくまでも再度審議を求めていくという以外、今のところ選択肢としてあり得ないのか、それとも、例えば政府案の不備を総理自身に認めさせておいて、時限立法にしてとりあえず審議に入るとか、選択肢が他にないのかどうか、その辺りいかがでしょうか。
【幹事長】いろいろケース・スタディをすることは悪くはないと思いますが、これは我々がとやかく考える話ではありません。政府・与党の側がこういうふうにしたいという提案を持ってくるのであれば、それは我々も検討しますが、我々が今、こうしたらどうでしょうか、ああしたらどうでしょうかと、そういうことをいう立場にはないと。
【記者】昨日の国会審議の小泉総理の答弁によって審議を止めたということであって、つまり対案を出したからといって、そのときに審議再開という理屈にはならないかと思うんですが、改めてお聞かせ願えますでしょうか。
【幹事長】対案を我々が出したからすぐ再開ということではもちろんありません。論理的には直接関係ありません。
参議院の国会対応
【記者】参議院のほうの対応については、衆議院と同じような対応になるのか、それとも、参議院独自の判断なのか、ここについてちょっと教えていただけますか。
【幹事長】今日の役員会でも議論をしました。衆参独立の院ですので、月曜日は委員会はそうたくさんありませんが、若干あります。火曜日はいくつかの委員会がありますが、そのときの状況を見て判断することになりますが、基本的に独立の動きです。水曜日に本会議が立っていますので、これは1つの考えどころだと思っています。そのときの状況を見て、火曜日の役員会などで議論することになると思います。
世論の動向に対する認識
【記者】先ほど「世論を味方に引き付けるように」とおっしゃいましたが、現状認識としては、今回の対応に世論の支持が得られていると考えていらっしゃるんですか。
【幹事長】まだ、国会に出席しないと我々が決めてからそんなに時間が経っていませんので、具体的な反応が今返ってきているわけではありません。今日、池袋で街頭演説をすれば、少し状況が分かるかなとは思っています。
ただ、マスコミの皆さんにどこまで報じていただいたかは別にして、昨日の総理の答弁が、枝野政調会長の言葉を借りれば「中学生でも分かるような話」、それに対してまともに答えていないということは、国会中継を何らかの形でご覧になった方にははっきり分かったはずですし、それから古川さんが2問追加質問したにもかかわらず、第2問について全く答えていないということですので、そこは伝わることだと、十分理解していただけることだと思っています。
年金制度の根幹の部分の議論ですので、そういうことにもまともに答えないという総理の姿というものは、国民の皆さんの中にしっかり焼き付けられるのではないかと思っています。
自民党・山崎前総裁と平沢政務官の訪中
【記者】自民党の山崎前副総裁と平沢勝栄総務大臣政務官が、中国に行って北朝鮮側と接触して、政府・自民党の中で問題になっていますけれども、これについて幹事長のご所見をお願いします。
【幹事長】平沢さんや山崎さんのことについて、そのものについては私がコメントする立場にはないと思います。自民党の中で、あるいは政府がコメントすべき問題であって、私が何かとやかく、良い悪い含めて、言う話ではないと思っております。
ただ、一般論として考えた場合に、福田官房長官を始め関係者の皆さんが「交渉は政府が一元化しているんだから」と、そういったお話もされています。私は政府が外交交渉に責任を持ってやるということはその通りだと思いますが、しかし1年以上経って何の成果も上がっていない、前進が見られない、6カ国協議の後も目途がついていないという状況の中で、いろいろな人が心配して動きが出てくることに対して、一般論としてそれがおかしいとか駄目だということではないと私は思います。
もし、官房長官や外務大臣が不快感を示されるのであれば、まず自らの姿勢、自らのやってきたことに対する反省の弁が先に立つべきだと私は思っています。
私は、平沢さんや山崎さんを、決して擁護しているわけではありませんからね。そこは間違えないようにしてください。(笑)