定例記者会見録 2004年5月
5月14日
○新代表が選出されれば反転攻勢、参院選・総選挙で勝利し政権交代を実現
○総理の再訪朝と年金未納問題がタイミングを合わせて出てきたことは許せない
○一国の総理が国民に堂々と嘘を言うのは信じがたい、それだけで辞任に値する
○少しやり残したことはあるが精一杯やってきた、充実感と解放感に浸っている
○未納総理:個人的には、内閣不信任以前に議員辞職を求めたい
○新代表がどの会議に出るべきかは新執行部が決めること
○正式に一任された幹事長による党規約に基づいた一本化、透明性に問題なし
○幹事長1年半:ルールに基づいて決定し、違反すれば責任をとることを根付かせた
代表選挙
【幹事長】まず、代表選挙に関しては、先ほど両院議員総会で決定されたところですので、私からあえて付け加えることはありません。
ただ最終的に、分かりやすい選挙という形で次の代表が選ばれることになったこと、基本的に小沢一郎さんで党内のかなりの部分が集約されていることは、大変嬉しいことだと思っています。
これをきっかけに、来週の火曜日に新代表が決まれば、反転攻勢、民主党らしく攻めて攻めて攻めまくる、そして参議院選挙で勝利し、次の総選挙で政権交代を実現する。その道筋が今日、できたのではないかと思っています。
総理の再訪朝と年金未納
【幹事長】それから、総理の訪朝が報道されていますが、拉致被害者の家族の皆さん始め、総理の訪朝には慎重な見方が強いわけです。
もう少し精査してみないと、私の段階で判断するのはいかがなものかと思いますが、前回の訪朝も拙速の中で、拉致の問題が、ある意味で、ボタンの掛け違いがおきて、今日まで家族がバラバラの状況が起こりました。今回も十分煮詰められた結果の訪朝なのか、疑念を持っています。
あわせて、これは全く許せないと思うのは、このことと小泉総理の年金未納の問題が、タイミングを合わせて出てきているということです。
情報操作と言わざるを得ないわけで、今までこれほどマスコミ・メディアを利用して自らの問題点を覆い隠そうとした総理は、私は見たことがありません。
年金未納の問題も明らかに嘘をついていたわけであり、一国の総理大臣が国民に対して堂々と嘘を言うということは信じがたいことでありまして、そのことだけで辞任に値すると私は考えています。
菅代表が未納で辞任したわけですが、今回の場合、福田さん(前官房長官)よりも悪質、福田さんは4日間隠したことが辞任の理由でした。今回は明らかに、総理が堂々と嘘を述べていたということですから、これは一国の総理大臣が国民に対して嘘を言うということは誠に恥ずべきことであって、語るに落ちたという感じがします。
そして、そのことと北朝鮮の問題を絡ませているという、そういう姑息なやり方、それだけで総理以前に政治家として「辞められたらいかがか」と思っています。
大変残念な、「残念」という意味は、そういう総理を持っていることに対して、残念な思いで一杯です。
最後の定例会見にあたって
【幹事長】最後に、定例会見として今日は最後になりますので、一言申し上げたいと思います。
皆さんにも大変ご協力をいただきまして、時には厳しいご質問もいただきましたが、約1年半に渡って、お世話になりましたことを御礼申し上げたいと思います。
一昨年の12月に幹事長になったときには、党の支持率も極めて低い状況の中で、私が最初に取り扱いをしたのは、熊谷さん始め離党の問題、そして連合との関係も極めて悪い状況で、菅代表と二人三脚でそういった難局を乗り切りながら何とか、そして自由党との合流という極めて難しい問題も、良い形で最終的に決着させていただいて、総選挙で大幅な議席増を勝ち取ったことは大変、いろいろしんどいことは多かったですが、私として、自分の能力としては精一杯のことができたと思っています。
党改革の問題とか、仕掛かり品が若干あります。ここ2ヵ月ぐらい、ラストスパートでやらなきゃいけないと思っていた問題、あるいは参議院選挙、そういったところは心残りではありますが、いずれにしても9月の段階で自分は辞めようと思っていました。
どこかの新聞が「解任してほしい」と書いていましたが、それはそうではなくて(※編注:正しくは「堪忍してほしい」)、私自身、もう十分なことはしたと考えて、9月の段階でバトンタッチをしたいと考えていましたので、それがやや早まったという感じです。
少しやり残したことはありますが、精一杯やってきましたので、そういう意味では充実感と解放感に浸っています。今日までお世話になったこと御礼申し上げて、幹事長長として最後の定例会見とさせていただきたいと思います。
<質疑応答>
総理の未納問題への対応
【記者】先ほど年金問題に関して、総理の対応について政治家を辞めるべきだとおっしゃいましたが、これは新執行部が決めることかもしれませんが、内閣に対して不信任案などどういった対応をされるんでしょうか。
【幹事長】それはまさに新執行部が決めることですので、私が今の立場でコメントするのは望ましくないと思います。
ただ、私個人の思いを言わせていただければ、これは不信任以前に、議員辞職を求めたいという思いですね。これだけ明確な政治家の嘘はないと思います。
本人も知らないはずないわけですから、菅代表の辞任をどういう思いで見ていたんでしょうか。もし順序が逆であれば結果は逆だったかもしれませんね。
新代表から役職を要請された場合の態度
【記者】先ほど「最後の会見」とおっしゃいましたが、新代表から党の結束に当たって幹事長の力が必要だということで何らかの役職を要請された場合に受諾するお考えがあるのかどうか、その点について伺います。
【幹事長】まだ新代表も決まっていない段階で、恐らく新代表になるであろう小沢さんが注目されているという中で、その新代表に何か言われるというような、仮定に仮定を重ねた質問に答えるのは失礼だと思いますので、コメントはいたしません。
ただ、正直疲れたということは申し上げておきたいと思います。
選挙開催の提案時期
【記者】今日の小沢代表代行との会談の中で、選挙をやって欲しいと言われたということですが、それは今日初めて言われたのか、それとも内々に伝えられていたのかということと、それから3党合意について何か話があったんでしょうか。
【幹事長】選挙の件は、その場で小沢さんの口から出たことです。私も一本化に失敗した場合に備えて選挙の準備は内々にはしていたわけですが、小沢さんご自身が言われたのはその場が初めてです。私は非常に良い判断をされたと思いましたので、その場で賛成しました。
それから、3党合意の話は話題になっていません。ただ、一般論として、会見でも言われたと思いますが、自分は政治家としての基本的な理念・信念を代表になったからといって変えるつもりはないということを言われました。
新代表の会議出席
【記者】先ほどの常任幹事会で、幹事長から小沢代表代行との話し合いについてご報告されたなかで、小沢代行が党の会議に必ずしもすべて出られないかもしれないというようなやり取りがあって、幹事長が「それは新執行部で決めたらいいんじゃないか」というようなことをおっしゃったということが、常幹のブリーフィングで出たんですが、改めてそこの説明と、新執行部で決めたらいいと幹事長がおっしゃった理由を伺いたいんですが。
【幹事長】代表がどういう会議に出るべきかということは、もちろん規約その他で決まっているものもありますが、そうでないものもありますので、私が「出たほうがいいですよ」とか「出なくていいですよ」と言う立場にはありません。
新しい体制ができれば、役員の間で、あるいは幹事長とご相談されて、役割分担をされればいいわけですから、私が決める話ではありませんので、「新執行部とご相談されたらいかがですか」と申し上げました。
この党は会議が多いものですから、どこまで誰が出るのかということは、実は極めて大事な話ですから、私は代表が全く会議に出なくていいとは思いませんが、もう少し会議も整理したほうがいいかもしれないと思っています。それは私が決めることではありません。
【記者】代表代行からそういう話があったということですか。
【幹事長】ええ、具体的にあったのは2点だけなんですね。それはさっき言った、自分の政治家としての基本的な理念・信念は変えないけどもそれでいいかと言われましたので、私はリーダーというのはそういう基本的なお考えをお持ちで、それを曲げる必要はないと思いますとお答えしました。
菅さんのときにも、私が幹事長として支えているなかで、必ずしも意見が一致しない部分があっても、基本的には代表の考え方になるべく揃えてきたつもりですということを申し上げました。
それから、もう1つの点が今のお話で、自分は会議に全て出るような形にならないかもしれないとおっしゃったので、「それは私が判断する問題ではないと思います。新しい執行部の中で、どう言う会議に出るかということはご相談されたらいかがですか」ということを申し上げました。
選挙と一本化の順序
【記者】代表の選出過程というのはまだ途中のわけですが、一任を受けて幹事長が一本化作業に当たるということを発表されたときに、記者会見で選挙の手続きをやって、その中で一方で一本化ということはあり得るかもしれないが、まず選挙を行うのが普通じゃないかというような質問をしたと思うんですが、選挙の手続きは最後になりました。
これはやはり先に選挙の手続きということでよかったんじゃないかということが疑問なのと、いやそうではなくて手順を踏んだから党内一致ということができたとお考えなのか、その辺りをお聞きしたいんですが。
【幹事長】規約上は、必ずしも今回のように正式な選挙の手続き、議員間の選挙ですけれども、それを求められているわけではありません。「両院議員総会において選出することができる」「選挙によらずに選出することができる」と、こう書いてあるわけです。ですから、私としては、選挙ではなくて一本化する道というのを模索したわけです。
この間、代表代行が出るということを認めなかったわけですから、1回目にお会いしたときには。そのときに、「最後は選挙でやりますか、それとも拍手で両院議員総会で認めますか」などという議論ができるはずがないんで、私としてはより簡便な方法を念頭に置いて話を進めてきたということです。
しかし、できればより分かりやすい形がいいわけですから、一部の新聞には透明性の問題があるという指摘もありました。私は全くそうは思いませんが、つまり森さん(自民党前総裁)のときとは全く違うわけで、正式な手続きを踏んで私が一任をいただき、党規約に則った手続きの中で、その幅の中で決めてきたことですから何の問題もないわけです。
ただ、そうは言ってもより分かりやすい形のほうがいいし、選ばれる代表にとっても、そういうより分かりやすい方式で選ばれたほうが、代表としてもより正統性を付与されて、代表としての振る舞いもしやすいわけですから、私は良い選択をされたと思っています。
幹事長としての成果
【幹事長】他にありますか?
皆さんも総理にあんなことをやられて黙ってるわけ?明日、北朝鮮の問題を1面トップにしちゃ駄目だよ。「総理の嘘」っていうことをトップにしないと、ぶつけられたときにさ。見識が問われるよね、これ。方針が。
【記者】最後の定例会見ということでもう1つ。1年半の任期、幹事長として取り組まれたなかで、道半ばというものあると思いますが、一番の成果は何でしょうか?
【幹事長】いろんなことをルールに基づいてやるということを根付かせたということだと思います。
党ができてまだ日も浅いということで、いろんなことがその場その場の判断で行われてきました。それはそれで悪いことではないにしても、やはり一定のルールに基づいてやっていく。そしてルールに反したときは責任をとるという、そういう形。
例えば、選挙のときに最終的な応援の問題も、認められた範囲の金額の中で、どの候補者にどれだけの支援をするかということも、恣意的ではなくて、つまり、この人はどういうグループに属するとか自分に近いとか、そういうことは今までもなかったはずですが、きちんと説明できる形で、数字に基づいて、そういったことを関係者と協議をして決めました。
あるいは党内の経理についても、こういうものはこういう人が決済権者であるということも決めて、そして透明性をもって支出が行われることも可能になったと思いますし、その他いろんなことについて、一定のルールに基づいて行うことができる組織になったということは、長い目で見たときに大きなことだと私は思っています。
そういったルールに基づいているから、説明責任を果たすこともできるということになります。第三者機関を党本部と47都道府県の支部に入れたということ、これは自民党には絶対にできないことです。迂回献金をやっていることが分かりきっている、だからできないわけです。
そういったことを将来、間違っても民主党が行わないようにするということにも道を開くことができたと思っています。
5月10日<臨時記者会見>
○両院懇を開催し3党合意について執行部一任、役員会で承認を確認
○国民を裏切るわけにはいかぬ、しっかりまとまるという気持ちが一任という結果に
○明日の中央選管と常幹を経て、今週末には新代表を選出したい
○次の幹事長は新代表が選任、新体制にスムーズに移行できるよう全力尽くす
○参院選:年金のような重大案件を与野党で議論する場を得たことをアピール
○代表辞任:立派な決断だった、幹事長として支え切れなかったことは申し訳ない
○党所属議員の未納状況は今週末を目途に現執行部で公表したい
○代表選に立候補する意思はない、今回の混乱の責めがあり、疲れもある
○年金法案本会議採決:一任は長時間の議論の末の結論、造反はないと信じる
○論議の末一任を得た3党合意の白紙撤回は想定せず、政党間の約束は重い
○3党合意の手続きに瑕疵はあったし混乱の責任もあるが、判断は最善だった
○対案を掲げ反対するだけより、泥をかぶっても与党と議論する姿勢は評価される
3党合意に関する両院懇・『次の内閣』・役員会の報告
【幹事長】先ほどの長かった両院議員懇談会、そして続いて開かれた『次の内閣』、役員会、そういったなかで何が決まったかということを、まずご説明したいと思います。
かなり長く両院懇談会は行われました。発言者の数はちょっと数えていませんが、相当多くの方が3党合意について、それぞれの思いを述べられました。賛成・反対ありました。
そういう中で、途中で両院議員総会に切り替えて採決という話もありましたが、しかしやはりここは党がまとまっていくことが重要なので、執行部に対応を一任するというご意見もかなり出されまして、そういったことを受けて、両院懇談会のまま、伊藤忠治議長(両院議員会長)が執行部一任という提案をされまして、そしてそのことが了承されました。
その間いろんな議論が出ましたが、いちいちは省きますが、その前にまず代表がお辞めになるというお話が冒頭あったことは皆さんご存じのとおりですが、いろんな手続き、特に『次の内閣』の手続きを欠いたこととか、いろいろなご批判もいただきました。もちろん、私も幹事長として責任を重く感じています。そのことも申し上げました。
しかし、そういう形で最後には一任をいただいたのは、やはりこの党を思い、そして国民の皆さんの期待を裏切るわけにはいかない、ここでしっかりまとまらなければいけないという党所属国会議員の皆さんの思いが、最終的に長い議論を経て1つになった結果だと思っています。
それから、新代表の選任手続きにつきましても、ご一任をいただきました。
私からは、両院懇談会の場で、「いつ頃までにと考えているのか」というご質問もありましたので、「今週の金曜日辺りまでには新しい代表が決まっているのが望ましいのではないか」ということも、その場で申し上げました。
それを受けて、まず『次の内閣』が開かれまして、『次の内閣』でも両院懇談会で一任されたということについて確認する、つまり執行部に一任するということを了承していただきました。
途中、ネクスト大臣を辞めたいというご意見も出ましたが、所詮代表が辞意を表明されていまして、次の代表が決まるまでは一応『次の内閣』あるいは今の私たち執行部も残りますが、それは次の執行部が決まるまでの暫定的な組織ですので、そういうことをご説明して、ご理解いただきました。
その上で、先ほど役員会を開催しました。役員会で、代表からまず、「3党合意については、以前役員会で確認したとおり、3党合意をそのまま認め、そして法案の対応については、その3党合意に基づいて進めていく」というお話がありまして、そのことについて役員会で異議なく了承されました。
次の代表の選任につきましては、私からご提案申し上げ、明日午前、中央選挙管理委員会を開催して、そこでまず必要な手続きをつくっていただくと。先ほど、細川律夫委員長に電話で確認して、その旨確認したところです。
それを受けて、明日の午後、本会議終了後、常任幹事会を開催して、新たな代表選任手続きについて了承をいただければ、すぐに具体的な手続きに入ると。こういうことです。
詳細は中央選挙管理委員会で、お決めいただくことですので、現時点では確たることは申し上げませんが、しかし前回、一昨年12月の際の取り扱いに準じた形で、しかし日程については、今の参議院選挙を目前にした状況ですので、先ほどの両院懇談会で申し上げたような日程を念頭に置きながら、進めていくということになると思います。
いずれにしても、そういったことは中央選挙管理委員会あるいは常任幹事会でお決めいただくとことだということです。手続き的なことは以上です。
私としては、今回のことは、手続き面を非常に重視してきた私としては、最後の場面でこういったことで大変党に混乱を招いたことを申し訳なく思っています。その旨は両院議員懇談会でも申し上げました。
いろいろな、連休を挟んでの対応、あるいは時間的に限られていたとはいえ、もう少し丁寧に手続きを行うか、あるいは事前に一任を取り付けておけば、これほどの混乱はなかったのではないか。
もちろん、いろんなことが絡み合って今日の結果に至っていると思いますが、いずれにしても、そのことについては大変申し訳ないことだと思っています。
しかし、あれだけいろんな意見がでた両院議員懇談会で、最終的に執行部に一任して従っていこうということが確認されたことは、有権者の皆さんの期待に対して、民主党がしっかりと応えていくことができる政党だということを示したものだと私は考えています。
次の執行部の皆さんにもしっかり頑張っていただいて、参議院選挙あるいはその先のことも含めて、民主党が次の総選挙において政権を獲得できるように力を合わせていただきたいし、私も別の立場で尽力したいと思っているところです。
<質疑応答>
自身の去就
【記者】岡田幹事長ご自身の去就というのは、今のご発言を伺っていると、どう理解すれば宜しいんでしょうか。
【幹事長】私が今、幹事長であるということは、菅直人代表がお決めになったことです。党規約上、幹事長を決めるのは代表です。
したがいまして、今後手続きに従って新しい代表が選任されれば、その代表が新しい幹事長を選ぶということです。それまでは暫時、幹事長としての職務を遂行していくということになります。
新しい体制ができるまでの間、全力を挙げてスムーズに移行していくということが、私の責任だと思っています。
参院選の戦い方
【記者】先ほど参院選の話が出ましたが、改めまして今回の問題で有権者の民主党に対する目が厳しくなったと思うんですが、今後どのような体制で、年金問題を含めて、どのように参院選を戦っていかれるおつもりなのか、お考えをお願いします。
【幹事長】それは新しい執行部がご議論いただくことですので、私が今、何らかの選挙の戦い方について申し上げるべきではないと思いますが、ただ、今回のことは、国民の皆さんから十分に理解されていないところがあります。
つまり我々は、何度も繰り返しますが、年金の政府案には反対です。そして我々の法案に示された考え方を取り下げるものではないわけです。そして、参議院の審議においても堂々と我々の案を掲げ、そして政府・与党案の問題点についてしっかり指摘をしていくということになります。参議院選挙においても同様です。
しかし同時に、今回、附則に2項を加えると。ここのところだけは、我々が賛成する部分なんですが、つまり附則に加えた2項、行数にすると3行ですが、この3行に基づいて3党間の合意で衆参の厚生労働委員会に小委員会が設けられる。あるいは政党間協議の場が設けられるということですので、そのことはむしろ、年金問題を政府・与党が現在の政府・与党案は不十分であるということを認めたからこそ、そういう協議の場をつくったわけですし、そしてそういう協議の場をつくったということは、国会の小委員会も含めてそういう場があるということは、これから我々の案を実現していくための大きな足掛かりを得たと。
つまり、この国会が終わって、そのあと、次の年金の法案が国会に出てくるまで、厚生労働委員会で一般質疑以外は年金問題を議論する機会がないということではなくて、そういった小委員会を通じて、あるいは政党間協議を通じてしっかり議論することができるということですので、そのことを大いにアピールしていきたいと思います。
私は年金問題のような重要な案件については、やはり政権が代わったからコロコロ制度が変わるわけにはいきません。そして、極めて重要だし、同時になかなか厳しい問題です。
消費税アップの問題とか、負担増の問題とか、いろんなことを議論していかなければなりません。あるいは給付の削減もあるかもしれません。
そういう中にあって、基本的なベースの部分は与野党が共有して、そして議論していくと。まさしくスウェーデンでは、80%の議席を占める5党がそういう形の中で初めて大改革が実現できたわけで、私はそういう大改革を実現していくために、今回の協議の場を使っていくということだと思っています。
そのことも、選挙において堂々と主張していく。つまり我々は、とくかく川の両岸で「賛成」「反対」、こういう鬨(とき)の声を上げるのではなくて、あえて川の中に入って、そして与党・野党、心ある者がしっかり議論していく。
我々の案に対して、自民党の中にも実は賛成だという方もたくさんいらっしゃいますから、そういった議論をしていくための足掛かりを今回得ることができた。そのことをしっかりアピールしていきたいと思っています。
代表辞意表明の感想/未納閣僚への対応と党所属議員の未納公表
【記者】改めて今回の菅代表の辞任表明をどう受け止められたかということが1つと、あと政府のほうにはまだ未納の閣僚がいますけれども、これに対してはどういう対応になっていくのかと。あと民主党議員の未納状況の調査を今日集約されたと聞いていますが、公表についてはどういう段取りになってるんでしょうか。
【幹事長】菅代表はいろいろな案件が絡まるなかで、最終的にご自身でお決めになりました。これは立派な決断だったと思います。
私も、幹事長として精一杯支えてきたつもりですが、それが十分ではなかったことは誠に申し訳ないと思っています。
それから、未納の状況ですが、我が党は今晩が締切りなんですが、大体9割ぐらい今集まっている状態ですが、まだ一部集まっていません。これは督促しています。
それが揃ったところで、私は今週末目途、つまり今の執行部の中でそれは実現したいと考えていますが、公表すると。我が党議員の納付状況について公表するということにしたいと思っています。公表するということについては了解を各議員から取っています。
その上で、自民党もきちんと公表すべきだということをしっかりと申し上げていかなければならないと思います。
同時に、未納閣僚の中で、私はその中でもいろんな理由があると思いますので、未納であること自体を攻撃するというよりは、それぞれの状況の中で、問題のある閣僚について、問題があるというのは例えば、未納の状況を知りながらしばらく公表を差し控えたとか、あるいは何らかの手違いではなくて、意図的に収めていないとか、そういうことがあれば、それはこれから参議院の審議の中で、しっかり議論していくということになります。
参議院の審議は、そういった未納の問題、そして同時に政府・与党案に対して、問題があるということをより明確にするための議論、もちろん、最終的には我が党の法案も出すことになると思います。
この辺は参議院にある程度任せていますが、私は出したほうがいいと思っていますが、この3つを、未納と政府・与党案の問題点と、そして我が党の案を出して堂々と説明するということを中心に委員会で審議していくということになると思います。
代表選出馬および新執行部入りの意思
【記者】まず、次の新代表の選任についてですが、岡田幹事長は立候補するつもりがあるかどうかということと、この新代表が選ぶ次の執行部について、この執行部に入るかどうかということついてお伺いします。
【幹事長】規約上、次の代表は基本的に選挙になるわけですが、1人しかいなければ選挙になりません。その辺のことはこれから決まってくることだと思いますが、私が立候補することはありません。
それは、今回の混乱についての責めを負っていますし、私自身、一昨年の12月に代表選挙に立候補して、そして菅さんと鳩山さんに依頼されて幹事長を引き受けてまいりました。
あのときは党の緊急事態ということで代表選挙に立候補しましたが、私自身まだまだ未熟なところがあると思っていますので、今、立候補するという気持ちはありません。
それから、執行部に入るつもりがあるかどうかということですが、私は今回のことを踏まえていますので、今そういう気には全くなれない心境です。
いずれにしても、入るとか入らないとか、それを決めるのは、新しい代表がお決めになることですから、そのご指名もないままに、入るとか入らないとか言うのは、私は不謹慎だと思っています。
まあ、もう少し有り体に言えば、かなりこの間、幹事長を受けたときに党は危機的状況でした。熊谷さんたちの離党問題、それから連合との関係も非常に悪い状況で、菅さんと二人三脚で懸命にやってきましたので、かなり疲れています。もともと、もう幹事長は9月で堪忍してもらおうと思っていましたので、それが少し早く来たと思っています。
読みたい本もありますし、家族サービスもしなければなりませんし、いろんな幅広い勉強もしたいという、それが今の心境です。
本会議採決での造反/新代表に求められる資質
【記者】2点あります。1つは、今日両院懇談会で一任を得たわけですが、我々が見ていると不満を持って退出されていった方もいらっしゃいます。ということで、明日の本会議で途中退席とか欠席とか、そういう行動を取られる議員がいるおそれがあると思うんですが、その辺をどう見てらっしゃるのかということと、それから新代表についてですが、こういった混乱を経たうえで発足するわけですが、どのような資質の方がお考えなのかということをお願いします。
【幹事長】まず、あとのほうの質問は私がコメントする話ではありませんのでコメントしません。そういう立場にはありません。
そらから、最初の問題は、これだけ長い時間をかけて議論をして、最終的に一任ということになったわけですから、党の将来を思い、参議院選挙を考えれば、そういった行動に出る議員はいないと信じたいと思っています。
新執行部による3党合意の白紙撤回
【記者】とりあえず新代表が決まるまでは現執行部に対応を一任するということが今日確認できたわけですが、明日の本会議は現執行部の方針どおり行くということなんですが、新代表が選任された場合に、3党合意の取り扱いそのものが一旦白紙に戻るということも十分あり得ると思うんですけれど、そういうことについてはどうお考えですか。
【幹事長】私はそういうことは想定していません。つまり、両院議員懇談会で一任をされて、それに基づいて決めたわけですので、そういうことはないんだろうなと思っています。
ただ、最終的に代表が決まれば、そのことまで今の私どもが縛るわけにはいきません。そういうことはないと期待しますが、それ以上のことは私は申し上げられません。
もちろん、3党間の合意に書かれたような小委員会を設ける、あるいは各党間の協議の場を設ける、そういったことがきちんと果たされないということであれば、これは3党間合意が白紙になるということもあると思いますが、私は与党が誠意を持って対応するということであれば、少なくともそれは3党間合意の当事者として申し上げれば、白紙に戻るということは想定していないと、そういうふうに思いたいと申し上げておきたいと思います。
政党間の約束というのは極めて重いという気持ちの中で、今日の役員会で3党間合意の有効性を確認したところですので、そこは是非尊重していただきたいという思いです。
党内の亀裂/多数決を取らなかった理由
【記者】今回、両院議員懇談会など党内でいろいろな意見が出たということですが、これによって党内の求心力・まとまりにヒビが入るという見方はできないのかということが1点と、今日、最終的には一任という形でやったと思うんですが、多数決のほうが分かりやすいのではないかという意見がなかったのかということと、多数決に至らなかった理由をもう一度説明していただきたいんですが。
【幹事長】まず第1の質問は、最終的に一任しようということでまとまりましたので、それで亀裂が入ったとか、そういうことはないと私は思います。
それから、なぜ多数決を取らなかったのかというのは、これは伊藤議長のお考えですから、私どもが決めることではありません。全体を見ておられて、1つは一任でまとまるという確信がおありになったんだと思います。もう1つは、多数決よりはあとに対立が残らないとお考えになった結果だと思っています。
「執行部」の定義/辞任を求めたネクスト大臣の人数
【記者】執行部一任ということですが、「執行部」とはどういうメンバーなのかということを確認させていただきたいのと、あと先ほどの『次の内閣』でネクスト大臣をお辞めになりたい方がいらっしゃったということでしたが、何人ぐらいそういう方がいらっしゃったんでしょうか。
【幹事長】最終的には納得されましたから、人数を言うつもりはありません。いずれにしても、もう金曜日までなんですね。
それから、執行部一任というのは、基本的には代表・幹事長という意味か、あるいは役員会だという意味だと理解しました。
この3党合意を決めていただいたのは役員会の場ですから、代表とご相談して役員会にお諮りをして決めていただきました。全員賛成ですから、もう少し小さな、何人か限ったなかで決めても同じ結果になったということです。
【記者】「執行部」の中には小沢代表代行は入られるんでしょうか。
【幹事長】役員会のメンバーには入っていません。
小沢代表代行の出欠
【記者】今日、小沢代表代行は両院議員懇談会に姿を見せたんでしょうか。見せてないとすれば、それについてどのようにお考えになってるんでしょうか。
【幹事長】今日、その前の役員会も含めて、私が菅代表から聞いている話は、役員会と両院議員懇への出席をお願いしたと。
役員会は求めに応じて出るという約束になっていたと思います。もちろん、必ず出るということではありませんが、必要があれば代表がお願いをして出てきていただくということになっていたと思いますが、今日は都合がつかないということで、事前の役員会も両院懇談会もご出席にならなかったということです。
【記者】出なかったことについてのご感想といいますか、どのように思われますか。
【幹事長】ご都合があってお出にならなかったことに対して、特にコメントすることはありません。
現執行部の意向を反映した新代表選任
【記者】新執行部の選出に当たって、先ほど3党合意が破棄されることはないというお答えでしたが、今後の党運営や今までやってきたことの整合性との絡みで、ある程度、現執行部の意向を反映して新たな代表なり執行部なりを擁立したいというお考えはありますか。
【幹事長】ありません。少なくとも、私はありません。
他にありますか。だんだん腹減ってきたから、もうそろそろ……。(笑)
小沢代表代行からの委任
【記者】小沢代表代行に出席を要請したけれど都合がつかなかったということは、小沢代行は役員会や両院議員懇談会について対応を委任したということになるんでしょうか。その辺の解釈はどうなんでしょうか。
【幹事長】正式な委任手続きがあったわけではありません。ただ、それは出席したメンバーの中で議論するということで理解しています。委任状が出ているわけではないですけどね。
【記者】お出にならなかったから、執行部に一任したという認識ではないわけですね。
【幹事長】そこは私には分かりません。ただ、会議というのは欠席になれば、出席している者が、定足数に足りている以上はそこで決めるというのが普通の考え方だと思います。
3党合意に関する幹事長以下執行部の責任
【記者】菅さんの責任論でもう少しお伺いしたいんですけども、未納問題ということがあったとはいえ、今回の3党合意はかなり辞任の引き金を引いたと思うんですが、この3党合意についての岡田さん、枝野さん、野田さんの責任というのは非常にまた重いと思うんですが、これは判断ミスだったとお考えでしょうか。
【幹事長】私自身に混乱を招いた責任があるというのは申し上げました。両院懇談会でも申し上げました。
いろんな理由があると思いますが、非常に短い期間の中で決断をしなければならないわけで、そういう状況の中では最善の判断をしたと私は思っています。
結果についても先ほど申し上げたように、私自身は、手続きに瑕疵があったという点については申し訳なかったと思っていますが、今回の3党合意というは国民の皆さんにしっかり理解していただけるように努力していかなくてはいけない。そこに結果が間違っていた、例えば、3党合意をしなければ良かったとは思っていません。
従来の意思決定プロセスとの違い
【記者】これまでの民主党の意思決定は平場で議論するというのが有事法制等あったと思うんですが、小沢代表代行という立場にある方が出てこなかったというのは分かりにくい、これまでの意思決定のプロセスとかなり合わないと。これは非常に説明がつきにくいと思うんですが、そこはいかがでしょうか。
【幹事長】それを説明するのは私ではありません。
混乱によるつまずきの立て直し
【記者】民主党は総選挙で躍進して、次の総選挙では政権交代を目指すということで来たわけですが、今回の混乱で正直つまずいたということがあると思うんですけども、その辺のご認識と、それからどういう具合にリカバリーしていくかということをお聞かせください。
【幹事長】私は3党合意の考え方、年金問題に対する我が党の真摯な姿勢、そういったものをしっかり説明していくなかで、むしろ単に反対する、対案を掲げて、しかし現実には反対をしている、そういった形よりは、しっかり泥をかぶってでも与党と議論をしていこうと、そういう姿勢は必ずや評価されるものと確信しています。
安全保障の問題とか、こういった社会保障の基本的な部分について、なるべく共通の基盤に立って議論していくということが、政権交代可能な政治の非常に重要な部分だと私は考えています。
5月7日
○3党合意:真面目な気持ちで考えたとき、与野党間で最低限の共通の基盤を
○政府案反対は変わらず、民主案は優れているが、いつまでも対立だけでよいか
○民主党の真面目さ、国民の立場に立って考えているということが必ず理解される
○協議機関設置は突然出てきた話ではなく、民主党案にも書いてある
○強行採決されて、民主党は反対だけしましたというよりは、国民に説明できる
○出処進退は代表が決断すべきこと、ナンバー2として支えていくのが自分の務め
○政府案には依然反対、大きな問題点があることを参院審議でも厳しく指摘
○民主党案を取り下げたわけでない、政府案より優れているという前提で議論
○3党合意を認めないということは執行部への不信任の意思表示と受け止める
○またもや代表を引きずり下ろせば、政権を担うに足る政党とは見られなくなる
年金問題に関する3党合意
【幹事長】今日は、皆さんのご関心は1点に絞られていると思いますので、先ほどの両院議員懇談会を踏まえて、現在の私なりの考え方を少し述べてみたいと思います。
3党合意について、賛否両論出ました。私としては、それまでもご説明を申し上げましたように、迷った末での決断でした。
1つは、年金制度という極めて難しい問題について、これは国民の皆さん1人ひとりそれぞれ、自らの老後の問題ですから関心が深いのは当たり前、そしてある意味では、年金所得というのは損得に直結する問題ですから、非常に政治的に困難な問題です。
その困難な問題に政治が本気に取り組んで解決していくためにどうしたらいいのかという視点で考えたときに、これはやはり今まで委員会での審議を行ってきましたが、そういう中で、与党側が与党案を振りかざし、そして、それに対して野党が反対をするというだけでは、これは解決しない問題だと思っています。
つまり共通のベースのところは、与野党で共有しながら議論しませんと、選挙もそれぞれ抱えていますから、その選挙に利用するというそういう視点が前面に出てしまいますと、いつまで経ってもまとまらないということになるわけです。
そういう真面目な気持ちで考えた場合に、やはり与野党間で最低限の共通の基盤を持つべきだと私は考えています。
スウェーデン方式とよく言われますが、スウェーデン方式というときに、出来上がった中身もさることながら、8割の議席を抱える与野党が一緒になって議論してつくり上げたと。そのやり方をもってスウェーデン方式と呼ぶこともあるわけで、私は困難な問題についてそういう形で議論していくということは、問題が困難なだけに、年金の問題については必要なことではないかと実はかねてから思ってきたわけです。
そのことと、もちろん政党ですから選挙も考えなければなりません。目の前には参議院選挙があります。参議院選挙を考えたときに、どっちが有利か不利か、幹事長としてはこのこともあわせ考えていかなければなりませんが、私は国民の皆さんの良識を信じたいと思っています。
つまり、これが談合だとか、自民党に上手くやられたとか、そういうふうに批判することは簡単ですが、同じようにずっと対立したままで本当に国民的合意が形成できるのか、私はそれはそうではないと思っています。
もちろん、今申し上げていることは、だからと言って与党案を認めるということではありません。与党案は極めて不十分な、数字の手直しに過ぎない。これは我々が以前から主張してきたとおりです。
そして、民主党の案の優れた点、消費税を導入することで国民すべてが年金を受けることができる、そして、その上に払った年金に応じて、一本化・一元化した制度の下で年金が受け取れると。いろいろな職業の変化、働き方の変化に対応できる制度であると。
そういう意味では私、民主党の案が非常に優れていると確信していますが、その優れている案、与党の中にも我々の考え方に近い人はいるわけですが、そういったものを実現していくためにも、我々野党のまま「反対、反対」と、そして「我々のほうが素晴らしい」と言っても、それは限界がある。
我々が与党になったとしても、同じように政争の具にするだけで、「反対、反対」とそのときの野党が言ったとしても、これは先に進まないのであって、そういう意味で民主党の真面目さ、国民の立場に立って考えているということが必ず理解をされるものと確信しています。
いろいろな報道等もあって、今、国民の見方は厳しいかもしれませんが、これは私たちは、これからしっかりと説明していかなければならない。あわせて、もちろん与党の問題点、いい加減さ、そして我々の案の素晴らしさ、それを主張しながら、しかし同時に、与野党の共通の合意を持つことの必要性と、そのための今回の小委員会であり、協議の場であるということをしっかり述べていかなければならない。そういうふうに感じています。
反対論の多くが、手続き論もありますが、多くは「参議院選挙が戦えない」、こういう話です。参議院選が戦えないのか、戦えるか、それは私は国民というものを一体どう見るのかということに関わってくると思います。私は真面目な議論というものが、時間はかかりますが、必ずや受け入れられると考えています。
そんなことで3党合意について、私は間違った判断をしたとは思っていませんし、手続き的には若干の瑕疵はあったかもしれませんが、役員会の皆さんの賛同も得てまとめ上げたものだと、そういうふうに考えております。
これからの国会が気の抜けたビールになるのではないか、とこういう議論も一部の方からいただきました。これは今日の役員会でも、参議院の国対委員長が「何を言ってるんだ」と。「これから政府案についての問題点を指摘し、大いに審議をしていく。自分は自信がある」と、そういうふうに参議院の国対委員長が、自ら言明されています。
それから、参院選の影響については、参議院議員会長である藁科さんが、役員会の場でも述べられましたし、他の場でも述べられておりましたが、「参議院選挙を考えた際に、合意に至ったほうが、むしろ選挙にとってもプラスである」と、こういうことを述べられているわけで、いろいろな議論があることは分かりますが、私も同じ立場に立つ者です。
いずれにしても、党の中いろいろな意見がありますが、これからさらに、しっかりと説得をしていかなければならないと感じています。
<質疑応答>
代表の未納問題との関係
【記者】真面目な議論というのは大変よく分かるんですけれども、しかし国会の冒頭にそういう話はこれっぽっちもなかったと思うんですよね。そういう与野党で共通の基盤をつくろうみたいな、そういう話し合いは、やっぱり菅さんの未納問題が出てきてから急速に湧き上がってきたように思うんですが、それがやはり、先ほど談合とかいろいろ言葉を紹介されましたけど、そういう印象につながってるんではないかと思うんですけど、その点いかがですか。
【幹事長】我々の法案を見ていただくと、協議会をつくるということは法案の中に書いてあるわけですね。
もちろん前提は、我々の考え方が受け入れられるという前提での協議会ですけれども、法案の性格上当然にそうなんですが、十分ではありませんが、議論をするための小委員会を国会の中に設ける、そして、その委員長は与党が取るけれども、副委員長を設けてそこは民主党が取るということも、内々に合意されていた話ですし、各党協議会も、これからの話し合いですけれども、カチッとしたものをつくることはできると思います。
もし、これをいい加減にすれば与党側にも大きな責任が来るわけですから、私はそういう意味で、いろいろな最近の状況の中で出てきたことだとは思いません。
附則での書き込みも含めて、あるいは3党の合意、そういったもの全体を判断する中で、私としてはこれでぎりぎり何もないまま強行採決されて、民主党は反対だけしましたと、しかし、最終的には参議院も強行採決の中で通ったというよりは、国民に対してきちんと説明ができると、そういうふうに考えています。
代表の出処進退
【記者】今日の両院議員懇談会でも相当出たようですけれども、菅代表自身の未納問題と3党合意が絡まって批判されている部分があると思うんですが、相当党内はですね、ここで一旦けじめをつけるべきだとして、辞任を求める意見を持った議員のほうが多いと思うんですけれども、代表の出処進退については現時点で幹事長、どのようにお考えになっているのか。それと、党内のこれだけ厳しい声をですね、どう吸収していこうとお考えなのかお聞かせください。
【幹事長】代表の出処進退といいますか、お辞めになるかどうかという問題、今日の両院議員懇談会でも辞めろという声は出ました。
しかし、私はそれが多数だとは必ずしも思っていません。同時にですね、これはある意味では、この党の宿命であるかもしれませんが、鳩山さんのときもそうでしたが、何かあると公開の場で辞めろという声が出てくることは、私は本当に残念なことだと思っております。
もし意見があれば、ご本人あるいは私を通じて言っていただければいいわけで、ほぼ公開に近いような場面でそういう声が出るというのは、私はある意味で党の未熟さの表れだと思っています。
この1年半、幹事長としてそういうことを克服しようとして努力をしてきましたが、新しい人が入ったということもありますが、それだけではなくベテランの方も含めて、そういう意見が出たことは私は大変残念に思っています。
出処進退は、それは代表自身が決断すべきことであって、人に言われて決めるものではないと私は思います。幹事長としては、それはナンバー2ですから、代表が続けてやるとおっしゃる限りは、それを懸命に支えていくのが私の務めだと考えています。
党内合意の見通し/参院選の争点
【記者】2つお伺いします。1つは、来週の月曜日も両院議員懇談会を開いて、恐らく『次の内閣』もでしょうか、そういう手順も含めて党内の合意を得られるかどうか、見通しについてが1つ。それから、もう1つは、参議院選挙は年金がもう争点にならないということになるんじゃないかと思うんですが、その辺の見立てを教えてください。
【幹事長】後のほうのご質問から言いますと、そういう見方をマスコミの方はされるわけですが、私は全く間違いだと思っています。
つまり、我々は政府案に賛成するわけではありません。政府案に対しては、依然として毅然と反対するし、大きな問題点があるということは、参議院の審議においても、これから厳しく指摘をしていくことになります。同時に、我が党の案は取り下げたわけではもちろんありません。我が党の案のほうが優れているという前提で議論をしていきます。
ですから、そこが参議院選挙において争点にならないということは全く考えられないわけであって、むしろ小委員会をつくり、あるいは各党協議の場をつくるということは、与党自身が今の政府・与党案が不十分であると認めているからこそ、そういったことに合意したわけですので、そういう場を通じて議論をしていく姿勢、それに対して国民の皆さんが責任野党として民主党のその姿勢、私は評価していただけるものだと考えています。
最初の質問は、月曜日の午後5時から両院議員懇談会、どこかの段階で『次の内閣』も開かなければなりません。最終的に月曜日中に方針をまとめなければなりません。
3党合意に対して、私は選択肢は2つだということを申し上げております。3党合意を認めて──今は生きているわけです、サインをしたわけですから──3党合意の中で、小委員会をつくり各党協議会をスタートしていくということにするのか、あるいは3党合意を認めないということは、これはサインをした私を含めて、今の執行部に対する不信任の意思表示と、そういうふうに受け止めざるを得ないと思います。そのどちらを選ぶかということを、党所属の国会議員の皆さん、あるいは国民の皆さんに問いかけていきたいと考えています。
【記者】先ほどの、手続き論のところで若干の瑕疵があったということで、『次の内閣』で決めるべき話だったという、ここのご説明と、今日の『次の内閣』でも、参加された方の話だと、多くの方、ほとんどの方が『次の内閣』においては3党合意に反対だという意見が多かったと聞いているんですけれども、これについて、今の話と絡みますが、月曜日の段階ですね、逆にですね、3党合意を了とすることができるのか、これについて見通しを教えてください。
【幹事長】3党合意というのは2つの中身からなるわけですね。
政策の部分、条文を追加するというのは法案の問題ですね。そういう部分と、それから、それを超える政治的な判断の部分、例えば国会の中に小委員会をつくるということは、これは政策の問題ではありません。それから、各党協議会をつくるというのも、政策の問題ではありません。
したがって、『次の内閣』に関わる部分と、そしてそういった政策に関わる部分、それは国対関係も含めて、それは役員会の所掌、一部常任幹事会もありますが、そういうことですので、そういった両方ひっくるめた話だと思います。
『次の内閣』での議論もいろいろありましたが、その中で純粋に政策の問題と、そういう責任論のようなところから発したものもありますから、そこはよく整理をしてですね、冷静に議論をしていかなければならないと思っています。今日は第1回ですから、こちらも手続きの瑕疵があったわけなので、自由にものを言っていただいたわけですが。
けじめのつけ方
【記者】今日の懇談会のほうでですね、やはり辞めろコールが非常に強かったように思うんですが、仮にですね、辞める以外のけじめのつけ方というのは何かあるのか。要は、今まで民主党は政府・与党との際立った違いというものを見せてきたと思うんですが、けじめのつけ方としては、どういうものが考えられるのでしょうか。
【幹事長】辞めろコールが多かったとは、私は認識しておりません。そういう意見もあったということです。
代表の出処進退は、代表がお決めになることであって、私がコメントすることではないと思います。代表がおやりになるという限り、私は支えていきます。
代表と執行部の責任
【記者】確認ですが、先ほど、もし合意を認められない場合は執行部への不信任と受け止めるとおっしゃいましたが、この場合もちろん、代表も執行部に入るという理解で当然いいんですか。
【幹事長】それは考え方の問題だと思いますが、そういう大きな意味合いを持つ問題だと思います。少なくとも私自身は大きな責任を負っていると、サインをしたわけですから、そういうふうに考えています。
いろいろな意味で、今日も福田さんも辞めたものですから、いろいろな意見が出るのは分かりますが、私は党所属の国会議員がそれぞれ冷静に、我々は一体何のために国会議員をやっているのか、この党をいかに強くしていくか、そういう視点でお考えいただいていることと思いますが、そういう視点で是非考えていただきたいと思います。
今日、石井先生もご発言になりましたが、鳩山さんに続いて菅さんまで、いわば引きずり下ろすような形で辞めさせられれば、それは国民に対して、民主党は政権を担うに足る政党とは見られなくなってしまう、そういう強い危機感を持っています。